導入
「ヒトであること_身心論・行動と思考」において、ヒトの「行動」と「思考」の有り様を見極め、いかにこれを制御するかの基本を検討した。「残された日々の行動を変革する_実行論」は、そこに適示した「行動基礎論」の「行動分析学」、「行動科学」、「行動経済学」を前提とする。ここで検討すべき課題は、自身の行動と思考を制御し、「目標を達成し、依存から脱却する」にどうするかということである。ここでは「残された日々の行動を変革する_実行論」の核心である「目標の達成と依存からの脱却」スキルを習得しなければならない。
ここでは「行動基礎論」の「応用論」としての「実行論」を検討する。「実行論」なのだから、「見る前に跳べ」ではあるのだが、人の失敗(成功)に学ぶべき点は多い。ただこの分野は、本の収集家になっても仕方がないので、本との付き合いはほどほどにして、某かのことでも楽しく少しでも取り組めればいいのだろう。
ところで少し以前に、「目標の達成と依存からの脱却 序説」を投稿したが、そこで自前で「目標の達成」と「依存からの脱却」を併せて検討するための「論点表」を作成した。まずこれから検討しよう。
「目標の達成」と「依存からの脱却」論点表
「目標の達成」と「依存からの脱却」の両者とも⑧「習慣論」が支えとして重要だが、それぞれは共通する①から⑤の要素から分析できるが、表(おもて)に出るのは、「目標の達成」は、⑥「様々な技法(モチベーション)」であり、「依存からの脱却」は、⑦「脳のリセット」(実質は④「心身論とマインドフルネス」)であると分析した。まずこの「論点表」を踏まえて「基本書」を紹介しよう。
| 目標達成と依存からの脱却の論点表 | ||
| 習慣論 ⑧ | 目標の達成 | 依存からの脱却 |
| 様々な技法(モチベーション) ⑥ | 脳のリセット ⑦ | |
| 先延ばし ⑤ | ||
| 心身論とマインドフルネス ④ | ||
| システム1とシステム2 ③ | ||
| 報酬系 ② | ||
| ヒトの行動と思考(刺激-行動-報酬) ① | ||
論点表に基づく基本書
①②③について
①②について、ヒトの行動と思考が「刺激-行動-報酬」のループにあること、そして報酬系が重要であることに立脚して展開している次の2冊を基本書とした。
- 快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか:デイヴィッド・J・リンデン
- あなたの脳は変えられる 「やめられない!」の神経ループから抜け出す方法:ジャドソン・ブルワー;Carving Mind

③はカーネマンを見てもらえば良い。
④⑦について
④は、個の自立を支える、行動と思考の方法の基盤である。上記ⅱはこれに言及している。私の好みは、「なぜ今、仏教なのか―瞑想・マインドフルネス・悟りの科学 :ロバート ライト」 や、「心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明 :ダニエル・ゴールマン 、 リチャード・J・デビッドソン」 であるが、心身を伸びやかに機能させるものであれば、何でもいいわけである。⑦は、④でカバーしよう
- なぜ今、仏教なのか―瞑想・マインドフルネス・悟りの科学 :ロバート ライト
- 心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明 :ダニエル・ゴールマン 、 リチャード・J・デビッドソン

心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明 :ダニエル・ゴールマン 、 リチャード・J・デビッドソン(Amazonにリンク)
⑤について
さらに①から④が整っても⑤「先延ばし」の魔の手が伸びてくる。次の本は、「私は、先延ばしをライフワークにしてきた人間だ。先延ばしの研究者としても、先延ばしの実践者としても、長年にわたり経験を積んできた」著者の書で、いろいろなことが書かれているが、その考案した「先延ばし方程式」から、先延ばしという悪癖を克服するための戦略も割り出せたということだから楽しみだ。①~④を踏まえて読み込めば、⑥⑦もカバーしている。
3.ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか:ピアーズ・スティール

⑥「様々な技法」について
⑥「様々な技法」は、それこそ汗牛充棟なので、次の2冊を挙げておこう。
- 目標達成の技術 ペンタゴン式:カイゾン・コーテ
- すぐやる、続ける、やり抜く力: 100冊読んで分かった!目標達成力を高めるシンプルな方法:習慣化研究会


⑧について
⑧習慣論は、様々な分野、問題に渡っていて使いにくいものが多いが、当面、次の3冊を検討しよう。
- 習慣の力 The Power of Habit:チャールズ・デュヒッグ
- ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣:ジェームズ・クリアー Atomic Habits
- スマート・チェンジー悪い習慣を良い習慣に作り変える5つの戦略:アート・マークマン

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検討すべき課題と構成
課題
上記で「目標達成と依存からの脱却 序説」に基づいて「論点表」と「基本書」を作成した。また最近、これに関して「 すぐやる、続ける、やり抜く力_を読む」を紹介しており、これを応用した「「始める」「続ける」「やり抜く」ための目標・課題・タスク」という記事も作成した。後2者は、選り取り見取りというスタンスで、頭の整理にはいいのだが、私の整理ではないので、「論点表」を起点により広がりのある私の行動変革論を検討しよう。



構成
「論点表」を起点とした広がりのある私の行動変革論の全体の構成は、下記のとおりである。
1.「目標を達成する」では、まず正面から「様々な技法」(モチベーション)を検討しよう。
そして「目標を達成する」の一分野ではあるが、固有の方法論が探求される「上達する・創造する」と「学習する・表現する」を別に検討し、これらに共通する技法として、「瞑想と呼吸-心身論とマインドフルネス」を取り上げる。
更に「目標を達成する」ことと並んで大きな位置を占める2.「依存を脱却する」方法を考察する。これには、単純な「瞑想と呼吸」プラスαが必要なようだ。
3.「習慣を変える」は、以上を視点を変え「目標達成と依存からの脱却」を支える基本手法といえるであろう。
さらにの応用として4.「自然を経験する」という項目を設定した。様々な意味合いがあるが、宇宙、地球、世界、自然の一部に自分が存在し、日常はその中で営まれているという「現実感」を持つこと、自然の中で自分を解放すること、何より自然を経験するということは楽しいこと等々、その意味、価値は、甚大だ。
当面、ここでは「構成」のみを掲記し、いささか未整理だが、下位項目の「実行する」で詳細に検討する。
記
- 目標を達成する
- 様々な技法(モチベーション)
- 上達する・創造する
- 学習する・表現する(インプット・アウトプット)
- 瞑想と呼吸(心身論とマインドフルネス)
- 依存を脱却する
- 習慣を変える
- 自然を経験する
- 地球を学ぶ
- 身近な自然
- 遠くの自然
