2024年年賀状

2024-01-01

 謹んで新春のおよろこびを申し上げます。皆様方にとってこの一年が希望に満ちた年でありますように心よりお祈り申し上げます。 

 私もそろそろ「老病死」の季節を迎え、二千五百年前に若くして家を出て修行し、これについて<何か>をつかんだとされるブッダをフォローしようと、最初期の経典の「スッタニパータ」とか「ダンマパダ」を読んでいます。後に整理・展開された「仏説」と比べるとかなり読みにくいのですが、これらは,ブッダが実際に生きた世界で、考え語ったことに近いのだと思います。なかなか強烈で、例えば、

 「ああ短いかな、人の命よ…「何の誰それ」という名で呼ばれ知られた人も、死んでしまえば、ただ名だけが残って伝えられるだけである」(「スッタニパータ」第4章の「老い」)。

 「学ぶことの少ない人は、牛のように老いるかれの肉は増えるが、かれの知慧は増えない」(「ダンマパダ」152)。

 ところで、心を平静にして物事を「観察」し、無知(欲望)を滅すれば「老病死」の苦を滅することができる(輪廻を脱する)とするのがブッダの考えとされますが、さてさて。「愛別離苦」、「求不得苦」等の苦の激流に喘いでいる人が、無知(欲望)を滅することでこれらの苦を滅失できることは分かるんですが。老いに関する限り、まず「人はどう老いるのか (講談社現代新書):久坂部羊」でも読んで、老いを知ることが先決のようです。

 最後に、皆様方と共に、在家戒の五番目に、不飲酒戒があることを思い出し、(実行すれば)明るく来年を迎えられることを信じましょう。  2024年 元旦

                        弁護士  村 本 道 夫