本の森:問いを知識へ

2022-11-20

本の森の入口

何を取り上げるブロックか

「本の森」は、「問題解決と創造」というサブタイトルをつけていた時期もあるが、それは「山ある日々」のサブタイトルに落ち着き、「本の森」は「問いを知識へ」というサブタイトルとした。タイトルと内容の対応関係が次々と変わり、いつまでたってもなかなか落ち着かなかったが、原因は、問題解決のための知識というレベルと実行レベルが上手く分離できていなかったとからだといえよう。

本の森は、 次々とランダムに私の目に入ってくる面白そうでかつ重要と思われるKindle本をクリティカルに読んで紹介していくこと、様々な領域の「問題解決と創造」(「問題解決」とする。)に資することを着地点にすること、問題の解決を検討する対象を、自然、人、企業、政府の4要素及びこれらの相互作用からなる社会や世界の5領域に分類すること、要は「問題解決造」の観点から、関連する知識を5領域に整理・分類し、整理した知識を元に「山ある日々」で実行マターとして検討する訳だ。まず問題解決と5領域について一瞥する。

問題解決について

私たちは、日々、自分の生活圏における自身の現在の有り様とこれからの行く末に思い煩わされ、頭上に輝く目標と泥沼のような現実との差異(問題)の解決を迫られる。 更に自分の視野を通して見える、公共圏-環境(自然や人工物等)の中に存在する、自身や自身が属する組織(家族・コミュニティ、企業、自治体・国、その他の組織)とこれらの相互作用-の問題として起こっている様々な複雑な問題群に直面し、その解決も迫られる。個の問題より、こちらの方が重いことが多いだろうが、概して解決は困難、不可能なのだが、それが上手く飲み込めない。

5領域について

「私たちが存在する現実の世界」はどのように構成されているか。経済学等では、人(家計)、企業、政府の3主体を想定するのでこれを借用し、これに自然・人工物・情報からなる環境を加えると4要素(人、企業、政府、環境)になる。そして、これらの4要素の活動と相互作用によって、複雑な振る舞いをする現実の社会・世界が形作られていると考えることができる(普通、これは「システム」と呼称される。)。

このような整理を前提とすると、問題解決の対象は、人、企業、政府、環境という4要素固有の各問題領域、及び4要素の活動と相互作用によって形作られる社会・世界を加えた5領域になる。ここで、人・組織・環境が、限定された地域の近似した言語・文化で構成される場合(国家の場合もあるが、それに限られない)を「社会」といい、異なる言語・文化で構成される場合を「世界」と呼称することにしよう(ただし、特に区別せず、社会ないし世界と呼称する場合もある。)。社会・世界には、解決困難な問題や新しい問題が群として山積していることがわかる。

5領域への分類作業は進まない

それにしても手許にあるKindle本とR本を睨みながら買い足し(ついでにいうと、R本は事務所移転時に大半を処分してしまったので、R本の買い足し足しには二の足を踏んでしまう。)、重要と思う本の詳細目次を作成しつつ、5領域について、更にその細項目、詳細項目を作成・分類し、かつ重要と思われる本をそれに帰属させていくことは、際限のない作業であった。しかし、5領域の項目立てと帰属する本を整理することは、「問題解決と創造」の前提となる必須の作業であることは間違いないので、暇な時間を見つけては飽きもせず、延々と作業を続けてきたが、いつまでたっても完成しない。 しかし、必然性、少なくても一貫性のない分類は完成するはずがないし(最近、本の分類は日本十進分類法によるべきで任意の分類をすべきではない、という指摘を見てなるほどと思ったが。)、私は「問題解決と創造」の各領域を考察する基礎的な資料を整理、充実させたいのであって、本を分類すること自体に大した意味はない。この泥沼はそろそろ脱しなければならない。デジタルツールの進展は、手助けになる(はずだ)。

それとここで足踏みをしていると、文献探しとその整序に止まって、「問題解決と創造」の実行など、あの世での話になってしまう。まずは、私にとっての「問題解決と創造」から始めなければ。

問題解決は誰がするのか

課題の所在

ところで「問題解決」は誰がするのか。

上記のとおりこれらの解決すべき問題は、一応、「個の問題」(大きくは「健康」の問題と、「目標の達成」や「依存からの脱却」の行動の問題と捉えることが出来ようか。)と「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」に分けることが出来る。現代の焦点となるのは、多く後者の「複雑系と持続可能性」の問題であるが、その解決は容易ではない。ただ「個の問題解決」をクリアしないと、なかなか「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」の解決にまで行き着くことは出来ないだろう。

これらの問題の多くは「公共」に関連するので、まずその問題解決に取り組むべき役割を担うのは各国の政府であるといえるが、最近の彼我の政府や政治過程の視野の狭さには辟易するだけで、当面政府がこれらの問題を解決することは当てにしない方がよさそうだ。というより、政府自体、解決しなければならない問題の大きな対象だし、次々と新しい問題を引き起こし、持続不可能性に拍車を掛けているようにも思われる。

そこで私たちは襟を正し、世界の最小の構成要素である一個人として、自ら「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」の解決に乗り出すべく、「問題解決学」、「創造学」、「システム思考」等々といわれる分野をのぞいてみたくなるが、百花繚乱で、何を頼ればいいのか、迷うばかり、さてどうしよう。特にビジネス分野から発信される「問題解決」論は、いかにも軽率なものが多く、どうも頼りがいがない。一方、学問分野からの発信は対象範囲が狭く、しかも重くもたもたとして、しかも構造の記述、モデル化、分析にとどまるものが多く、なかなか「問題解決」の実行に届かない。

ここでの課題は、要は、私たちが「問題」と捉えることを「世界」の中に位置づけて記述、モデル化し、それを解決するために何をどうすればよいのかの実行手段が得られればいいわけだから、「世界」に関する知識と「問題解決と創造の方法」が結び付けられればよいわけだ。

どうやって「問題解決の知識」にたどり着くのか

本を読んで知識を得て実行する

王道があるはずもなく、地道に本を読み、考え、表現し、実行することを繰り返して「問題解決の地平にたどり着く」のが「正解」であるが、今、それだけかということを考えている。

他の手段もあるだろう

私は、法が無前提に権威的に振る舞うことに悪感情を持ち、大学は卒業はしたもののというクチだから、大学で学んだことはない。しかし、今、放送大学に接し、大学を捉え直すことにした。ここの講師の人々は、私に代わって各自、苦労して狭い分野を学び、問題を考え、整理し、印刷教材を作成して、テレビ、ラジオでできるだけ分かりやすくと思って話をしてくれる、私の作業を分業する同志である、と考えることにした。何より、放送大学の印刷教材+視聴というスタイルは、圧倒的だ。まず印刷教材を読んで概要をつかみ、わからないところ、込み入っているところは、ネットで提供されている該当部分を視聴する。今やそれが可能なのだ。そういう学び方について「今から学び始める方法-オンライン講義と読書」で簡単に説明している。そこに書いた「自分の身体を講義の声が通過するということには(たとえうつらうつらしていても)意味がある。往々にして声を追うのは時間の無駄だから、本を読んだ方が速いし、声のように消え去らないからいいのではと思いがちだが、それは違うというのが、私の体験的な「感想」だ」は正しいが、それは学ぶ分野によるだろうというのが、今の私の考えである(数学、自然科学はまさにそのとおりだが、私が読むことで容易に理解できる分野もある。)。

放送大学以外にもオンラインで様々な方法が生まれては消えている。

とにかく当面放送大学の講義を使い倒そう。これからは、このコンテンツも、放送大学の講義がある部分は、それを紹介することにし、隙間を参考本で補おう。ついでに、2022年の放送大学の教養学部、大学院の全てを記載した「放送大学の講義一覧(2022)」を作成したので、参考のために投稿しておく。

どうやってKindle本を本の森分類一覧表に分類するのか

当面、Kindle本を本の森分類一覧表に分類するには、手作業しかない。しかし、手作業にしてもどうすればいいのだろうか。分類は、5領域、その下位の細分類、更にその下位の詳細分類に分けることができる。Kindle本は現時点で6500冊程度あるが、それをいっぺんに詳細分類はもとより、再分類へ分類することも困難だろう。Excelのプルダウンリストを利用することになるが、うまくいくだろうか。

Kindle本には、Asinという記号が付されている。これを利用してジャンル分けはできないか。少し調べてみたが上手い方法はなさそうだ。

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    Posted by murachan54