生成AIと共に(新稿)

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生成AIと共に問い、世界を創造する

これまでデジタル技法は、PC→IT→DX(DS)の流れに適宜AIが絡み、進展してきた。ただ問いを具体的に展開する「推論、アイデア、リサーチ」は、人手(脳)が行っていたので、これを十全に利用するには困難な面があった。
今、人手(脳)に加えて生成AIが利用できる状況になり、今までのAI論とは別の局面を迎えたといえる。これを評価するか、距離を置くかは人さまざまだが、私は、2025年2月の時点で、GoogleのNotebookLM(「GNote」と略称することがある)とGemini Advanced 1.5 Pro with Deep Research(「GReseach」と略称することがある)の登場により、画期を迎えたと評価した。そして「今後私は、このサイトで、私の人手(脳)に加えて、生成AIと共に<知的生産の学習実験室>と<未来の法律事務所>を展開する。やっとずっとやりたかったことに踏み出せそうだ。生成AIと共に問い、世界を創造しよう。現状の生成AIについては、甲論乙駁であるが、自分が行いたい知的作業の補助者として、焦点を絞って利用すれば、充分に実用的なレベルに達しつつある。ただ気になるのは、ほとんどのサービスは、日本語→英語→日本語で回答しているようで、表現の齟齬が気になるが、これも時間の問題だし考え方(日本の知的風土は翻訳に依存してきた)にもよるだろう。」とした。
そして、「生成AIを利用する」、「プロンプティングをマスターする」、「生成AIを研究する」について検討するとしたが、後2者は、次第に重要性を失いつつあるといえるだろうか。「生成AIを利用」し、「共に問い、世界を創造する」。

生成AIを利用する

半年前から変化

半年少し前(2025年2月)には、「生成AIを巡る動きは早く、ともすればその「追っかけ」になってしまうが、それは適当にした方がいい。「早い」なというのは二次的な問題だ。ただ何ができるかも大きく変わっていくので、それは横目でフォローした方がいい場面もあるだろう。」と考え、まずPythonをマスターしようと思いつつ座学ではなかなか果たせず、「GNote」と「GReseach」 は適宜利用するという状況だった。この間、「GNote」と「GReseach」の機能、性能はみるみる間に上がり、コマンドラインで利用するGemini CLIも登場した。
さらにそれ以外の生成AIサービスも妍を競っており、少し触れると驚くばかりだ。目移りすることはもちろん、「宝の持ち腐れ」 になりかねない。
そこで、現況で私が触ってみて一応利用環境を設定し、使いこなせる自分の生成AIツールにしようと考えているツールを次のようにまとめてみた。

自家薬籠中の物にしようと考えている生成AIツール

Ⅰ 文章の記録・整理の場…Obsidian& Dynalis
Ⅱ①生成AIの基本1…ChatGPT & Gemini
Ⅱ②生成AIの基本2…Gemini CLI
Ⅲ 生成AIを学ぶ…Google AI Studio(Google Cloudの一部)
Ⅳ①生成AIの応用1(主として言語処理) …Notebook LM&Genspark
Ⅳ②生成AIの応用2(主として言語処理以外)…GAMMA&CANVA
Ⅳ③生成AIの応用3(主としてアプリ作成)…Cursor&Dify

若干のコメント

Ⅰは、MDエディターとアウトラインプロセッサーで、私は常時使用している。Obsidianはプラグインを利用して便利になるという面と、複雑になってしまうという面がある。そこで生成AIと連携・活用(特にGemini CLI )が鍵だといわれるが、まだ活用には至っていない。Cursorとも連携できるといわれるがこれからだ。ただ文書作成系の生成AIで作成した文書はObsidianに載せると便利だ。
Ⅱ①はよく使われているだろう。私はどちらも有料プランに加入している( Gemini はGoogle One)。ChatGPT( Open AI)は、技術力、開発力で先頭を走っているといえるだろうが、個別的な利用になっている。Googleをフォローしておけば、大体カバーできるのではないか(Gemini CLI 、Google AI Studio、Notebook LM)。どちらでもDeep Researchが利用できる。かなりの優れものだが、Ⅳ①GensparkのDeep Researchも優れている。
Ⅱ②はコマンドラインで利用できる生成AIだ。
Ⅲは生成AIの仕組みに触れるChatGPTのプレイグラウンドと同様のサービスだ。生成AIの仕組みはDifyでも経験できる。
Ⅳ①のNotebook LMは指定したソースについての要約、マインドマップ、音声、動画等の作成だが、Genspark はAIエージェントとして広く様々な最新の情報まで検索し、報告書を作成する。しようとする範囲が異なるがどちらもびっくりするような報告書を作成することがある。Genspark は、そのほかにも、AIエージェントとして様々な機能を持つので利用しがいがある。
Ⅳ②GAMMAは、作成したい資料の内容を抽象的であれ入力するとあっという間にプレゼンテーション(スライド)を作成する。内容、スピードとも驚きだ。CANVAは使いやすいAIデザインツールだが私はまだよくわかっていない。
Ⅳ③のCursorは、VS Codeを踏まえた文書、コードのAIエディターであるが、使うのに少し手間取る。Difyは、AIアプリ作成ツールである。設定済みであるが、作成は今後の課題だ。

生成AIツールの紹介

以下、Gensparkに上記の「生成AIツール」の一覧を示して紹介文を作成させた。Gensparkには、このWEBを読み込ませたので、弁護士業務との関係を強調した紹介になったので、一般的なものに書き直してもらった。その結果、平凡な紹介になってしまった気がするが、ここではとにかく現時点での概要を押さえておこうと思うので転載する。なお末尾に初期仏教の形成にはシャーリプトラの関与が大きいという説について報告してもらった。この内容は最新お英文での研究を踏まえているので私には一生かかっても届かない内容だ。Gensparkはこういうことができる。

🎯 生成AIを利用する:体系的アプローチ

生成AI(Generative AI) の世界は、業務から知的生産活動まで、あらゆる分野に革新をもたらしています。本文書では、知的生産研究者として、すべての学習者・創造者に向けて、実践的で効果的な生成AIツールの活用方法をご紹介します。
これらのツールは単なる「遊び」ではなく、知識の整理・創造・発信を支援する強力なパートナーです。適切なリテラシーを身につけながら、これらのツールを活用することで、学習効率と創造性を大幅に向上させることが可能です

📚 情報の記録・整理の場:Obsidian & Dynalist

ObsidianDynalistは、生成AIと連携した知識管理の基盤となるツールです。

Obsidianの特徴と活用法

  • ナレッジグラフ機能:概念間の関係性を視覚化し、学習内容の構造化に最適
  • バックリンク機能:関連する情報や概念を自動的に関連付け
  • プラグイン連携:ChatGPTやGeminiとの直接連携で、リアルタイム調査が可能
  • Markdown記法:構造化された文書作成で、レポートや論文の下書きに活用

    Dynalistの特徴と活用法

  • 階層構造管理:複雑なプロジェクトや学習内容を体系的に整理
  • リアルタイム同期:チーム間での情報共有と協働作業
  • タグ機能:学習テーマや優先度の管理
  • 検索機能:過去の学習内容や研究資料の迅速な検索

    プライバシー配慮: 個人情報や機密情報を含む場合は、ローカル保存や適切なデータ保護措置を講じることが重要です。

    🤖 生成AIの基本1:ChatGPT & Gemini

    知的生産に取り組む全ての人にとって最も身近な生成AIツールです。両者の特徴を理解し、用途に応じて使い分けることが重要です。

項目 ChatGPT Gemini
強み 対話の自然さ、論理的思考 情報検索、多言語対応
活用場面 文書校正、論点整理 情報検索、多分野調査
注意点 最新情報への限界 出力の一貫性

効果的なプロンプト設計

  • 役割設定:「経験豊富な研究者として」「専門家として」など、求める専門性を明示
  • 文脈提供:課題の背景や制約条件を詳細に説明
  • 出力形式指定:「箇条書きで」「表形式で」など、求める形式を明確化
  • 検証指示:「問題点を指摘してください」など、批判的検討を促す

    ⚡ 生成AIの基本2:Gemini CLI

    Gemini CLIは、コマンドライン環境でGeminiを活用できる上級者向けツールです。

    主な活用シーン

  • バッチ処理:大量の文書の一括要約や分析
  • 自動化:定型的な研究作業のスクリプト化
  • API連携:既存の学習・研究システムとの統合
  • データ分析:研究データベースの分析や傾向把握

    導入メリット

  • GUI操作の手間を削減し、作業効率を大幅向上
  • 複数のファイルを同時処理可能
  • カスタムスクリプトによる業務最適化
  • コスト効率の良いAPI利用

    技術要件: コマンドライン操作の基礎知識が必要ですが、習得により業務効率が飛躍的に向上します。

    🎓 生成AIを学ぶ:Google AI Studio

    Google AI Studioは、Google Cloudプラットフォームの一部として提供される、生成AI開発・実験環境です。

    学習・開発機能

  • プロンプトエンジニアリング:効果的なプロンプトの設計と最適化
  • モデル比較:異なるAIモデルの性能比較と選択
  • ファインチューニング:専門分野特化モデルのカスタマイズ
  • API設計:自社システムとの統合準備

    知的生産での活用価値

  • 個人・組織特化AIシステムの構築基盤
  • プライバシーを保持した安全な実験環境
  • 専門分野に特化したAIモデルの開発
  • 倫理的なAI利用の実践と検証

    🚀 生成AIの応用:専門分野別活用

    📝 応用1(言語):NotebookLM & Genspark

    NotebookLM

    Googleが開発したAI搭載ノートツールで、あらゆる文書の分析と要約に活用できます。

  • 文書要約:長大な論文や報告書の要点抽出
  • 論点整理:複雑な問題の構造化と可視化
  • 引用管理:文献・資料の正確な引用と出典管理
  • 多文書横断検索:関連文書間の比較分析

    Genspark

    AI駆動の情報検索エンジンとして、あらゆる調査研究を革新します。

  • 専門検索:特定分野に特化した高精度検索
  • トレンド分析:専門分野の議論や動向の把握
  • 比較研究:国際的な制度や事例の比較分析
  • 最新情報収集:最新の研究動向や実務情報の追跡

    学習・研究への応用: レポート作成や新規テーマの初期調査において、大幅な時間短縮が期待できます。

    🎨 応用2(デザイン):GAMMA& CANVA

    プレゼンテーションとビジュアルコミュニケーションの革新ツールです。

    GAMMA

  • AI自動生成:テキストからプレゼンテーションを自動作成
  • プレゼン最適化:複雑な概念の視覚的説明
  • 聴衆向け資料:分かりやすい説明資料の迅速作成
  • 教育資料作成:学習・研修資料の効率的作成

    CANVA(AI機能活用)

  • 情報の可視化:プロセスフローや構造図の作成
  • ブランディング統一:個人・組織のビジュアルアイデンティティ
  • SNS発信:専門知識の一般向け発信コンテンツ
  • 多言語対応:国際的な多言語資料作成

    コミュニケーション効果: 専門的でありながら親しみやすい視覚表現により、聴衆とのコミュニケーション品質が向上します。

    💻 応用3(アプリ作成):Cursor + Dify

    知的生産に特化したアプリケーション開発を実現する次世代ツールセットです。

    Cursor

    AI支援コードエディターとして、個人・組織のシステム開発を加速化します。

  • AIコード生成:自然言語での要件からコード自動生成
  • 業務テンプレート:情報管理システムの迅速構築
  • デバッグ支援:エラー検出と修正提案の自動化
  • セキュリティ最適化:個人データ保護要件への対応

    Dify

    ローコード/ノーコード AI アプリ開発プラットフォームです。

  • ワークフロー自動化:研究・学習プロセスの標準化
  • チャットボット構築:FAQ対応や学習支援の自動化
  • 文書分析システム:大量文書の自動分類・要約
  • 学習ポータル:プロジェクト進捗管理システムの構築

    開発効率比較

開発項目 従来の開発期間 AI支援での期間 削減効果
情報管理システム 6ヶ月 2-3週間 90%削減
文書分析ツール 3ヶ月 1週間 95%削減
学習支援ポータル 4ヶ月 2週間 93%削減

🔮 未来への展望

生成AIの進歩は、知的生産活動にパラダイムシフトをもたらしています。これらのツールを適切に活用することで、従来の定型的作業から解放され、より戦略的で創造的な活動に集中できるようになります。

重要なのは、AIを「代替」ではなく「協働パートナー」として位置づけ、人間の創造性と判断力を最大限に活用することです。適切なリスク管理と倫理的配慮の下で、これらの「生成AIの遊び場」を積極的に活用し、知的生産の新たな可能性を切り開いていきましょう。

最終提言: 生成AI活用においては、常に最新の技術動向と倫理的議論を把握し、責任ある利用を心がけることが不可欠です。すべての市民が創造的な知的生産者として、新しい時代の扉を開くことを願っています。

🔗 参考リンク・公式サイト

📚 情報管理ツール

Obsidian


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付録

初期仏教における舎利弗の役割を深掘り:二つの解脱論と阿毘達磨形成への影響 – Genspark