AIとは何か

2019-08-21

検討すべき課題

ここでは、AIをめぐる問題(PC、ITが含まれる場合も含めて「AI」と呼称する。)について、「AIとは何か」、「AIにできることとその限界」、「AIがもたらすもの」、「AI本を読む」に項目立てして考察する。

「AIとは何か」については、この下位項目に掲載した「AI時代の弁護士業務」から「AIとは何か」について論じた部分を適宜要約して掲載する。

「AIにできることとその限界」については、人の知能との差異(フレーム問題、表象・自然言語)と、帰納推論・指数爆発の観点から考察しよう、多分理論的でもっとも面白い部分であろう。

「AIがもたらすもの」は「仕事の変容」「世界の変容」、「企業・政府、及び個人の変容」に分けて検討してみよう。

「AI本を読む」は、参考本の紹介と、このWebの関連記事を紹介したい。

AIとは何か

弱いAIとAGI

AIとAGI

AIの定義はいろいろあるが、「松尾人工知能」は「人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術」とし、「テグマーク・LIFE3.0」は「非生物学的な「複雑な目標を達成する能力」」とする。ただいずれにせよソフトウェアないしアプリである。今AIは、ITと共に利用されることがほとんどである。

AIが最初に問題提起されたのは1950年代であるが、最近のコンピュータや周辺機器、インターネットやクラウド等の性能、容量、速度等の飛躍的な向上のなかで、2012年頃から第3次AIブームが到来したといわれ、画像認識、翻訳、ゲーム等について、AIが人間を超えたとまでいわれるようになった。これを支えているのは、機械学習、とりわけ深層学習である。深層学習が成果を上げるためには、「ビッグデータ」が必要とされる。

AIには「弱いAI」と「強いAI」、あるいは「特化型AI」と「汎用型AI」があるとされて混乱するが(前者は「人間の意識や知性を持つかどうか」、後者は「さまざまな範囲の課題を総合的に処理できる」かどうかという観点からの分析とされるが、多くは重なっているだろう)、「テグマーク・LIFE3.0」等では、人間レベルの汎用AIを「AGI(Artificial General Intelligence.)」と呼ぶので、いま現在利用され、発展しつつある「弱いAI」、「特化型AI」を「弱いAI」と呼び、将来実現するかも知れない「AGI」と対比すると分かりやすいだろう。「ボストロム・スーパーインテリジェンス」は更に先を行く「超知能」だが、それもAGIに含めて考えよう。

「知性」から対比する

弱いAIとAGIの違いについては、様々な捉え方があり得るが、「芝原最強AI」は「知性」(知能)を「課題を自分で見つけて解決する」流れであるとしその要素として「4つの力」を挙げる(「4つの力」は少し分かりにくい表現であるが、「ⅰ解くべき課題を見つける=動機、ⅱどうなったら解けたとするかを決める=目標設定、ⅲ解く上で検討すべき要素を絞る=思考集中、ⅳ課題を解く要素を見つける=発見」である)。AIがこの「4つの力」を備えれば、文句なしにAGIだが、同書は、現状の弱いAIは、ⅰⅱのほとんどは人間が行い、ⅲが乗り越えるべき大きな問題で(人間では直観と、ⅰⅱを組み込んだ「計画性」が機能する)、ⅳはAIに優位性があるとする。

「言葉」「意味」から対比する

もう一つの捉え方として自然言語を理解し処理できるかどうかという問題の立て方がある。「川添人工知能」は、「言葉を理解するために必要な条件」として、「①音声や文字の列を単語の列に置き換えられること、②文の内容の真偽が問えること、③言葉と外の世界を結びつけられること、④文と文との意味の違いが分かること、⑤言葉を使った推論ができること、⑥単語の意味についての知識を持っていること、⑦相手の意図が推測できること」があるとし、これを機械に組み込もうとすると、「A.機械のための「例題」や「知識源」となる、大量の信頼できるデータをどう集めか?B.機械にとっての「正解」が正しく、かつ網羅的であることをどう保証するのか?C.見える形で表しにくい情報をどうやって機械に与えるか?」を解決する必要があるとする。これが解決できればAGIである。ただ後述する「BERT(バート)」とその後継アプリは、A、Bにはかなり迫りつつあるように見える。

その他、「生命」、「意識」、「脳のエミュレーション」等からの捉え方もあるが、問題から遠ざかる気がする。

⑷私はAGIを考慮しない

通常の業務は、「課題を自分で見つけて解決する」流れのすべてが関わり、対象とするデータのほとんどが自然言語によるものであるから、これらを実行できるAGIが登場すれば果たして、法と裁判の分野でもうまくいくかという疑問は残るが、大きな影響があるのは必至である。

しかしAGIが現時点では実現されていないこと、すなわち今、開発、運用されているすべてのAIが弱いAIであることに異論はなく、そもそもAGIが実現されるのか、実現されるとしていつ頃実現されるのかについてあれこれ推測する意見は述べられても決め手はなく、結局「分からない」とする認識もほぼ共有されている。どうしてもAGIが実現した場合の士業務を考えたくなるが、それは「将来の課題」としかいえず、弱いAIが発展する中での弁護士業務のあり方を考えようというのが私の立場である。

「AGIに挑む3書」の紹介

そうはいってもAGIの問題はとても面白く、様々な業務を考える場合も参考になるので、ここでは「AGIに挑む3書」を簡単に紹介しよう。

「テグマーク・LIFE3.0」は、AGIの実現可能性とそのもたらす影響について、①「技術懐疑論者」vs.②「デジタルユートピア論者」と③「有益AI運動の活動家」の2立場3学派に分けて考察できるとする。①vs.②の、そもそも「分からない」ことについての不毛な論争から、「分からない」としつつその可能性もあるのでそれに備える必要があるとし、人類はAIを制御できるかという「AIコントロール問題」に真正面から向き合ったのが、③に位置づけられる「ボストロム・スーパーインテリジェンス」である。ボストロム氏は、分析哲学のほかに、物理学、計算論的神経科学、数理論理学の研究も行う研究者で、同書はこの問題を緻密に論証した嚆矢となる本で参考になる。

この延長上にあるのが、「テグマーク・LIFE3.0」である。同書は、充分に「冷静に」AGIの実現可能性を検討し、「分からない」として「有益AI運動」を導いている。しかしテグマーク氏は、宇宙物理学者で、前著の「数学的な宇宙 究極の実在の姿を求めて」において、私たちの生きる物理的な現実世界は、数学的な構造をしているという「数学的宇宙仮説」、更には究極の多宇宙理論を展開した研究者であり、AGIについても宇宙の始原と物質の視点から当然に実現することを念頭に置いての壮大な構想を展開している。技術懐疑論者以外には、面白い本である。

少し違う観点からAGIを論じた本に「リース・人類の歴史とAI」がある。原題は「The Fourth Age」であり、人類史を、言語と火(10万年前)、農業と都市(1万年前)、文字と車輪(5千年前)、そして第4の時代:ロボットとAI(5百年前)と分け、第4の時代のテクノロジーの指数関数的進化に着目する。そして今後「ロボットとAI」がAGIになるかを考えるメルクマールとなる3つの大きな問いとして、①宇宙は何からできているのか…一元論(一つの物質原子)or二元論(物理的なモノ+スピリチュアルor精神的なモノ)か、②私たちは結局何なのか…ⅰ機械、ⅱ動物、ⅲ人間(私たちの中に機械、動物とは違う何かがあるのか)、③「自己」とは何か…ⅰ脳の巧妙なトリック、ⅱ創発する心、ⅲ魂、を挙げる。AGIの実現可能性とこれらの問いにどう答えるかは密接に関連するのでこれに答えられるまではAGIの実現可能性に答えるのは難しいだろうとする。①が一元論であれば、②③で様々な紆余曲折があったとしても、いずれはAGIが実現するだろうと考えることはおかしくはなく、それはテグマーク氏の議論と重なるだろう。

弱いAIの最前線

最強AI

AGIに目を奪われる余り、弱いAIは駄目だなと思うのは勘違いである。「柴原最強AI」は、弱いAIの最前線を支える「最強AI」として、画像系の「ResNet(レズネット)」(2015年)、言語系の「BERT(バート)」(2018年)、ゲーム系の「AlphaZero(アルファゼロ)」(2017年)を紹介している。

画像系は第3次AIブームを切り拓いた分野であり、着々と進展しつつあるようだ。

言語系はこれまで「意味」や「フレーム問題」が関わり、AIの中では特に弱い分野とされてきたが、「BERT(バート)」は、転移学習を基本として様々な工夫がなされ、更にその弱点を克服する後継AIも開発されており、言語を対象とする業務にとって注目されるが、少なくても業務の核心部分に届くにはまだ距離がありそうだ。

ゲーム系の「アルファゼロ」は、ルールを教えられるだけで過去の対戦等を参照せずに自己対戦を繰り返すことで、短時間で人間を超える最強ソフトに成長するとのことである。「恐怖」さえ感じるが、ゲーム開発者の三宅陽一郎氏は、あるインタビューで「ゲームの人工知能は現実に応用できますか」と問われ「難しいと思います。仮想空間ではAIの研究が、かなり加速的にできます。そこでわかってきたことは、仮想空間というのは、ノイズがないということです。センサーで完全に情報が取れ、完全に行為を実現できます。それは現実世界の知能に似ているかというと実はあまり似ていません。本物の知能は常にノイズとか不確定性の中で動いているので、そこが知能の本質だったりするんですね。現実世界でAIを動かすときは、ゲーム空間の純粋なロジック空間で培った人工知能はあまり役に立たないんです」と述べている。

東ロボくん

 新井紀子氏が率いる「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトは、開発したAI群で、センター入試模試と東大模試を受験し(問題はデジタル化)、2016年にはMARCH、関関同立クラスの大学に入学できる偏差値を得たが、その後は、英語チームが導入した上述の「BERT(バート)」でいくつかの問題群で成績を伸ばしたものの、結局、東大に合格できる見込みは立たなかったという(「新井AI」、「新井プロジェクト」)。これは現時点の弱いAIの限界と共に、これから弱いAIが代替可能な仕事の分野が広範にあることを表している。

 要するに、弱いAIは、適用範囲を見極めれば、今後、思いもかけない大きな発展が見込まれるということである。

 

弱いAIが切り拓く業務ーDX

DXとは何か

今、すべてのビジネス(そして公共サービス)にとって、DX(デジタル・トランスフォーメーション。DS(デジタル・シフト)ともいわれる)への取り組みが、喫緊の課題であるとされている

「ウェスターマン・デジタルシフト戦略」によれば、DXの対象は「ⅰ顧客体験、ⅱ業務プロセス、ⅲビジネスモデル」に大別できる。その核心は「ヒトではなく、電子を走らせろ。電子は疲れない」とされる(プレジデント社デジタル)。実際、多くの顧客がプラットフォームを使いこなしデジタル化していく中で、ビジネスと公共サービスは、新しい顧客体験やビジネスモデルを創造しその業務プロセスを改革していかなければ、取り残されるのは当然である。

ただし今多くの企業でDXへの取組みは難しいといわれているが、私は、その手掛かりとして、顧客体験についてはデザイン思考が、上記の全体を通じてシステム思考が有効であると考えている。「稗方システム思考」の「DXが注目されるこの時代、時には「AIを使えば問題は解決できる。とにかくAIを入れろ」という乱暴な話を聞くことがあるかもしれない。しかし、AIは魔法の杖ではない。現実には限りある予算や資源を用いて、AIやその他の新技術を活用して目標を達成するには、「どこに(どの業務に)」「何の目的で(どんな効果のために)」導入すればよいのかを見極めなければならない。そのためには、当事者の「人」まで含んだ大きなシステムとして検討対象を認識し、問題設定することが必要である。このような問題設定をシステム思考に基づいて行い、さまざまな施策・シナリオについてシステム・ダイナミクスを用いて比較検討をすることで、ステークホルダーは主体的に、自信を持って、認識の共有を維持しながら、施策の選択と実行のリードができるだろう」との指摘に賛同する。

弁護士業務や裁判所の業務はDXの例外か

ここでは、普通、なかなかDXの対象とは考えられない弁護士業務と裁判所の業務を検討してみよう。このような業務がDXの対象であれば、当然、通常の業務はDXの対象となるであろう。

DXから見た弁護士業務

ア 弁護士の「ⅱ業務プロセス」のDXは、事務スタッフが担当する管理業務でこれまでもある程度行われてきた(事件管理システム等)。しかしこの分野のDXは、大規模事務所はともかく、小規模事務所においてはさほどメリットがあるわけではないし、かえって煩雑で負担になり、途中で使用を断念することも多い。

イ 弁護士の「ⅱ業務プロセス」のDXとして主として問われるべきは、その裁判等の業務の核心部分である。ただこれは、「プロフェッショナル」論や「法と裁判」のあり方を踏まえて検討すべきであると考えるのでここでは触れない(下位項目の「AI時代の弁護士業務」2項以下で、弁護士業務について、ⅰ性質:プロフェッショナル、ⅱ対象:法と裁判、ⅲ核心部分:法と事実の提出、論証と起案に分けて検討しているので参考にされた。)。

ウ 「ⅰ顧客体験」から見た弁護士業務のDXの現れはどうか。顧客が、より早く、より安く、より分かりやすく、より便利にと思うのは当然であるから、DXの活用の余地はあるが、顧客に対して迅速・丁寧に対応すれば、DXを待つまでもなく顧客体験が向上するのは明らかであるから、費用対効果を考慮すると、DXとして何が有効なのかはよく見えてこない(宣伝、広告等は横に置こう)。
また顧客は、弁護士に依頼したことでより良い結果を獲得する「ⅰ顧客体験」を得たいのは当然であり、それは基本的には依頼した弁護士が実行した「ⅱ業務プロセス」の核心部分の有効性の問題ではあるが、その結果には、担当裁判官の判断の妥当性、法や判例の内容、解釈、更に立法のあり方、その他わが国で歴史的に形成されてきた裁判制度やその業務を独占する裁判所という「行政組織」や政治過程のあり方等々も関係し、複雑な問題となる。弁護士の「ⅱ業務プロセス」を改善すれば済む問題ではない。

エ 弁護士業務を含む法律関連業務のDX(IT化、AI化)の議論が、往々にして軽率に聞こえるのは、そのような複雑な問題を等閑に付したままで議論が展開されるからであろう。

DXから見た裁判所の業務

私は、裁判実務を担当する弁護士が裁判所に求めていることとして(私が全部賛同していたわけではない)、要旨「①裁判所は、全ての判例を電子データベースとして公開すべきだ。②裁判所や検察庁における書面の授受を、Eメールを利用し電子情報で行いたい(注:市民からいえば、電子申請)。③裁判所や検察庁の尋問調書、供述調書等を電子情報で交付すべきだ。さらに、④証人尋問を含む法廷でのやりとりや被疑者、被告人との接見を、インターネットを利用したテレビ会議システムを利用して行うようにすることが大切である」を挙げ、平成15年に「費用と熱意の問題であるが、早晩(4、5年で)、実現する」とした。

それが15年前で、最近やっとこの一部が実現しようとしている(2020年3月10日、政府(最高裁や法務省、内閣官房などが参加する民事司法制度改革に関する関係府省庁連絡会議)は、民事裁判手続きの全面的なオンライン化などを盛り込んだ民事司法制度改革の最終案をまとめた。まず訴訟の代理人弁護士に裁判関係書類のオンラインでの提出を義務付け、最終的には口頭弁論や記録閲覧などのIT(情報技術)化を実現する方針だ。高齢者を中心にITに詳しくない利用者がいることも想定され、司法へのアクセスの確保に配慮するよう求めた。最高裁が利用者全員にとって使いやすいシステムを構築する。2022年の民事訴訟法改正をめざす。柳瀬昇「AIと裁判」(山本AI所収)は、「AIをはるか彼方にながめつつIT化を議論するわが国の現状」と揶揄する)。この動きはコロナ禍で加速されざるを得ない。

これは国民、市民のデジタル化に対応した裁判所のDX(顧客体験、業務プロセスの改善)の問題であり、実現すれば「便利」ではあるのだが、裁判でのやり取りは、センシティブで秘密性の高いものが多く、オンラインはセキュリティーの面から、どうだろうという問題がある。実現すれば必ず秘密漏洩の問題が生じるから、それを前提に制度内容を考える覚悟が必要だ。

AIは弁護士業務にどう活きるのか

ではAIは、どう弁護士業務に活きるのか。これについては、下位項目の「AI時代の弁護士業務」2項以下をご覧下さい。私はどう考えたのだろうか。

なおここで略称で記載した参考文献は、下位項目の「AI時代の弁護士業務」の末尾に記載されているので、参照されたい。

AIにできることとその限界

PCにできることは、データを入力し、計算。推論し、出力することである。PCを人間の知能に近づけようというのがもともとものAIという試みだが、人間の知能のメカニズムはほとんど解明(再現)されておらず、PCによる計算・推論では当面近似すらできそうもない問題(フレーム問題、表象・自然言語の意味等)がある(限界1)。

一方、計算・推論のある領域では、PCは最初から人間の知能をはるかに凌駕している。特に、最近のPCは、扱えるデータの量や質、計算の能力や方法に大きな進歩があり、従前、人間の知能の領域と理解されていた領域でもPCによる計算・推論が優越する場面が多く登場している。それをAIと呼称することも多い。ただし、この場面ではその方法の多くが帰納推論であること、指数爆発を招く方法が多いこと等からの限界もある(限界2)。

AIがもたらすもの

「AIがもたらすもの」を、①「仕事の変容」、②「世界(社会・経済)の変容」、③「企業・政府、及び個人の生活の変容」に分けて検討してみよう。ただし、これはその主張が、「AIにできることとその限界」を踏まえての議論か、少なくてもそれを乗り越えようとしているか否かで、私の評価は大きく異なる。

「仕事の変容」について

「仕事の変容」の問題は、ある意味で簡単なことである。現在、あるいは近未来に、PC(AI)ができるような仕事は、採算ベースに乗る限り、人からAIに置き換わるということである。

現在、私たちがしている仕事を、固定頭脳型(デスクワーク、対応等)、移動頭脳身体型(多くの現場の仕事)に大別すると、前者のうちの計算や単純に自然言語を使用する仕事(単純型)は、早晩、AIに置き換わるであろう。複雑に自然言語を使用する仕事(複雑型)も、AIに追いかけられるだろう。ただフレームの選択、決断はAIには難しい。弁護士の仕事は、両者を含むが、日本の弁護士の仕事は複雑型も多いし、フレームの選択、決断に関わる部分も多いので、すぐにはなくならない(だろう)。

生命に基づく人間の身体機能をAIが代替するのは困難であるから、移動頭脳身体型は、当面なくなる見通しはないであろう。

「世界(社会・経済)の変容」と「企業・政府、及び個人の生活の変容」について

世界(社会・経済)の変容」はマクロ問題、「企業・政府、及び個人の生活の変容」はミクロ問題といえるが、一見、後者の議論が多そうだが、前者の方がまともな議論が熱心に行われている。ただしこれは極めて「複雑な問題」であるから、真偽の見極めは困難である。前者は、その性質上、偶然が支配する部分が多く、「結果的に」以上のことがいえるかどうか。じっくり考えていこう。

AI本を読む

AI本を読む

まずホットなテーマである「AIがもたらすもの」に関係する本を紹介し、その上で、AIの基礎となる「基礎」と「技法」、更に「法律家のAI論」を紹介しよう。他の箇所で掲載した本と重複しているものも多い。

応用-AIがもたらすもの

  • 「デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか 労働力余剰と人類の富」(著者:デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか」(著者:ライアン・エイヴェント)
  • 「予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済」(著者:アジェイ アグラワル, ジョシュア ガンズ, アヴィ ゴールドファーブ)
  • 「AI時代の勝者と敗者」(著者:トーマス・H・ダベンポート, ジュリア・カービー)
  • 「世界経済 大いなる収斂 ITがもたらす新次元のグローバリゼーション」(著者:リチャード・ボールドウィン)
  • 「拡張の世紀」(著者:ブレット・キング)
  • 「NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れろ」(著者:ジェレミー・ハイマンズ, ヘンリー・ティム)
  • 「ハードウェアハッカー~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険」(著者:アンドリュー“バニー”ファン)
  • 「シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃 Fintech,IoT,Cloud Computing,AI…アメリカで起きていること、これから日本で起きること」(著者:櫛田 健児)
  • 「限界費用ゼロ社会 ~〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭」(著者:ジェレミー・リフキン)
  • 「隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働」(著者:ルトガー・ブレグマン)
  • 「コンピュータが仕事を奪う」(著者:新井 紀子)
  • 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(著者:新井 紀子)(Amazonにリンク
  • 「人口知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」:第三次AIブームの到達点と限界」(著者:新井 紀子)(Amazonにリンク
  • The End of Jobs: Money, Meaning and Freedom Without the 9-to-5 by Taylor Pearson
  • 「遅刻してくれて、ありがとう(上) (下)」(著者:トーマス・フリードマン)
  • 「デジタル・エイプ」(著者:ナイジェル・シャドボルト, ロジャー・ハンプソン)
  • 「巨大システム 失敗の本質」(著者:クリス・クリアフィールド, アンドラーシュ・ティルシック)
  • 「ポストキャピタリズム」(著者:ポール・メイソン)
  • 「サイバー空間を支配する者 21世紀の国家・組織・個人の戦略」(著者:持永大, 村野正泰)
  • 「操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか」(著者:ジェイミー・バートレット)
  • 「BCGデジタル経営改革」(著者:ボストンコンサルティンググループ)
  • 「デジタル・ビジネスモデル  次世代企業になるための6つの問い」(著者:ピーター・ウェイル, ステファニー・L・ウォーナー)
  • 「BCGが読む 経営の論点2019」(著者:ボストンコンサルティンググループ)
  • 「AIがつなげる社会–AIネットワーク時代の法・政策」(著者:福田 雅樹, 林 秀弥他)
  • 「プロフェッショナルの未来 AI、IoT時代に専門家が生き残る方法」(著者:リチャード・サスカインド, ダニエル・サスカインド)
    • Tomorrow’s Lawyers: An Introduction to Your Future by Richard Susskind
  • Artificial Intelligence and Legal Analytics: New Tools for Law Practice in the Digital Age by Kevin D. Ashley
  • 「テクニウム ~テクノロジーはどこへ向かうのか?」(著者:ケヴィン・ケリー)
  • 「『テクニウム』を超えて-ケヴィン・ケリーの語るカウンターカルチャーから人工知能の未来まで」(著者:服部 桂)
  • 「プラットフォーム革命 ~経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか」(著者:アレックス・モザド, ニコラス・L・ジョンソン)
  • 「AI経営で会社は甦る」(著者:冨山 和彦)

基礎

  • 「人工知能は人間を超えるか 」(著者:松尾 豊)
  • 「コンピュータが仕事を奪う」(著者:新井 紀子)
  • 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(著者:新井 紀子)(Amazonにリンク
  • 「人工知能の哲学」(著者:松田 雄馬)
  • 「コンピュータと認知を理解する-人工知能の限界と新しい設計理念」(著者:ウィノグラード,テリー)
  • 「AIは「心」を持てるのか 脳に近いアーキテクチャ」(著者:ジョージ ザルカダキス)
  • 「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」」(著者:川添愛, 花松あゆみ)
  • 「ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める」(著者:西垣通)
  • 「AIをビジネスに実装する方法 「ディープラーニング」が利益を創出する」(著者:岡田陽介)
  • 「AI 2045」(著者:日本経済新聞社)
  • 「決定版AI 人工知能」(著者:樋口 晋也, 城塚 音也)
  • 「チューリングの考えるキカイ ~人工知能の父に学ぶコンピュータ・サイエンスの基礎」(著者:阿部 彩芽, 笠井 琢美)
  • 「新 人工知能の基礎知識」(著者:太原 育夫)
  • 「脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす」(著者:甘利 俊一)
  • Artificial Intelligence and Legal Analytics: New Tools for Law Practice in the Digital Age by Kevin D. Ashley
  • 「人工知能はこうして創られる」(著者:合原 一幸, 牧野 貴樹, 金山 博, 河野 崇, 青野 真士)
  • 「人工知能を超える人間の強みとは」(著者:奈良 潤)
  • 「なぜ人工知能は人と会話ができるのか」(著者:三宅 陽一郎)
  • 「<人工知能>と<人工知性>: 環境、身体、知能の関係から解き明かすAI」(著者:三宅 陽一郎)
  • 「人工知能のための哲学塾」(著者:三宅陽一郎)
  • 「実践フェーズに突入 最強のAI活用術」(著者:野村 直之)
  • 「人工知能と人工生命の基礎」(著者:伊庭 斉志)
  • 「AIが問い直す、人間が生きる意味 人工知能VS人間は、将棋でも日常生活でも?」 (著者:羽生善治, 酒井邦嘉)
  • 「人工知能と商業デザイン: クリエイティブ領域における「読書階層構造」構築の取り組み」(著者:境 祐司)
  • 「GAMIFY ゲーミファイ―エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来」(著者:ブライアン・バーク)
  • 「幸せな未来は「ゲーム」が創る(著者:ジェイン・マクゴニガル)
  • 「ゲーム情報学概論-ゲームを切り拓く人工知能」(著者:伊藤 毅)
  • 「最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み」(著者:大槻 知史, 三宅 陽一郎)
  • 「人狼知能で学ぶAIプログラミング~欺瞞・推理・会話で不完全情報ゲームを戦う人工知能の作り方」(著者:狩野 芳伸)
  • 「「人工超知能」-生命と機械の間にあるもの-」(著者:井上智洋)
  • 「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」(著者:井上智洋)
  • 「人工知能は資本主義を終焉させるか 経済的特異点と社会的特異点」(著者:齊藤 元章, 井上 智洋)
  • 「量子コンピュータが人工知能を加速する」(著者:西森秀稔, 大関真之)
  • 「話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる」(著者:野口悠紀雄)
  • 「「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ」(著者:野口 悠紀雄)
  • 「知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能」(著者: 野口 悠紀雄)
  • 「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」(著者:小林雅一)
  • 「AIが人間を殺す日 車、医療、兵器に組み込まれる人工知能 」(著者:小林雅一)
  • 「AIが問い直す、人間が生きる意味 人工知能VS人間は、将棋でも日常生活でも?」(著者:羽生善治, 酒井邦嘉)

技法

  • 「改訂新版 コンピュータの名著・古典 100冊」(著者:石田 晴久, 青山 幹雄, 安達 淳, 塩田 紳二, 山田 伸一郎)
  • 「新人エンジニアのためのインフラ入門 ThinkIT Books」(著者:株式会社BFT)
  • 「ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル」(著者: グロービス経営大学院)
  • 「エンジニアのためのAI入門 ThinkIT Books」(著者:Think IT編集部)
  • 「エンジニアが生き残るためのテクノロジーの授業」(著者:増井 敏克)
  • 「エンジニアなら知っておきたいAIのキホン 機械学習・統計学・アルゴリズムをやさしく解説」(著者:梅田 弘之)
  • 「はじめての人工知能 Excelで体験しながら学ぶAI」(著者:淺井登)
  • 「あたらしい人工知能の教科書 プロダクト/サービス開発に必要な基礎知識」(著者:多田 智史, 石井 一夫)
  • 「人工知能プログラミングのための数学がわかる本」(著者:石川 聡彦)
  • 「ベイズ推定入門 ~モデル選択からベイズ的最適化まで」(著者:大関真之)
  • 「教養としてのプログラミング的思考-今こそ必要な「問題を論理的に解く」技術」(著者:草野 俊彦)
  • 「独学で身につけるためのプログラミング学習術」(北村拓也)
  • 「小学校でプログラミングを教える先生のためのコンピュータサイエンスの基礎-隙間時間を使って1ヵ月でマスターする」(渡辺毅)
  • 「マンガでわかるScrapbox #1: はじめてのScrapbox 使い方」 (著者:湊川あい)
  • 「ゼロから積み上げる 全自動建築プログラミング: Scratch でできるマイクラ建築 (AI に負けない!キッズ・プログラミング教室)」(著者:クリエイティブまさ)
  • 「Scratch ではじめての HTML+CSS: 自分だけのホームページをゼロから作ってみよう (AI に負けない!キッズ・プログラミング教室)(著者:クリエイティブまさ)
  • 「プリンシプル オブ プログラミング-3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則」(著者:上田勲)
  • 「Pythonゲームプログラミング~知っておきたい数学と物理の基本」(著者:田中 賢一郎)
  • 「モデルベース要件定義テクニック」(著者:神崎善司)
  • 「帰宅が早い人がやっている パソコン仕事 最強の習慣112」(著者:橋本 和則)
  • 「Windowsでできる小さな会社のLAN構築・運用ガイド 第3版」(著者:橋本和則)
  • 「DNSをはじめよう ~基礎からトラブルシューティングまで~ はじめようシリーズ」(著者:mochikoAsTech)
  • 「図解入門ビジネス 最新 ICT知財戦略の基本がよーくわかる本」(著者:平塚三好, 阿部仁)
  • 「決定版 サイバーセキュリティ―新たな脅威と防衛策」(著者:ブループラネットワークス)
  • 「初心者のためのハッキング2019」(著者:Shekhar mishr)
  • 「ハッキング・ラボのつくりかた 仮想環境におけるハッカー体験学習」(著者:IPUSIRON)
  • 「サイバー空間を支配する者 21世紀の国家・組織・個人の戦略」(著者:持永大, 村野正泰, 土屋大洋)
  • 「先輩がやさしく教えるシステム管理者の知識と実務」(著者:木下 肇)
  • 「よく解る!世界一やさしい 超パソコン入門用語 (SMART BOOK)」(著者:パソコン用語研究会)

法律家のAI論

  • 「インターネット訴訟 (【企業訴訟実務問題シリーズ】)」(著者:上村哲史)
  • 「システム開発訴訟 (【企業訴訟実務問題シリーズ】)」(著者:飯田耕一郎)
  • 「成功するシステム開発は裁判に学べ! ~契約・要件定義・検収・下請け・著作権・情報漏えいで失敗しないためのハンドブック」(著者:細川 義洋)
  • 「AIと憲法」(著者:山本龍彦)
  • 「AIビジネスの法律実務」(著者:人工知能法務研究会)
  • 「ブロックチェーンをめぐる実務・政策と法」(著者:久保田 隆)
  • 「AIの法律と論点」( 著者:福岡 真之介)
  • 「ロボット・AIと法」(著者:弥永 真生他)
  • 「弁護士が教える IT契約の教科書」(著者:上山 浩)
  • 「プロフェッショナルの未来 AI、IoT時代に専門家が生き残る方法」(著者:リチャード・サスカインド, ダニエル・サスカインド)
    • Tomorrow’s Lawyers: An Introduction to Your Future by Richard Susskind
  • Artificial Intelligence and Legal Analytics: New Tools for Law Practice in the Digital Age by Kevin D. Ashley

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固定頁の記事

このページは記事全部を集約する場にするが、固定ページの「弁護士の仕事を知る」には次の2つの記事が掲載されている。

AIと法」(「新しい法律問題」)

IT・AI法務」(「分野別法律問題の手引」)

また「問題解決と創造に向けて」には、

PC・IT・AI技法」(「問題解決と創造の方法」)

情報」(「環境:自然・人工物・情報」)

投稿記事

日本のAIビジネスはどうなるのだろうか

「AIと弁護士業務」の執筆状況報告

AIにつながる数学とプログラミングの基本の本

コンピューターにできること、AIにできること

続・ゲームとのコンタクト

デジタル・トランスフォーメーションをめぐって

情報をめぐって

「読解力」から見えるAIと人を分かつもの

ゲームとのコンタクト

IT・AI本がたまっていく

IT活用を妨げるもの-生産性上昇の方法

Amazon EchoとAmazon Alexa(エコーとアレクサ)

「「人工超知能」 -生命と機械の間にあるもの-」を読む

AIの最先端を知る

「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット」を読む

「リーガルテック」を読む

「シンポジウム 人工知能が法務を変える?」を聞く

「人工知能の哲学」を読む

IT・AIの法律書を使う

「ビットコイン」を考える

2004年に私が考えていた「ITが弁護士業務にもたらす影響」

弁護士として「AIと法」に踏み出す

Googleのシステムを利用して仕事をする 

畑仕事と追加的IT2題

IT3題

読んだ本のまとめ方-技術編- 

同時並行的ITパニック 

Posted by murachan54