政府

2021-03-22

解決すべき課題と構成

課題

農業革命により人の生活・仕事・文化が分化し、余剰生産物を収奪する「権力集団」(政府)が生じた(もっとも現代のほぼすべての政府は、民主制(支配者と被支配者が同一)に基づくと主張している)が、政府の迷走は、止まるどころか、加速しているようだ。

政府は、ある領域(領土)に存在する人(国民)を基盤として成立するので、政府、国民、領土から構成される社会(の一部)を国家と呼称することもあるが、問題を解決するうえで、「国家」概念は有益でないか、むしろ問題の所在を覆い隠すことが多い。なぜなら国家という用語は多義的であって、4要素(ヒト、企業、政府、環境)により構成される地域的な社会と同視として使用されることもあり、その場合、すべての問題が、国家の問題に含まれることになる。

政府の問題は、民主制のもとでは、個人の政治参加(投票)により選出された代表者(政治家)が組織・運営する集団が行使する権力(法や実力)と公共政策の実施及び国民、市民によるその制御の問題である。

ただ本来的に政府は実力で成立してきたものであり、個人が政府を構成する代表者を選出するというのは擬制であるが、その擬制の運用は、我が国を含む多くの国ではほぼ定着している。ただ時おり、政治家、官僚はこれを失念し、権力を冒用して私的利益を図ろうとする強いインセンティブがあり、それが問題を複雑にしている。

私は、現代社会が抱える様々な「問題解決と創造」を、上記の4要素から考えているが、私たちは、4要素の何が重要だと考えているだろうか。普通に考えれば、個人の生活とそれを支える仕事であり、更にはこれらの活動の場となる企業、環境となるであろう。しかし、私たちが一番興味を持つのは(あるいは持たされるというべきか)、政府を支配する「政治家」の選定とその行動に係わる「政治問題」であろう。

そうなるのは、ひとつは、上記したように「国家」を4要素により構成される社会と同視し、ないしその上に立つとする錯視によるのだと思う。まつりごとには、本来そういう性質がある(「共同幻想」)。

もうひとつは、民主制を支える国民、市民として、自分たちから多大な資金(税金)を収奪し、権力を行使して支配する政府の支配者の選定とその行動についての正当な関心に基づくものである。しかし支配者側の専門性、秘密性、権威性を盾にした「権力の壁」は厚く、国民、市民はほとんどすべての面で情報操作されているという方が実態に近いだろう。その結果、政府は、国民全体の代表を名乗って、時に外交の失敗の延長上に戦争を企て、実行する。戦争は、生活領域に近接ないし生活領域内で行なわれれば、生活・仕事・文化・企業・環境のすべてを破壊しかねない行為である。そんなことは分かっているはずだが、戦争が実行された後に、それに気付くというのがお決まりの「歴史」である。
政府の財政、社会福祉制度が破たんしようと、円が大暴落してハイパーインフレになろうと、立ち直る方法はあるが、現代の戦争は立ち直り至難な問題である。だから私は、戦争だけには入り込まない「政府」を選定するのが、最低限の国民、市民の良識だと思う。こんなことを考えなければならないこと自体、今の「政府」にはいい加減にしてもらいたいと思うが、どこの国の「政府」もレベルはあまり変わらないようだ。このような問題が浮上したのは、「デジタル情報の氾濫と法とルールの破綻」によるところが大きいが、それは別途、考察しよう。

構成

政府の問題は、権力の行使と公共政策の実施が基本的な問題であるが、これを、「日本の政治・政府の現状」、「権力と支配」、「法とルール」、「政策」に分けて考察、検討する。

日本の政治・政府の現状

コメント

「日本の政治・政府の現状」は、私の目の前にあるわが国の政治・政府の現状を「現状分析とその方法」、「情報公開-政府の透明性」、「財政」に分け、当面、この分野の何冊かの本を掲載しておこう。

「日本の政治・政府の現状」は、「現状分析とその方法」にあげた冒頭の2冊の題名である「正義を振りかざす「極端な人」」と、「怒りと憎悪の政治」である。その根本的な原因は、「デジタル情報の氾濫と法とルールの破綻」によると捉えることが出来ようが、様々な問題を「情報公開-政府の透明性」せずに隠蔽し、破綻した「財政」から金品をばらまき、「正義を振りかざす「極端な人」」あおって「怒りと憎悪の政治」によって利得しているのが、現在の「政権」に見える。
「情報公開」は、私の仕事にとっても重要な問題である。

現状分析とその方法

基本書

  • 正義を振りかざす「極端な人」の正体 (光文社新書):山口 真一
  • アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治 (講談社現代新書):吉田徹
  • 令和日本の敗戦 ──虚構の経済と蹂躙の政治を暴く (ちくま新書) :田崎基
  • 「政治学の第一歩」(著者: 稗田健志, 多湖淳,砂原庸介)(Amazonにリンク
  • 「啓蒙思想2.0」(著者:ジョセフ・ヒース)(Amazonにリンク
  • 「民主主義の死に方-二極化する政治が招く独裁への道」(著者:スティーブン・レビツキー)(Amazonにリンク
  • 「情報隠蔽国家」(著者:青木理)(Amazonにリンク
  • 「崩れる政治を立て直す-21世紀の日本行政改革論」(著者:牧原出)(Amazonにリンク
  • 「政治を再建する、いくつかの方法-政治制度から考える」(著者:大山礼子)(Amazonにリンク
  • 「原因を推論する-政治分析方法論のすゝめ」(著者:久米 郁男)(Amazonにリンク
  • 「哲学と政治講義-よみがえる古代思想・宗教と権力の政治」(著者:佐々木毅)(Amazonにリンク

情報公開-政府の透明性

基本書

  • 「武器としての情報公開」(著者:春日部聡)(Amazonにリンク)
  • 「公文書問題 日本の「闇」の核心」(著者:瀬畑源)(Amazonにリンク)
  • 「国家と秘密 隠される公文書」(著者:久保亨, 瀬畑源)(Amazonにリンク)
  • 「公文書問題と日本の病理(著者:松岡資明)(Amazonにリンク)
  • 「現代思想2018年6月号 特集=公文書とリアル]」(著者:望月 衣塑子, 瀬畑 源, 布施 祐仁, 斎藤 貴男, 武田 砂鉄)(Amazonにリンク)

財政

基本書

  • 財政と現代の経済社会(’19)(テレビ・字幕): 諸富 徹(放送大学の講義)
  • 入門財政学:土居丈朗
  • 日本のマクロ経済政策 未熟な民主政治の帰結 (岩波新書) :熊倉 正修

権力と支配

コメント

権力論は、要するに政府権力の制御論、ガバナンス論であるが、今、これまでその手段としてもっとも有効であると考えられた「憲法」による「法の支配」及び「情報公開-政府の透明性」が次々とないがしろにされているから、政府権力の暴走はしばらく止まらないだろう。一市民としては、激変する世界状況の中で政府権力の暴走を止めるなどという古典的な問題ではなく、政府ができることとできないことに敏感になって、できることの範囲で、必要十分、かつ合理的な政策実行に取り組んでもらいたいと思うのだが、サイバー空間が迷走・沸騰している状況では、しばらく無理かな。

これまでこの分野では山のような議論が繰り返されてきたものの、今後、政府権力の制御論、ガバナンス論としてどのような手法が有効かはなかなか見えてこないが、率直に言って国民から信託を受けお金をもらっている政治家と官僚が考えろよと言いたくもなる。私は、最低限のところから出発してみよう(この分野は、「権力・行政」、「司法」、「立法」、「地方政府」に分類できようが、ここでは「権力・行政」の最低限の3冊のみ、紹介することにする。そうする本当の理由は、リストが消えたから。追って用意しよう。)。「日本の政治・政府の現状」の「現状分析とその方法」に掲載した本も参照されたい。

放送大学の講義

  • 政治学へのいざない(’16)(ラジオ) 御厨 貴、山岡 龍一
  • 市民自治の知識と実践(’15)(ラジオ) 山岡 龍一、岡﨑 晴輝
  • 公共哲学(’17)(ラジオ) 山岡 龍一、齋藤 純一
  • 権力の館を考える(’16)(テレビ・字幕) 御厨 貴

基本書

  • 権力 (思考のフロンティア):杉田 敦
  • 国家の社会学 :佐藤 成基 
  • 「権力-社会的威力・イデオロギー・人間生態系」(著者:山本 耕一)(Amazonにリンク
  • 「シンプルな政府:“規制”をいかにデザインするか」(著者:キャス・サンスティーン)(Amazonにリンク
  • 「未来政府-プラットフォーム民主主義」(著者:ギャビン・ニューサム, リサ・ディッキー)(Amazonにリンク

<この項目に関連する記事>

法とルール

ここには今後、Webの様々なところで言及した「法とルール」の概要を掲載する。

政策

政策

コメント

政府の政策は、資金、人は国民から調達して、法という制裁付きルールによって実行するし、その影響も大きいのだから、しっかりと事前に検討し、事後も検証するという過程が不可欠だが、実際は、政府関係者も、国民サイドも、そのようなことをせず、決定過程の「政治」にしか興味が向かない。これは、私が、Netflixでドキュメントを見ずに、アニメばかり見ているのと同じである?

それでもうまく運用できる仕組みを考え出すしかない。

基本書

  • 「入門 公共政策学-社会問題を解決する「新しい知」」(著者:秋吉 貴雄)(Amazonにリンク
  • 「リスク・マネジメントと公共政策-経済学・政治学・法律学による学際的研究」(著者:高橋 滋, 渡辺 智之)(Amazonにリンク
  • 「公共政策を学ぶための行政法入門」(著者:深澤 龍一郎他)(Amazonにリンク

参考記事

政策情報

ここでは我が国の政府が、Webで提供している「政策情報」を紹介します。法令の情報については、「新しい法令の成立を調べる」に掲載しています。

「政府の政策」を読み、活用する

政府は、必要と判断する多くの「政策」を実行するために、国民・企業から資金(税金)を吸い上げ、罰則を伴う「ルール」を設定して、モノ、カネ、ヒトを投入する行政活動を行っている。国民・企業は、生活・存続のための財の取得活動にその労力の大半を費やすが、政府は国民・企業の資金で政策実行のために自由な活動を行い、国民・企業への規制、影響はますます強まっているから、立法府、裁判所はその活動を合理的なものに事前・事後に規制し、国民・企業はその活動を把握、監視してこれをコントロールすると共に、自分たちのための政策だからこれを有効に活用すべきだろう。

ところで現在の政府の政策・活動は、社会の多様化、グローバル化、科学技術の進展、コンピュータやインターネットの常態化等によってきわめて複雑化・多様化しているが、政府はその政策・活動の多くをインターネットで公開するという方針が推進されているし、その内容も、各省庁ともWebサイトの作成に多くのカネ、ヒトを投入し、競って網羅化、精緻化し、かつ各省庁で横断化されている(これらによってますます細かい政策が生み出される)ように見受けられ、一昔前のお粗末なWebサイトとは全く異なっている。ただ国民・企業は、まだその利用に十分習熟しておらず、ウオッチし続ける活動にも慣れていない。特に通常、インターネットでの情報収集は、検索して必要な情報を得て終わりということが大部分だから、膨大な政府の政策情報の全体像を把握し、これを整理し、必要な情報を抜き出して自分に役立つように有効活用することは、直ちにできるわけではないだろう。特に政府の政策は「ルール」(法律、規則等の法令)に基づいて実施されているから、その解読も必要だ。

そこで「法令」を扱うことを業としIT・AIが大好きな弁護士である私として、「政府の政策を読み、活用する」という「アイデアをカタチにする」ために何ができるか、少し考えてみたい。まず、政府のWebサイトの全体像を把握してみよう。

そのうえで、今後、これから必要な情報を整理して抜き出し、国民・企業が有効活用できる方法を模索してみよう。

「政府のWebサイト」、「法令」、「特許」、「地方自治体」の基礎情報

膨大な政府の政策情報に向かう前に、即座に基礎情報にアクセスできるようにしよう。

政府の様々なWebサイトにアクセスするには、「電子政府の総合窓口 e-Gov」、の「組織」にある「組織・制度の概要案内」「各府省庁所管の法人等」「各府省・独立行政法人等のWebサイト」「国会・裁判所等」「地方公共団体」「審議会・研究会等」が、一覧性がありわかりやすいだろう。

折に触れて「ルール」(法令)そのものに立ち返って確認するために、同じく「電子政府の総合窓口 e-Gov」の「法令検索」にアクセスできることが重要だ。ただし、法令の改正が法施行後もしばらく反映されていないことがあるので、注意が必要だ。所管官庁の立法情報を確認するのがよい。上記のサイトには、関連する制度、電子申請、情報公開、法令適用事前確認手続、パブリックコメント等も掲載されており有意義だ。

少し意味合いが違うが、「特許」等の工業所有権情報もビジネスを行う上で、重要なルール(プラットフォーム)だから、「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で確認する癖をつけたい。

地方政府である「地方自治体」のWebサイトについては、「電子政府の総合窓口 e-Gov」にある「地方公共団体」へのリンク集や地方公共団体情報システム機構で検索できる。こちらの方が身近な情報が得られよう。なお各自治体の条例は、それぞれのWebサイトで検索できるだろうが、その多くをまとめているこちらのサイトも便利だ。

Posted by murachan54