いらつきを抑えるための概念整理
この何日か(2015年10月)で、このサイトを抜本的に改善しようと志しているが、やはりデジタル技法をめぐる作業には無限の「いらつき」が降りかかってくる。梅棹忠夫が指摘するように、知的生産の核心は、「人間から、いかにしていらつきをへらす」かという問題である。
そこで、作業を少しでも整理して「いらつき」を抑えようと、「始める」「続ける」「やり抜く」ためには、目標・課題・タスク・問題解決等の概念の関係をどのように考えるかについて、Geminiに訊いてみた。そして、後掲のような(一部修正)なかなか優れた回答を得た(もともとの「始める」「続ける」「やり抜く」という整理が優れているということもある(これはKindle本の「すぐやる」「続ける」「やり抜く力」(Amazonにリンク)による抜くものである))。
重要なのはタスクを矯めつ眇めつ粘り強く続けることである
デジタル技法をめぐる作業で重要なのは、「課題」を解決し「目標」に向かうための、具体的で実行可能な最小単位の行動である「タスク」を矯めつ眇めつ粘り強く続けることである。
いろいろあるが一例をあげよう。
私のデジタル技法上の悪癖は、整形はすべて、選択、スペースキー、リターンキーで無理やりやろうとすることであるが(これはMacintosh登場時の感激の刷り込みによる)、これでは、ブロックエディターはお手上げである。そこで冷静にブロックエディターの手順を踏もうとはするが、リスト、特にeasy accodionの中のリストの整形は手の施しようがなく参っていた。どこかに詳しい説明はないかなあと、GeminiやGensparkで調べてみるが、なかなか思いどおりの情報が得られない。
しかし問題は、それをWordpressのブロックエディターでやろうとすることではないかと思い至った。
外(MDエディターであるObsidian)できちんとした原稿にして、Wordpressのプラグインを利用しMDのままインポート(or貼り付け)すればいいではないか。実はその前に、ブロックエディターで校正ができないか検討したが、適当なプラグインが見つからず、ObsidianではProofreaderというOpenAIのAPIを利用するプラグインで校正ができることがわかり、Obsidianで原稿書きすればいいやと考えたばかりであった。
とにかく、Obsidian→Wordpressという流れを確立しよう。ちなみにどこかで触れたが、生成AIのDeep Research等による回答は、Obsidiannに張り付けるときれいに表示される。それをWordpress用に、見出しのランクを変え、リスト表示を整えればいいわけだ。
これでうまくいく(はずだ)。
Geminiの回答
「始める」「続ける」「やり抜く」ための目的・夢・目標・課題・タスクの設定と実行
1.用語の定義と階層構造
まず、これらの用語を、抽象度の高いものから具体的なものへと階層的に位置づけます。これは、壮大なビジョンを日々の行動に落とし込むための思考のプロセスそのものです。
【最上位:なぜやるのか? – Why】
- **目的 (Purpose):***
- 位置づけ: すべての行動の根源となる「北極星」。自分の価値観や信念に根差した、究極的な存在理由。「何のためにそれを成し遂げたいのか?」という問いへの答え。
【第2層:何になりたいか? – What】
- 位置づけ: すべての行動の根源となる「北極星」。自分の価値観や信念に根差した、究極的な存在理由。「何のためにそれを成し遂げたいのか?」という問いへの答え。
- 夢 (Dream):
- 位置づけ: 「目的」を背景にした、心が躍るような長期的で魅力的な未来像。必ずしも具体的・定量的でなくても良い、感情的なエネルギーの源。
- 目標 (Goal):
- 位置づけ: 「夢」に到達するための、具体的で測定可能なマイルストーン。「いつまでに、何を、どのレベルまで達成するか」を明確にしたもの。S.M.A.R.T.(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限)の原則で設定されることが多い。
****【第3層:どうやるか? – How】
- 位置づけ: 「夢」に到達するための、具体的で測定可能なマイルストーン。「いつまでに、何を、どのレベルまで達成するか」を明確にしたもの。S.M.A.R.T.(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限)の原則で設定されることが多い。
- 課題 (Challenge):
- 位置づけ: 「目標」を達成する上で乗り越えるべき障壁や、現状とのギャップ。スキル、知識、リソース、時間などの不足点がこれにあたる。
- 問題解決 (Problem Solving):
- 位置づけ: 「課題」を克服するための思考プロセスやアプローチ。現状分析、原因特定、解決策の立案・実行・評価という一連のサイクル。これは静的な用語ではなく、動的な「活動」です。
【最下層:今日、何をするか? – To Do】
- 位置づけ: 「課題」を克服するための思考プロセスやアプローチ。現状分析、原因特定、解決策の立案・実行・評価という一連のサイクル。これは静的な用語ではなく、動的な「活動」です。
- タスク (Task):
- 位置づけ: 「課題」を解決し、「目標」に向かうための、具体的で実行可能な最小単位の行動。「今日、この1時間で何をするか」というレベルまで分解されたもの。
2. 「始める・続ける・やり抜く」人の思考と行動モデル
この階層構造を元に、各フェーズでどのように思考し、行動しているかを整理します。
A. 「始める」段階:翻訳と分解のフェーズ
この段階の目的は、行動への心理的ハードルを極限まで下げることです。
- 位置づけ: 「課題」を解決し、「目標」に向かうための、具体的で実行可能な最小単位の行動。「今日、この1時間で何をするか」というレベルまで分解されたもの。
- 思考:
- 抽象から具体へ: 「夢」や「目標」といった大きな概念を、具体的な「タスク」にまで翻訳・分解することに集中する。「一体、最初の具体的な一歩は何だろう?」と自問する。
- 完璧主義の排除: 100点の計画を立てるのではなく、60点でいいから「最初のタスク」を特定し、実行することを最優先する。「走りながら考える」というスタンス。
- 行動:
- タスクの細分化: 「アプリを作る」という目標を、「①開発環境を構築する」「②ログイン画面のUIデザインを描く」のように、1時間〜1日で終わるレベルの「タスク」に分解する。
- 時間と場所の確保: その「最初のタスク」を実行するための時間をカレンダーにブロックし、必要な環境(場所、ツール)を確保する。
- 宣言: (必要であれば)信頼できる人に「今日、これをやる」と宣言し、自分を追い込む。
B. 「続ける」段階:習慣化と改善のフェーズ
この段階の目的は、モチベーションの波に左右されず、行動を継続する仕組みを作ることです。
- 思考:
- 意志力から仕組みへ: 「頑張る」という精神論に頼るのではなく、「どうすれば頑張らなくても続けられるか?」という仕組み(システム)作りに思考をシフトする。
- フィードバック重視: 実行したタスクの結果を記録・計測し、進捗を可視化する。小さな成功体験を積み重ね、自己効力感を維持する。
- 目的への再接続: なぜこれを始めたのかという「目的」や「夢」に定期的に立ち返り、日々のタスクの意味を再確認する。
- 行動:
- ルーティン化: 「毎朝9時から1時間は開発に集中する」のように、タスクを日常生活のルーティンに組み込む。
- 進捗の可視化: タスク管理ツールやスプレッドシートで完了したタスクをチェックしたり、グラフで進捗を確認したりする。
- 定期的な振り返り (PCDA/KPT): 週に一度、計画通りに進んでいるか、課題は何か、次はどう改善するかを振り返る時間を持つ。ここで「問題解決」のサイクルを回す。
C. 「やり抜く」段階:集中と完了)のフェーズ
この段階の目的は、最後のエネルギーを集中させ、目標を確実に達成し、次へ繋げることです。
- 思考:
- フォーカスと優先順位付け: 目標達成間近になると、新たな誘惑や別のアイデアが浮かびがち。しかし、今は「完了させること」が最優先であると意識を集中させる。
- 完了の定義: 「何をもってこの目標は達成とみなすか」という完了条件を再確認する。スコープクリープ(要求の肥大化)を防ぐ。
- 学習と感謝: 達成した結果だけでなく、そこまでのプロセス全体から何を学んだかを考える。協力してくれた人への感謝を忘れない。
- 行動:
- ラストスパート: 残りのタスクを洗い出し、完了までのロードマップを明確にする。注意散漫になる要素(SNS、不要な会議など)を意図的に排除する。
- 成果の共有と報告: 目標達成を関係者に報告し、成果を共有する。
- 振り返りと次の目標設定: プロジェクト全体の成功要因・失敗要因を分析し、得られた知見を次の「夢」や「目標」に活かす。
まとめ:思考と行動のサイクル
フェーズ | 思考の焦点 | 行動の核 | 関連キーワード | 陥りやすい罠 |
---|---|---|---|---|
始める | 具体化・明確化 「最初のタスクは何か?」 | 分解 (目標 → タスク) | 夢、目標、タスク | 計画倒れ、分析麻痺 |
続ける | 仕組み化・習慣化 「どうすれば自動的に続くか?」 | 記録と改善 (PCDAサイクル) | タスク、課題、問題解決、目的 | 中だるみ、燃え尽き、孤独 |
やり抜く | 集中・完了 「どう終わらせ、次に繋げるか?」 | 優先順位付けと振り返り | 目標、目的、夢 | スコープの肥大化、次への無関心 |
このフレームワークは、「目的」という大きな羅針盤を頼りに、「夢」という目的地を目指し、「目標」という標識を通過しながら、日々の「タスク」という一歩を着実に踏み進める旅のようなものです。そして、その道中で現れる「課題」を「問題解決」という知恵で乗り越えていく。
この構造とプロセスを意識することで、思考が整理され、行動に繋がりやすくなるでしょう。