「ビットコイン」を考える

2021-03-17

ビットコインとは何だろう

「ビットコイン」(仮想通貨、暗号通貨)と、それを支える「ブロックチェーン」という技術が、大分前から喧伝されている。仮想通貨の取引所の倒産(2014年)、分裂(2017年8月)といわれれば、それだけで怪しそうだと思うが(こういう直感的な反応がまずいんですよね!)、一方で、資金決済法に規定された(2017年6月公布)と聞けば、まともなものかなと思われてくる。

資金決済法の定義

せっかく、資金決済法に規定されたのだから、その定義を見てみよう(同法2条5項)。

「一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」

これでは、ビットコインが何であるかは、分からない。

そこで、Kindle Unlimitedで「1時間でわかるビットコイン入門」を読んでみた。Kindle Unlimitedは、月額980円の定額読み放題サービスで、同時に10冊まで借りられるので、こういう用途には便利である(和書12万冊、洋書120万冊以上とあるが、今確認すると洋書は160万冊(英語は、約134万冊)を超えている。ただどこにあるかが分かりにくく、AmazonショップのKindle洋書で、読み放題対象タイトルをクリックする←備忘 )。

ビットコインの上っ面

電子情報として記載される「ビットコイン」という、通貨に交換可能なものが存在することを前提にして、それは売買可能で、わずかな手数料で支払、(海外)送金に利用することができ、発行時に発行量が決まっていて売買の動き(需給)に応じて激しく値動きするので投資対象にもなる、さらには、「ブロックチェーン」という技術に支えられたその仕組みは安全であるというようなことが書かれている。

読む限り、利便性というよりも投資対象という思惑が強いようだ。実際この本で1ビット6万円程度とされていた値段が、「分裂」時には、30万円となったようだ。投資につられますます人が集まる、値上がりする、分裂するという面があるようだ(分裂については、記事1記事2参照)。

分からないこと

ナカモトサトシが作成したプログラムコードを使い複数の開発者によってビットコインが開発されたとして、あるペースで発行されるビットコインは、原始的には誰に帰属するのか、それとマイニングに払われる報酬との関係はどうかという基本の事実とイメージがつかめない。ただこの問題は、法定通貨、貨幣全般に言えるのかも知れない。どうして誰かが拾ってきた貝殻が、中央銀行が刷った紙が、価値を持つのか。だからそこが分からなくても、現に流通していることを前提に考えれば、当面は、十分なのかも知れない。ただ不安は残る。

それとビットコインによる、支払、送金機能は、それだけで利用に値するほど画期的なのだろうか。ただこれが、我が国財政の大赤字の果ての円の大暴落(ハイパーインフレ)時に、諸外国の通貨に交換できるというのなら、極めて有用だが、そこはどうだろうか。

それとは別に、「ブロックチェーン」については、よく調べてみたい。