グループ・ダイナミックス_への道標
書誌_グループ・ダイナミックス:釘原直樹

短い紹介と大目次
短い紹介
本書は、グループ・ダイナミックス(集団と群集の心理学)に関する包括的な概論であり、集団の機能、構造、パフォーマンス、および意思決定といった主要なテーマを掘り下げている。著者は、世間知や箴言といった日常的な知恵と、社会心理学の実証的な知見や理論を対比させ、集団行動の理解にこれらの両側面がどのように関連するかを示している。特に、集団におけるモチベーションの低下現象である社会的手抜き(ソーシャル・ローフィング)や、スポーツにおけるホーム・アドバンテージ、そして集団の合意形成の難しさ(例:集団意思決定の問題点)について、実験データや実例を用いて詳細に分析している点が特徴的である。最終的な目的として、集団のダイナミクスを学ぶことが、個人の特性を理解し、世間知に実証的基盤を提供することにつながると論じている。
大目次
- 第I部 集団
- 第1章 集団とは何か
- 第2章 集団のパフォーマンス
- 第3章 集団意思決定
- 第II部集合と群集
- 第5章 集合・群集の行動
- 第6章 集合行動の理論
- 第7章 群集行動の実証的研究-アーカイブ分析,野外実験
- 第8章 危機事態の行動-パニック
- 第9章 危機事態の行動の実証的研究
- 第10章 スケ~プゴ~卜現象
- 第11章 テロリズム
- 引用文献
- 事項索引
- 人名索引
一口コメント
要約と詳細目次
「グループ・ダイナミックス:集団と群集の心理学」に関するブリーフィング・ドキュメント
要旨
本書はグループ・ダイナミックス(集団力学)の包括的解説である。核心は、伝統的な小集団研究の枠を超え、パニック、暴動、テロリズムなど非日常的で大規模な「集合行動」の心理学的メカニズムに重点を置いている点にある。著者は実験室実験、フィールド実験、アーカイブ分析、面接調査など多様な実証的手法を駆使し、集団および群集における行動原理を多角的に解明する。
主要なテーマは以下の通りである:
- 集団の基礎理論とパフォーマンス:集団の定義、機能、発達段階、構造(規範、役割、ネットワーク)といった基本概念から、集団の生産性に影響する要因(成員構成、課題、評価)、特に「社会的手抜き」や「社会的促進」といった現象を、具体的な実験データ(著者自身の綱引き実験を含む)とともに詳述する。
- 集団意思決定の問題点:集団が個人より常に優れた決定を下すわけではないことを示し、「共有情報バイアス」「集団極化」、ジャニスの「集団的浅慮(グループシンク)」のメカニズムを、ピッグス湾事件や太平洋戦争開戦決定などの歴史事例を用いて分析する。
- 危機事態における人間行動:「パニックは本当に起きるのか」という問いから出発し、危機時の行動を非合理的とする「非理性モデル」と合理的・適応的とする「理性モデル」を検証する。ガルーダ航空機事故の生存者調査や独自の実験を通じ、物理的脅威下では援助やリーダーシップなど理性的行動が顕在化する一方、対人的密集状況では非理性的同調や追従が誘発されることを示す。
- 多様な集合行動の分析:デモ、暴動、リンチなど敵意に基づく行動、流行や行列など興味・娯楽に基づく行動、パニックや集団ヒステリーなど恐怖に基づく行動を分類し、それぞれの発生メカニズムを解説する。特に流言の伝播(R = i × a)、スケープゴート対象が個人から社会システムへ変遷する「波紋モデル」、テロリズムの人口統計学的・心理学的要因(若者人口比率など)といった独創的分析が展開される。
総じて本書は、理論的枠組みを提示するだけでなく、スポーツのホームアドバンテージから災害時の避難行動、テロリズムの原因に至るまで、具体的社会現象を実証データに基づいて分析し、学術的知見と実践的示唆を提供する。
第I部:集団の心理学
1. 集団の基礎理論
集団の定義、機能、発達
- 集団の定義:集団は単なる人の集まりではなく、「共通運命」「役割・地位の構造」「対面による相互作用」「集団アイデンティティ」といった要素を持つ。これら要素の強さは「集団実体性(group entitativity)」として認識され、相互作用、重要性、類似性、持続性、共通目標、共通結果の6特性と正の相関を示し、浸透性やサイズとは負の相関を持つ。
- 集団の機能:人々が集団を形成する理由は主に次の4点である。
- 生存・欲求充足:愛情や親密さを求める欲求の充足(有配偶者の平均余命が長い等の統計的示唆を含む)。
- 課題達成:個人では不可な大規模課題の達成(例:ピラミッド建設)。
- 自己・世界の理解:他者比較を通じた自己評価と、他者の同意を通じた世界理解の枠組み獲得。
- アイデンティティ確立:社会的アイデンティティの提供と自己肯定(戦時の自殺率低下などに関連)。
- 集団の発達段階:タックマン(Tuckman, 1965)は集団の発達を次の5段階とした。
- 形成 (Forming):メンバーが互いを知り遠慮がちに行動する。
- 波乱 (Storming):リーダーシップや構造をめぐる競争・葛藤が生じる。
- 規律成立 (Norming):目標が明確化し規範が成立、凝集性が高まる。
- 課題遂行 (Performing):協力して課題遂行に集中する。
- 離散 (Adjourning):目標達成または失敗により解散する。
集団の構造:規範、役割、ネットワーク
- 集団規範:成員が共有する標準的な考え方や行動様式。ジャクソン(Jackson, 1960)の「リターン・ポテンシャル・モデル」は、規範が理想とする行動(最大リターン点)、許容範囲、規範強度を記述する。女子短大のカンニング事件追跡では、大学当局の厳罰が逆に学生の規範を寛大化させる逆効果を示した。
- 役割と地位:相互作用を通じて役割は分化する。問題を抱える家族では「ヒーロー」「スケープゴート」「失われた子」「マスコット」などの役割分化が見られる。地位は目標達成への貢献能力の認知で決まるが、性別や年齢など無関係な要因も影響し、「予言の自己成就」の循環を生むことがある。
- ネットワーク:人間関係には感情関係の構造(ソシオメトリー)と情報伝達の構造(コミュニケーション・ネットワーク)がある。ネットワーク型(ホイール型、サークル型など)は課題の複雑さによってパフォーマンスに影響する。一般に中心性の高い構造(ホイール型)は単純課題で効率的だが、複雑課題では情報が中心に飽和し、中心性の低い構造(完全連結型)が有利になる。
2. 集団のパフォーマンス
パフォーマンスに影響を与える要因
集団のパフォーマンスは成員の能力だけでなく複数要因で決定される。
- 成員構成:成員能力が高いほどパフォーマンスは向上する傾向がある(野球では選手能力と勝率の相関が0.94)が、多様性も重要である。ハリソンとクライン(Harrison & Klein, 2007)は多様性を以下の3類型に分ける。
- 分離 (Separation):価値観・意見の違い。小さい方が葛藤が少ない。
- 多様な個性 (Variety):知識・専門性の違い。大きい方が潜在能力が向上する。
- 不平等 (Disparity):権力や地位の違い。正当性がなければ闘争を生む。
- 課題の性質:スタイナー(Steiner, 1972)は課題を次のタイプに分類した。
- 加算的課題:個人貢献が合算される(例:綱引き)。社会的手抜きが起こりやすい。
- 補正的課題:個人判断が平均化される(例:フィギュアスケートの採点)。
- 分離的課題:集団で一つの解答を出す(例:クイズ)。優れた成員の能力が反映されやすいが必ずしもそうとは限らない。
- 結合的課題:最も能力の低い成員によって成果が決まる(例:集団登山)。
- 評価:評価には「業績」「感情・雰囲気」「学習」の3次元がある。業績のみを重視する成果主義は競争を過度に促し組織の雰囲気を悪化させる問題が指摘される。評価基準には絶対評価と相対評価があり、それぞれ長所と短所がある。
社会的手抜きと社会的促進
- 社会的手抜き (Social Loafing):集団作業時に一人当たりの努力量が低下する現象。リンゲルマン効果(集団サイズ増大に伴う生産性低下)は「動機づけの低下」と「調整の難しさ」に起因する。著者の綱引き実験では日本人男子学生に明確な社会的手抜きが観察され、女性は男性ほど手抜きをしないという性差が示された。
- 社会的促進 (Social Facilitation):他者の存在により個人の作業効率が向上する現象。単純で慣れた課題では促進されるが、複雑で不慣れな課題では逆に効率が低下する(社会的抑制)。ザイアンス(Zajonc, 1965)の「動因理論(優勢反応の生起)」や「評価懸念説」で説明される。
- ホーム・アドバンテージとチャンピオンシップ・チョーク:社会的促進の応用例としてスポーツのホーム有利がある。一方、極度のプレッシャー下ではホームチームのパフォーマンスが低下する「チャンピオンシップ・チョーク」も報告され、日米プロ野球シリーズの分析で文化を超えて存在する可能性が示唆された。
3. 集団意思決定
意思決定の問題点
集団意思決定は個人より優れているとは限らず、固有の問題を抱える。
- 共有情報バイアス:討議で全員が知る「共有情報」ばかり議論され、特定メンバーだけが知る重要な「非共有情報」が無視されがちで、最適選択肢が見過ごされる(隠れたプロファイル)。
- 集団極化 (Group Polarization):討議後に意見が討議前より極端にシフトする現象。リスク傾向があればよりリスキーに、慎重傾向があればより慎重に移る。社会的比較理論と説得議論理論で説明される。
集団的浅慮(グループシンク)
ジャニス(Janis, 1982)が提唱した、凝集性の高い集団が非合理的意思決定に陥る現象。集団の一体感や調和維持の圧力が現実的代替案の検討を妨げる。
- 集団的浅慮の8つの症状:
- 無謬性の幻想:自分たちは失敗しないという過信。
- 道徳性の幻想:自分たちの行動は倫理的に正しいという思い込み。
- 外集団へのステレオタイプ:敵対者を過小評価する偏見。
- 同調圧力:異論を唱えるメンバーへの圧力。
- 自己検閲:メンバーが疑問や反対意見を表明しなくなる。
- 全員一致の幻想:沈黙を賛成とみなし意見の一致を誤認する。
- マインドガード:特定メンバーがリーダーや集団を有害な情報から守ろうとする行為。
- 不適切な意思決定:代替案の不十分な検討やリスクの軽視。
- 発生の原因:
- 高い集団凝集性
- 外部からの孤立
- 指示的なリーダーシップ
- 高いストレス
- 事例分析:ピッグス湾事件は典型例とされる。一方、太平洋戦争開戦時の日本の意思決定では「無謬性の幻想」や「外集団へのステレオタイプ」は観察されるが、集団凝集性の低さや強力なリーダー不在など、ジャニスのモデルと完全には一致しない点も指摘されている。
第II部:集合と群集の心理学
1. 集合行動の多様な形態
集合行動は非構造的で非日常的な集団行動を指し、背景の情動により分類できる。
- 敵意に基づく集合行動:
- 抗議行動(デモ)、社会運動:社会制度の変革を求める行動。「相対的剝奪感」(期待と現実の乖離)が動機となる。
- 暴動:気温上昇と暴力犯罪発生率の相関など、物理的環境も影響する。
- リンチ:没個性化(匿名性による自己意識低下)が攻撃行動を促進する。
- 興味・娯楽・利益に基づく集合行動:
- 祝祭群集:祭り等で「群集雪崩」が発生することがある。密度が1㎡あたり8~10人を超えると極めて危険。
- 流行(Fad):「和合性」と「独自性」という相反する欲求が背景にあり、「潜在期」「拡大期」「頂上期」「衰退期」のサイクルを持つ。
- 行列(Queue):社会システムとして機能し、割り込み拒絶は割り込まれた本人の後ろに人がいる場合に強くなる。
- 恐怖・不安に基づく集合行動:
- パニック:危機からの逃走行動(詳細は後述)。
- 集団ヒステリー:生理的原因なく集団内で奇妙な症状や信念が伝播する現象。
- 流言(Rumor):情報源が不明確なコミュニケーション。流言の量 (R) = 重要性 (i) × 曖昧さ (a) の法則に従い、不安な状況で発生しやすい。伝達過程で「簡約化」「誇張化」「同化」といった内容変容が起こる。拡散は「スモールワールド現象」により予想以上に速い。
2. 集合行動の理論
- ル・ボンの古典理論:群集は「集合精神」に支配され個人としての理性を失い、被暗示性が高まり衝動的・非合理的になる(感情感染)。匿名性が反社会的行動を促進するとする没個性化理論につながる。
- ゲーム理論:個人の合理的利益追求が集団全体の不利益をもたらす「社会的ジレンマ」から集合行動を説明する。パニックや環境問題は囚人のジレンマ構造を持つ。
- 輻輳理論:暴動などへの参加者は、もともとその傾向を持つ人々が集まってきた結果だとする考え方。
- 創発規範理論:異常事態では既存規範が機能せず、その場特有の新しい規範(創発規範)が形成され人々が従う。アッシュやシェリフの同調実験で示されるメカニズムが大規模群集でも働くとされる。
- 価値付加理論(スメルサー):集合行動は次の6条件が順に満たされることで発生するとする社会学的モデル。
- 構造的誘発性:行動を可能にする社会的・物理的条件(例:金融パニックは資本主義社会で起きやすい)。
- 構造的緊張:社会内の不満や不安(例:経済不安、戦争の脅威)。
- 一般化された信念の成長と普及:流言などで脅威の特定や対処法に関する信念が広まる。
- きっかけ要因:信念を行動に移す劇的出来事。
- 行為に向けた参加者の動員:リーダーや扇動者による組織化。
- 社会的統制の作動:当局(警察等)による抑制の機能。
3. 危機事態とパニック
パニックの二元論と意思決定
- 理性モデル vs. 非理性モデル:危機時の人間行動に関する対立する見解。
- 非理性モデル:人々は恐怖で理性を失い我先に逃げるという一般的イメージ。
- 理性モデル:多くの社会学者・心理学者は危機時でも人々は合理的で、援助など向社会的行動をとることが多いと主張する。
- 見解の相違は、研究対象とする災害の種類(脱出可能時間や密度)や分析視点(当事者か観察者か)による。
- 危機時の意思決定モデル:プロー(Proulx)は危機時の心理状態が「曖昧さの知覚」→「不確実性の発生」→「恐怖の発生」→「自己に関する懸念」→「混迷」という5段階のループを経てストレスが螺旋状に増大すると提唱した。
実証的研究:実験と事例分析
著者は危機時の行動解明のため、多様な実証研究を行っている。
| 研究手法 | 対象/状況設定 | 主要な発見 |
|---|---|---|
| 面接・質問紙研究 | ガルーダ航空機事故の生存者219名 | 物理的危険度が高い後方座席ほど家族・知人への援助行動やリーダーシップが顕在化。高密度状況では同調・追従が見られ、物理的危機は理性的行動を高める一方、人為的混雑は非理性を高める可能性を示唆。 |
| 野外実験 | 擬似高齢者を含む集団の遭遇・衝突実験 | 擬似高齢者が多いほど集団の移動速度は低下し歩行方向が不安定に。離合困難な状況で擬似高齢者の存在が悪影響を及ぼしやすい。 |
| 実験室実験 | 隘路(ボトルネック)状況、3D迷路脱出、複数出口選択 | 集団サイズ増加で脱出成功率は低下。攻撃が攻撃を誘発する悪循環が起きると脱出は非常に困難に。恐怖事態では同調傾向や最初選択出口への固着が強まり、面識ある成員は脅威度が高いほど協力的で脱出成功率が高い。 |
4. 特殊な集合現象:スケープゴートとテロリズム
スケープゴート現象
災害や事件後、原因不明な場合に特定個人や集団に責任を転嫁し攻撃エネルギーを集中させる現象。
- 波紋モデル (Ripple Model):著者提唱の、スケープゴート対象の変遷モデル。
- 事件直後は非難の対象が個人(運転士、船長など)に集中する。
- 時間経過とともに非難の波紋は外側へ広がり、対象は集団(会社・組織)、システム(安全管理体制)、社会・文化、国家へと拡散する。
- JR福知山線脱線事故や感染症(SARS、O157)に関する新聞報道の分析で実証的に検証された。
テロリズムの心理学
心理的要因:文化価値の変容によるアイデンティティ危機、世界を善悪で単純化する世界観、過去の屈辱を正当化に利用する伝説の活用、注目獲得を目指すテロリストと報道の利害共生などが複合的に絡む。
定義と分類:テロリズムは「非戦闘員を対象とした計画的暴力行為」と広く定義されるが、国際的統一見解はない。テロリストは「救世主的テロリスト」(劇場型)から「自称兵士」「マフィア」「公安関係者」まで多様に分類される。
心理学的説明:テロリズム行動は、権威への本能的攻撃(精神分析)、劣等感からの優越追求(アドラー)、自由への耐え難さからの権威服従(フロム)、社会的孤立に伴う病理(精神病理学)など、様々な理論で説明される。
原因:
人口統計学的要因:ハインゾーン(Heinsohn)は若年男性の割合が高い「ユース・バルジ(若者人口の突出)」が職不足から紛争やテロの温床になると指摘し、日本の戦前・戦後の歴史もこの観点から解釈可能とする。
- 第I部 集団
- 第1章 集団とは何か
- 1集団の定義と研究方法-集団の定義 集団に関するユニークな研究
- 2集団の機能
- 3集団の発達
- 4集団の構造
- 集団規範 役割・地位・集団のネットワーク(
- 【コラム1】グループ・ダイナミックスの創始者レヴィンに関するドイツ時代の弟子による手記
- 第2章 集団のパフォーマンス
- 1集団のパフォーマンスに影響する要因
- 集団成員の能力やパーソナリティと成員構成・課題・評価・まとめ
- 2社会的手抜き
- 社会的手抜きの実験・社会的手抜きの防止・社会的促進とホーム・アドバンテージ
- 【コラム2】グループ・ダイナミンクスや社会心理学の研究分野の現状
- 1集団のパフォーマンスに影響する要因
- 第3章 集団意思決定
- 1さまざまな集団意思決定
- 2集団意思決定の問題点
- 共有情報バイアスー隠れたプロファイル・集団極化・集団的浅慮
- 3集団的浅慮
- 集団的浅慮の症状・集団的浅慮の原因・太平洋戦争開戦時の集団的浅慮・集団的浅慮を防ぐ方法
- 第4章 リーダーシップ-軍隊のリーダーシップを中心として
- 1リーダーシップの定義
- 目標の明確化/方向づけと動機づけ
- 【コラム3】PMリーダーシップ理論に基づく暴力学校における暴力低減のアクション・リサーチ
- 2リーダーシップの4要因
- リーダー・部下・状況・コミュニケーンョン
- 3リーダーンップの原理
- 第II部集合と群集
- 第5章 集合・群集の行動
- 1集合行動,群集行動
- 歴史上に見る集合行動,群集行動・集合,群集とは
- 2敵意に基づく集合行動
- 抗議行動(デモ)・社会運動・暴動・リンチ・スケープゴート
- 3興味・娯楽・利益に基づく集合行動
- 街角群集・野次馬・聴衆・観衆・祝祭群集・流行・行列
- 4恐怖・不安に基づく集合行動H7
- パニツク・集団ヒステリー
- 5流言
- 流言とは・流言が発生する原因・容の変容と流言の拡散
- 1集合行動,群集行動
- 第6章 集合行動の理論
- 1ル・ボンの古典的理論
- 2ゲーム理論,社会的ジレンマ理論
- 3輻峻理論
- 4創発規範理論
- 5価値付加理論
- 構造的誘発性・構造的緊張・一般化された信念の成長と普及・きつかけ要因・行為に向かっての参加者の動員・社会的統制の作動
- 第7章 群集行動の実証的研究-アーカイブ分析,野外実験
- 1群集行動の研究方法
- 2アーカイブ分析
- アーカイブ分析とは・アーカイブ分析の研究例-飛び降り自殺企図者をはやす野次馬群集に関する新聞記事の分析
- 3野外(フィールド)実験
- 野外実験の研究例1一大阪のエスカレーター利用者の同調実験・)野外実験の研究例2―行列に割り込む者に対する人々の反応に関する野外実験
- 第8章 危機事態の行動-パニック
- 1パニックは発生するのか
- 【コラム4】パニックに関する新聞記事の分析
- 2理性モデルと非理性モデル
- 2つの見方・理性モデルと非理性モデルの対立の原因
- 3危機事態における意思決定
- 4危機時の人間行動の特徴
- 個人の避難傾性・傍観者効果・脱出行動の性差
- 5危機事態への対処方法768
- 対処方法・対応にひそむパラドンクス
- 第9章 危機事態の行動の実証的研究
- 1流体力学的研究-コンピュータ・シミュレーション
- 2面接・質問紙研究―航空機事故の分析
- 3野外実験
- 群集の遭遇・衝突実験・群集誘導法に関する野外実験
- 4実験室実験
- 危機事態における人間行動を研究するための方法ならびに実験装置・隘路状況設定実験・迷路状況・複数の出口がある状況・実験の結果・危機事態の心理的メカニズム
- 第10章 スケ~プゴ~卜現象
- 1スケープゴートとは
- 2スケープゴートの変遷に関する波紋モデル・
- 3波紋モデルに関する実証的研究・
- JR福知山線脱線事故に関する報道・感染症に関する報道・スケ~プゴ~卜の変遷に関する研究の意義
- 第11章 テロリズム
- 1テロリズムとは
- テロリズムの定義・テロリズムの分類・テロリストの分類・テロリズムの歴史
- 2テロリズム行動の心理学的説明
- テロリズム行動を説明する理論・テロリズム行為に伴う良心の呵責の軽減方法
- 3テロリズムの原因
- 人口統計学的問題・心理的要因
- 引用文献
- 事項索引
- 人名索引
Mのコメント(言語空間・位置付け・批判的思考)
ここでは、対象となる本の言語空間がどのようなものか(記述の内容と方法は何か)、それは総体的な世界(言語世界)の中にどのように位置付けられるのか(意味・価値を持つのか)を、批判的思考をツールにして検討していきたいと思います。ただサイト全体の多くの本の紹介の整理でアタフタしているので、個々の本のMのコメントは「追って」にします。