秋の夜長に読もうこの10冊

2020-11-11

夜長に読むこの10+2冊

よそに鳴る夜長の時計数へけり  杉田久女

孫娘の「けろけろ時計」の不規則に叫ぶ「実家にカエラセテいただきます」、「この部屋好きケロ」、「夢は自分で見つケロ?」との声を数えながら、秋の夜長に読むこの10冊を選んでみた。というより、今このWebに手を入れていて大分形ができてきたが、ずらずらと参考本を並べるのはそろそろおしまいにして、柱になる何十冊かの本をしっかり把握して発信していかなくてはならない状況になったと思うので、比較的最近入手して柱にしようと思っている本を10冊選んでみた。これにあと2、30冊付け加えれば、おおよその道筋は開けるだろう。

10+2冊

  • 正義を振りかざす「極端な人」の正体 :山口 真一(Amazonにリンク
  • アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治:吉田徹(Amazonにリンク
  1. ソーシャルメディアの生態系:オリバー・ラケット, マイケル ケーシー(Amazonにリンク)(「The Social Organism: A Radical Understanding of Social Media to Transform Your Business and Life」(Amazonにリンク
  2. あなたの脳は変えられる―「やめられない!」の神経ループから抜け出す方法:ジャドソン・ブルワー(Amazonにリンク
  3. BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは:青砥瑞人(Amazonにリンク
  4. 集団と集合知の心理学:有馬淑子(Amazonにリンク
  5. 持続不可能性-環境保全のための複雑系理論入門:サイモン・レヴィン(Amazonにリンク
  6. 崩壊学・人類が直面している脅威の実態:パブロ・セルヴィーニュ, ラファエル・スティーヴンス(Amazonにリンク
  7. Come On! 目を覚まそう!―ローマクラブ『成長の限界』から半世紀 ~環境危機を迎えた「人新世」をどう生きるか? :エルンスト・フォン・ワイツゼッカー,アンダース・ワイクマン(Amazonにリンク
  8. 出現する未来から導く ― U理論で自己と組織、社会のシステムを変革する :C・オットー・シャーマー, カトリン・カウファー(Amazonにリンク
  9. 経営改革大全 企業を壊す100の誤解 :名和高司(Amazonにリンク
  10. ビッグ・ピボット ― なぜ巨大グローバル企業が〈大転換〉するのか :アンドリュー・S・ウィンストン(Amazonにリンク

 

簡単なコメント

最初の2冊は「柱」ではなく、最新のネットとそれを大きな原因とする混乱した現在の政治の情況を把握するための情報本である。そうすると10冊にはあと2冊だが、それは最近別に投稿記事にしている「集団と集合知の心理学:有馬淑子」と「BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは:青砥瑞人」を加えることにしよう。

ⅰは、上記2冊の震源ともいえるソーシャルメディアのプラス面とマイナス面を新しい世代の感覚として取り上げており、検討に値する。

ⅱは、「やめられない! 」の神経ループから抜け出す方法!を「マインドフルネス」から解明する非常に説得力のある依存症脱却(及び目標達成)の基本とするに足りる本、ⅲはそれをもう少し細かく脳の機能と結び付けて説明する本、ⅳは、集団(組織)を社会的認知も含めて解説し、更に新しい科学的方法も簡潔に説明してくれる親切本である。ここまでが、現実、個人、組織を捉える基本的な観点を得ることの出来る本である。

ⅴからⅷは、持続可能性を論じた本である。なお持続可能性については、様々なアクセスがあるので、一概に論じられないが、私はローマクラブ-システム思考系が十分な検討をしていると考えているので、それ(ⅶ、ⅷ)を紹介する。
ⅴは今までまったく私の視野に入っていなかった本で、著者は数理生物学の専門家で複雑系と持続可能性をつなぐ議論が期待できそうである(ただ字も小さいし難解そうである。これを読まずして何を読むかという気概で挑もう。)。ⅵは、フランスの学者の本で「自然環境、エネルギー、社会システム、農業、金融…など多くの分野で、現行の枠組が崩壊間際になっている現状をデータとともに提示する驚嘆のレポート」という紹介だが、冷静に読むこむ必要がある。
ⅶはローマクラブのメンバー(ドネラらではない)の最新作で、資源、気候、情報、資本主義等々について、最新の議論を展開している。持続不可能性を理解するこの1冊といえば、これだろう。
ⅷはシステム思考を進化させたU理論で、自己と組織、社会のシステムを変革しようというもの、私にとっては大分先の話しだ。

ⅷもビジネスを含んでいるが、視野は広い。持続可能性をにらみつつ、これからのビジネス論を展開しているのが、ⅸである。持続可能性をどう考えるかは「人それぞれ」としても、ビジネスの今後を考えるには、ⅸは不可欠な重要書だと思う。

それぞれの本の各論は、これから順次作成していくとして、この記事では詳細目次だけ掲載しておこう。

詳細目次

次の頁に掲載します。