書誌と一口コメント
書誌_調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス :小林昌樹

一口コメント
要約と目次
要旨
本文書は、書籍『調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』の核心的なテーマ、主要な議論、および具体的な調査技法を統合的に分析したものである。本書の主眼は、国立国会図書館(NDL)のベテラン司書が持つ暗黙知としての調査ノウハウを、一般の利用者向けに形式知として言語化し、提供することにある。単なる「ググる」行為を超え、より効率的で精度の高い情報探索を可能にするための体系的なアプローチが提示されている。
最重要ポイント:
- Googleの戦略的限定活用: Google検索の役割は、調査対象の「アタリ(見当)をつける」初期段階に限定される。これはかつてベテラン司書が新聞全ページを読んでいた行為に相当し、専門的な調査の出発点として位置づけられる。
- 日本語ドキュバースの三区分: 日本に関する調査の難易度は、対象となる時代によって構造的に異なる。文献の残存率と検索インフラの整備状況から、「戦後(容易)」、「戦前(困難)」、「前近代(近代文献経由で意外と容易)」の3つに大別され、これを理解することがコスト予測の鍵となる。
- 専門的ツールの体系的活用: Googleでのアタリ付けの後、信頼性の高い専門的ツールへと移行することが不可欠である。本書では特に以下のツール群の戦略的活用法が詳述される。
- NDL人文リンク集: リンク切れが少なく、信頼できる専門データベースへの公的な入り口。
- Web NDL Authorities(NDL典拠): 本来の目録作成用途を超え、「限定的有名人」の経歴(特に生没年)を調べるための強力な人名事典として活用できる。
- Googleブックス: 主に1995年以前の文献における語句やフレーズの初出・用例調査(語誌研究)に絶大な威力を発揮するが、OCRの誤変換が多く、現物確認が必須となる。
- NDL次世代デジタルライブラリー(次ぎデジ): 戦前期の日本語文献を対象とした、国産の本格的な全文検索データベース。日本の人文・社会科学研究を大きく変革する可能性を秘めている。
- 高度な概念的調査技法: 個別のツール操作に留まらない、思考のフレームワークとしての調査技法が複数提示されている。
- 「として法」: あるツールを本来の目的とは異なる用途で活用する(例:国語辞典を百科事典として使う)。
- 「答えから引く法」: ネット上の不確かな情報を「仮の答え」とし、それをキーワードに信頼性の高いデータベースやレファレンスブックを検索して裏付けを取る。
- レファ協DBの読解: 個別のQ&A事例から、質問を抽象化し、回答プロセスから検索戦略を読み解くことで、汎用的なノウハウを抽出する。
1. 調査技術の基本哲学
本書で提示される調査技術は、単なるツールの操作方法に留まらず、情報探索に臨む際の基本的な考え方や戦略に基づいている。
1.1. レファレンスとリサーチの区別
調査活動は「レファレンス」と「リサーチ」に大別される。この区別を理解することが、効率的な調査の第一歩となる。
- リサーチ(Research): 「しつこく探索する」ことを意味し、調査者自身が判断を下しながら新たな知見を構築していく創造的なプロセス。
- レファレンス(Reference): 「参照」や「照会」を意味し、既存の文献やデータベース、専門家といった信頼できる他者に判断や記憶を委ね、1回限りのチェック作業で答えを得るプロセス。本書で詳述されるのは、このレファレンス技術である。
1.2. Googleの戦略的役割:アタリをつける
現代の調査においてGoogle検索は不可欠だが、その役割を正しく理解する必要がある。
- 役割: 調査対象の「アタリ(見当)をつける」こと。質問事項が「いつ頃の」「どこの」「どの程度有名な」事柄なのか、その重みや現在からの距離感を測る初期作業に最適である。
- 歴史的類推: この役割は、かつてベテランのレファレンス司書が、日本語文献世界の全体像を把握するために「新聞の全ページを広告も含めて毎日読んでいた」行為に質的に類似している。
- 限界: アタリをつけた後、専門的ツールをどのような順番・組み合わせで引くかという「検索戦略」の立案はGoogleの範囲外であり、ここからが専門的な調査技術の領域となる。
2. 日本語ドキュバースの構造的理解:三区分法
日本に関する事柄を調査する際、その難易度やコストを事前に予測するためのフレームワークとして「日本語ドキュバースの三区分」が提示されている。これは、対象とする時代によって文献の残存状況と検索インフラが根本的に異なるという認識に基づいている。
| 時代区分 | 年代 | レファレンス難易度 | 特徴 |
| 前近代 | 〜1867年 | 中 | 専門家以外が直接一次資料にあたることは稀。質問自体が近代以降の研究文献を通じて形成されるため、答えも近代の研究書や専門DB(例:『新國史大年表』、東大史料編纂所DB)で見つかることが多い。レファレンスの範囲では戦前より容易な場合がある。 |
| 戦前 | 1868年〜1945年 | 高 | 現代日本の基本構造が形成された重要時代だが、関東大震災や戦災で多くの文献が焼失。NDLデジタルコレクションにより単行本へのアクセスは改善したが、雑誌や新聞、特に業界紙誌の残存率は低い。調査には最も困難が伴う時代。 |
| 戦後 | 1945年〜 | 低 | 国立国会図書館の設立により全国書誌や雑誌記事索引が整備され、文献探索が体系的に可能。特に1980年代半ば以降は新聞記事のテキストDB化、1995年以降はデジタル由来のテキストが爆発的に増加し、調査は格段に容易になる。 |
3. 主要なデジタル調査ツールとその戦略的活用法
本書では、基本的なGoogle検索から一歩進んだ、専門的かつ強力なデジタルツールの具体的な活用法が詳述されている。
3.1. NDL人文リンク集:信頼できる専門DBへのゲートウェイ
Googleではヒットしにくい「深層ウェブ」に存在する専門データベース群へアクセスするための、信頼性の高い公的なリンク集。
- 利点:
- 継続性: NDL職員が業務で日常的に使用するため、リンク切れが少なく、現実に「使える」ツールが厳選されている。
- 網羅性と精選: 700件以上のリンクを収録しつつも、各分野で代表的・網羅的なツールに絞られており、多すぎない。
- 体系性: 日本十進分類法(NDC)順に排列されており、未知の分野でも体系的にツールを探すことができる。
3.2. Web NDL Authorities(NDL典拠):人名事典としての目的外利用
本来は図書館の目録作成用の「名称典拠」データベースだが、「限定的有名人(半有名人)」の情報を得るための人名事典として極めて有効である。
- 活用法:
- 基本情報の取得: 著作のある人物であれば、正確な読み、生没年、著作から示唆される活動分野がわかる。
- データ補完: VIAF(バーチャル国際典拠ファイル)連携により、米国議会図書館などのデータから職業等の付加情報を得られる場合がある。
- パール・グローイング法: NDL典拠で得た正確な生年等の情報を基に再度Google検索を行うことで、より詳細な情報(略歴など)を発見できる。
- 注意点:
- 戦前の人物データは情報が少なく、読みも「常識読み」の場合が多い。
- 2005年以降、新規データにはプライバシー保護のため生年が公開されなくなった。
3.3. Googleブックス:用例検索と活用の勘所
主に1995年以前の、デジタル由来でないテキストにおける特定の言い回しやフレーズの初出・用例を調査する際に比類なき能力を発揮する。
- 最適な用途: 「全米が泣いた」のような紋切り型の表現がいつから使われ始めたか、といった語誌調査。
- 戦略的使い方:
- フレーズ検索:
"(ダブルクォーテーション)で括り、検索語を完全に一致させる。 - 期間指定: 調査対象に応じて「20世紀」などの期間で絞り込む。
- 現物確認の必須: あくまで「索引」として利用する。OCRの誤変換が多く、表示も断片的(スニペット表示)なため、ヒットした情報をもとに図書館等で必ず現物の書籍・雑誌を確認する必要がある。
- フレーズ検索:
3.4. NDL次世代デジタルライブラリー(次ぎデジ):国産全文検索ツールの登場
NDLが開発中の、戦前期の日本語図書を中心とした全文検索データベース。Googleブックスの日本語資料における多くの欠点を克服しており、日本の人文社会科学研究に大きな影響を与える可能性がある。
- 特徴と利点:
- 対象: 主に明治期から戦争直後までの著作権処理済み資料。
- 全文検索: 高度なOCR技術により、本文テキストを検索できる。
- 版面表示: 検索結果から該当ページの画像を直接表示でき、文脈の確認やルビの判読が可能。Googleブックスと異なり、現物を探しに行く手間が省ける。
- 機能: 刊行年代によるソート機能があり、用例の初出調査が効率的に行える。
4. 特定資料タイプへのアプローチ
書籍、新聞、雑誌といった資料タイプごとに、特有の検索手法とツールが存在する。
4.1. 書籍:「件名検索」による「未知文献」の発見
タイトルや著者名を知らないが、「ある特定の主題について書かれた本」を探すための強力な手法。
- 概念: 「件名」とは、本の主題を表すために統制されたキーワード(統制語)のこと。「辞書—歴史」という件名で検索すれば、タイトルが異なっていても辞書の歴史に関する本を網羅的に見つけられる。
- プロセス:
- 適切な件名の発見: NDL典拠で探すか、既知の関連書の書誌情報を見て、使われている件名を確認する(後者が実践的)。
- 検索と絞り込み: NDLオンライン等で発見した件名で検索し、得られた結果に対し、さらに「江戸時代」などのキーワードを掛け合わせることで、より精度の高い絞り込みが可能。
- NDLにおける限界: 文学作品、娯楽書、戦前の帝国図書館本など、件名が付与されていない資料群が存在するため、万能ではない。
4.2. 新聞記事:データベースと集成の二元的アプローチ
明治期以降の新聞記事を網羅的に調査するには、オンラインデータベースと冊子体の「新聞集成」の双方を駆使する必要がある。
- 新聞データベース:
- 主要DB: 読売「ヨミダス」、朝日「朝日新聞クロスサーチ」、毎日「毎索」など。
- データ構造: 1980年代半ばを境に、それ以前は「紙面画像+記事見出し索引」、それ以降は「記事本文の全文テキスト」という二重構造になっていることが多い。
- 特徴: 過去記事部分は、人手によるキーワード付与(概念索引法)が行われているため、「間違い探し」のような当時使われていなかった言葉でも関連する記事がヒットする場合がある。広告も検索対象となることがある。
- 新聞集成:
- 複数の新聞から特定のテーマや年代の記事を抜粋・翻刻したレファレンスブック。
- DB化されていない新聞(例:戦前の『時事新報』など)の記事を検索できる唯一の手段となる場合がある。
4.3. 雑誌記事:最適な索引データベースの選択
雑誌記事は、調査対象の年代とジャンルに応じて、複数の索引データベースを使い分ける必要がある。
| データベース名 | 主な採録年代 | 得意ジャンル | 特徴 |
| ざっさくプラス | 明治〜現代 | 全分野(特に人文) | 戦前記事の網羅性が最も高い。契約DB。 |
| NDL雑誌記事索引 | 1948年〜 | 学術・総合誌 | NDLが作成する元祖雑索。NDLオンラインで無料検索可能。 |
| NDLデジコレ目次 | 明治〜現代 | 全分野 | デジタル化された雑誌の目次を検索。網羅性は高いが、目次情報の粒度が粗い場合がある。無料。 |
| Web OYA-bunko | 戦後〜現代 | 大衆文化、芸能、事件 | 週刊誌など大衆誌に強み。独自のキーワード付与が詳細。契約DB。 |
| CiNii Research | 明治〜現代 | 学術全般 | 学術論文が中心。無料。 |
| J-STAGE | 明治〜現代 | 科学技術、学術 | 理系中心だが文系論文も増加。一部は本文の全文検索が可能。無料。 |
5. 高度な調査戦略と概念的技法
個別のツール知識を超えた、より抽象的で応用範囲の広い思考法や戦略。
5.1. 「として法」:ツールの目的外利用
レファレンスブックやデータベースを、その本来の設計意図とは異なる視点から活用する技法。ベテラン司書のノウハウの核心の一つ。
- 事例:
百科事典として国語辞典を引く: 項目が立てられにくい事柄について、国語辞典の語釈から百科事典的な情報を得る。新聞DBとして官報を引く: 戦前期の官報は広範な記事や広告を掲載しており、社説のない新聞として利用できる。出版統計として警察統計を引く: 明治期の古本屋の店舗数を、警視庁の統計から把握する。
5.2. 「答えから引く法」:仮説に基づく検証
ウェブ上のブログやQ&Aサイトで見つけた不確かな情報を「仮の答え」として捉え、それをキーワードとして信頼性の高いレファレンスブックや専門データベースを検索し、情報の真偽や典拠を確認する手法。インターネットと伝統的なツールの長所を組み合わせた技法である。
5.3. パスファインダーの効率的な発見方法
「調べ方案内」とも呼ばれる、特定テーマの調査手順をまとめたガイド(パスファインダー)を見つける最も効率的な方法は、図書館サイト内のディレクトリをたどるのではなく、Googleなどの外部検索エンジンで「(調査したいトピック) 調べ方」または「(調査したいトピック) 調べ方案内」と検索することである。
5.4. レファレンス協同データベース(レファ協)の読解法
全国の図書館のレファレンス事例が蓄積されたQ&Aデータベースを、自らの調査に役立てるための読解法。
時代的制約の考慮: 事例が作成された時期を意識し、現在ではより新しい、あるいは便利なツールが登場していないかを考慮する。
質問の抽象化: 個別の固有名詞(例:「大明堂という出版社」)を、一段階抽象的なカテゴリ(例:「戦前から続く中堅出版社の社史」)に読み替える。
回答プロセスの分析: 回答で参照されたツール群を個別に覚えるのではなく、それらをグルーピングし(例:「業界団体の出版物」「業界専門の人名録」)、担当者がどのような検索戦略を立てたのかを読み解く。
- はじめに
- 第1講 「ググる」ことで、我々がやっていること──世界総索引でアタリをつける
- Googleならではの役割とは?
- アタリ(見当)をつける
- 昔の職人的レファレンサーは新聞を全部読んでいた
- その先へつなぐ者――Googleならではの役割
- Googleがやってくれないこと――専門的ツールをどのように引くか
- 専門的ツール類の一覧
- 第2講 答えを出す手間ヒマを事前に予測する──日本語ドキュバースの三区分
- 主題と時間と空間と
- レファレンスの難易度表
- 戦後の文献世界
- 戦前の文献世界
- 前近代の文献世界
- 文献残存率と基本構造は呼応する
- 日本語空間(≒国)について
- こんなことを考えたきっかけ
- 第3講 現に今、使えるネット情報源の置き場──NDL人文リンク集
- 大きい書誌DBはネットでタダで見られる
- リンク集があるといいなぁ……
- NDLの人文リンク集を知っておくと便利
- NDL人文リンク集の利点
- 現に使える――リンク切れが少ない
- とっさに選べる――多すぎない
- NDCさえ知っていればどこへでも飛べる
- 実際に見てみよう――例えばマンガ研究
- 人文リンク集の工夫
- 便利ツールというジャンル
- リンクが踏めない項目がある―― 一見、欠点に見えるが
- 人文リンク集の弱点
- 第4講 ネット上で確からしい人物情報を拾うワザ
- 人物調査の三類型
- 無名人の調べはケモノ道だが、半有名人の調べは?
- 限定的有名人の「限定」がキモ――どの時代、どのジャンルかをGoogleブックスで
- 半有名人用のレファ本もあるが……。
- 契約DBと無料DB
- 試しに使ってみる――ある図書館員の没年は?
- 人名事典としてわかる要素
- 英語がわかれば、外国の日本人データを使って
- もう一つチップスを――典拠で拾ったデータからググり直してみると、さらに確からしい情報がゲットできる
- NDL典拠「使用上の注意」
- 戦前データの多くは「常識読み」
- 生没年が付かなくなった
- 出典欄が人物文献に
- 関連するレファ本、同様のDB
- 収録人数がケタ違い→半有名人の調べにピッタリ
- 補記(司書向け)
- 第5講 見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザ
- 「未知文献」を見つける方法がある
- 本の中身をコトバに
- 「件名」はコントロールされた特殊なキーワード
- 見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザ
- 例えば徳川家康の小説
- 例えば、東ローマ帝国を舞台にした小説
- 日本では?
- でも、実際にはなんかヘンテコ
- 件名が付与されていない図書のデータがある
- 求める事柄の件名を見つけるには2つ方法がある
- 求める件名をどうやって見つけるか
- タイトル中の自然語から件名を見つける方法
- 細目の不備をどう補うか
- 細目にあたるコトバをキーワード欄に足して引き直す
- 典拠から細目付きの一覧を見てみると……
- まとめ
- メモ(玄人向け)
- 第6講 明治期からの新聞記事を「合理的に」ざっと調べる方法
- 新聞紙のこと
- 記事を検索する手段は2つ
- 新聞DBの引き方
- DBは戦後の三大紙にそれぞれある
- 記事データの構成
- 広告も記事として引ける――ただしデータ構成の断層に注意
- 事例でわかる「概念索引法」の得失
- 新聞集成を引く
- 新聞集成とはレファ本の一種
- 新聞集成の系統
- Cの記事索引――国会図書館の目次DBにあり
- (元祖)新聞集成のデジコレ版
- スクラップブック由来の新聞DBを
- 新聞記事文庫(神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ)
- 明治〜昭和前期の『官報』も新聞紙DBとして使える
- 『官報』は昭和前期まで新聞紙でもあった
- まとめ
- 第7講 その調べ物に最適の雑誌記事索引を選ぶには
- 本は今、わりあいと見つかる
- 記事はまだまだ難しい
- 余談:事項索引やら語句索引やら
- 元祖雑索の硬直性と、代わりに出てきた民間の雑索
- 雑索にはそれぞれ採録年代の範囲と得意ジャンルがある
- 採録年代がまず大切
- 得意ジャンルが次に大切
- 何から引くべきか――大学や図書館にいればざっさくプラスからか
- 事例1:【文学】戦前の作家、藤澤清造についての文献を集めたい
- 事例2:【生活分野】「ファースト・シューズ」という風習について、その起源・由来を知りたい
- 応用――全文検索との掛け合わせ
- おまけ――論文集の論文を引く
- 記事扱いされない広告記事
- 最後に
- 【付録】主要雑誌記事索引のURLと操作上の注意点
- 第8講 索引などの見出し語排列で落とし穴を避ける
- インデックスをちゃんと引けてる?
- 見出しなんて五十音順に決まってる!……ん?
- いろはの順番は我々には……
- 電話帳式
- 字順排列(letter-by-letter)と語順排列(word-by-word)
- 百科事典排列vs.国語辞典排列――長母音カウントの有無
- 濁音(「゛」「゜」)は後回しだったり
- 戦前の本にある「活字を組んだ順」のもの
- さいごに
- 第9講 Googleブックスの本当の使い方
- はじめに
- 日本人にとって「使い物に」なったのは2006年から
- 新しくって著作権OKの本は説明しませぬ
- 1995年以前の著作権未処理のものが重要
- 引けるのは図書、雑誌
- 読むのには使えない。一部しか見えず、テキストに前後入替がある
- 誤変換たくさん!
- だから結局、本の現物に戻らないといけない
- 事例:「全米が泣いた」というフレーズの初出はいつか?
- フレーズ検索を使う
- ツールバーで期間「20世紀」を選ぶ
- 一覧はおしまいのほうから見る
- 一覧も漫然と見るのではなく、次の一手を見つけるように見る
- Googleブックスに関するその他のチップス
- まとめ
- メモ(玄人向け)
- 第10講 NDL次世代デジタルライブラリーは「使える」
- その注意点とともに
- 「次ぎデジ」
- 次ぎデジはデジコレ全文データとは違うもの
- (当面は)戦前期全文DBとして「使える」
- 初出の調査で使える――「立ち読み」の初出例
- 次ぎデジのチップスいろいろ
- 文字の正規化
- 年代ソート
- 他のコマのテキスト
- ルビ
- 日本の学問が全部書き変わる?
- 思いつき――官報が全文DB化されたなら
- 第11講 「として法」――目的外利用こそ玄人への道
- 知識分野1つあたり150冊のレファ本があるけれど
- レファ司書のレゾン・デートル
- 「として法」事例いろいろ
- 要するに
- ジェネラルなツールのスペシフィックな使い方
- 他ジャンルに転用して使えるツールに気を配る
- コメント(玄人向け)
- 第12講 答えから引く法
- レファレンサーは苦手なことばかり聞かれる
- 頼朝佩刀の銘は?
- 答えから引く方法
- 考察
- 〈答えから引く法〉の欠点
- 〈わらしべ長者法〉や〈要素合成検索法〉でフォローする
- ウィキペディア日本語版はサブカルチャー項目で使える
- 過渡期の終焉?――NDLのデジコレがいよいよ真価を?
- 第13講 パスファインダー(調べ方案内)の見つけ方
- ある日の会話
- パスファインダーってナニ?
- パスファインダーの要素
- 「書評を見つけるには」というパスファインダーがあるとして
- ある種の分類でディレクトリ的に格納されているのだが……
- 分類が付いているものは、そこから再検索
- パスファインダーを見つけるには→実は簡単な方法が
- その主題のパスファインダーがない場合
- 第14講 レファ協DBの読み方レファレンス記録を自分に役立つよう読み替える
- はじめに
- うまく広まらなかったレファレンス業務
- レファ協は司書が回答するQ&Aサイト
- 「同じことは、二度と聞かれない」―― 一回性の再現性は?
- 事例:「大明堂(だいめいどう)という出版社について」
- Questionの読み替え
- 一段階抽象化法(固有名詞の普通名詞化)
- Answerの読み方
- 「1)大明堂という出版社について」の部分
- 1)の補足1回答の論理的な穴を埋めてみる
- 1)の補足2回答の時代的制約を考える
- 「2)大明堂の創業者、神戸文三郎(かんべ・ぶんさぶろう)ついて」の部分
- 「その他調査済み資料」
- 事案を事例として読む(まとめ)
- 求める事例の見つけ方
- 同じ魔法が使えるようになるために
- あとがきに代えて
- 「当たり前」を超えて
- 私が「創案」した部分
- まだあるチップス
- 類書ないし先行文献について
- 技法の名付けの問題
- 呪文の詠唱
- 魔術の天才は
- 個々のツールを憶えこむのが技法ではない
- コラム