AIの最先端を知る

2019-10-31

AIのわかりやすいとらえ方

今AIは何を目指しているのだろうか。

カーネマンのシステム1(直観的ないし無意識的思考)とシステム2(論理的思考)を持ち出すと、人間の思考は、システム1とシステム2の複雑な絡み合いで成り立っているが、生物誕生以来の進化と共にあるシステム1が圧倒的な影響力を持つと共に繁殖、生存レベルで優れているが、意識(言語)により生まれたと思われるシステム2は、科学を生み、宇宙、物質、生命を解読しつつある。

これを踏まえれば、AIは、これまでコンピュータが扱ってきた人間の論理的思考をはるかに凌駕するシステム2分野に、苦手とするシステム1分野を組み込もうとする動きだととらえることができよう。そしてコンピュータが、人間より高度のシステム1とシステム2の両者を備えれば、「汎用人工知能」の誕生といえるのだろう。ただ、それだけではどうも足りないような気がするが。

例えば、AIの動きにばかり気が取られていると、「古典を読め。歴史を知れ。」といわれると、「?」となってしまうが、少ない観察材料とほとんどない科学的知見から事柄の本質を見抜く「古典」、人のした数少ない社会実験から人間を解明する「歴史」はいずれも貴重な資産である。人はそこから学べるが、さてAIは?これは難癖に近いかもしれない。

AIの最先端を追う人々

AIの最先端を追う人々の様々な動きは、複眼的にみる必要があるだろう。

今これを開発しつつある科学者、技術者、企業は、コンピュータやインターネットが持つシステム2の能力を背景に語るので、とても大きな「存在感」があるが、よく考えれば、利用しているのは、本人自身の理科系的センスのシステム1とシステム2であるから、これまでの科学史どおり、玉石混交、試行錯誤を繰り返し、正しく未来を切り開く試みはごく僅かであろう。だがそれで十分だ。

一方、これを自身の生産活動に持ち込んで利用したいと思う人々がいる。希望と利益の両者に引っ張られるユーザーたちである。

さらにこの両者の間に介在して利益を得ようとする、販売者、ブローカー、評論家がいる。一番目立つのはこの人たちだろう。

その外枠に私のように、AIが現在何であり、近い将来的どうなるのかに、ゾクゾク、わくわくしながら随伴する人々がある。ただし私は、これを法というルールの改革に使いたいと思っているので、ゲーマーよりは、少しはいいか、どうか?

AI技術の最先端を学ぶためには

IT・AIの基礎は大事だが、玉石混交、試行錯誤を繰り返しているAI技術の最先端からも目が離せなくなる。

そのわかりやすい導入として、今私が目を通している「エンジニアのためのAI入門」はお薦めだ。おって、本の森で紹介したいと思うが、ぼやぼやしているとすぐに古くなってしまいそうだ。その場合は、この本の出版元がやっている「Think It」というWebを見ていただきたい。

AI技術の最先端を知るリンク集

AI技術の最先端ということであれば、それに取り組んでいる「人工知能学会」「NPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ(WBAI)」のWebサイトを見るのがよいだろう。

さらに個別のリンク集は、前者では「私のブックマーク」として紹介されており(更新情報はこちらにあるようです。)、後者ではその前身の「汎用知能研究会」のリンク集がある。それぞれのところから辿っていけば、海外の情報も得られるであろう。