弁護士紹介 

2019-08-19

私(弁護士村本道夫)の自己紹介のページです。以下「私のプロフィール」、「私の現況と関心事」、及び「私の弁護士としての考え方」を記載します。下位のメニューの「私が担当したふたつの事件」で、「陸山会事件」と「旧小淵沢町官製談合住民訴訟事件」を紹介しています。

私のプロフィール

私は、現在、神田淡路町の「カクイ法律事務所」で(事務所の所在、地図、電話・FAX番号はこちら)、石井邦久弁護士と一緒に弁護士として仕事をしています。今は一緒に取り組んでいる仕事はあまりありませんが、これからの時代を支えるデジタルや生成AIについては二人とも興味を持ち、得意な分野としているので、共同して受任することがあるのではないかと思います。
弁護士となってあっという間に40年近くが経過してしまいましたが、今も気持ちは弁護士になりたての頃とあまり変わっていませんし、一時期登山に凝っていたので、お酒が大好きな割には極めて健康です。私のこれまでを少し振り返ってみます。

私は広島県で生まれ育ったが故の生粋のカープファンなのでここ数年はうきうきしていました。小学校は、大竹市の大竹小学校(「50年前の私に会う」)、中高は、カトリック(イエズス会)系の広島学院でしたが、長じて仏教が好きになり、唯識や禅の公案の本を読むのを喜びとしていた時期もあります。今は、科学愛好家として、物質・エネルギーが自然を生み、そして生命、人間を生んだ、不可思議さと美しさを、心の支えとしています。最近は、ストア派の哲学も好きです
騒乱たる世上が少し落ち着いた時期に東京大学に入学し、学部は法学部でしたが、入学してすぐに大学に行かないことを「信条」とし、文学や哲学が好きで大学卒業後、高校で、現代国語や漢文を教えていたこともありますが、思い立って弁護士となりました。
弁護士となってからは、普通の弁護士としての活動をしてきただけですが、裁判官出身の弁護士と一緒に法律事務所(ふじ合同法律事務所、マトリックス国際法律事務所)を設立したり、外資(モルガン・スタンレー)系のサービサーの代表取締役をしたり、日本生産性本部の一活動として公職選挙法や政治資金規正法の改正に取り組んだり、小沢事件の指定弁護士に選任されて活動したり、ビジネスジェットを利用した国際医療搬送サービスに取り組んだり、太陽光発電設備を規制する条例案作成に関与したり、最近はAI弁護士と自称したりと、新しいことや少し変わったことが好きな性格であることは間違いありません。
その間、45歳頃から山登りにはまり、7年で百名山を完登しました。一時期、「日本一、山に登っている弁護士」と自称していたこともあります(多分これは真実でした。)。今は、随分足が遠のきましたが。このWebのブロックタイトル「山ある日々」は、その甘美な経験に由来します。
パソコンやITは、マッキントッシュ、パソコン通信の時から好きでしたが、オタク的にのめり込むとまではいきませんでした。しかし最近の生成AIを巡る動きには今までになく心揺さぶられます。でもAIをもてはやすだけではなく、AIと人間の脳の働きの違いを踏まえ、冷静に将来の動向を見通す必要があると思っています。当面、IT、AI、IoT、DX、等について、十分に理解し、開発者、販売者、利用者の活動を、法務面から支えられる弁護士でありたいと思っています(「IT・Ai・DX法務」)。
弁護士会の活動はあまりしていませんが、刑事、行政、弁護士業務、研修、綱紀関係の委員会活動や、役員として日弁連、第二東京弁護士会のそれぞれ監事をしました。

私の現況と関心事

私は10数年ほど前からビジネスジェット機を利用する国際医療搬送事業(エアアンビュランス)の立ち上げに関与してきましたが、立ち上げ会社の経営が、当時の代表者の不祥事を契機に破綻しかけたので、2年以上、その立て直しに奔走してきました。しかし絶えず彼我の関係者の対応に苦汁をなめさせられ続け、「出発は遂に訪れず」。私はいったん撤退することにし、事務所も羽田から神田淡路町の「カクイ法律事務所」に移転しました。この経験を今後に生かしたいと思っています。

さて、現下の私の一番の知的関心事ですが、人間や社会を、進化論、ファスト思考(直感)とスロー思考(理性)(カーネマン)、複雑系ネットワークと分業等からなるシステムととらえ、その改革のために「法を問題解決と創造に活かす」弁護士活動に取り組むことです。環境の中で生存・繁殖するための進化を重ねた生物である人間の行動は、多くの場合ファスト思考に支配され、複数の人間、自然、人工物、情報の複雑な相互作用からなる現代社会では、合理的な解決が困難な問題が生じ続けていますが、一方で人間のスロー思考とこれに助力するIT,AIが及ぶ範囲もますます拡大しており、「方法を工夫すればなんとかなるさ。」と考えるようになりました。そして、今この「未来の法律事務所」を構想する中で、当面の関心事を「世界の複雑な問題群」と「IT・AI・DX」に絞ろうと思います。もちろん仕事はそれに限りません。

私の仕事の対象である法やルールも、このような考え方を踏まえてはじめて科学的になるのだと思います。私は、これを日々の仕事に生かし、「法を問題解決と創造に活かす」弁護士活動に取り組みたいと思っています。

私の弁護士としての考え方

「私の弁護士としての考え方」について、少し理屈っぽいですが、まとめてみます。「世界の複雑な問題群」と「IT・AI・DX」に触れていない少し古いバージョンです。

今の時代を生きる難しさ

今、科学とその応用技術の飛躍的発展と、それを支えとするIT・AI革命とグローバリゼーション化が進展する中で、あらゆる分野で知識の専門化、高度化、複雑化、錯綜化が進み、これに応じて社会や経済の仕組みも、ますます複雑で分かりにくくなってきています。一方、政治過程やメディアにおいては、非論理的、感情的な有象無象の言説が爆発的に横行し、世界の複雑さ、混乱に拍車をかけています。こういう中での舵取りは本当に難しい。皆さんもそう実感しませんか?このことを言葉だけでなく、本当に体で感じ始めたのは、ここ10年ぐらいではないでしょうか。

法律のあり方と弁護士の存在意義

法律も、めまぐるしく制定・改廃され、その長大化・複雑化にますます拍車がかかっています。さらにローマ法、コモンロー、そして現代法まで、法律にはその論理や解釈に独特の難解さがあることや、法律を作成・適用する行政(立法府)や裁判所が、所詮、極めて不十分な人間の思考、判断に依拠する不安定さ、不確実さを有していること、法は政府による支配のツールという要素を含んでいること、我が国には遅れてきた法の継受の問題があること等々から、法律が関わる紛争や法律問題の分かりにくさは、際立っているでしょう。「法律、法律書、ホームページにこう書いてある」からといって、それが「正解」であるという保証は全くありません。

私はそのような現実がいいとは決して思いません。少なくても多くの市民の生活のルールとなる法律は、通常の読解力のある人が、前提となる専門用語を理解すれば、だれでも理解できるような内容でなければならないと思いますし、法律の作成・適用は、論理的で科学的でなければならないと思います。率直にいって現状はそれと逆の方向に向かっており、このことはもっと多くの人に共有され批判されなければならないし、法律実務に携わる者はそのような現実を変えていかなければなりません。もっともそれは決して我が国だけでの現象ではなく世界の多くの「先進国」の現象なのかも知れませんが。

しかし、今、法律に関わる紛争や法律問題に巻き込まれた人は、百年河清を待つわけにはいきません。まただれでも分かるような内容の法律の下でも、当然に、法律に関わる紛争や解決すべき法律問題は生じます。そのようなときは、法律実務に精通した「プロ中のプロ」の弁護士に相談、依頼することが必要ですし、現在、社会的に重要なビジネスやプロジェクトを遂行していたり、あるいは開始しようとしたりしている人にも、適確なリーガル・アドバイスが不可欠です。しかし、多くの人にとっては、信頼するに足りる弁護士が身近にいるかどうかが問題です。

弁護士はこうあるべきだ

私は一人一人の弁護士が、法律に関して、市民や企業が日々遭遇する問題から高度な専門性を要する問題、公共部門にかかわる問題まで、また既に生じてしまった紛争の解決から、日常法務、予防法務、戦略法務まで幅広く対応し、市民生活や事業活動に必要不可欠な法律サービスを提供しなければならないと考えています。

もちろん、一人の弁護士が、共時的にできることは限られていますが、時を異にすればそれは可能ですし、またそうあるべきだと思います。そのように心がけて経験を重ねれば、大概の類型の紛争や法律問題に遭遇しますし、どんな紛争や法律問題も、幅広い広がりと関連性を持っていますから、自分はこれが「専門だ」というのは、「これしかできない」ということであり、感心しません。

弁護士が得意な「単品料理」を持つことは当然ですが、「単品料理」だけを提供すべきだ、そちらの方が美味しいという考えは持っていません。それは新しいことを勉強しないことの言い訳に聞こえます。

依頼者から受任した案件に責任をって対応するのは、一人の弁護士以外にはあり得ません。「訴状」にずらずらと名前を連ねる法律事務所は、誰も責任を持ちませんと言っているのか、単なる「営業政策」を「訴状」に書き連ねているのかのどちらかです。

私の基本方針

私は、この時代に生きる弁護士は、次のようなことにつとめるべきだと考えています。

・社会や法律の激しい変化に対応した最新かつ幅広い知識に基づいて法律サービスを提供する。

・徹底した事実調査と、最新の法令・判例・文献の分析に基づき、良識ある法律家として考え、表現し、説得する。

・個人や企業の活動のグローバル化に対応する国際的な法務に取り組む。

・依頼者の心を理解し、時に熱い心を持って激しく行動し、時に冷静な分析に基づいて沈着に行動する。

ご相談とご依頼

少し偉そうなことを書きすぎたかも知れませんが、法律に関わる紛争や法律問題の解決を迫られている方、またこれからしっかりと対応したいとお考えの方、重要なビジネスやプロジェクトを遂行していたり、あるいは始めようとされている方は、是非ともお気軽にご相談、ご依頼いただければと思います。

Posted by murachan54