日本の地理に関する無料データサイト
日本の地理データは、国土交通省国土地理院が提供するデータが基本となります。
1. 国土地理院 (GSI)
日本の地図作成と測量を管轄する機関であり、最も基本的かつ高精度な地理データを提供しています。
- ウェブサイト: https://www.gsi.go.jp/
- 主なデータ:
- 地理院地図 (GSI Maps): ウェブ上で閲覧できる高精細な地図。背景地図として利用できます。
- 基盤地図情報: 地図作成の基礎となる高精度なデータ(行政区域、道路、河川、標高、建物の形状など)をダウンロードできます。専門的なGISソフトでの利用が前提です。
- 数値標高モデル (DEM): 日本全国の標高データ。特定の地点の高さや地形の分析に使用できます。
- 土地利用データ: 土地がどのように使われているか(例:森林、農地、市街地)をメッシュで示したデータです。
2. e-Stat(政府統計の総合窓口)
総務省統計局が運営する政府統計のポータルサイトですが、地理情報システム(GIS)で利用できるデータも提供しています。
- ウェブサイト: https://www.e-stat.go.jp/
- 主なデータ:
- 地図で見る統計 (jSTAT MAP): ウェブ上で統計データ(国勢調査の人口、世帯数、事業所数など)を地図に表示・分析できます。
- 境界データ: 国勢調査などの統計結果と地図を紐づけるための行政界データ(都道府県、市区町村、町丁目レベル)をダウンロードできます。
3. 気象庁
気温、降水量、積雪などの気象観測データを、地理的なメッシュデータとして提供しています。
- ウェブサイト (メッシュ統計データ): https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/
- 主なデータ:
- メッシュ統計データ: 過去の気象データ(平均気温、降水量など)を地域メッシュ単位でダウンロードできます。特定の地域の気候分析に利用できます。
世界の地理に関する無料データサイト
世界の地理データは、用途(基本的な地図作成か、科学的な分析か)によって参照するサイトが異なります。
1. Natural Earth (ナチュラルアース)
地図作成(カートグラフィー)のために最適化された、基本的な地理データを世界規模で提供している非常に有名なサイトです。
- ウェブサイト: https://www.naturalearthdata.com/
- 主なデータ:
- ベクトルデータ: 国境、海岸線、州・県境、河川、湖、都市の位置、主要な道路・鉄道網など、地図の骨格となるデータをダウンロードできます。
- ラスターデータ: 陰影段彩図(地形の起伏がわかる地図)や、衛星画像に基づく土地被覆図(森林、砂漠など)が提供されています。
2. NASA Earthdata (アメリカ航空宇宙局)
NASAの地球観測衛星などによって得られた、科学的なデータを提供しています。
- ウェブサイト: https://www.earthdata.nasa.gov/
- 主なデータ:
- 衛星画像: Landsat(ランドサット)やMODIS(モディス)といった衛星が撮影した高解像度の地表画像。
- 数値標高モデル (DEM): SRTM(シャトル・レーダー地形測量ミッション)による、ほぼ全世界の高精度な標高データ。
- 科学データ: 海面温度、海氷の分布、植生の状況、大気中の二酸化炭素濃度など、気候変動や環境分析に関する専門的なデータが揃っています。
3. OpenStreetMap (OSM / オープンストリートマップ)
世界中のボランティアによって共同で編集・作成されている、非常に詳細な地図データベースです。
- ウェブサイト (地図閲覧): https://www.openstreetmap.org/
- ウェブサイト (データダウンロード): https://download.geofabrik.de/ (Geofabrikなど派生サイトからのダウンロードが一般的です)
- 主なデータ:
- 地図データ: 道路網、建物、店舗(POI)、公園、歩道など、非常に詳細な地物データをダウンロードできます。データは常に更新されています。
日本の経済・社会に関する無料統計データサイト
日本の統計データを探す場合、まずは政府統計の総合窓口である「e-Stat」から始めるのが最も効率的です。
🇯🇵 最もおすすめ:e-Stat(政府統計の総合窓口)
e-Statは、日本の各省庁が調査・作成した700以上の統計調査データを集約したポータルサイトです。人口、経済、労働、教育、社会保障など、あらゆる分野の公的統計をここで見つけることができます。
- ウェブサイト: https://www.e-stat.go.jp/
- 特徴:
- 網羅性: 国勢調査や経済センサスなど、日本の根幹となる大規模な統計データが揃っています。
- 検索機能: キーワード、分野別、組織別など、様々な方法でデータを検索できます。
- 加工・可視化: サイト上でグラフや地図を作成したり、ランキング形式で表示したりすることが可能です。
- ダウンロード: 必要なデータをExcelやCSV形式で自由にダウンロードできます。APIも提供されています。
- 主なデータ:
- 人口・世帯: 国勢調査、人口推計など
- 労働・賃金: 労働力調査、毎月勤労統計調査など
- 経済・産業: 経済センサス、鉱工業指数、商業動態統計など
- 物価・家計: 消費者物価指数、家計調査など
- 社会保障・教育: 国民生活基礎調査、学校基本調査など
その他のおすすめサイト
特定の分野について、より専門的なデータが必要な場合は、以下の各省庁のサイトも役立ちます。
- 総務省統計局:https://www.stat.go.jp/
- e-Statの運営元であり、国勢調査や消費者物価指数など、日本の基本となる重要な統計を公表しています。
- 経済産業省:https://www.meti.go.jp/statistics/index.html
- 鉱工業生産指数や商業動態統計など、経済活動に関する詳細なデータが豊富です。
- 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/toukei/index.html
- 人口動態統計や毎月勤労統計、国民生活基礎調査など、労働、福祉、医療に関する統計を扱っています。
- 日本銀行:https://www.boj.or.jp/statistics/
- 金融経済統計、物価指数、資金循環統計など、金融やマクロ経済に関するデータが充実しています。
世界の経済・社会に関する無料統計データサイト
世界各国のデータを比較・分析したい場合は、国際機関が提供するデータベースが非常に強力です。
🌐 国際機関の主要データベース
これらのサイトでは、世界中の国々のデータを統一された基準で比較することができ、国別・項目別にダウンロードが可能です。
- 世界銀行 (World Bank Open Data):https://data.worldbank.org/
- 特徴: 開発途上国を含む世界各国の経済、社会、環境、貧困、教育など、約8,000にも及ぶ多様な開発指標を無料で公開しています。非常に使いやすく、初心者にもおすすめです。
- 主なデータ: GDP、GNI、人口、平均寿命、識字率、CO2排出量など。
- 国際通貨基金 (IMF Data):https://data.imf.org/
- 特徴: 世界経済や国際金融に関するマクロ経済データに強みがあります。世界経済見通し (World Economic Outlook) のデータは特に有名です。
- 主なデータ: 各国のGDP成長率(予測値含む)、インフレ率、失業率、政府財政、国際収支、為替レートなど。
- 経済協力開発機構 (OECD.Stat):https://stats.oecd.org/
- 特徴: OECD加盟国(先進国が中心)の質の高い経済・社会データを網羅しています。教育、年金、税制など、特定のテーマに関する詳細な比較データが豊富です。
- 主なデータ: 経済、農業、開発、教育、雇用、科学技術、社会問題など多岐にわたります。
- 国際連合 (UNdata):https://data.un.org/
- 特徴: 国連やその専門機関が収集した広範な分野の統計データを検索・ダウンロードできるポータルサイトです。社会指標や環境、インフラに関するデータが充実しています。
- 主なデータ: 人口、経済、社会指標(教育、健康、ジェンダー)、環境、インフラなど。
各国の統計データを探すには
特定の国の詳細なデータが必要な場合は、その国の政府統計機関のウェブサイトを直接確認するのが確実です。
- 総務省統計局「世界の統計」:https://www.stat.go.jp/data/sekai/
- 世界各国の人口、経済、社会、文化に関する基本的な統計データを日本語で分かりやすくまとめています。各国の統計局へのリンク集もあり、ここを起点に探すのに便利です。
- The World Factbook (CIA):https://www.cia.gov/the-world-factbook/
- アメリカ中央情報局(CIA)が作成しており、世界266の国・地域の地理、人口、政府、経済、エネルギー、交通などの基本情報を簡潔にまとめています。
日本の環境・気候に関する無料データサイト
日本の環境・気候データは、気象庁と環境省が中心となって公表しています。専門的な研究データは国立環境研究所から入手できます。
🇯🇵 中核となるデータ提供サイト
- 気象庁「気候変動ポータル」:https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/menu/
- 特徴: 日本および世界の気候変動に関するあらゆる公式データの基点となるサイトです。気温、降水量、海面水温の長期的な変化、台風の発生・接近数、温室効果ガスの濃度など、信頼性の高い観測データを網羅しています。
- 主なデータ:
- 日本各地の気温・降水量の長期変化
- 大雨や猛暑日などの極端現象の発生回数
- 温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)の濃度観測データ
- 海面水位の変化、海氷の状況
- 紫外線、黄砂、オゾン層の観測データ
- 環境省「環境統計集」:https://www.env.go.jp/doc/toukei/index.html
- 特徴: 温室効果ガスの排出量、廃棄物のリサイクル率、大気汚染物質(PM2.5など)の濃度、水質調査結果など、環境政策に関連する統計データがまとめられています。
- 主なデータ:
- 日本の温室効果ガス排出量(部門別、ガス別など)
- 一般廃棄物・産業廃棄物の排出量と処理状況
- 大気汚染、水質汚濁の状況
- 自然環境(植生、生物多様性)に関する調査データ
- 国立環境研究所 (NIES)「地球環境データベース」:https://db.cger.nies.go.jp/portal/
- 特徴: 日本国内の観測地点における温室効果ガスや大気汚染物質のリアルタイムデータなど、より専門的で詳細な研究データを提供しています。
- 主なデータ:
- 国内観測点(波照間島、落石岬など)の温室効果ガス濃度
- 人工衛星による地球環境観測データ
- 気候変動の将来予測モデルの計算結果
世界の環境・気候に関する無料データサイト
世界全体の気候変動データは、国連機関や各国の気象機関が連携して提供するデータベースが非常に充実しています。
🌐 おすすめの国際データベース
- 世界銀行 気候変動ナレッジポータル (World Bank Climate Change Knowledge Portal):https://climateknowledgeportal.worldbank.org/
- 特徴: 各国の過去の気候データと、将来の気候予測(気温上昇や降水量の変化など)を、地図やグラフで分かりやすく可視化できます。国別の脆弱性評価なども閲覧でき、非常に実践的です。
- 国際通貨基金 (IMF) 気候変動データ:https://climatedata.imf.org/
- 特徴: 気候変動がマクロ経済に与える影響を分析するためのデータが揃っています。各国の地表面温度の変化、CO2濃度、海面上昇、森林面積などのデータを国別に比較できます。
- 国際連合環境計画 (UNEP) や世界気象機関 (WMO):
- UNEP: https://www.unep.org/
- WMO: https://wmo.int/
- 特徴: これらの機関は、気候変動に関する最新の科学的知見をまとめた報告書(例:「State of the Global Climate」など)を定期的に発表しており、その中で使われているデータや図表をダウンロードできます。最新の状況を把握するのに最適です。
- アメリカ海洋大気庁 (NOAA) 国立環境情報センター (NCEI):https://www.ncei.noaa.gov/
- 特徴: 世界最大級の環境データアーカイブです。全球の気温・海水温の履歴データ(過去数十年〜100年以上)、気象衛星データ、古気候データ(氷床コアなど)まで、非常に広範で専門的なデータにアクセスできます。
付録:平均余命
まず「平均寿命」と「平均余命」について
よく使われる「平均寿命」とは、0歳時点での平均余命のことです。つまり、生まれたばかりの赤ちゃんが平均してあと何年生きられるかを示した数値です。
一方で「平均余命」は、ある年齢の人が、その後何年生きられるかの期待値を示します。例えば「65歳の平均余命」は、今65歳の人が平均であと何年生きるかを示したものです。年齢を重ねるほど、その年齢の平均余命を足した歳(例:65歳+65歳の平均余命)は、平均寿命よりも長くなる傾向があります。
日本の平均余命データ
最新の概況 (2023年データ)
厚生労働省が発表した「令和5年簡易生命表」によると、日本の平均寿命(0歳の平均余命)は以下の通りです。
- 男性: 81.09年
- 女性: 87.14年
これは3年ぶりに前年を上回る結果となりました。
年齢別の平均余命の例は以下の通りです。
| 年齢 | 男性の平均余命 | 女性の平均余命 |
|---|---|---|
| 65歳 | 19.47 年 | 24.38 年 |
| 75歳 | 12.13 年 | 15.74 年 |
| 90歳 | 4.89 年 | 6.27 年 |
| (出典:厚生労働省「令和5年簡易生命表」の概況) |
データを閲覧・ダウンロードできるサイト
日本の平均余命に関する最も信頼性の高いデータは、厚生労働省が公表する「生命表」です。
🇯🇵 厚生労働省「生命表」
- ウェブサイト:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/list54-57.html
- 特徴:
- 簡易生命表: 毎年公表され、最新の状況を把握するのに適しています。PDF形式の概況と、Excel形式の詳細な統計表が提供されます。
- 完全生命表: 5年に一度、国勢調査のデータに基づいて作成される、より詳細で確定的なデータです。
- 年齢別の平均余命、特定の年齢まで生存する人の割合など、詳細なデータを入手できます。
🇯🇵 e-Stat(政府統計の総合窓口)
- ウェブサイト: https://www.e-stat.go.jp/
- 特徴:
- 過去からの時系列データや都道府県別の生命表など、より多角的な分析をしたい場合に非常に便利です。
- 「生命表」や「平均余命」と検索することで、関連する統計データを探し出し、CSVやExcel形式でダウンロードできます。
世界の平均余命データ
世界各国の平均余命を比較する場合、国際機関のデータベースが最も信頼でき、比較しやすい形でデータを提供しています。
最新の世界ランキングの概況
平均寿命(0歳の平均余命)が長い国は以下の通りです。(調査機関や年によって順位は変動します)
- モナコ (約86.4歳)
- サンマリノ (約85.7歳)
- 香港 (約85.3歳)
- リヒテンシュタイン (約84.8歳)
- スイス (約84.1歳)
- 日本 (約84.0歳)
(出典:GLOBAL NOTE「世界の平均寿命 国際比較統計・ランキング」2023年)
日本は常に世界トップクラスに位置しています。
データを閲覧・ダウンロードできるサイト
🌐 世界銀行 (World Bank Open Data)
- ウェブサイト: https://data.worldbank.org/indicator/SP.DYN.LE00.IN
- 特徴:
- 世界各国の平均寿命のデータを、1960年から現在までの長期時系列で閲覧できます。
- サイト上でグラフや地図を簡単に作成でき、データをCSVやExcel形式で一括ダウンロードすることも可能です。非常に使いやすく、初めに利用するサイトとしておすすめです。
🌐 WHO (世界保健機関) – Global Health Observatory
- ウェブサイト: https://www.who.int/data/gho/data/themes/mortality-and-global-health-estimates
- 特徴:
- 平均寿命だけでなく、「健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)」など、より詳細な健康関連の指標データも入手できます。
- 男女別、年齢別の平均余命など、専門的なデータが豊富です。