人の心と行動,本の森

BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは:青砥瑞人

アクセス(周辺から中心へ)

「モチベーション」「ストレス」「クリエイティビティ」という三つのテーマ(問題解決)を、神経科学の新しい研究に基づいて細かく説明するという「スタンス」は絶賛したい。「報酬系」を論じる本が、ほとんど焦点が「拡散」するなかで、上記の問題を、脳の部分的な機能、神経伝達物質等から構成しようとする姿勢は正しいと思うし、その内容もそのような部分を抜き出して再構成すれば役立つ。

ただ著者がビジネス系の「セミナー」を主催するという利益獲得を目指す立ち位置から発している様々なコメントは、公式的で平板で思索がなく余り愉快ではない。

だから読み方、取り入れ方に気を付ける必要がある。その限りでお薦めしたい。

備忘録

著者側の発信情報

予約が取れない大人気セミナー「神経科学レクチャー」を書籍化。脳を学ぶ時代、神経科学を応用する時代が始まった!弁護士、医者、大企業CEO、アスリートなど現場で活躍する人が学んでいる。

「脳の中で何が起こっているのか(WHAT)」を解き明かし「なぜそうなるのか(WHY)」について知識を深めれば、「パフォーマンスを高める方法(HOW)」を自ら創り出せる。

人の神経系はブラックボックスとして扱われ、なかなか研究が進まなかった。しかしながら、近年の科学技術の発展により、そのブラックボックスが開かれ始めている。人類が新たに獲得しつつある叡智が、難解な科学論文の中だけに埋もれているのは非常にもったいない。そしてその叡智が、単なる事実確認のためだけに使われることも、人類にとっては大きな損失になる。

本書の役割は、神経科学が新たに示してくれる叡智を、哲学や心理学でこれまで育まれてきた叡智と照らし合わせることである。そして、ビジネスを含めた我々の生活と照らし合わせることにある。その結果として、人間理解にどのように応用できるのか、実際の生活にどのように応用できるのかを探求する「応用神経科学」としての役割を担いたいと考えている。

世界では、神経科学の企業研修への応用、教育への応用が少しずつ始まっている。ここ日本でも、その流れが動き始めている。

企業や教育現場において、脳を学ぶ時代、神経科学を応用する時代が始まったということだ。

私の備忘メモ

追って掲載する。

詳細目次

 次の頁に掲載する。

本の森,組織の問題解決

「企業」「政府」はヒトの集団である

「ヒトの生活と行動」では、もっぱら個人としてのヒトから見た「問題解決と創造」を取り上げたが、「企業」、「政府」はヒトの集団であり、集団の行動には、<個×人数>とは違う固有の問題(マイナス面もあればプラス面もある)があるだろう。
そこで「企業」「政府」を検討する(項目の内容を修正するのに)に先立って、「集団」固有の問題を検討することには、十分に意味があると思い至り、Kindle本を検索して、「集団と集合知の心理学」という本に巡り合った。

「集団と集合知の心理学」を読む

集団と集合知の心理学:有馬淑子

アクセス

「集団」を検索して見つけたのだが、これは「掘り出し物」である。著者は、社会心理学の「集団の心理をテーマとしてネットゲームなどを用いて研究して」しているそうで、第2章の「集団過程」には力が入っている。私には本書における著者の専門分野での記述のできばえは評価しようもないが、著者が専門分野に止まらず、「集団」と「集合知」(「集団」「組織」「ネット上」)を幅広く取り上げてそれぞれの知見を簡潔に整理していること、さらに補足事項として方法論である「情報科学、ネットワークの科学、意思決定研究の概念、人工知能、ベイズ統計、マインドフルネス認知療法、シミュレーション研究 (含む複雑系)」を簡潔にまとめていること等々、「まとめ本」として秀逸である(これはお得な「おまけ」だ。)。
また「集合知」(特に、第6章「インターネットの集合知」)は、「デジタル情報の氾濫と法とルールの破綻」の検討において、大きな地位を占める問題になると思う。

備忘録

作者側の発信情報

我々は、条件次第で愚かにも、賢くもなれる。困難な課題に直面した時、何を頼りとすれば正解に近づけるだろうか。集団の愚かさが強調されてきた集団研究と、賢さを強調する集合知の知見を統合しわかりやすく解説する。

私の備忘メモ

「集合」を抽象的な多数の要素の集まり「示す概念として、ヒトの集合は、群衆、集団(所属集団名を共有した2名以上の人々)とし、「組織」は集団のうち、役割構造・課題構造に関する知識が共有されているものと整理する。「企業」「政府」は「組織」であるが、その機能は全く違う。
本書3章「集合行動」は群れ(行動、知性、同調と感染)とネットを検討し、4章以下、集団、組織、インターネットの「集合知」を検討している。ネットの集合知については」少なくても「集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ (中公新書) :西垣通)を併せて検討しよう。
なお本書には、組織の問題解決という視点は余りないのかも知れない。この著者の先輩かも知れないが、釘原 直樹さんの「人はなぜ集団になると怠けるのか -「社会的手抜き」の心理学 (中公新書) 」や「グループ・ダイナミックス –集団と群集の心理学」等が、次に検討すべき本だろう。

詳細目次

 

本の森

本の森とは

「本の森」の今後を考えてみましょう。「本の森」の旧稿に次のようにあります。これは変わりません。

「「本の森」は、私が読んだor目を通したor買ったままになっている本から、現在取り組んでいることのために読み、あるいは好奇心、楽しみのために読んだ本の中から、備忘のために適当に選んで作成する、私自身のための主観的な資料集です。何かしないとその本を買ったことさえ忘れてしまうから!
一つの本を取り上げる「「・・」を読む」の外、ある分野の本をまとめる「「・・の本」まとめ読み」も作成します。
紹介の仕方や記述について、どのようなスタイルが最も省力化できて、かつ有用かは、なお試行錯誤するしかないようです。ただAmazonとの連携は有用でしょう。」

このあとに、読書に要する時間で5分類する「本のタイプ」や、「眺め読み」「点読」「通読」「精読」「熟読」の「読込度」が出て来ますが、予想どおり煩雑ですぐに忘れ去られました。

読書をめぐる最近の問題

最近の問題は「本が読めない」ということです。まずR本を持ち運んだり、読書の態勢(姿勢)をとったりするのが億劫になりました。しかも読みにくい小さな字の本も多くあります。それでほとんどKindle本を買うのですが、どうも気が散って単に目を通すだけのことが多くなったような気がします。ハイライトしただけでは読んだことになりません。根底にデジタル情報の問題があるような気がします。

更に読書は本から何を得る行為なのかという、より根本的な問題があるように思います。

私は本を読むということの基本を

いつ・だれが、いかなる世界・環境・言語空間の中で、いかなる物事(対象)を、体験・観察・実験・想像・推論して把握して、いかなる抽象度で整理し、表現したか、そしてそれは、問題解決と創造にどう役立つかを把握することだと考えています。

それはさておき、これからの本の森の充実を期して、定型的な書式を作成しておきましょう。

本の森の定型を決めよう

これからは当面次のようにしましょうか。

「書名」を読む

書名:作者
英文書名:作者

アクセス

その本に行き着いた経緯、他の本との関係、その他その本をめぐる情報等を記載します。

備忘録

作者側の発信情報

Amazon等での紹介情報のポイントを記載します。

私の備忘メモ

私の備忘メモです。「これから読もう」もありか?

詳細目次

最初はどの本にしようかな。