「進化論の基礎の本」まとめ読み

2015-01-18

一口コメント

進化論(進化理論)ということを知らない、あるいは否定する人は、少なくてもわが国にはほとんどいないが、その具体的な内容はほとんど浸透していないと、進化科学者は異口同音にいう。もっともイメージと内容の食い違いは、どの知的分野でもいえることかもしれないが、進化論(進化理論)は、すべての諸学の基礎となるから、その誤解は深刻だといえる。

自戒を込めて、「進化論の基礎の本」をまとめてみた。

ここでは、進化論からみた人の行動は取り上げなかった。これは、別途まとめる。

1は、もっとも客観的に、かつ全体を過不足なく論じていて、しかも面白い。翻訳者が、原著の内容をフォローしているので、いっそう安心できる(それだけでなく、「中立進化論」の「売り込み」や、「日本では地質学の特殊な政治的事情のために、プレート・テクニクスそのものの受容が大きく遅れた」(P177)という「感想」もあって面白い。)。

2は、わかりやすい本だが、人間の行動を分析した部分が、唐突な感じがする。

3は、ドーキンスの最近出た本で、「世界にさきがけて編集・翻訳」というものの、講演自体は、相当古く、多く掲載された写真も見にくいが、その内容は、安心して読める。4は、いうまでもなく、大きな影響を与えた名著である。5はこれを踏まえた本だが、やはり2と同じく、人間の行動部分について?という感じがする。

6は、進化論をめぐる言説の「現在」を把握するのによい。

「種の起源」も読んでみたいが、遺伝について誤った情報しかなかったなかでの記述なので、「進化論の基礎の本」を十分に理解した上で、挑戦したいが、その前振りとして7がいいだろう。

8は、「DNAが明かす生物の歴史」というサブタイトルの新しい本である。

9~11は、進化論から見た、人の医学、健康に関する本である。今後この分野はますます重要になるだろう。

紹介

1

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2

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理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

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