自然を経験する

自然を経験する

自然を経験する諸相

「自然を経験する」ことは、私にとって、そして多くの人にとっても、恐らく「残された日々を生きる」中で一番楽しい活動だ。 ヒトが自然を経験する機会や方法は多様である。星を眺めること、森や街中を、歩くこと・走ること、風を感じること、泳ぐこと、樹木、草木、花を見、ること・育てること。私の最近の興味は、鳥の鳴き声を聞くことや雑草刈りだ。末尾に生成AIに聞いた、自然を経験する20の方法、自然を観察する20の対象を載せておこう。まだまだいくらでもある。

位置付け

この「自然を経験する」という項目は、「山ある日々」の「問題発見・解決と創造」と「地球環境と資本主義の行方」の間に置かれているが、私は、「地球環境と資本主義の行方」という「問題発見・解決と創造」のために、「自然を経験する」ことが必須であるという意味で、極めて適切であると思っている。 また「自然を経験する」ことの多くは、「日々の創意工夫と遊び」の中で重要な地位を占めている。

自然を経験するを分析する切り口

ヒトが自然を経験する態様(換言すれば、ヒトと自然との関係)を分析する切り口は多様であり、多くは哲学・思想にも関わるのであるが、この項目では、形式的に切り分けることにする。 そこで自然とヒトの関係について、>・=・<の3通りを想定しよう。

  1. 自然がヒトより強大でヒトが容易に操作できない領域 自然>ヒト
  2. ヒトがその自然の中で活動する領域 自然=ヒト
  3. ヒトがその自然に働きかけたり観察したりする領域 自然<ヒト

これらについて基本になる本を挙げ、簡単にコメントしよう。 またこれに先立って、「自然とヒトを理解する方法」として参考になる本を挙げておこう。完成するまでにもう少し時間がかる。

自然とヒトを理解する方法

「自然とヒトを理解する方法」として、地球の歴史、気候、地理等の概論と、物理学、光と色の本に目を通そう。

  • 世界の起源 人類を決定づけた地球の歴史:ルイス・ダートネル
  • 気候変動で読む地球史 限界地帯の自然と植生から NHKブックス:水野 一晴  
  • 世界がわかる地理学入門 ──気候・地形・動植物と人間生活 (ちくま新書):水野一晴
  • 文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る 松原 隆彦
  • カラー図解でわかる光と色のしくみ なぜ空は青く虹は七色なのか?どうして花は彩り生物は光るのか?:福江 純; 粟野 諭美; 田島 由起子
  • 序 章
  • 第1章   人類の成り立ち
    • 地球寒冷化  /  進化の温床  /  樹上から道具へ  /  気候の振り子  /  プレートテクトニクスの申し子の人類
  • 第2章   大陸の放浪者たち
    • 寒冷な時代  /  天空の時計じかけ  /  温室から氷室へ  /  脱 出  /  波及効果  /  島 国
  • 第3章   生物学上の恩恵
    • 見つかってから失われた楽園  /  新石器の革命  /  変化の種  /  後戻りできなくなった時点  /  野生を手なづける  /  性革命  /  文明のAPP  /  世界の発熱  /  ユーラシアの利点  /  給水塔
  • 第4章   海の地理
    • 水を富に変える  /  内 海  /  シンドバッドの世界  /  香辛料の世界  /  交通の難所  /  黒い動脈  /  黒い帯
  • 第5章   何を建材とするか
    • 生物由来の岩石  /  木材と粘土  /  石灰岩と大理石  /  チョークとフリント  /  火と石灰岩  /  地殻の汗  /  足下にある地層
  • 第6章   僕らの金属の世界
    • 青銅器時代の到来  /  海底から山頂へ  /  錬鉄から鋼鉄へ  /  星からの鉄の心臓  /  世界が錆びたとき  /  ポケットのなかの周期表  /  絶滅危惧元素
  • 第7章   シルクロードとステップの民
    • 東西のハイウェイ  /  草の海原  /  立ち退かされた民  /  ローマ帝国の衰退と崩壊  /  パクス・モンゴリカ  /  一つの時代の終わり
  • 第8章   地球の送風機と大航海時代
    • 海の回転──船乗りたちの革新的な方法  /  嵐の岬へ  /  新世界  /  地球の送風機 /  モンスーンの海へ  /  モンスーンのメトロノーム  /  海の帝国  /  グローバル化に向けて
  • 第9章   エネルギー
    • 太陽と筋力  /  動力革命  /  化石になった太陽光  /  石炭をめぐる政治  /  黒死病  /  仲介役の排除   
  • 終 章    
  • 謝 辞  訳者あとがき  図版出典  参考文献  引用文献  原注
  • はじめに
  • 第一章   一億年前の化石林と大陸移動 ──アフリカ大陸の形成
    • ナミビアという国/ ナミブ砂漠にころがる化石林とゴンドワナ大陸 大陸移動説とプレートテクトニクス/ 地表に姿を現した化石林 ナミブ砂漠の形成/ ナミブ砂漠の砂はなぜ赤いのか アフリカ大陸の地形的特徴/「広がる境界」と「せばまる境界」「ずれる境界」 アフリカ大地溝帯/ イーストサイドストーリー
  • 第二章   一万年の気候変動 ──氷河期の終わりと「緑のサハラ」
    • 1   最終氷期の終わりとアフリカ
      • 最終氷期の最盛期、地上に降りたゴリラ/ 最終氷期の気候変動と自然の変化 一万年間のアフリカの気候変動と自然や社会/ 緑のサハラ 湿潤期の到来と旧石器文化の繁栄/ ヨーロッパの最終氷期の植生と現在の植物分布
    • 2   最終氷期の日本
      • 気候変動と日本の生物分布/ 日本の山々に残された氷河期の痕跡 氷河と山手線の駅の不思議な関係/ 最終氷期以降の気候変化と東京の地形 山手線の車窓からわかる東京の地形/ 最終氷期以降の気候変化と名古屋の地形 最終氷期以降の気候変化と大阪の地形/ 日ごろのニュースや事件と氷河時代の地形
  • 第三章   一〇〇〇年の気候変動 ──寒冷化と自然の変化
    • 一〇〇〇年間の気候変動と世界の歴史/ ケニア山の氷河の縮小とヒョウの遺骸の発見 一〇〇〇年間の気候変動とアフリカの自然変化/ ナミブ砂漠の拡大する砂丘 ナミブ砂漠のアカシアはいつ枯死したのか ナミブ砂漠に一〇〇〇年以上生きるウェルウィッチア(奇想天外)
  • 第四章   一〇〇年の気候変動 ──温暖化にともなう氷河縮小と植生変化
    • 1   氷河縮小と植生遷移
      • 劇的に変化を遂げるアフリカ/ ケニア山の氷河縮小と植生遷移 ケニア山の氷河縮小/ 氷河の後退とともに山を登っていく植物 温暖化とケニア山の植生遷移/ キリマンジャロとルウェンゾリの氷河縮小 アフリカの一〇〇年間の気候変動が自然や社会に与えた影響 アンデスの氷河変動と植生遷移
    • 2   温暖化で南アルプスの「お花畑」はどう変わったのか
      • 森林限界と「お花畑」/「お花畑」の成因と温暖化によるシカ害の増加 南アルプス高山帯の植生変化
  • 第五章   一〇年の気候変動 ──森林枯死と洪水
    • 1   激減する降水量と森林枯死
      • ナミブ砂漠の季節河川沿いの森林の変化/ トップナールの人々 ナミブ砂漠に自然に生えているナラメロンとそれに依存している地元住民 現金収入源としてのナラ/ 砂漠ゾウと地元住民の微妙な関係 人間にとっての森林 アフリカにおける数十年間の気候変動と自然や社会に与える影響
    • 2   高山地帯の二〇年間の植生変化
      • ボリビアアンデスのチャカルタヤ山における植物の生育上限高度の二〇年間の変化 木曽駒ヶ岳における温暖化実験による高山植生の二〇年間の変化
  • 第六章   一日の気候変動 ──千変万化の自然と植物
    • 気温の日較差と年較差/ 凍結融解作用と構造土
  • 第七章   アフリカの自然と人類の歴史
    • 1   アフリカの気候
      • 大気の大循環と世界の気候区/ 熱帯収束帯が「気候」におよぼす影響/ アフリカの気候
    • 2   アフリカの自然的特徴と人類の歴史
      • 大地溝帯とモンスーン──東アフリカ/ 世界有数の多雨地域──西アフリカ ギニア・モンスーンと熱帯雨林──中央アフリカ カラハリ盆地、ナミブ砂漠、マダガスカル──南部アフリカ ナイル川とサハラ砂漠──北アフリカ
    • 3   アフリカの植生
      • 熱帯雨林の植生/ 熱帯雨林の南に広がるミオンボ林 熱帯雨林で暮らすゴリラ/ サバンナの植生/ サバンナのシロアリ塚 ステップの植生/ 砂漠の植生/ スイカがなぜ砂漠で生まれるのか   ケープ植物界
  • 引用・参考文献 あとがき

自然>ヒトの場合

ヒトがいなくても、滅亡しても、自然(地球)は存続し続けること、及び星・月・空・海・山・川・岩・土・気候等を考えよう

  • ヒトなき後の自然
    • 人間がいなくなった後の自然:カル・フリン
    • この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた:ルイス・ダートネル
    • 朽ちゆく世界の廃墟:自由国民社編集部
  • 星・月・空・海・山・川・岩・土・気候
    • 地球・生命-138億年の進化 宇宙の誕生から人類の登場まで,進化の謎を解きほぐす:谷合稔 
    • 新版 月と暮らす:藤井旭
    • あの雲なに?がひと目でわかる! 散歩の雲・空図鑑 151種の雲や空の現象を解説:岩槻秀明
    • 海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史 (ブルーバックス):藤岡換太郎
    • 山はどうしてできるのか ダイナミックな地球化学入門:藤岡換太郎
    • 川はどうしてできるのか―地形のミステリーツアーへようこそ:藤岡換太郎
    • 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち (ヤマケイ新書 ):藤井 一至
    • 自然のしくみがわかる地理学入門 (角川ソフィア文庫):水野 一晴

自然=ヒトの場合

ヒトが自然の様々な領域を対象にして活動する領域だ。「自然と向き合う力」は、半ば思想だ。

  • 自然と向き合う力
    • 失われた、自然を読む力 :トリスタン・グーリー, Tristan Gooley     
    • GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス:ジョンJ.レイティ, リチャード・マニング
    • NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる 最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方:フローレンス・ウィリアムズ  
    • ウォークス 歩くことの精神史:レベッカ・ソルニット
    • トレイルズ 「道」と歩くことの哲学:ロバート・ムーア; ROBERT MOOR
  • 歩く・走る・登山する

自然<ヒトの場合

ヒトが自然を観察したり、意図を持って自然に働きかけ変容させたりする領域である。というよりヒトが自然を支配しようとする場合と考えていいだろう。

  • 身近な自然を観察する
  • 樹木・花・野菜を見る・育てる、雑草を取る
  • 俳句の世界

自然を経験する方法

自然を経験する20の方法

  1. ハイキングやトレッキングを行う
  2. 山登りやクライミングを行う
  3. 釣りや狩猟を体験する
  4. サーフィン、カヤッキング等の水上アクティビティを楽しむ
  5. スキューバダイビングやスノーケリングで海中の自然を観察する
  6. キャンプを行い、夜空の星々を眺める
  7. 森林浴を行い、森のエネルギーを感じる
  8. バードウォッチングや動物観察を行う
  9. 野生の花や植物の観察・収集を行う
  10. 自然写真撮影に挑戦する
  11. 農作業体験などで土と触れ合う時間を持つ
  12. 川下りやラフティングといったアドベンチャーアクティビティに参加する
  13. 知られざる洞窟探検に挑戦する
  14. 自転車で風景豊かな道路を走る
  15. 馬に乗って自然と一体化する体験
  16. 漁村などの自然豊かな地域でのホームステイ
  17. ヨガや瞑想といった静寂な時間を自然の中で過ごす
  18. 地元の農産物を使った料理を作る
  19. 自然体験学習教室やワークショップに参加する
  20. 美しい風景を見つつランニングやウォキングをする

自然を観察する20の対象

  1. 木々や草花
  2. 山や丘
  3. 川や湖、海
  4. 動物たち(鳥類、哺乳類、爬虫類など)
  5. 昆虫たち
  6. 魚や水生生物
  7. 空と雲
  8. 太陽、月、星々
  9. 風景全体(森林、草原、砂漠など)
  10. 地形・地質(岩石、土壌)
  11. 水の流れや波の動き
  12. 季節の変化(春の花々、秋の紅葉など)
  13. 天候や気候(雨、雪、霧など)
  14. 自然災害(台風、地震など)
  15. 野生果実・食用植物
  16. 生態系全体(食物連鎖や共生関係など)
  17. 土壌生物(ミミズやダンゴムシなど)
  18. 光と影の変化
  19. 自然現象全般(虹、オーロラなど)
  20. 自然と人間との関係性(農耕風景等)

Posted by murachan54