生成AIはこれからの弁護士業務を変えるか
生成AIを巡る動きは激しい
生成AIを巡る動きは、本当に激しい。Chat GPT、Gemini、Copilot、Claude、Notion、Perplexity等々が、妍を競っている。私はデジタル好きなので、ついついその追っかけをしたくなるが、消費者である弁護士が追っかけをしていても大した意味はない。追っかけでもたらされるものは、(ベンダも含めて)次々と現れる提供者側の過大なアナウンス、消費者(弁護士側)の過大な期待、失望、そして詐欺師周りを思わせるお決まりのやり取りだ。
私のようなデジタル好きの弁護士が生成AIに騙され失望するのは勝手だが、弁護士業務や裁判所業務が破綻するのでは、本末転倒だ。
今進められつつある「民事裁判手続のデジタル化」も他の行政機関が飛びついたIT化と同様に破綻の匂いがする。私は「民事裁判手続のデジタル化」についてきちんとフォローしていないので入口でのタメ口に過ぎないが、MicrosoftのTeamsで弁論をしようとするのは、素人の大企業信仰、権威盲従である。あるいはMicrosoftの提供するサービスを知らないといってもいいだろうか。しかしこれはとりあえず別の論点なので横に置こう。
問題はこれからの弁護士業務がどう変わるのかということである。
生成AIはこれからの弁護士業務をどう変えるか
当面の回答
当面の私の回答は、何も変わらないということである。
これに関連して、2020年4月に私が「法の支配」に寄稿し本項目の下位頁に登載した「AI時代の弁護士業務」で次のように指摘している。
「「デジタル化して収集した生情報、法情報を、弁護士の頭の替わりに(ないしこれに加えて)パソコンで稼働させるプログラムによって整理、思考、判断し、結論を表現することを可能とするIT(AI)技法の開発」は重要であるが、現状では、弁護士の「頭の替わりに」ではなく、「加えて」が正しいだろう。自然言語の論理処理(法的三段論法)や法への言語で表現された事実の当てはめの困難さという根本的な問題が解決されない限り、「頭の替わり」はできない。「加えて」だけでも言語分野における日本語市場の狭さ、その中での弁護士市場の狭さにより、これを実現するには、弁護士がやるしかないという状況だ。ただイギリスやアメリカで開発された技法が移植される可能性はあるかも知れないし、自然言語処理にも進展があるだろうという点は指摘した。「データ処理自体に対する考え方の「革命的変化」」が、まさに深層学習であろうが、これまでの検討によれば、弁護士業務の核心部分においては、当面、決定打たり得ないようだ。」。
ここで指摘した「AI時代の弁護士業務」の現状にほとんど変化はないが、LLMによって「自然言語処理に進展」があったことが、今の生成AIを巡る動きである。ただ今読んでみると、この論稿は限られた紙数にすべてを盛り込もうとしていささかフォローしづらいようだ。適宜、分解して提示し、今後の議論に盛り込もう。
なお次の「弁護士が書いた4冊の本」を見ても、自然言語処理について試行錯誤をしている報告と、「弁護士業務の対象としての「AI時代の法」」について生成AIの解説を追加しているという水準である。
しかし、自然言語処理について試行錯誤は、今後、弁護士業務に大きな変化をもたらす可能性があるというのが私の見立てだ。そのためには、「弁護士がやるしかないという状況だ」。
これについて私は、Googleの「NotebookLMは使える」かも知れないと思っているし、MicrosoftのCopilotもこの方向にある。私は「生成AIはPythonと共に_その活用と陥穽」での学びを進めて習熟し、一歩でも先に進めたい。
現況
ここに弁護士業務で利用できるAIについての現況を書き加えていこう。
第三者提供のサービス
弁護士向けに提供されている有償サービスに2千数百冊の法律関連本が閲覧できる「弁護士ライブラリー」がある。そこでは、Chat風に質問を書き込むと提供されている本から適宜の回答を回答するというサービスがある。
また判例・法律雑誌を閲覧できる有償サービスに「判例秘書」がある。そこではAI検索ができるとされている。
これらは私が利用しているサービスであるが、類似のサービスは外にもあるだろう。あと私は利用していないが契約書のレビューというサービスがある。これはしっかりした契約書のモデルがデジタルで確保されていれば、少なくても私には余り必要がない。
私が試みていること
私の準備ができれば今後書き加えていこう。
弁護士が書いた4冊の本
法律事務所のためのChatGPT利活用ガイドブック 仕組みから解き明かすリーガル・プロンプト:小谷野雅晴
- 序章
- 第1章 生成の原理と特性
- 1 ChatGPTとは何か?
- 2 いわゆる「生成AI」・「大規模言語モデル」に共通する特徴
- 3 生成AIの技術的原理
- ⑴はじめに
- ⑵生成AIが行っているコンピュータ処理の概要
- ⑶生成AI・LLMsの学習方法
- ⑷生成の驚異を産み出したTransformerアーキテクチャ
- 4 生成AIの「驚異」と有効な活用法
- ⑴様々なタスクを高い精度でこなす汎用的な能力
- ⑵仕事や創造活動の生産性を飛躍的に上昇させる可能性
- ⑶一般的に便利と言われている利活用の方法
- 5 生成AIの「脅威」と問題点
- ⑴真偽不明の情報が大量に流布するおそれ
- ⑵バイアスを含む学習データにより学習された大規模言語モデルによる応答はバイアスを含んでしまう
- ⑶偽情報・有害コンテンツ・生成、サイバー犯罪への悪用
- ⑷個人情報や企業秘密の漏えいへの悪用
- ⑸知的財産権(特に著作権)の侵害のおそれ
- コラム ChatGPTの出力結果を訴訟においてそのまま法廷に提出することの危険性
- 第2章 生成AIを利活用する際に生じる法的同題点その他の諸問題
- 1 はじめに
- ⑴生成点嶼の法的論点や周辺問題を概観する
- ⑵生成A!の規刷に関する日本や諸外国の動向に常に注意を払う
- 2 生成AIの利活用と著作権侵害のリスク
- ⑴文化庁著作権課「AIと著作権」に従った整理
- ⑵著作権法の基本
- ⑶生成AIの開発・学習段階における著作権法上の間題
- ⑷生成AIの生成・利用段階における著作権法上の問題
- ⑸AI生成物の「著作物」該当性について
- 3 生成AIの利活用と個人情報・会社の機密情報漏えいの危険
- ⑴個人情報や機密情報を生成AIに入力する行為の問題点
- ⑵個人情報の適正な取扱いとプライバシー保護の重要性
- ⑶企業の機密情報漏えいの防止
- 4 生成人1の利用により取引先・顧客に虚偽の情報を提供する危険
- ⑴「幻覚」現象の危険
- ⑵生成の利用により虚偽の情報を提供した場合の法的責任
- 5 今後の日本における法改正の方向性について
- コラム 生成と著作権についてのディベー卜
- 1 はじめに
- 第3章 法律事務所において生成AIを利活用する際に留意すべき諸事項
- 1 はじめに
- 2 弁護士が負う守秘義務と生成AIの利用時における個人情報・機密情報等の取扱い
- ⑴個人情報保護法・ガイドラインの遵守
- ⑵弁護士法・弁護士職務基本規程の遵守
- ⑶弁護士情報セキュリティ規程の制定と遵守
- 3 弁護士業務と著作権法その他の法令規則との関係について
- ⑴生成AIによる文章の生成と依拠性・著作権法30条の4該当性
- ⑵ 裁判手続等における複製
- ⑶裁判手続等における生成AIの利用について
- 4 契約審査サービス・チャットによる法律相談サービスについて
- 5 生AI開発元やサービス提供元の利用規約・プライバシーポリシーを確認すべきこと
- 6 生成利用ガイドライン策定の重要性
- ⑴ ユーザー個人のリテラシー依存からの脱却の必要性
- ⑵ JDLA生成の利用ガイドライン」
- 第4章 法律事務所において生成を利活用する際の一般的な技法
- 1 生成AIの特性と限界を理解して安全かつ有効に利活用しよう
- 2 プロンプト・エンジニアリング
- ⑴ プロンプト・エンジニアリングとは何か? 84
- ⑵ プロンプトを通じて611310に指示できるタスクの種類 85
- ⑶ プロンプトの基本的なテクニック
- ⑷ 本文中学習
- (5) ChatGPTの設定(サンプル生成の幅を調節するパラメーダ)
- (6) プロンプト・エンジニアリングの効用
- 3 発展的なプロンプト〜思考の連鎖
- ⑴思考の連鎖とは何か?
- ⑵思考の連鎖の後続研究と派生形
- ⑶思考の連鎖プロンプトの具体例
- 具体例:金返還請求の可否・内容
- 具体例:不作為による殺人罪の成否
- 具体例:SEO対策の契約と解除
- 具体例:殺人罪と因果関係
- 具体例:継続的供給契約解除の要件
- 4 思考の樹木
- ⑴ 自己回帰型LLMsの限界について
- ⑵ 思考の樹木とは
- 5 複雑かつ高度な法的推論の過程について~なぜ現水準の大規模言語モデルでは的確な法的推論が難しいのか
- ⑴法的推論における法的三段論法について
- ⑵法的推論における仮説の検証・修正・更新のらせん状の構造
- 6 現時点での生成A!の技術水準と法律実務への適用可能領域
- ⑴現時点での生成AIの限界
- ⑵法律家自身による検討・起案の重要性
- 7 将来の展望〜民事裁判のIT化に関する民事訴訟法改正を見越して
- ⑴民事裁判のIT化
- ⑵訴訟記録のデジタル化(e事件管理)
- コラ厶 GPT-4が米国統一司法試験に大差で合格
- 第5章 生成AIの法律事務所における利活用のデモンストレーション
- 1 「まずは無償版よりはじめよ」
- 2 法律事務所における業務全般でのChatGPTの利活用〜ChatGPTを有効に利活用するための重要な視点
- ⑴はじめに
- ⑵柔軟な発想が要求される問題に対して提案をさせる
- ⑶論点や事実関係を整理する手段として活用する
- ⑷正解が決まっている問題に対する解答の検索に使う場合は、自分の専門領域か、自分の専門領域に近い分野で使う方が安全である
- ⑸「悩んだらまずChatGPTに聞いてみよう」
- 3 ChatGPTと契約書作成・チェック
- 4 ChatGPTと法律相談
- ⑴法律相談への回答
- 具体例:クライアントからの法律相談への回答
- 具体例:難解な法律概念の言い換え
- ⑵クライアントの心情に寄り添う
- 具体例:婚約の不当破棄の相談を受けた弁護士の対応
- ⑶ChatGPTが生成した回答を持って来訪した相談者への対応
- 具体例:ChatGPTの回答を持って来訪した相談者への対応
- ⑷クライアントから話を「聞き出す」作業について
- ⑴法律相談への回答
- 5 ChatGPTと交渉手続
- ⑴交渉前の準備と戦略立案
- 具体例:賃貸物件の家賃交渉
- ⑵ 折衝点・妥結点の検討
- 具体例:再開発計画をめぐる複雑な交渉とロールプレイ179
- ⑴交渉前の準備と戦略立案
- 6 ChatGPTと訴訟手続182
- ⑴ 訴状・準備書面の作成
- 具体例:事案についての顧客の言い分の要約
- 具体例:事実関係の時系列作成
- 具体例:裁判官の心情に訴えかけ、注意を惹くためのテーマの提案
- ⑵ 書証の提出・裁判所を通じた各種申立書の作成
- ⑶人証調べ
- 具体例:陳述書に基づく尋問事項案の作成
- ⑷和解
- 具体例:判決か和解かの意思決定と顧客の説得
- ⑴ 訴状・準備書面の作成
- 7 ChatGPTと刑事弁護
- 具体例:示談の際に参考となるお詫びのポイントやフリーズを含む謝罪文の作成
- 8 法律事務所のマネジメント/弁護士の転鵬活動など
- 具体例:所内勉強会のテーマの提案
- 具体例:事務所旅行のプランの提案
- 具体例:生成を利用した法律事務所のマーケティング
- 具体例:弁護士の転職活動とロールプレイ
- コラム ChatGPT法的推論能力・訴状起案能力に関する最新の研究
- 第6章 未来への挑戦と展望
- 1 賽は投げられた! __
- 2 生成AIが変え得る法律実務と専門家たる法曹の判断の不可欠性
ChatGPTと法律実務:松尾剛行
- はじめに
- 第1章 ChatGPTが法律実務にもたらす期待と不安
- 1 ChatGPTは法律実務を変えるのか
- 2 ChatGPTの特徴
- 3 AIの種類──学習型とルールベース
- 4 2040年の法律実務の将来を考える鍵は「技術的制約」
- 5 法律業務はChatGPTが組み込まれたプロダクトを利用する形に変容する
- column ChatGPTを使ってみよう
- 第2章 ChatGPTの技術的制約を理解する
- 1 AIの種類と技術的制約
- 2 ChatGPTを含む学習系AIの技術的制約
- 3 いわゆるルールベースAIの技術的制約
- 第3章 ChatGPTにまつわる法律問題
- 1 急展開のなかのスナップショット
- 2 ChatGPTと個人情報保護
- 3 ChatGPTと著作権
- 4 ChatGPTと不正競争防止法・秘密管理
- 5 ChatGPTとセキュリティ
- 6 ChatGPTと独禁法
- 7 不正検知のためのChatGPT利用
- 8 ChatGPTと名誉毀損
- 9 ChatGPTと責任
- column 実は一貫している!?──筆者の研究テーマ
- 第4章 ChatGPTを最大限に活用するために
- 1 リスクを踏まえた活用を
- 2 ChatGPTを法務分野で利活用するには
- 3 ChatGPTの利用について組織内でどのようなルールを策定すべきか
- 第5章 ChatGPT時代のリーガルテック①──総論
- 1 将来の業務に利用される技術は何か
- 2 リーガルテックにChatGPTが組み込まれ、業務が変わる
- 3 ある日突然世界が変わるわけではない──業務変革は漸進的
- 4 リーガルテック発展のふたつの方向性──「既製品」と「テーラーメイド」
- 5 「正解」がある分野のリーガルテックの飛躍的発展の可能性──リサーチ系リーガルテックなど
- 6 「コミュニケーションは人間の手に残る」のか?
- column レビュワー・編集者との「対話」
- 第6章 ChatGPT時代のリーガルテック②──各論
- 1 類型別のリーガルテック発展の展望
- 2 リサーチ
- 3 契約レビュー
- 4 書面等作成
- 5 契約管理(CLM)などのナレッジマネジメント
- 6 紛争解決(ODRを含む)
- 第7章 ChatGPT時代に「生き残る」弁護士・法務担当者とは
- 1 短期的視点と長期的視点を持つ
- 2 短期的視点=「AIの支援を受ける」
- 3 技術発展で「支援の程度」が高まり、単なる確認・検証の付加価値が低下
- 4 「正解がある」領域では、AⅠと人間の能力が逆転する日がくる
- 5 2040年に求められる専門家像:「正解がない」事項をAIのサポートを受けながら対応
- 6 過渡期的業務
- 7 AIが善管注意義務の基準を変える?
- 8 繰り返される、「雑務が減ってやり甲斐のある仕事が増える」というパターン
- column 弁護士業務と研究・教育の両立のために
- 第8章 ChatGPT時代の「価値ある」弁護士・法務担当者にむけて
- 1 技術は漸進的に進歩する
- 2 短期的目標:「AIの支援を受けながらより良い業務を行う」ために
- 3 長期的目標:AIが人間を超えても「頼れる」専門職になるために
- 第9章 2040年の弁護士業務
- 1 AI・リーガルテックを「使わない」選択肢は事実上なくなる
- 2 AIに顧客データを入れる未来
- 3 業務内容は変わっても、弁護士の仕事自体はなくならない
- 4 AIの利用を前提として業務プロセスを再構築する
- 5 悩ましい弁護士報酬のあり方
- 6 一般民事弁護士の実務
- 7 企業法務弁護士の憂鬱?
- 8 AI・リーガルテック発展と新人教育
- 9 弁護士資格は未来を豊かにしてくれる
- column キャリア教育の重要性
- 第10章 2040年の企業法務
- 1 他部門と比較されにくい企業の法務部門
- 2 企業法務の役割と、AIとの協働
- 3 2040年のリーガルオペレーション
- 4 組織としてどう対応するか
- おわりに
法律家のためのITマニュアル~e裁判・リモートワークでこんなに変わる弁護士業務~:日本弁護士連合会 弁護士業務改革委員会(編著)
- 序章 弁護士業務を襲うIT化の波-新型コロナウィルス感染症と裁判手続等のIT化、そしてAIとセキュリティ
- 1 本書の目的
- 2 弁護士業務の「これまで」を変えた3つのブレイクスルー
- 3 裁判手続等のIT化というビッグウェーブ
- 4 弁護士業務の「これから」
- 第1章 新たなリーガルサービスの基幹となる情報インフラの構築・見直し
- 1 事務所の通信環境の構築や整備
- 2 法律事務所内部におけるネットワークの構築と基本設定
- 3 パソコンや周辺機器を購入する際の注意事項
- 4 仕事のうえで不可欠なアプリケーションの導入と設定
- 5 複合機の導入と活用
- 6 多様化する事務所と執務スタイルに応じた情報インフラの利活用
- 第2章 ポストコロナ・裁判手続等のIT化を見据えたリモートワークの活用
- 1 リモートワークを見直しましょう
- 2 リモートワークのネットワーク環境とデバイス選択の注意点
- 3 リモートワークのための工夫
- 4 ウェブ会議で重要なことをおさらいしょう
- 5 弁護士としてリモートコミュニケーションの際に注意すべきこと
- 第3章 民事裁判から始まる裁判手続等のIT化に対応する基本的スキルとは
- 1 弁護士に求められるスキルはIT化に伴い変化する
- 2 民事裁判書類電子提出システム(mints)の概要
- 3 紙書類のPDF化のメリット・デメリット
- 4 紙の書類をPDF化する方法
- 5 PDFファイルの加工(編集・抽出・結合)
- 6 電子データの証拠化
- 7 文書等作成業務の効率化(テンプレートの活用)
- 8 文書等作成業務の効率化(文字入力の効率化)
- 第4章 オンライン化によるリーガルサービスの改善
- 1 法令や規則の調査
- 2 判例等の調査
- 3 文献調査
- 4 登記関係
- 5 公証役場のサービス
- 6 住宅地図・ブルーマップ
- 7 オンライン郵便サービス
- 8 事務所経営に役立つウェブサービス
- 第5章 AI ・リーガルテクノロジーの活用
- 1 AI ・リーガルテクノ ロジーの活用
- 2 電子契約書の活用
- 3 電子認証・電子署名の活用
- 4 契約書チェックサービスの活用
- 5 デジタル・フォレンジックの活用
- 第6章 裁判手続等のIT化に備えた情報セキュリティ体制の構築と運用
- 1 今日における情報セキュリティの重要性
- 2 弁護士、個人情報取扱事業者としての義務・責任
- 3 弁護士に求められる情報セキュリティ対策
- 4 クライアント情報//事務所経宮情報を安全に使用するために最低限の安全な管理と利用の基本
- 5 各種の攻撃に対する防御
- 6 Eメール(情報発信のリスクへの対応)
- 7 ウェブ会議におけるセキュリティ
- 8 サーバ・クラウドの活用
- 9 スマートデバイスの活用
- 10 SNSの活用
- 11 プライバシーマーク/ISMS
- 【資料】弁護士情報セキュリティ規程
LegalTech:長島・大野・常松法律事務所、MNTSQ株式会社
- 第1部 LegalTechとは何か
- 第1章 テクノロジーが日本社会に与える影響
- 1 既存のオペレーションの持続可能性
- 2 ソフトウェアの産業活用に関する3つの段階
- (1) オペレーションのソフトウェア化(1960年代~)
- (2) ソフトウェアのクラウド化(1990年代~)
- (3) クラウドソフトウェアのインテリジェント化(2015年頃~)
- 3 ま と め
- 第2章 LegalTechとは何か
- 1 LegalTechの盛り上がり
- 2 LegalTech発展の契機
- 3 X-Tech(クロステック)SaaSの発展
- 4 機械学習と自然言語処理技術の実用化
- 5 DX(デジタル・トランスフォーメーション)への期待
- 第3章 LegalTechが法務の現場に与える影響
- 1 概 要
- 2 具体的な分析
- (1) コンピュータのない世界
- (2) 現 代
- (3) LegalTechが普及した世界
- (4) 作業量は減るのか
- 第4章 弁護士法との関係
- 1 はじめに
- 2 弁護士法72条の要件
- 3 LegalTechの文脈における弁護士法72条の解釈指針
- (1) 問題の所在
- (2) 判断の枠組み
- 4 個別のLegalTechサービスの検討
- (1) リーガル・リサーチ(法的調査・分析)
- (2) 契約書のデータベース化、ナレッジマネジメント
- (3) 案件管理システム
- (4) 契約書の自動レビュー、自動ドラフティング
- (5) 証拠収集・フォレンジックシステム
- 5 ま と め
- 第1章 テクノロジーが日本社会に与える影響
- 第2部 LegalTechの現在地
- 第1章 諸外国における状況
- 1 eディスカバリ
- 2 リーガル・リサーチ(法的調査・分析)
- 3 訴訟・紛争
- 4 契約書レビュー
- 5 契約書ドラフティング
- 6 契約管理
- 7 案件管理
- 8 知的財産
- 9 ALSP (Alternative Legal Service Provider)
- 10 そ の 他
- 11 ま と め
- 第2章 Topic① ── 契約に関するLegalTech(i):DXと契約管理
- 1 契約に関するLegalTech
- 2 契約業務のデジタル・トランスフォーメーションとは何か
- (1) 自然言語処理技術の登場前の契約業務
- (2) 契約データを扱うことはなぜむずかしかったのか
- (3) 自然言語処理技術の登場後の契約業務
- 3 契約のDXのメリット1:契約交渉の効率化
- (1) 概 要
- (2) 契約交渉に時間がかかる理由
- (3) 契約交渉をスピードアップさせる方法
- 4 契約のDXのメリット2:リスク回避能力の向上
- (1) ナレッジの集約と還元のサイクル
- (2) 現状把握・意思決定のための基盤の形成
- 5 契約管理のむずかしさ
- 6 電子締結
- (1) 電子契約と契約管理システムとの連携の重要性
- (2) 電子契約に関する規律の概要と課題
- 第3章 Topic② ── 契約に関するLegalTech(ii):自動ドラフティング・自動レビュー
- 1 概 要
- 2 自動ドラフティング
- 3 自動レビュー
- 第4章 Topic③ ── 不正調査におけるドキュメントレビュー
- 1 不正調査
- 2 不正調査の方法
- 3 従来型のドキュメントレビュー
- 4 TARを利用したドキュメントレビュー
- 5 AIを利用したモニタリング
- 第5章 Topic④ ── 訴訟手続におけるテクノロジーの利用
- 1 訴訟のIT化
- (1) 訴訟のIT化の現在地
- (2) 諸外国における訴訟のIT化と日本における課題
- 2 訴訟準備活動へのLegalTech活用の可能性
- (1) eディスカバリへの対応
- (2) 準備書面の作成に向けた資料の自動作成
- 3 今後の展望
- 1 訴訟のIT化
- 第6章 Topic⑤ ── リーガル・リサーチとデータベース検索
- 1 概 要
- (1) リーガル・リサーチは法律事務所にとっての「力」の泉源
- (2) かつてのリーガル・リサーチ
- (3) リーガル・リサーチ業務の抱えるペイン
- (4) リーガル・リサーチの理想の姿
- 2 判例・文献データベースの未来と現在地
- (1) 判例・文献データベースの現在地
- (2) 判例・文献データベースの未来
- 3 未来と現在をつなぐ橋としてのLegalTech
- 1 概 要
- 第1章 諸外国における状況
- 第3部 LegalTechの見据える未来
- 第1章 LegalTechが理想とする世界
- 第2章 解決すべき課題と実務上の論点
- 1 解決すべき課題
- 2 「デザイン思考」
- 3 「カニバリズム問題」
- 4 「ニワトリタマゴ問題」「精度100%問題」の呪縛
- 5 契約書のデータ化とOCR
- 6 機械学習とRPA
- 7 サービスのクラウド化とセキュリティーの問題
- 8 企業活動のリモート化・バーチャル化
- 9 ま と め