問題の発見・解決と創造
「問題の発見・解決」と「創造」の方法
分析と課題
私は「残された日々を生きる」ブロックにおいて「アイデアをカタチにする」ことを前提にして、様々な事象の考察、活動をすることとした。「アイデアをカタチにする」ことは、ほぼ「創造」と同義であり、だからこそ、そこから「日々の創意工夫と遊び」(プチ創造)を導き出した。私は、日々、「アイデアをカタチにする」歓びを愉しみたい。 問題の発見・解決は、それと一部重なるが、もう少し重い場面も含むだろう。私たちは、日々、自分自身の現在の有り様とこれからの行く末に思い煩わされ、頭上に掲げた目標と泥沼のような日々の現実との差異(問題)の解決を迫られる。更に自分の視野を通して見える、環境(自然や人工物等)の中に存在する、自身や自身が属する組織(家族・コミュニティ、企業、自治体・国、その他の組織)とこれらの相互作用として起きている様々な複雑な問題群に直面し、その解決も迫られる。社会や世界には、複雑で解決困難な問題や新しい問題が群として山積していることがわかる。個の問題より、こちらの方が重いことが多いだろうが、これについて個としてできることは限られる。
これらの解決すべき問題を、「個の問題」(大きくは「目標の達成」と「依存からの脱却」と捉えることが出来ようか。)と「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」に分けることにしよう。現代の焦点となるのは、多く後者の「複雑系と持続可能性」の問題であるが、その解決は容易ではない。ただ「個の問題解決」をクリアしないと、なかなか「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」の解決にまで行き着くことは出来ないだろう。 「世界の複雑な問題群」の多くは「公共」に関連するので、まずその問題解決に取り組むべき役割を担うのは各国の政府であるといえるが、最近の彼我の政府や政治過程の視野の狭さには辟易するだけで、当面政府がこれらの問題を解決することは当てにしない方がよさそうだ。というより、政府自体、解決しなければならない問題の大きな対象だし、次々と新しい問題を引き起こし、持続不可能性に拍車を掛けているようにも思われる。 そこで私たちは襟を正し、世界の最小の構成要素である一個人として、自ら「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」の解決に乗り出すべく、「問題解決学」、「創造学」、「システム思考」等々といわれる分野をのぞいてみたくなるが、百花繚乱で、何を頼ればいいのか、迷うばかり、さてどうしよう。特にビジネス分野から発信される「問題の発見・解決」論は、いかにも軽率なものが多く、どうも頼りがいがない。一方、学問分野からの発信は対象範囲が狭く、しかも重くもたもたとして、しかも構造の記述、モデル化、分析にとどまるものが多く、なかなか「問題の発見・解決」の実行に届かない。
ここでの課題は、要は、私たちが「問題」と捉えることを「世界」の中に位置づけて記述、モデル化し、それを解決するために何をどうすればよいのかの実行手段が得られればいいわけだから、「世界」に関する知識と「問題解決の方法」が結び付けられればよいわけだ。 ところで、問題解決につながる「世界」に関する知識を得るにはどうすればいいのか。 王道があるはずもなく、地道に本を読み、考え、表現し、実行することを繰り返して「問題解決の地平にたどり着く」のが「正解」であるが、その核心は、「問いとリサーチ」である。
「問題の発見と解決」へむけて
問題の定義
「問題解決」という場合の「問題」とは、普通、私たちが存在する現実の世界における「目標と現状のギャップ」と定義される(これは、ハーバート・A. サイモンが、言い出したらしい。)。問題は、既に起きてしまっている発生型問題、より高い到達目標を設定することで見えてくる設定型問題、将来的に時間と共に問題になるという将来型問題に分けることが出来る。なお「創造」は「問題解決」の枠組みにとらわれないより伸びやかなものととらえてもいいが、「問題解決の方法」で検討するように、「問題解決」の一場面として位置づけることができるので、逐一区別しないことにする。
「問題」の対象は、大別すると、「個の問題」と「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」に分けることが出来ることは、上述した。
4要素5領域と問題解決の方法
ではこの「私たちが存在する現実の世界」はどのように構成されているのか。経済学等では、人(家計)、企業、政府の3主体を想定するのでこれを借用し、これに自然・人工物・情報からなる環境を加えると4要素(人、企業、政府、環境)になる。そして、これらの4要素の活動と相互作用によって、複雑な振る舞いをする現実の社会・世界が形作られていると考えることができる(普通、これは「システム」と呼称される。)。
このような整理を前提とすると、問題解決の対象は、人、企業、政府、環境という4要素固有の各問題領域、及び4要素の活動と相互作用によって形作られる社会・世界を加えた5領域になる。ここで、人・組織・環境が、限定された地域の近似した言語・文化で構成される場合(国家の場合もあるが、それに限られない)を「社会」と呼び、異なる言語・文化で構成される場合を「世界」と呼ぶことにしよう(ただし、特に区別せず、社会ないし世界とする場合もある。)。
この「問題発見・解決と創造」の方法はできるだけプラグマティックな内容になるように心がける一方、「世界」はますます拡大していくから、4分野5領域に関する知識はできるだけ範囲を広くとり、わかりやすく整理していきたい。ただ全部に力を入れていると二進も三進もいかないことが分かってきたので、できるだけ内容を、解決すべき問題-「個の問題」と「世界の複雑な問題群-複雑系と持続可能性-」に絞っていきたい。
なお、プラグマティックというと、役に立たないものは排除するというイメージだが、論理的、科学的な知がいつどこで役に立つかは予測できないし(特に数学ではよく言われることだ。)、物語や哲学等々の人文畑も、個人のフレームをチェンジしてどのイメージを沸き立たせ、新たな思考・アイデアを生み出すために「役に立つ」。役に立たないと断言できるのは、古い発想に固執する「学問」だけだ。
問題の発見・解決の基礎
ここでは、最初に「問題解決」について、3冊の基本書を紹介しよう。
更に「問題解決と創造」について「前提となる知識」、「基本となる知識」、「基本となる方法論」を展開しよう。最初は、項目だけになるが、ここを充実させることは重要と思う。
問題解決論
問題解決の3冊の基本書
まず「問題解決の基本」となる次の3冊の基本書を紹介する。
- 「新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方」
- 「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ」
- 「問題解決大全」
「図解 問題解決入門」…基本書1
まず解決すべき「問題の基本的な構造」(問題構造図式と呼ばれることがある。)については、「新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方」(著者:佐藤 允一)の分析が、簡便でわかりやすい。
同書は「問題」を「目標と現状のギャップ」ととらえ(後記「問題解決大全」によると、これは、ハーバート・A. サイモンが、言い出したらしい。)、原因となる「入力」、「制約条件」や「外乱(不可抗力)」が影響する「プロセス」を経て、結果となる「出力(現状)」が生じるという「問題構造図式」を提示する。この図式をふまえ、「入力」や「制約条件」をコントロールすることで、「出力(現状)」を変え、問題解決を考えようというのである(「佐藤問題構造図式」という。)。これだけでは単なる枠組みに過ぎないが、それだけに問題解決の様々な対象や方法を整理して位置づけるのに便利である。
次に同書は、「問題」を、発生型(既に起きている問題)、探索型(今より良くしたい問題)、設定型(この先どうするか)に分類しており(この分類は「時間型分類」といえよう。)、これも有用である。
さらにこれは私見ではあるが、「問題」を、個人型、人工物型、システム型に大別することも有用である(この分類は「対象型分類」といえよう。)。「世界」の大部分の問題は、「システム思考」が対象とすべき複雑な「システム型」の問題であるが、個人の問題の多くは、個人型として個人の意思決定と行動改善の方法として捉えることが適切であるし、人工物(多くは商品であろう)の問題は、人より物の振る舞いが前面に出る設定型、探索型の問題であるから、別に検討したほうが良さそうだ。ただし、それぞれの方法を他に応用することは有益である。なお企業に関わる「問題」は、個人型、人工物型、システム型のいずれの要素も含んでおり、併せて経営分析、経営戦略等として検討されているから、別途、検討すべきである。
「創造はシステムである」…基本書2
「創造」は、佐藤の「問題構造図式」の時間型分類の、設定型(この先どうする)ないし探索型(今より良くしたい問題)として、問題解決の一場面と位置づけることができる。
「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ」(著者:中尾政之)は、「創造」(自分で目的を設定して、自分にとって新しい作品や作業を、新たに造ることと定義する。)の過程を、「思い」(願望)→「言葉」(目的)→「形」(手段)→「モノ」(アクションプラン)ととらえ、まず「目的」を言葉として設定することが重要だとする(これが「出力」となる「結果」である。)。そしてその「原因」となる「入力」「制約条件」等を<「形」(手段)+「モノ」(アクションプラン)>と捉え、その具体的な内容に「思考演算子」(これは、TRIZ(トゥリーズ)のことである。)を適用して、検討、選択し、「目的」を実現していく。システムである人工物の設計、創作を念頭に置いた問題構造図式の変化型であるが、システムについての問題解決は複雑、難解なものが多いので、まず人工物の創造でこれに習熟することには意味がある(ただし同書には、「システム思考」の話は出てこない。)。
「問題解決大全」…基本書3
なおこの上記の2つの方法に止まらず、「問題解決と創造」を実現する観点から考え出された様々な技法がある。それらの主要なものが「問題解決大全」で、丁寧に検討されている。「問題解決大全」では、問題解決の手法をリニア(直線的) な問題解決とサーキュラー(円環的) な問題解決の2つに大別して取り上げた上、問題解決の過程を、大きくは4段階、詳細には14段階に整理し、それぞれに該当する技法を紹介している。①問題の認知(目標設定、問題察知、問題定義、問題理解)、②解決策の探求(情報収集、解の探求、解決策の改良、解決策の選択)、③解決策の実行(結果予測、実行計画、進行管理)、④結果の吟味(結果の検証、反省分析、学習・知識化)である。基本書1、2を十二分に補完する内容となっている。
基本書1~3を基本となる「基本3書」としたい。
その他の参考本
- 問題解決の進め方:放送大学
- 問題解決の数理:放送大学
- 新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方:佐藤 允一
- 創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ:中尾政之
- 実例で学ぶ創造技法:日本創造学会
- 問題解決手法の知識 (日経文庫):高橋 誠
- 問題構造学入門 知恵の方法を考える:佐藤允一
- 問題解決大全~ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール:読書猿
- なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力 :マイケル・A・ロベルト
新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方:佐藤 允一
- はしがき
- 1 問題とは何か
- 1 見える問題と見えない問題
- 2 問題意識はどこからくるか
- 3 問題をとらえるものの見方
- 4 目標と現状のギャップが問題
- 5 「問題がない」という問題
- 6 問題と問題点は異なる
- 2 問題を見つける
- 1 問題解決の当事者は誰か
- 2 問題はどのように確定するか
- 3 問題には三つのタイプがある
- 4 「すでに起きている」という問題
- 5 「今より良くしたい」という問題
- 6 「この先どうするか」という問題
- 3 問題を組み立てる
- 1 問題の「仕組み」を考える
- 2 問題は環境変化から
- 3 方針は目標達成の方法論
- 4 目標を具体的な課題とする
- 5 課題達成の手段と活動
- 6 課題達成を妨げる条件
- 4 問題点を挙げる
- 1 見える障害と見えない障害
- 2 突然発生した不可抗力的な障害
- 3 「打つ手がまずかった」という問題点
- 4 「やり方がまずかった」という問題点
- 5 「自分の手に負えない」という問題点
- 6 できる範囲とできない範囲
- 5 解決策を考える
- 1 対策はアイデアではない
- 2 目標を修正する必要はないか
- 3 応急処置としての当面策
- 4 戦術レベルの根本策
- 5 戦略レベルの根本策
- 6 解決策に優先順位をつける
- [事例研究]急激な円高! 売上減少
- あとがき
創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ:中尾政之
- 第1章 創造は要求から
- 1 試しに創造してみよう
- 2 思いを言葉にしよう
- 3 創造を言葉で示すのは難しい
- 4 日本の企業は以心伝心が大好きだった
- 5 夢を言葉にして語れば,必ず実現する
- 6 目的を定量的に設定しよう
- 7 明治以来,要求機能も輸入してきた
- 8 リサーチとソリューションを分離してみょう
- 9 要求機能を列挙してみょう
- 10 不況時に研究室をどうやってサバイバルさせるか
- 11 目的を持つには,生きる力が必要である
- 第2章 思考方法はワンパターン
- 1 簡単な思考演算を用いると,新たな設計解か導ける
- 2 「凍結させる」の思考演算を使う
- 3 思考演算子を用いるには,思考の上下運動が不可欠である
- 4 TRIZを用いて思考を上下運動させる
- 5 頻繁に用いる思考演算子にはどのようなものがあるのか
- 6 挿入付加の思考演算子の応用-第3物質の挿人
- 7 分割の思考演算子の応用-機能分離,並列化,副次排除
- 8 変形・交換・流線の思考演算子の応用-逆さにする
- 9 困ったときは,思考演算をやってみよう
- 第3章 システムは可視化できる
- 1 要求機能を整理しないと,創造したいものの全体像がわからない
- 2 ジャガイモ皮剥ぎ器の要求機能をあげよう
- 3 干渉を逆手にとって成功させよう
- 4 組織間で干渉が生じて,コミュニケーションエラーが起きる
- 5 いまどきの干渉管理をやってみよう
- 第4章 真似ができない創造化
- 1 干渉設計よりもわかりにくい複雑設計が続々と生まれた
- 2 人智を超えるような複雑な設計で失敗する
- 3 モジュラーとインテダレイテッドで戦わせてみよう
- 4 干渉が大好きな日本の大企業はどうやって失敗を減らすか
- 5 外見は面倒,中身は単純,真似ができない創造化
- 6 インテグレイテッドな頭の使い方が中小企業の武器である
- 7 高級レストランは インテグレイテッドである
- 8 世の中には インテグレイテッドとモジュラーの両方が必要である
- おわりに
問題解決大全~ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール:読書猿
- まえがき 問題解決を学ぶことは意志の力を学ぶこと
- 本書の構成について
- 第Ⅰ部 リニアな問題解決
- 第1章 問題の認知
- 01 100年ルール THE 100-YEAR RULE 大した問題じゃない
- 02 ニーバーの仕分け NIEBUHR’S ASSORTING 変えることのできるもの/できないもの
- 03 ノミナル・グループ・プロセス NOMINAL GROUP PROCESS ブレスト+投票で結論を出す
- 04 キャメロット CAMELOT 問題を照らす理想郷という鏡
- 05 佐藤の問題構造図式 SATO’S PROBLEM STRUCTURE SCHEME 目標とのギャップは直接解消できない
- 06 ティンバーゲンの4つの問い TINBERGEN’S FOUR QUESTIONS 「なぜ」は4 種類ある
- 07 ロジック・ツリー LOGIC TREE 問題を分解し一望する
- 08 特性要因図 FISHBONE DIAGRAM 原因と結果を図解する
- 第2章 解決策の探求
- 09 文献調査 LIBRARY RESEARCH 巨人の肩に乗る
- 10 力まかせ探索 BRUTE-FORCE SEARCH 総当たりで挑む万能解決法
- 11 フェルミ推定 FERMI ESTIMATE 未知なるものを数値化する
- 12 マインドマップ® MIND MAPPING® 永遠に未完成であるマップで思考プロセスを動態保存する
- 13 ブレインライティング METHODE635 30分で108のアイデアを生む集団量産法
- 14 コンセプトマップ CONCEPT MAP 知識と理解を可視化する
- 15 KJ法 KJ METHOD 混沌をして語らしめる、日本で最も有名な創造手法
- 16 お山の大将 KING OF THE MOUNTAIN 比較で判断を加速する
- 17 フランクリンの功罪表 MERIT AND DEMERIT TABLE 線1 本でつくる意思決定ツール
- 18 機会費用 OPPORTUNITY COST 「選ばなかったもの」で決まる
- 19 ケプナー・トリゴーの決定分析 DECISION ANALYSIS 二重の評価で意思決定する
- 第3章 解決策の実行
- 20 ぐずぐず主義克服シート ANTI-PROCRASTINATION SHEET 先延ばしはすべてを盗む
- 21 過程決定計画図 PROCESS DECISION PROGRAM CHART 行動しながら考える思考ツール
- 22 オデュッセウスの鎖 CHAIN OF ODYSSEUS 意志の力に頼らない
- 23 行動デザインシート BEHAVIOR DESIGN SHEET 過剰行動の修正は不足行動で
- 第4章 結果の吟味
- 24 セルフモニタリング SELF MONITORING 数えることで行動を変える
- 25 問題解決のタイムライン PROBLEM SOLVING TIMELINE 問題解決を時系列で振り返る
- 26 フロイドの解き直し SOLVE AGAIN FROM SCRATCH 解き終えた直後が最上の学びのとき
- 第1章 問題の認知
- 第Ⅱ部 サーキュラーな問題解決
- 第5章 問題の認知
- 27 ミラクル・クエスチョン THE MIRACLE QUESTION 問題・原因ではなく解決と未来を開く
- 28 推論の梯子 THE LADDER OF INFERENCE 正気に戻るためのメタファー
- 29 リフレーミング REFRAMING 事実を変えず意味を変える
- 30 問題への相談 CONSULTING THE PROBLEM ABOUT THE PROBLEM 問題と人格を切り離す
- 31 現状分析ツリー CURRENT REALITY TREE 複数の問題から因果関係を把握する
- 32 因果ループ図 CAUSAL LOOP DIAGRAM 悪循環と渡り合う
- 第6章 解決策の探求
- 33 スケーリング・クエスチョン SCALING QUESTION 蟻の一穴をあける点数化の質問
- 34 エスノグラフィー ETHNOGRAPHY 現場から知を汲み出す
- 35 二重傾聴 DOUBLE LISTENING もう1つの物語はすでに語られている
- 第7章 解決策の実行
- 36 ピレネーの地図 A MAP OF THE PYRENEES 間違ったプランもないよりまし
- 37 症状処方 PRESCRIBING THE SYMPTOM 問題をもって問題を制する
- 第5章 問題の認知
- 問題解決史年表
- 索引
問いとリサーチ
上記したように、ここでの課題は、要は、私たちが「問題」と捉えることを「世界」の中に位置づけて記述、モデル化し、それを解決するために何をどうすればよいのかの実行手段が得られればいいわけだから、「世界」に関する知識と「問題解決の方法」が結び付けられればよいわけだ。 ところで、問題解決につながる「世界」に関する知識を得るにはどうすればいいのか。 王道があるはずもなく、地道に本を読み、考え、表現し、実行することを繰り返して「問題解決の地平にたどり着く」のが「正解」であるが、その核心は、「問いとリサーチ」である。
問いについて
好奇心と問い
Curious 子どもは40000回質問する~あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力~:イアン・レズリー
- はじめに 「知りたい」という欲求が人生と社会を変える
- 言葉を操る天才子ザルが「質問しない」こと
- 売れっ子プロデューサーの苦悩
- 人の好奇心をかきたてる番組をつくる
- 現代は人類発展の停滞期――もはや賢いだけでは生き残れない
- 知りたいと思う気持ち――認知欲求
- 好奇心を育てるには「労力」が必要だ
- 「拡散的好奇心」――知りたいという心のうずき
- 「知的好奇心」――知識と理解を求める意欲
- 「共感的好奇心」――他人の考えや感情を知りたい
- 危険な「好奇心格差」が生まれつつある
- 好奇心は加齢による認知機能低下に抵抗する
- 第1部 好奇心のはたらき
- 第1章 ヒトは好奇心のおかげで人間になった
- 子どもは銃を触らずにはいられない――ブライアンの例
- 拡散的好奇心の功罪
- 言語習得への飽くなき欲求――アーゲイエスの例
- 拡散的好奇心が知的好奇心に変わるとき
- 人間が拡散的好奇心を持っているわけ
- 知識欲は脳内で喜びの物質へと変わる
- 人は文化を蓄積し、それを探究することで環境に順応する
- ダ・ヴィンチのToDoリスト
- 第2章 子どもの好奇心はいかに育まれるか
- 知的好奇心の起源――ロンドンのベビーラボ
- ヒトの長い子ども時代の秘密
- 乳幼児の学習は大人や環境との合弁事業
- 好奇心旺盛な子とそうでない子の違い
- 指さしと 喃語 は学習の心構えができている合図
- 子どもは四万回質問する
- 質問の技術とパワー
- 第3章 パズルとミステリー
- 知識の「探索」と「活用」
- 好奇心は「理解」と「理解の欠如」の双方によって刺激される
- 少しだけ知っていることが好奇心に火をつける
- 何でも知っていると思い込むと無関心になりがち――過信効果
- 自信不足もまた好奇心をしぼませる
- 魅惑的ストーリーの構造――情報の空白を利用する
- 「パズル」と「ミステリー」
- 「パズル」を重視する文化
- インターネットが奪う「生産的フラストレーションの体験」とは
- 苦労して学ぶほうが習熟度は高い
- 情報技術は人間の好奇心にとってプラスか
- 第1章 ヒトは好奇心のおかげで人間になった
- 第2部 好奇心格差の危険
- 第4章 好奇心の三つの時代
- 威信失墜の時代
- 古代――好奇心は「実利のためではない」
- 中世――好奇心は「罪深いもの」である
- ルネサンス――好奇心の威信回復
- 問いかけの時代 啓蒙時代――知識の普及
- 共感的好奇心の高まり――文学はなぜ人の心を動かしたか
- 都市が生み出すセレンディピティ
- 解答の時代
- 情報の蓄積とリンク――メメックスとインターネット
- 好奇心がなければセレンディピティは訪れない
- 自分が何を求めているかわからなかったら?
- グーグルは「何を尋ねるべきか」を教えてはくれない
- セレンディピティの欠如はイノベーションを阻害する
- 第5章 好奇心格差が社会格差を生む
- 大学教育を受けない代償は大きい
- 学業の成績には知的好奇心も大きく影響する
- 好奇心格差が経済格差を悪化させる
- 好奇心を維持できる人が成果を手にする時代
- 第6章 問いかける力
- 貧しい家庭の心の問題 高
- 所得層の家庭の子は、低所得層の子より多く質問する
- 多くの質問をする子は、親から多くの質問をされている
- 経済的余裕のある家庭とそうでない家庭では何が違うのか
- 大人はなぜ質問をやめてしまうのか
- 大企業病――意図的な無知 質問すべきときに質問しない理由
- 第7章 知識なくして創造性も思考力もない
- スラム街にコンピューターを置いてみる
- 繰り返される「好奇心駆動型」教育
- 「好奇心駆動型」教育が機能しないわけ
- 人間の長期記憶が果たす役割
- 知識こそが、好奇心を持続させる力
- 知識は知識に引き寄せられる――マタイ効果
- 教育上の進歩主義と社会的な進歩主義はまったく別のもの
- 「好奇心」や「やり抜く力」だけでは足りない ――一流高校に入れなかったチェスマスター
- 知識こそが、創造性と好奇心の源泉
- 第4章 好奇心の三つの時代
- 第3部 好奇心を持ち続けるには
- 第8章 好奇心を持ち続ける7つの方法
- 成功にあぐらをかかない
- ウォルト・ディズニーとスティーブ・ジョブズ
- 中国の帝国はなぜ没落したか
- 自分の領域の外に目を向ける
- 自分のなかに知識のデータベースを構築する
- 広告業界のバイブルに学ぶ
- アイディアを得るための5つのステップ
- ひらめきは偶然ではない
- キツネハリネズミのように探し回る
- スペシャリストかジェネラリストか
- 多才なキツネと堅実なハリネズミの雑種
- 大学教育の問題
- なぜかと深く問う
- アイルランド和平の立役者
- 交渉の達人――「なぜ」を問う
- 共感的好奇心が物を言う
- 人はなぜ「なぜ」を避けるのか
- 手を動かして考える
- 油は波を静めるか――フランクリンの実験
- ミクロとマクロ、具体性と抽象性を統合する
- 知識と技術、思索と行動は依存しあっている
- ティースプーンに問いかける
- 退屈会議
- 何も起きないときに何が起きるか
- 「つまらない」を「面白い」に変える技術
- 夫婦生活の退屈は痴話喧嘩よりも有害
- パズルをミステリーに変える
- 暗号のエキスパート
- パズルの裏にミステリーを探す
- おわりに さあ、知識の世界を探究しよう
- アメリカの土地を踏まなかった男の判断
- 自己中心の考えから逃れる
- 絶望の淵から――好奇心の喪失
- 好奇心とは生きる力
- 謝辞 補足 訳者あとがき 参考文献
- 第8章 好奇心を持ち続ける7つの方法
Q思考:ウォーレン・バーガー
- Introduction 「美しい質問」だけが美しい思考を生む
- アイデアはつねに「疑問」から生まれる
- 「世界の変化」のスピードに対応する
- 質問をし続ける方法を見つけ出せ
- 質問の多さと出世のスピードは比例する
- 質問は脳に負荷がかかる
- 3つのアプローチ「なぜ?」「もし〜だったら?」「どうすれば?」
- グーグルには絶対に予測できない質問
- 第1章 「Q」で思考にブレイクスルーを起こす──次々と問いを重ねる思考法
- 人を月に送れるなら、まともな足ぐらいつくれるのでは?
- 「質問家」が示す明確な兆候
- 疑問を抱かなくなった瞬間に成長は止まる
- 自分で行動しなければ、疑問は「ぼやき」になる
- 質問には「何」ができるのか?
- 「何を知らないか」に気づく
- 正しい問いは「洗練された思考」になる
- 「どんな質問をするか」で、住む世界は決まる
- 自分がいる業界はどんな業界か? そこにはまだ私の仕事はあるか?
- 自分を状況に「適応」させていく
- 「知っていること」を次々と更新していく
- 質問は答えより価値が高くなっているのか?
- 情報の真偽を知るために問う
- コンピューターが人の質問力を磨く
- 「知る行為」は時代遅れか?
- 質問で無限のリソースにアクセスする
- 何もかもが「なぜ?」から始まるのはなぜか?
- ほかの人よりも「早く」問題を発見する
- 「Q+A」が結果を生む
- 問題解決の合理的なプロセスとは?
- どうすれば、問いを「行動」に移せるか?
- 「組み合わせ」が新たな発想を生む
- 「試して検証」を繰り返し続ける
- 人を月に送れるなら、まともな足ぐらいつくれるのでは?
- 第2章 子どものように「なぜ」と問い続ける──質問し続けるアタマをつくる
- なぜ、子どもはあんなに質問するのか?
- 「複数の答え」への想像力が問いを生む
- 一度「分類」すると、問題が見えなくなる
- リラックスした環境でこそ、創造性は開花する
- なぜ、質問の回数が突然減るのか?
- お手本があると「問い」を拒絶してしまう
- だれもが「疑問」を抱かないように教えられてきた
- 生産性を高めて成功するには何が必要か?
- 「質問に立脚した学校」は成立し得るだろうか?
- 5つの「思考の習慣」で問いを深める
- 「地図の真ん中」に何を置くべきか?
- 知識は押しつけても身にならない
- ベゾス、ブリン、ペイジの共通のルーツ
- クラスの中で質問できるのはだれか?
- 「恐れの感情」が好奇心を邪魔する
- 質問がいくら得意でも、まったく質問できなくなる環境
- 生まれながらの「質問魔」に、なぜ質問を教える必要があるのだろう?
- 正しく質問できないと「損」をする
- 「何を尋ねていいかわからない」から抜け出す
- 「正しい問い」にたどりつく6つのステップ
- 良い質問は「自然」には生まれない
- 質問の仕方は自分に教えられるか?
- 「匿名性」が質問を後押しする
- 「変化をつくりだす方法」を観察する
- なぜ、子どもはあんなに質問するのか?
- 第3章 「美しい質問」を自分のものにする──Q思考の「3ステップ」をマスターする
- なぜ、写真ができるのを待たなければいけないのか?
- 最初の「なぜ?」からフル回転で大量の疑問を考える
- 最初の「20段階」を進むと?
- 鋭い「なぜ?」を生み出す条件
- なぜ、一歩下がると前に進めるのか?
- 「前進」を強いるプレッシャーに打ち克つ
- 「知っている」というのは、ただの感覚にすぎない
- 「もう一度説明してほしい」と繰り返す
- 初心者の心は「空」である
- ジョブズの奇妙な禅解釈
- 「休みの日の7歳の子ども」になりきる
- なぜ、ジョージ・カーリンには他の人が見逃したものが見えるのか?
- だれも持っていない視点をつかむ「ヴジャデ発想法」
- 時間をかけて「目の前にあるもの」を発見する
- 私には余分なマットレスがあるのに、なぜ彼はベッドがなくて困らなければならないのか?
- なぜ、この問題を「追求すべき」と思えたのか?
- 「挑戦的質問」という方法
- 「では、どうすべきか」は言えなくていい
- なぜ、私たちは「質問について質問」しなければならないのか?
- 「5なぜの法則」で心理の限界を超える
- 「開いたり閉じたり」して質問のレベルを上げる
- 「正しい問い」をつかむには、問題との距離を縮める
- 「観察」と「実体験」が答えを生む
- 疑問を抱くだけでなく「執着」する
- もし、音楽のDNAをマッピングできたら?
- 「音楽の遺伝子」を発見する
- 「実現可能性」を考えずに空想しつくす
- 既存のアイデアから「スマートな再結合」をする
- 「AとB」ではなく「Aと26」を組み合わせる
- もし、脳が木の生い茂った森だったら?
- もし、疑問を抱いて寝たら? (答えと一緒に目を覚ますだろうか?)
- 情報を集めて、寝転がる
- 「散歩」や「ドライブ」で考えずに考える
- もし、アイデアがでたらめで靴下が左右違っていたら?
- 辞書を使って「でたらめ」に考える
- 「仮定」で現実をひっくり返す
- どうすれば、質問をかたちにできるのか?
- 具体化の課題が背中を押す
- 「一つのアイデア」に絞り込み、他人に話す
- 紙でもデジタルでもいいので「描いてみる」
- 考え込む前に「人に見せる」
- どうすれば、倒れない「マシュマロ・タワー」を建てられるか?
- 検討するより「試す」ほうが早い
- 「試して学ぶ」と大きな変化をつくりだせる
- どうすれば、折れた足を愛せるようになるのだろう?
- 「否定的意見」を最大限に利用する
- ダメージを受けながら「少しずつ」進む
- どうすれば、シンフォニーを一緒につくれるだろう?
- 「世界中の頭脳」を使う
- いまや「不可能」はなくなっている
- 「人と動く」段階が必ずくる
- 「問い」を抱え込んでいても意味がない
- 「最終的な答え」は存在しない
- なぜ、写真ができるのを待たなければいけないのか?
- 第4章 ビジネスに「より美しい質問」を与えよ──あなたの仕事を劇的に変える「Q」
- なぜ、賢いビジネスパーソンが大失敗をしでかすのか?
- 優秀なのに「まっとうな選択」ができない
- 「存在理由」を問うことから始める
- 「早い結果」を求めると、疑問が抜け落ちる
- なぜ、私たちはビジネスをしているのか? (そもそも何のビジネスをしているのか?)
- 定期的に「過去の理想」を振り返る
- だれがどのように使い、何を求めているのか?
- いま残っている「不都合」を解決する
- 「自分たちは何をしているのか?」を掘り下げる
- もし、この会社がなかったら?
- 「やめるべきこと」を決める
- 「もし〜だったら?」で想像力が爆発する
- もし、たんなる金儲けをやめて理念を貫いたとしたら?
- 「お金がなくても食事できる店」は可能か?
- 「私たちから買わないでください」という広告
- どうすれば、もっと良い実験をできるだろう?
- 「やってはいけないこと」ができる場所をつくる
- 質問についてブレイン・ストーミングをしたら、ひらめきが下りてくるだろうか?
- 「Qストーミング」で質問を改善する
- この「3語」が思考のスイッチを入れる
- 野心的な「HMW的質問」を考える
- 「HMWアプローチ」は伝染する
- 曖昧なリーダーに人はついていくだろうか?
- 「いま起きていること」の本質をつかむ能力
- 賢人はあえて「無知」な質問をする
- いつ質問をやめればいいのか?
- ミッション・ステートメントはミッション・クエスチョンになるべきか?
- 「ミッション」を全員のものにする
- 数万人単位でも議論できる
- どうすれば、探求の文化をつくれるだろう?
- 「最も厳しい質問」が「最も素晴らしい質問」になる
- 質問すると「得をする」仕組みをつくる
- 「一歩下がる」時間がなければ成功しない
- 上司を置かず、「ネットワーク」で仕事を回す
- 仕組みで、会社を「学び」の場に変える
- 「くだらない質問」ばかりになるという問題
- 自由に「外に出られる」ようにする
- 質問を使って「質問家」を見つけだす
- なぜ、賢いビジネスパーソンが大失敗をしでかすのか?
- 第5章 「無知」を耕せ──問いであらゆる可能性を掘り起こす
- なぜ、私たちは「問いと生きる」べきなのか?
- 自分の人生で「最も重要なこと」は何か?
- 壁にぶつかったら「なぜ?」で乗り越える
- 人が「本当にほしいもの」を中から考える
- 「不安」を飲み込み、好奇心に従う
- なぜ、あなたは山を登っているのか?
- 「じっくり考えること」から逃げ続けている
- なぜ、あなたは探求を避けているのか?
- 選択はすべて「質問」のかたちをしている
- 「いつか人生に向き合える」と誤解している
- 「もやもや」を抱えながら前進する
- 「リーン・イン」の前に、一歩下がったらどうなるだろう?
- 「ハイテク安息日」をつくる
- 考えるとは「一つのことに集中する」こと
- すでに持っているもので始めたらどうだろう?
- なぜ、「彼ら」のほうが幸せそうなのか?
- 幸せにつながらないことに時間を使っている
- 自分を「美しく」感じられるのは、どんなときか?
- なぜ、そのとき「輝いている」と感じるのか?
- ほんの少し変えてみたらどうなる?
- 「聖書男」が発見した人生の秘密
- 変化を生むコツは「ふりをする」こと
- 「経験のバリエーション」を持てるように工夫する
- 失敗しないとわかっていたらどうする?
- 「失敗への恐怖」が行動を妨げている
- 何もしなかったらどうなるのか?
- どうすれば、蓋をこじあけてペンキをかきまわせるだろう?
- 「自分で考える」ように仕向ける
- 質問で「共通項」を見つける
- 「考えの違う人」の視点で考える
- 疑問を「疑問視」する
- どうすれば、「美しい質問」を見つけられるだろう?
- 「外」と「内」に答えを探す
- 「力強い疑問」は眠らない
- 「美しい質問」の見つけ方
- 群衆の狂気に敏感になる
- 自分は「何」を言いたいのだろう?
- 「知らないこと」を質問で耕していく
- なぜ、私たちは「問いと生きる」べきなのか?
- 訳者あとがき
思考実験
100の思考実験―あなたはどこまで考えられるか:ジュリアン・バジーニ
- はじめに
- 出典についての注意
- 1 邪悪な魔物
- 2 自動政府
- 3 好都合な銀行のエラー
- 4 仮想浮気サービス
- 5 わたしを食べてとブタに言われたら
- 6 公平な不平等
- 7 勝者なしの場合
- 8 海辺のピカソ
- 9 善なる神
- 10 自由意志
- 11 わたしがするようにでなく、言うようにせよ
- 12 テセウスの船
- 13 赤を見る
- 14 氷の話
- 15 持続可能な開発
- 16 救命ボート
- 17 殺すことと死なせること
- 18 もっともらしい話
- 19 邪悪な天才
- 20 幻想を破る
- 21 生の宣告
- 22 随伴現象者たちの星
- 23 箱の中のカブトムシ
- 24 シモーヌに自由を
- 25 丸を四角にする
- 26 ビュリダンのロバ
- 27 痛みの痕跡
- 28 義務を果たす
- 29 ただ乗り
- 30 依存する命
- 31 記憶は作られる
- 32 テロ予告
- 33 公式ニュースの発表
- 34 わたしを責めないで
- 35 最後の手段
- 36 予防的正義
- 37 わたしは脳である
- 38 検査員の訪問
- 39 ギュゲスの指輪
- 40 自然という芸術家
- 41 青を獲得する
- 42 金を取って逃げろ
- 43 きたるべき衝撃
- 44 死がふたりを分かつまで
- 45 目に見えない庭師
- 46 ふたりのデレク
- 47 ウサギだ!
- 48 合理性の要求
- 49 部分を寄せ集めたときの落とし穴
- 50 善意の賄賂
- 51 水槽の中の脳
- 52 多くても少なくても
- 53 つかみどころのないわたし
- 54 ありふれた英雄
- 55 二重のやっかい
- 56 ピリ辛のミートシチュー
- 57 神の命令
- 58 コウモリであること
- 59 無知のヴェール
- 60 幸運のルーレット
- 61 わたしは考える、だから?
- 62 知ってはいない
- 63 つぼみを摘む
- 64 宇宙の中の自分の大きさ
- 65 魂の力
- 66 模造画家
- 67 多文化主義のパラドックス
- 68 家族が第一
- 69 戦慄
- 70 中国語の部屋
- 71 生命維持
- 72 パーシーに自由を
- 73 目が見ているもの
- 74 亀の徒競走
- 75 木馬で賭けに勝つ
- 76 ネット頭脳
- 77 身代わり
- 78 神に賭ける
- 79 時計じかけのオレンジ
- 80 心と頭
- 81 感覚と感受性
- 82 悪夢のシナリオ
- 83 黄金律
- 84 楽しみの法則
- 85 どこにもいない男
- 86 芸術のための芸術
- 87 モッツァレラチーズでできた月
- 88 記憶抹消
- 89 水はどこでも水なのか
- 90 正体がわからないもの
- 91 誰も傷つかない
- 92 火星への旅
- 93 ゾンビ
- 94 一粒ずつの課税
- 95 悪の問題
- 96 狂人の痛み
- 97 道徳的な運
- 98 経験機械
- 99 平和の代償
- 100 喫茶店で暮らす人たち
- 謝辞
- 訳者あとがき
問題発見
ライト、ついてますか 問題発見の人間学:ドナルド・C・ゴース; ジェラルド・M・ワインバーグ
- 序文
- 第1部 何が問題か?
- 1.問題
- 2.ピーター・ピジョンホールの陳情書
- 3.キミの問題は何か
- 第2部 問題は何なのか?
- 4.ビリー・ブライトアイズの最適入札
- 5.ビリーが舌を嚙んだ
- 6.ビリーふたたび入札者のもとへ
- 第3部 問題は本当のところ何か?
- 7.終わりのない連鎖
- 8.不適合を見落とす話
- 9.うまいレベルに着陸する話
- 10.意味に気をつけよう
- 第4部 それは誰の問題か?
- 11.煙が目にしみる
- 12.構内は車で一杯
- 13.トンネルのかなたのあかり
- 第5部 それはどこからきたか?
- 14.ジャネット・ジャウォルスキー変人と衝突
- 15.ミスター・マチーチン事態を収拾
- 16.仕事する人いばる人
- 17.試験について
- 第6部 われわれはそれをほんとうに解きたいか?
- 18.トム・タイヤレスのおもちゃいじり
- 19.政治には忍耐が肝要
- 20.ある特務
リサーチ
リサーチのはじめかた―「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法:トーマス・S・マラニー; クリストファー・レア
- はじめに
- 「自分中心的研究」宣言
- 中心のある研究こそ最高
- この本の使いかた
- 内側が第一、外側は第二
- 第1部 自分中心の研究者になる
- 第1章 問いとは?
- テーマは問いではない
- きみは問いを生み出した
- 第2章 きみの問題は?
- 問いに飛びついてはいけない(問題をとらえ損なうことになる)
- 問いに対してストレステストを実施する
- ついに問題発生(よい意味で)
- 第3章 成功するプロジェクトを設計する
- 一次資料とその使いかた(あるいはシリアルの箱を読む五〇の方法)
- 点と点を結ぶ──資料から議論へ
- 資料は自分を弁護できない
- 研究資源の評価
- 二種類のBプラン
- 作業場を用意する
- きみはプロジェクトのスタート地点に立った
- 第1章 問いとは?
- 第2部 自分の枠を超える
- 第4章 きみの〈問題集団〉の見つけかた
- 問題を共有する研究者を見つける
- きみの〈集団〉に合わせて書き換える
- きみの〈集団〉にようこそ
- 第5章 〈分野〉の歩きかた
- 〈分野〉内の〈問題〉を知る
- 分野を読んでかれらの問題を知る:「文献レビュー」を再考する
- きみの〈分野〉にようこそ
- 第6章 はじめかた
- 心配はいらない。ただ書くだけだ。
- 自分の言いたいことを理解する──〈第1稿〉を書く
- 完璧は退屈
- 自分中心的研究の世界へようこそ
- 第4章 きみの〈問題集団〉の見つけかた
- おわりに 研究者としての未来、次に待つものは?
- 謝辞
- 参考図書
創造について
「創造」は、「アイデアをカタチにする」こととほぼ同義であり、「問題の発見・解決」と重なっている領域である。両者で、「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ:中尾政之」を紹介した。 「創造」に関する本は多いが、「アイデアをカタチにする」では、上記以外は、紹介しなかったので、ここでは次の本を掲記しておこう。
創造力を民主化する たった1つのフレームワークと3つの思考法:永井翔吾
最後に
私が今、もっとも取り組みたいことは、弁護士として「アイデアをカタチにする_支援法務」と「法を問題解決と創造に活かす」活動であり、「問題の発見・解決と創造」は、そのための、事実と論理を踏まえた準備作業、基礎作業となることを志している。このWebサイトも、やっとそういう情報発信ができるような準備が整いつつある気がする。まだ各項目の内容はバラバラだし、ITやAI、科学についての新しい知見・動向を知るには、英語文献、数学手法の読解が必須である。その意味で内容が整うまでには今しばらく時間がかかりそうだ。
ただ法を古臭い非科学的な「法学」という孤立峰から解き放ち、法の機能を社会の問題解決につなげようとしている試みとして、私がもっとも評価している「法と社会科学をつなぐ」(著者:飯田高)も、まだまだ準備段階である。学者と違う時間の使い方をしなければならない実務家(弁護士)である私にできることは限られている。ただ学者とは違うアイデア、ルートからの実践的なアクセスもできることを願っている。