読書メモを作る

2023-04-02

読書メモを作る

Kindle本の読書について

厖大なKindle本を買いながら、なかなか満足のいく読書習慣が定着しない。Real本時代は、積読も多かったが読み始めた本は消化していたように思う。」しかしKindle本はいつまでたっても不満足なままだ。読書メモまでいかない。
このままではあの世まで Kindle 本を引きずっていくことになるので、さてこの辺で、少し読書と読書メモを考え直そう。これも「プチ創造」の一環だ。要するに一つずつ焦点を当てて、「創造」していくことが大事だろう。

読書をどう捉えるか

まず読書について考えよう。 
「読書とは何か 知を捕らえる15の技術」(三中信宏)は数ある「読書本」のなかではきわめてまともな本だと思うが、その詳細は別途検討することにして、ここではかなり以前に読んだそのノード(手掛かり、痕跡)によって「私見」を組み立ててみよう(ちなみに三中本はノードを立論の基本的な概念としている。)。
三中は、読書をする行為を狩猟家ないし登山家に見たてている。狩猟家のことはわからないが(分かる人の方が少ないだろう。)、登山については私は初中級百名山完登者だからそれなりにイメージできる。
登山は高山であればその過程はやはり苦しいが、終わった後は極めて爽快な満足感がある。読書も難解な本はその読解過程はやはり苦しいが、終わった後は極めて爽快な満足感がある。
登山は体を使い読書は頭を使うというイメージがあるかもしれないが、登山も頭を使うし読書も体を使う。いずれにせよ体力を要するし、体が受け止める情報は基本は視覚(画像)でありそれを脳が処理することに違いはない。物理的に移動することによる足の負担は、登山だけだが。
登山は、当然、「登り」と「下り」からなるが、三中読書論の秀逸な点は、最終頁まで読んでいっておしまいではなく、途中の手掛かり、痕跡の再構成を想定している点である。

抽象的に言えば、登山は、物理空間の移動(「登り」と「下り」)とその過程で推測・確認される山全体及び山頂とその眺望全体(山の位置付け)を把握する行為である。移動中には、岩もあれば、沢もある。藪漕ぎもある。その過程から、山全体及び山頂を推測・確認し、眺望も把握できる。
三中は読書を、読書の過程で理解の一部であるノード(痕跡)を刻み、ノードをたがいに結びつける〝連鎖〟としての「チェイン(chain) =鎖」、階層的構造を示す「ツリー(tree) =樹」、そしてより複雑な「ネットワーク(network) =網」に構成する作業と捉え、その過程ではアブダクションが重要な役割を果たすと言っている。これは読書行為の本質を切り取った考え方だと思う。最終頁までの読書の過程で様々な手掛かり、痕跡を獲得し、それをつないで著書全体の言語空間を想定・構成すると考えるのだ。言わば著書の言語空間の移動とその過程で推測・確認される著書全体及び核心の主張とそこからの眺望全体の把握と捉えればいいだろう。登山とパラレルに捉えることができる。だから「本の森」を彷徨うことも「山ある日々」なのだ。

当然山にもいろいろな山行形態があるように、本にもいろいろな種類・内容があるので、一義的に決めることはできない。
いずれにせよ比喩的な問題だから細部に拘っても仕方がないが、苦しいが楽しいこと、手掛かり、痕跡を再構成し全体を把握するという重要な共通点があることは間違いない。

読書メモの作成

読書メモの必要性

次に読書メモの作成について考えよう。読書の過程を記録するのは記憶だけでは覚束ない。実際登山もちゃんと記録しておかないとどんどん記憶は失せていくが、幸いなことに色々なガイド本があるのでそれを見て記憶を蘇らせることはできる。
もちろん本についても一部はガイド本、紹介本があるが、数が少ないし、原本にあたってもいいが、原本へアクセスする手掛かりが必要である。そのために読書メモがあるといい。Webへの基礎資料として使うためには、ある程度内容に踏み込んだものである必要性がある。まず読書メモの構成から考えよう。読書メモについてはできるだけ最新のデジタルをデジタル技法を用いることにしよう

読書メモについて

読書メモの構成をどうするか

Notionのテンプレートを見ると、読書メモ(リーディングリスト)は、「タイトル、著者、リンク、ステータス、評価、読了日、種別」から構成されている。
前3者はいろいろと取得する方法はある。これを「メタデータ」としよう。

ところでKindle本は、画像本以外は、テキスト部分を選択してメモとハイライトを取ることができる。ハイライトはテキストで外に出せるので、これを利用して、目次や抜き書きはかなり容易に作成できる。画像本とR本は、画面や紙のコピーとスキャン、そして音声入力でそれを作成しよう。

テキストを作成するには音声入力を利用するのが最も便利である。現に今私はパソコンの Google ドキュメントの音声入力を利用している。これはなかなか快適である。

以上を前提に、読書メモの項目をどうするか。

読書メモの具体的な構成

メタデータ
 Title:
 Author:
 Reference:
著者サイドのコメント
本の森を踏破する
縦走(つながり)とクライミング(登頂)
抜き書き
眺望(コメント・要約・評価)
詳細目次

本の森を踏破する

読書メモの構成のうち、「著者サイドのコメント」はReference(基本的には、Amazonへのリンク)の一部を抜粋する。内容を知るにはReferenceをクリックすればいいだけだが、その本の内容が(私にも)すぐにイメージできるようにするために設定する。

「本の森を踏破する」は、私が作成する部分だ。

「縦走(つながり)とクライミング(登頂)」は、その本を読もうとした経緯、その本を読むことでどこに行く見通しなのか等々を記そう。「縦走とクライミング」だけでもいいのだが、それだけでは意味不明なので、つながりと登頂を付加した。
「抜き書き」のうちKindle本はハイライトを利用して作成する(画像本やR本は、該当部分をチェックして音読することにしよう。)。
「コメント・要約・評価」は、上記の「言語空間の移動とその過程で推測・確認される著書全体及び核心の主張とそこからの眺望全体の把握」とその評価になる。

「詳細目次」は、Kindle本のハイライト等を利用して作成済みのものが多い。

自分で作成する部分を除き、購入済みのKindle本のデータは、Notionのデータベースにすることにしよう。それも学ばなければ。