気候変動で読む地球史_を読む_への道標
書誌_気候変動で読む地球史 限界地帯の自然と植生から

短い紹介と概略目次
著者の紹介文
本書では、筆者がこれまで調査してきたアフリカの高山と砂漠を中心に、アンデスや日本アルプスなど他地域の調査データも含め、さらにヨーロッパの植生や東京・名古屋・大阪の地形など多角的に、気候変動が自然や植生、住民生活にどのような影響を及ぼしてきたかを、一億年から一日までのさまざまなタイムスケールで述べる。本書によって、自然や植生の変化が私たちの生活にいかに関係しているかを理解していただければ幸いである。
概略目次
- はじめに
- 第一章 一億年前の化石林と大陸移動──アフリカ大陸の形成
- 第二章 一万年の気候変動──氷河期の終わりと「緑のサハラ」
- 1 最終氷期の終わりとアフリカ
- 2 最終氷期の日本
- 第三章 一〇〇〇年の気候変動──寒冷化と自然の変化
- 第四章 一〇〇年の気候変動──温暖化にともなう氷河縮小と植生変化
- 1 氷河縮小と植生遷移
- 2 温暖化で南アルプスの「お花畑」はどう変わったのか
- 第五章 一〇年の気候変動──森林枯死と洪水
- 1 激減する降水量と森林枯死
- 2 高山地帯の二〇年間の植生変化
- 第六章 一日の気候変動──千変万化の自然と植物
- 第七章 アフリカの自然と人類の歴史
- 1 アフリカの気候
- 2 アフリカの自然的特徴と人類の歴史
- 3 アフリカの植生
一口コメント
アフリカを中心に据えるところが素晴らしい。もう少し初歩的な知識の本を先行させた方がいいか。
気候変動で読む地球史_要約と詳細目次(資料)
要旨
本書は、高山や砂漠などの「限界地帯」を主な調査対象とし、1億年から1日までの多様なタイムスケールで気候変動が地球の自然、植生、および人類の生活や歴史に与えた影響を包括的に解明する。限界地帯は、わずかな環境変化が植生に明瞭な影響を及ぼすため、気候変動の指標として極めて重要である。
本書の核心的な洞察は以下の通りである。
- 長期的変動と大陸形成:1億年スケールでは大陸移動がアフリカの地形、ナミブ砂漠の形成、さらには大陸間の生物相の類似性やマダガスカルの高い固有性など、現代の生物分布の基盤を形成した。
- 氷期・間氷期のダイナミズム:最終氷期後の1万年スケールでは、地球規模の温暖化がアフリカに「緑のサハラ」をもたらし、生態系と人類文化を大きく変容させた。日本では海面変動が陸橋を形成して動物相を規定し、氷期に形成された谷が東京・名古屋・大阪の地形(洪積台地と沖積低地)の骨格となり、現代の都市構造にまで影響を及ぼしている。
- 歴史時代の気候と人間社会:過去1000年スケールでは、中世温暖期や小氷期などの気候変動がヴァイキングの活動、モンゴル帝国の拡大、江戸時代の飢饉など世界史上の出来事と密接に関連している。ケニア山の氷河から発見されたヒョウの遺骸は、アフリカにおける同時代の気候変動の物証となる。
- 現代の温暖化の影響:過去100年から10年スケールでは、人為的要因による急速な温暖化が顕著である。アフリカやアンデスの高山では氷河が劇的に後退し、植生の生育上限が上昇している。日本の南アルプスでは温暖化がニホンジカの生息域を拡大させ、「お花畑」の植生を変化させる「シカ害」を引き起こしている。
- 極限環境の適応戦略:1日スケールでは、熱帯高山における著しい日較差がジャイアント・セネシオなどの大型植物に夜間の凍結を防ぐ独自の適応を促し、凍結融解作用が「構造土」と呼ばれる特異な地形を形成している。
総じて本書は、気候変動が単なる環境問題ではなく、地球の地形、生態系、人類史を貫く根源的な駆動力であることを、世界各地の限界地帯での長期的フィールドワークに基づき重層的に論証している。
第1章:1億年スケール:大陸移動とアフリカ大陸の形成
1億年という地球史的スケールでは、プレートテクトニクスによる大陸移動が現在の地球環境の骨格を形成した。特にアフリカ大陸の自然環境は、ゴンドワナ大陸の分裂過程と密接に関連している。
- ゴンドワナ大陸と化石林:ナミビアのナミブ砂漠周辺には、約2億8000万年前の樹木(ダドキシロン・アルベリ)の化石林が広がる。この樹木は寒冷湿潤な気候に適応した種であり、当時ナミビアが南極点に近く、南部アフリカが広く氷河に覆われていたことを示唆する。大陸移動に伴いアフリカが現在の位置に移動したことで気候が大きく変化した。
- 大陸分裂と生物分布:ゴンドワナの分裂は現在の生物分布にも影響を与えている。
- アフリカの熱帯林は中南米の熱帯林とマメ科を主体とした類似性を示し、約30%の属が共通する。これはかつて両大陸が一体であった名残である。
- マダガスカル島は約8800万年前にインド亜大陸から分離して以降孤立し、多くの固有種を生んだ。
- ナミブ砂漠の形成:ナミブ砂漠の形成は大陸分裂後の地形変化と海流の影響による。
- 砂の供給源:約1億2800万年前のアフリカと南米の分裂後、ドラケンスバーグ山脈の岩盤が風化してできた砂がオレンジ川で河口に堆積し、海流で北に運ばれて南西風により内陸へ吹き込まれて砂丘を形成した。
- 赤い砂の理由:砂丘の砂は石英粒で、その表面に鉄分がコーティングされている。内陸へ運ばれる時間が長いほど風化が進み鉄分が酸化して酸化鉄(錆)となるため、海岸近くは白く、内陸に行くほど赤みを増す。
- アフリカ大陸の地形的特徴:大陸分裂時のプレート運動で特徴的な地形が形成された。
- 皿状の地形:大陸周縁部が高く内陸部が相対的に低い「皿状」の地形をなす。南東部は「高いアフリカ」、北西部は「低いアフリカ」と呼ばれる。
- アフリカ大地溝帯(リフトバレー):東アフリカを南北に縦断する全長約7000kmの巨大な谷で、「広がる境界」にあたり、年に約5mmずつ拡大し火山活動が活発である。キリマンジャロやケニア山はこの火山活動で形成された。
- イーストサイドストーリーの変遷:かつて大地溝帯の隆起が東アフリカを乾燥させ、類人猿がサバンナに出て二足歩行を始めたとする「イーストサイドストーリー」が提唱されたが、その後の化石発見や年代研究により現在では撤回されている。
第2章:1万年スケール:最終氷期後の気候変動
最終氷期(約7万~1万年前)の終焉とその後の完新世は地球環境を劇的に変化させた。
アフリカ:「緑のサハラ」と生態系の変化
- 最終氷期最盛期(約2万年前):アフリカは冷涼で極度に乾燥し、サハラ砂漠は拡大、熱帯雨林はコンゴ盆地東部など3か所の「避難所」へ大幅に縮小した。これらの避難所の分布は現代のゴリラの生息域と一致し、氷期の環境変化が現在の生物分布を規定していることを示す。
- 「緑のサハラ」(約8000~6000年前):氷期後の温暖化でアフリカは広範囲に湿潤化し、サハラは草原やサバンナに覆われ、川や多くの湖が形成された。アルジェリアのタッシリ・ナジェールの岩壁画にゾウ・キリン・カバ・サイなどが描かれていることは当時の豊かな生態系の証拠である。
- 乾燥化と民族移動:約4500年前からの地球的寒冷化でアフリカは急速に乾燥化し、サハラの乾燥化が牧畜民の南下を促してバントゥー系住民の南方拡散(バントゥー拡散)が始まったと考えられている。
日本:氷河期が形成した現代の地形
最終氷期は日本列島の自然環境と現代の都市景観に深い痕跡を残している。
- 海面低下と生物相:最終氷期には海面が約120m低下し、北海道は大陸と陸続きとなりマンモスなどが渡来した。津軽海峡は陸続きとならなかったため北海道と本州の動物相の違いは「ブラキストン線」と呼ばれる境界になった。
- 氷河地形:最終氷期最盛期には日本アルプス(標高約2500m以上)や日高山脈(約1600m以上)に氷河が存在し、「カール」や「モレーン」などの氷河地形が現在も残る。
- 大都市の地形形成:海面低下とその後の上昇は東京・名古屋・大阪など大都市の地形の基盤を形成した。
- 洪積台地と沖積低地:
- 最終氷期:海面低下により河川が深い谷を刻んだ(下刻作用)。
- 氷期後:海面上昇に伴い刻まれた谷に泥が堆積した(埋積作用)。
- 東京の例:
- 新宿(淀橋台)や目黒(白金台地)は氷期以前からの固い地盤である洪積台地(山の手)。
- 渋谷や品川は氷期に河川が削った谷に泥が堆積してできた軟弱地盤の沖積低地(下町)。
- この地形差がJR山手線の線形や高層ビルの立地に影響している。
- 名古屋・大阪の例:
- 名古屋城は洪積台地である熱田台地の北西端に築かれ、縄文海進期には海が近接していた。
- 大阪の上町台地は縄文海進時の海食崖が見られ、台地の北端に大坂城が築かれた。
第3章:1000年スケール:中世温暖期と小氷期
過去1000年の気候は温暖期と寒冷期を繰り返し、人類史に大きな影響を与えた。
- 気候変動と世界史:
- 温暖期(8~11世紀):ヴァイキングがグリーンランドへ進出するなど活動が活発化。日本では平安王朝が繁栄した。
- 寒冷期(13世紀~):モンゴル帝国はステップの回廊を利用して勢力を拡大した。
- 小氷期(14~19世紀):ヨーロッパではペストの大流行や魔女狩りの頻発、日本では天明・天保の大飢饉などが発生した。
- ケニア山のヒョウの遺骸:
- 著者は1997年、ケニア山のティンダル氷河(標高約4600m)からヒョウの遺骸を発見し、放射性炭素年代測定で900~1000年前のものと判明した。
- これは世界的に温暖だった時代から寒冷期へ移行する時期と一致し、温暖期に高地へ進出したヒョウが寒冷化で氷中に閉じ込められ、20世紀以降の温暖化で再び姿を現した可能性を示す。世界的な気候変動がアフリカでも起きていた重要な証拠である。
- ナミブ砂漠の環境変遷:
- クイセブ川流域の砂丘に埋もれたアカシアの枯死木の年代測定から、約600年前(550±50 BP)と約400年前(300±60 BP)にアカシアが枯死したことが判明した。これは約600年前の湿潤期の後に乾燥化が進み、約400年前から砂丘の拡大が始まったことを示唆する。
第4章:100年スケール:地球温暖化と生態系の応答
20世紀以降、特に近年は人為的要因による急速な地球温暖化が進み、限界地帯の生態系に顕著な変化をもたらしている。
アフリカ・アンデス高山帯:氷河縮小と植生遷移
- アフリカ高山の氷河縮小:キリマンジャロ、ケニア山、ルウェンゾリ山の氷河は急速に縮小しており、今後10~20年で消滅する可能性が指摘されている。ケニア山麓では過去約50年で気温が2℃以上上昇しており、温暖化が氷河縮小の主因と考えられる。
- 植生の垂直移動:ケニア山ティンダル氷河での長期追跡調査により、氷河後退速度は1997年以降年間10mを超えるペースで加速している。氷河後退跡地にはセネキオ属などの先駆植物が山頂方向へほぼ同じ速度で拡大し、大型植物のジャイアント・セネシオも土壌改善と温暖化により生育範囲を上方へ広げている。
- アンデス山系の植生変化:ボリビアのチャルキニ峰でも氷河後退に伴う植生遷移が確認された。異なる年代のモレーンを比較すると、古いモレーンほど風化が進み土壌が発達し、植被率や種数が多い。氷河末端付近にはケニア山と同様にキク科セネキオ属が生育し、極限環境での先駆種の共通性が見られる。
日本アルプス:「お花畑」の変容
- 「お花畑」の成立要因:南アルプスの「お花畑」は、稜線の鞍部など谷風が吹き抜けることで局所的に森林の成立が妨げられた場所に形成されることが多い。
- 温暖化とシカ害:1980年代と2010年代の比較調査で、30年間に「お花畑」の植生が大きく変化したことが判明した。
- 原因:温暖化によりニホンジカが冬を越しやすくなり、従来生息していなかった亜高山帯上部まで行動範囲を拡大した結果、シカによる食害(シカ害)が深刻化した。
- 植生の変化:かつてシナノキンバイなどが優占していた三伏峠や聖平の「お花畑」では、シカが食べない有毒植物(ミヤマバイケイソウ、ホソバトリカブト)や嗜好性の低い植物(マルバダケブキ)が優占する植生へ変化した。森林限界以上の高山帯では温暖化によるガンコウランなどの増加傾向が見られるが、現時点ではシカ害の影響は及んでいない。
第5章:10年スケール:近年の極端な気候変動
過去10~20年の短期間でも気候の極端化が限界地帯の自然と人々の暮らしに大きな影響を与えている。
ナミブ砂漠:森林枯死と地域住民への影響
- 洪水と森林の動態:季節河川クイセブ川沿いの森林は不定期に発生する洪水の水分涵養に依存している。1980年代に洪水がほぼ発生しなかった期間には森林が大規模に枯死したことが年代測定で示されている。一方で2006年や2011年には観測史上最大級の降水・洪水があり、アカシアの稚樹が一斉に芽生えるなど景観が大きく変化した。
- トップナールとナラメロン:クイセブ川流域のトップナールと呼ばれる人々は、固有種ウリ科植物「ナラ(!Nara)」の果実(ナラメロン)を主食とし、種子を売却して現金収入を得るなどナラに深く依存してきた。ダム建設や近年の干ばつによる洪水量の変化はナラの生育に影響を与え、彼らの生活を脅かしている。近年はナラ種子から採れるオイルが化粧品として商品化され、現金収入源としての重要性が増している。
- 砂漠ゾウとの共存:ナミブ砂漠北部の河畔林には砂漠ゾウが生息する。地元住民はゾウを見に来る観光客からの収入で生計を立てるが、ゾウが樹皮を剥ぐなどして森林にダメージを与えており、脆弱な河畔林を介した「ゾウと住民の共存」は非常に微妙なバランスの上に成り立っている。
高山帯:温暖化による植生分布の変化
- アンデスにおける生育上限の上昇:ボリビアのチャカルタヤ山では1993年から2013年の20年間で植物の生育上限高度が地質条件により20~60m上昇したことが確認され、近年の温暖化が直接的原因と推定される。
- 木曽駒ヶ岳での温暖化実験:中央アルプス木曽駒ヶ岳で1995年から20年間行われたオープントップチャンバーによる気温1~2℃上昇の実験で、以下の変化が観測された。
- 生活史の変化:ウラシマツツジなどでは葉が緑である期間が約1ヶ月延伸した。
- 種の競合の変化:ガンコウランやミネズオウが勢力を拡大する一方、イワウメは減少した。ガンコウランは温室内で枝の伸長量が有意に増加した。
- この実験は、わずか1~2℃の上昇でも高山植物の生活史や種間競争に変化が生じ、植生分布が大きく変わり得ることを示した。
第6章:1日スケール:日較差と極限環境への適応
気候変動は長期的なものだけでなく、1日という短い時間スケールでも限界地帯の生物に大きな影響を与える。
- 気温の日較差と年較差:
- 低緯度(熱帯):年較差は小さいが日較差が大きい。
- 高緯度(温帯):日較差は小さいが季節による年較差が大きい。
- 熱帯高山植物の適応戦略:赤道直下のケニア山などでは、日中は10℃以上になるが夜間は氷点下に下がる。これに適応して植物は独自の生存戦略を発達させている。
- ジャイアント・セネシオ/ロベリア:大型の半木本性ロゼット植物は夜間に葉を固く閉じて成長点を凍結から守る。ロゼット中央に不凍液や水をためて断熱材とする構造を持つ。
- 凍結融解作用と構造土:夜間に地中の水分が凍結し、日中に融解する「凍結融解作用」は地表の土砂を動かし、「構造土」と呼ばれる幾何学的模様(礫質多角形土、条線土など)を形成する。こうした地形は地表が不安定で植物の生育が極めて困難なため、ごく一部の特殊植物に限られる。
7章:アフリカの自然と人類史の概観
アフリカ大陸の多様な自然環境は地球規模の大気循環と大陸の地史によって形成され、そこで生きる人々の歴史や文化と深く結びついてきた。
この地域は極めて高い生物多様性を持つ一方で、人間活動による破壊の危機に瀕した「生物多様性ホットスポット」に指定されている。
アフリカの気候と植生:
熱帯収束帯(ITCZ):貿易風が収束するITCZの季節的南北移動がアフリカの雨季と乾季を決め、熱帯雨林、サバンナ、ステップ、砂漠といった植生帯の分布を規定する。
主な植生帯:
熱帯雨林:赤道周辺の多雨地域に分布し多様な樹種からなり、ゴリラやチンパンジーなど大型類人猿が生息する。
サバンナ:アフリカの約45%を占め、雨季と乾季があり落葉広葉樹が点在する草原。シロアリ塚が特徴的。
砂漠:サハラとナミブが二大砂漠。スイカやナラメロンの原産地で、根を深く伸ばして水分を果実に蓄える植物の適応が見られる。
ケープ植物界:生物多様性のホットスポット
南アフリカのケープタウン周辺は、狭い範囲に独立した植物区系「ケープ植物界」を形成している。
特徴:維管束植物が約8,550種分布し、そのうち約73%(約6,252種)が固有種である。単位面積あたりの種数は他地域を圧倒する。
要因:地中海性気候の規則的で安定した冬季降水が植物の世代交代を容易にし、急速な種分化を促したと考えられる。
- はじめに
- 第一章 一億年前の化石林と大陸移動──アフリカ大陸の形成
- ナミビアという国/ナミブ砂漠にころがる化石林とゴンドワナ大陸
- 大陸移動説とプレートテクトニクス/地表に姿を現した化石林
- ナミブ砂漠の形成/ナミブ砂漠の砂はなぜ赤いのか
- アフリカ大陸の地形的特徴/「広がる境界」と「せばまる境界」「ずれる境界」
- アフリカ大地溝帯/イーストサイドストーリー
- 第二章 一万年の気候変動──氷河期の終わりと「緑のサハラ」
- 1 最終氷期の終わりとアフリカ
- 最終氷期の最盛期、地上に降りたゴリラ/最終氷期の気候変動と自然の変化
- 一万年間のアフリカの気候変動と自然や社会/緑のサハラ
- 湿潤期の到来と旧石器文化の繁栄/ヨーロッパの最終氷期の植生と現在の植物分布
- 2 最終氷期の日本
- 気候変動と日本の生物分布/日本の山々に残された氷河期の痕跡
- 氷河と山手線の駅の不思議な関係/最終氷期以降の気候変化と東京の地形
- 山手線の車窓からわかる東京の地形/最終氷期以降の気候変化と名古屋の地形
- 最終氷期以降の気候変化と大阪の地形/日ごろのニュースや事件と氷河時代の地形
- 第三章 一〇〇〇年の気候変動──寒冷化と自然の変化
- 一〇〇〇年間の気候変動と世界の歴史/ケニア山の氷河の縮小とヒョウの遺骸の発見
- 一〇〇〇年間の気候変動とアフリカの自然変化/ナミブ砂漠の拡大する砂丘
- ナミブ砂漠のアカシアはいつ枯死したのか
- ナミブ砂漠に一〇〇〇年以上生きるウェルウィッチア(奇想天外)
- 第四章 一〇〇年の気候変動──温暖化にともなう氷河縮小と植生変化
- 1 氷河縮小と植生遷移
- 劇的に変化を遂げるアフリカ/ケニア山の氷河縮小と植生遷移
- ケニア山の氷河縮小/氷河の後退とともに山を登っていく植物
- 温暖化とケニア山の植生遷移/キリマンジャロとルウェンゾリの氷河縮小
- アフリカの一〇〇年間の気候変動が自然や社会に与えた影響
- アンデスの氷河変動と植生遷移
- 2 温暖化で南アルプスの「お花畑」はどう変わったのか
- 森林限界と「お花畑」/「お花畑」の成因と温暖化によるシカ害の増加
- 南アルプス高山帯の植生変化
- 第五章 一〇年の気候変動──森林枯死と洪水
- 1 激減する降水量と森林枯死
- ナミブ砂漠の季節河川沿いの森林の変化/トップナールの人々
- ナミブ砂漠に自然に生えているナラメロンとそれに依存している地元住民
- 現金収入源としてのナラ/砂漠ゾウと地元住民の微妙な関係
- 人間にとっての森林
- アフリカにおける数十年間の気候変動と自然や社会に与える影響
- 2 高山地帯の二〇年間の植生変化
- ボリビアアンデスのチャカルタヤ山における植物の生育上限高度の二〇年間の変化
- 木曽駒ヶ岳における温暖化実験による高山植生の二〇年間の変化
- 第六章 一日の気候変動──千変万化の自然と植物
- 気温の日較差と年較差/凍結融解作用と構造土
- 第七章 アフリカの自然と人類の歴史
- 1 アフリカの気候
- 大気の大循環と世界の気候区/熱帯収束帯が「気候」におよぼす影響/アフリカの気候
- 2 アフリカの自然的特徴と人類の歴史
- 大地溝帯とモンスーン──東アフリカ/世界有数の多雨地域──西アフリカ
- ギニア・モンスーンと熱帯雨林──中央アフリカ
- カラハリ盆地、ナミブ砂漠、マダガスカル──南部アフリカ
- ナイル川とサハラ砂漠──北アフリカ
- 3 アフリカの植生
- 熱帯雨林の植生/熱帯雨林の南に広がるミオンボ林
- 熱帯雨林で暮らすゴリラ/サバンナの植生/サバンナのシロアリ塚
- ステップの植生/砂漠の植生/スイカがなぜ砂漠で生まれるのか
- ケープ植物界
- 引用・参考文献
- あとがき
Mのコメント(内容・方法及び意味・価値の批判的検討)
ここでは、対象となる本の言語空間がどのようなものか(記述の内容と方法は何か)、それは総体的な世界(言語世界)の中にどのように位置付けられるのか(意味・価値を持つのか)を、批判的思考をツールにして検討していきたいと思います。ただサイト全体の多くの本の紹介の整理でアタフタしているので、個々の本のMのコメントは「追って」にします。