山ある日々

淡路町にある立山

私は時々,アフターファイブに,事務所の近くにある「しんえつ」という富山料理を出す居酒屋さんに行く。特に5時から1時間半ほどの「しんえつアワー」では,飲み物が280円?で飲めるし,お刺身や料理も安くて素敵なお店なので,早い時間からいっぱいになっていることも多い。ただし私は「しんえつアワー」が終わるとさっさと帰るという「困ったちゃん」だ。

そこのトイレに,だいぶ前から室堂平のみくりが池のポスターが貼ってある。私は,室堂平に,4,5回は行っているだろう。特に妻,息子,娘の4人で行き,山小屋に泊まり,みくりが池温泉に入り,立山三山を縦走したり,弥陀ヶ原を散策したのは,いい思い出だ。ポスターを見るたびに,立山を思い出していた。

地獄谷

ところでこの何日か,Webの記事にあれこれ手を入れていて,ふと以前のブログ「山ある日々」で室堂平の地獄谷のことを書いたことがあるのを思い出したので,早速探してみた。2010年9月の記事だった。これは面白いし,なにがしかの資料的な価値があると思うので転載しよう。

立山室堂平に,地獄谷という所がある。地獄谷は,立山火山の爆裂火口 で,比較的平坦な窪地に,硫黄の臭いがたちこめ,荒涼とした地肌に多くの噴気孔があり,水蒸気を噴出している。もちろん有毒である。遊歩道を通る限り安全だが,長居は無用だ。

今から7,8年前だろうか。ようやく登山に慣れはじめた頃,立山に登り,その折,地獄谷にも立ち寄った。地獄谷は,室堂平のターミナルからも比較的近いのでそれこそよくみる旗を持ったバスガイドが観光客にこの谷のことをあれこれ説明していた。それを聞くともなく聞いていると「馬鹿な弁護士ですね。」と言っているのが聞こえた。何のことかすぐには理解できなかったが,もう少し近寄って聞いてみると,「大分前だが,地獄谷の噴気孔の湯だまりに露天風呂代わりに入って死んだ人がいる。危険だからやめましょう。皆さんはしませんね。その人は弁護士で,遺族が裁判を起こして負けたそうです。」,「馬鹿な弁護士ですね。」という説明だった。

そのときは,作り話だろうと思っていたが,あとで思い出して裁判例を調べてみると,実際にあったことだった(訟務月報46巻9号3598頁)。

事実関係と判断のポイントは「本件事故は,Hが,本件遊歩道から通路もない斜面を下り,強い硫黄臭がしていて,人の手が加えられた露天風呂でないことが一見して分かる湯溜まりⅡに露天風呂代わりに入った際に生じたものであり,加えるに,Hは,ひまわり山歩会に所属し,月一,二回の広島県内での登山のほか年に三回ほどは県外で泊まりがけの登山を行い,温泉を利用することも多く,温泉好きであったのであるから,硫黄臭の強いガスが有毒なものであることが多いことを認識していたか,容易に認識することができたはずなのに,あえて,危険を犯して湯溜まりⅡに入ったものというべく,そうすると,被控訴人国は,湯溜まりⅡにおいて本件のような事故の発生する危険性を予測することができなかったものと認められる。したがって,被控訴人国が,前記のような柵等を設置するなどの措置を採っていなかったことをもって,直ちに本件遊歩道の設置又は管理に瑕疵があったとはいえない。そして,その他,本件遊歩道の設置又は管理に瑕疵があったことを根拠付けるに足りる事実は,本件証拠上これを認めることができない。」。

今(2010年9月),地獄谷には,頑強な柵等が儲けられているが(そして,投稿時(2018年7月時点)では,地獄谷は立入り禁止になっているようだ。),当時は,そういうものはほとんどなかったろう。ふらふらと湯溜まりに入って露天風呂気分を味わいたいのも分かるが,登山家は安全性の判断もせずに,それをしてはいけない。

ただこれが普通の観光客だったらどうだろう。自然と管理の問題は難しい。

ご遺族には気の毒だが,この判断は妥当だと思う。山好きの弁護士として身につまされるが。

山ある日々

「梅は咲いたか,桜はまだか」と浮かれていた私のお腹を見て,孫娘は「運動すること。お酒を飲まないこと。」と厳命する,指切りげんまんまでさせられた。

私もお腹のことはかねがね気になっていたので,本当に久しぶりだが,初心者のリハビリ山歩きコース,箱根の湯坂道に行くことにした。もう一年以上前だが,大山に行って,下りの階段でひざを痛くし(体重のせいだ!),山歩きから遠ざかっていた。
 
湯坂道は,箱根湯本から,湯坂山・浅間山・鷹之巣山を経て,芦之湯へ下り,箱根峠を経て三島に至る道だそうだ。阿仏尼の「十六夜日記」にも出てくる。

路箱根湯本の日帰り湯「和泉」のすぐ先から登り始める。歩くルートは,芦之湯に下るために国道一号線に出るのでそこのバス停で終わるか,直前で左折すると飛竜の滝を経て畑宿に下るのでそちらを行くかどちらかだ。いずれも帰りのバスを拾う問題があるし,少し歩く時間が短いので,湯坂道を往復してもいいなとも思った。すぐに,日帰り湯に入れるし。

湯坂道は,最初は荒れた少しきつい上りが続くが,30分くらいで湯坂城址の説明書きがあるところを通過すると,あとはほぼなだらかな上りで(ただし最後の鷹之巣山を挟んで,割と厳しいアップダウンがある。),誰でも楽しめる道だ。春の桜,秋の紅葉は最高だ。ゆっくり歩いて3時間のコースだ。

さて今回は少し雪が残っていることも考えられたが,上りだし,軽アイゼンはいらないないだろうと判断した。

やはり途中から雪が現れ,少し凍っているので,どうしても歩くのがゆっくり目になる。しかも,私はいつものトレランシューズだし…と言い訳するのは,途中で若者3人組がすたすた抜いていったからだ。「昔は上りでは,セミプロ以外には抜かせなかったのに,しかし彼らは,そうは見えないなあ。」とぶつぶつとつぶやくが,今日は先が長い。当然だが,雪は上に行くほど増えてきて,なかなか大変だ。

やっと。浅間山を過ぎたが(といっても,特に山頂はない。),鷹之巣山に向かう下りあたりから,強風が吹きつけるようになった。下は凍り,手袋も,耳当てもないので,厳冬の山歩きそのものだ。多分体感温度は零下10度くらいではないか。

鷹之巣山へは,急なⅠ00メートルくらいの上りがある。昔は,ここの上り下りは歩きにくくて本当に大変だった。少し前に,木の階段が設置されたので,ゆっくり登ればなんとかなったが,ここが前のままだったら,どうしただろうか。雪が予想されるときは,安全のために,軽アイゼンは持っていたほうがいいなあとあらためて思ったのであった。

国道一号線に出たが,引き返してもう一度湯坂道を下るなどは全く考えず,バスで箱根湯本へ。どうしても湯元前で,バスは動かなくなってしまう。出発点の日帰り温泉「和泉」に行く。単純泉だが「和泉」の湯は本当に気持ちがいい。

お酒も飲まず,3時過ぎには自宅に帰ることができた。

山ある日々

お出かけ

私は毎週土日は、かならず孫娘の惠美ちゃんとお出かけをする。昔の大家族だと、子どもは家族や近所付き合いの中で自然に芋を洗う?がごとく育っていったのだろうが、現代の子育ては少数で意識的に対応せざるを得ず、なかなか大変だ。それでも彼女には、母親、祖父(私)、祖母、曾祖母、大叔母がいて、入れ替わり立ち替わりかわいがってくれるが、週末にはみんな疲れてくるので、土日は私が彼女の「教育係兼お楽しみ係」として、最低目標4時間のお出かけをする(含む、複数回のおむつ替え)のがここ数ヶ月の定例だ。その間、母親(娘)と祖母(妻)はしばしの休憩をとれるはずだが、実際は、惠美ちゃんを原因として生じた様々な混乱の片付けに追われている。でもそのうちに落ち着くだろう。

赤ちゃんというのは、興味の対象が次々と移っていく。彼女は小さい頃はおもちゃのお金の財布への出し入れ、飛行機ブーン、階段の上り下り、滑り台等々について、何回となく反復継続することに凝っていたが、最近は自然の中を気ままに歩き回ったり、大人にだっこさせて移動させたりするのが大好きだ。しかも私に要求するだっこは、理不尽にも前向き前だっこだ!歌は「サイタ、サイタ」を繰り返し、片言は「ワンワン、ニャンニャン」から、最近は、いよいよ「アンパンマン」だ。生まれてから、もうすぐ2歳になる今日まで、食べることと、体を張ることは、一貫して大好きだ。

横浜イングリッシュガーデン

先週の土曜日(23日)は、薔薇のきれいなイングリッシュガーデンに行った。先々週の日曜日にも前まで行ったのだが、余りの人出に恐れおののいて、出直したのだ。イングリッシュガーデンは、彼女(及び私)の相当のお気に入りで、寒くてほとんど何もない時期でも、彼女は歩き回るのが好きだ。今年になって何回行っただろう。

この時期の薔薇は本当に美しいが、どうも彼女は小さな花には敏感だが、大きな花は余り目に入っていないような気もする。人出が多くても会員になればすぐに入れるので、この日3000円を払って会員になった。これからますます行く回数が増えるだろう。

イングリッシュガーデンは、tvkハウジングプラザ横浜の中にあるがここも屋台(車)がでているし、展示している「家」の間で遊ぶのも楽しい。祖父(私)と祖母(妻)が、2週にわたってアンケートに答えて、バンビちゃんとワンワンさんをゲットした。隣接してヨコハマくらし館があり、ここには「ちびっ子ハウス」?があって、雨の日も時間がつぶせる。

近くにはサミットスーパーがあって、お弁当を買ったり、イタリアンでスパゲティやリゾットを食べたりするのも楽しみだ。だからこのエリアは、私もお気に入りだ、でも、このエリアから自宅まで歩いて帰ろうとすると、途中には、公園、神社等々があって、なかなか自宅に帰りつかない。だから、孫娘が眠くなった時を捉えて、タクシーで帰ることもある。この日は実は妻も同行、お疲れさん。

アンパンマンミュージアムと臨港パーク

日曜(24日)は、みなとみらいにある、アンパンマンミュージアム臨港パークに行った。アンパンマンミュージアムはこれまで何回も前を通ったことはあったが、最近、上述したように片言の「アンパンマン」が始まったので、どんなもんだか様子をうかがいにはじめて中に入ってみようと思って行ったのだが、10時過ぎには長蛇の列で、早々に断念。ショップだけ見たが、ここで彼女は長時間にわたって、歌の絵本の念入りチェック。歌の絵本とおもちゃの電話を買い、ついでにアンパンマンパン、カレーパンマンカレーパン等をお昼に備えて購入。しかしパンはそれぞれ、300円以上、いい商売をしていますなあ。当たり前ですが、アンパンマンパンはアンパンでした。

お勧めは臨港パークだ。広い公園で、芝生、石畳、海と波とベイブリッジ、売店で簡単な食事もできる(おにぎりは、焼きおにぎりだ。)。二人で転げ回って遊んだ。彼女はお砂遊びが好きだが、手に付いた砂を、最低5回は私のよそ行きのズボンにこすりつけて満足そうだった。なんて子だ→(翻訳すると)なんてかわいい子だ。

もうすぐ梅雨入りかも知れないが、雨の時の手持ちカードはいささか不足気味だが、二人で乗り切ろう。