「操られる民主主義」の紹介

イントロダクション  テクノロジーが社会を破壊する?
テクノロジーは自由をもたらしたのか? 人間にかわって意思決定をするもの 民主主義はデジタルではなくアナログである
第1章  新しき監視社会 データの力は自由意志をどのように操作しているのか
数学的法則で人間の行動を変える スマホから離れられない ビッグデータを使うアルゴリズム 「いいね!」であなたが何者か割り出せる 〝ナッジ〟の見えざる手 永続的な監視システム、パノプティコン コントロールされる「自由意志」 ベンサムの「快楽計算」のアルゴリズム やっかいな問題は機械にまかせろ 誰に投票すべきかはアプリが教えてくれる 「モラル・シンギュラリティ」の発生
第2章 「部族」化する世界  つながればつながるほど、分断されていく
怒りを共有し「部族」として結束する 断片化されていく時代 ネットによって「知らなかった怒り」を知る 直感的で感情的で本能に従って行動する ノイズの意味を理解する簡単な方法 「われわれ」こそが正しく、「彼ら」は邪悪で腐敗している 自己正当化が無限に増幅されていく トランプこそは「部族政治」の立役者 真実よりも感情、客観性よりも先入観
第3章  ビッグデータと大統領選  デジタル分析が政治のあり方を揺るがす
大統領選と「プロジェクト・アラモ」 共和党と「ケンブリッジ・アナリティカ」 フォードに乗る人はトランプの潜在的支持者 イギリスのEU離脱とビッグデータ フェイスブックの投稿が有権者を動かす 「トランプの投稿は、私が書いたのよ」 マイクロターゲティングがパラダイムシフトをもたらす 「自分は完全に操られている!」 ウラジーミル・プーチンのサイバー戦 トランプの逆転大勝利の陰で起こっていたこと アルゴリズムとビッグデータで武装した政治家
第4章  加速する断絶社会 ?AIによって社会はどうなるのか
自動運転のトラックに同乗する 人間の能力を超えていくディープラーニング 新たな雇用の創出と、大量の雇用の喪失 ルーティン・ワークと非ルーティン・ワークの段差 テクノロジーが「不平等」をあおっていく ベーシックインカムの原資は誰が負担するのか
第5章  独占される世界  ハイテク巨大企業が世界をわがものとする
デジタル・テクノロジーが「独占」を生む アマゾンの優位は品揃えではなく「プラットフォーム」の支配 そこにグーグルしかなければグーグルが有利だ 「無料」の戦略をなぜ独占企業が採用するのか 疑うことを知らない、幼児化した消費者市民 力を失っていくジャーナリズム 人びとを魅了する「カリフォルニアン・イデオロギー」
第6章  暗号が自由を守る?  国家を否定する自由主義者たち
「クリプトアナーキー宣言」 暗号化が無政府主義の楽園をもたらす? 監視や管理から解放された通貨「ビットコイン」 誰にも記録を消せないブロックチェーン 「すべてがつながること」の危うさ 政治と司法に対する信頼が損なわれていく 通貨発行権に対する真っ向からの挑戦 「匿名」という怪物が徘徊している
結論  ユートピアか、ディストピアか
格差の拡大が社会そのものを分断する 民主主義が解決できない問題は「機械」にまかせよ 拡大する格差、機械への盲目的で過剰な依存 シリコンバレーから逃げ出す者たち そして民主主義は静かに消えていくのか?
エピローグ  民主主義を救う 20 のアイデア
謝 辞 訳者あとがき 原註