オートメモ(音声入力)を使う
- 書くことについて:野口 悠紀雄
- 目次
- はじめに 誰もが本を書ける
- 第1章 文章を書くための仕組みを作る
- 1.文章を書く教育はなされていない
- 「文章を書く」とはどういうことか?/「読む」教育だけで「書く」教育はない/これまでの文章読本とどこが違うか
- 2.文章が自動的にできるわけではないが「手続きに従えば」書ける
- 「魔法のような」方法の提案/AIに文章を書かせるのとは違う/化合物を作るのと同じように文章を作れる
- 3.私が現在の仕組みにたどり着くまで
- テキストエディタで文章を作成してきた/グーグルドキュメントを使いだす
- 4.「多層ファイリング」の提案
- 目的のファイルをどのように見いだすか?/メタキーワードを用いた検索/多層ファイリングシステム/「層」とは何か?/3層で1000個のファイルを管理できる/柔軟な仕組み
- 5.多層ファイリングによる「数秒の差」が決定的
- 必要なデータをリンクによって即座に引き出す/数秒の差で結果が変わる/「メタインデックス」というルートファイル/メタインデックスを素早く引き出すには
- 6.文書をクラウドで管理することが必要
- クラウドに上げる/なぜクラウド保存が必要か/クラウドは簡単に利用できる/会社がクラウドの利用を制約している/クラウドは在宅勤務にも不可欠
- 7.「敵と思えば敵」になり「味方と思えば味方」になる
- 人間は新しいものを「敵」と考える/グーグルドキュメントは「敵」と見なされやすい/ワープロを敵だと考えた人は多かった/本書が提案する仕組みを「味方」にしよう
- 1.文章を書く教育はなされていない
- 第2章 テーマをどう見つけるか?
- 1.テーマを見いだすことこそ重要
- テーマ探しは金脈を探すようなもの「うまく見つかれば8割は完成」/「よい質問」をすることが重要/問題だけを残した人も数学に寄与した/テーマに関する需要と供給の法則/AI時代に「テーマ選択の重要性」は高まる
- 2.クリエイティング・バイ・ドゥーイング
- テーマを見つけるには「考え抜く」しかない/仕事を続けていればテーマが見つかる/とにかく仕事を始めること/思いついたことを音声入力で書き留める/グーグルドキュメントを強く推奨/どうしたら成長させられるか
- 3.質問ジェネレーター
- 異質な考えに接する/本を読んで著者に質問する/講義とブレインストーミング/メモと対話する/私は質問をたくさん持っている/漠然とした問題設定ではだめ/クリエイティング・バイ・ドゥーイングのまとめ
- 1.テーマを見いだすことこそ重要
- 第3章 アイディアの材料を集める
- 1.新聞記事の整理は簡単でない
- 保存した記事のほとんどは使わない/「プッシュ」される情報の選別は難しい/最終的な体系をできるだけ早い時点で作っておく/新聞記事を写真に撮って無限に保存できるようになった/短い文章を書いてツイートしたり note の記事にしておく/外国語の文献を恐れてはならない
- 2.自分のデータベースから検索する
- Gmail はきわめて強力な資料アーカイブになっている/手書きのメモやノートも写真に撮って編集する
- 3.写真のメモを検索できるか?
- メモの写真は自動的にはアルバムにしてくれない/AIによる画像認識を利用して、写真を検索する/紙のメモ用紙に「メモ」と書いておく/メモや新聞記事などを引き出すための検索語/機能しない検索語も多い/写真メモは、漫然と眺めていても意味がある
- 1.新聞記事の整理は簡単でない
- 第4章 アイディア農場:アイディアの「たね」を育てる
- 1.アイディアが生まれやすい環境を作る
- 問題設定と材料集めのつぎに必要なのは「答えを探す」こと/アイディアを生み出すための2つの条件/原料を頭に詰め込んで歩く
- 2.思いついたアイディアを逃さずに捉えておく仕組み
- 思いつくがすぐに忘れる/将来の自分に伝達することが必要/簡単に書き留められて、しかも見失わないシステムを作る/グーグルドキュメントの多層システムを利用する/コメントの形でメモを作る/リンクを張る/後から引き出すには/原稿が徐々にできあがる/多すぎるファイルを心配する必要はない/試行錯誤の結果たどり着いた方法
- 3.「たね」から「作物」を作る
- 「たね」=考えの断片/「作物」=「基本ブロック」=まとまった論考/「たね」から「作物」を作るには/メタキーワードとキーワードの組み合わせで関連のある断片を見いだす/メタキーワードによるアイディアの看板付け/メタキーワードの役割/メタキーワードはたくさん作らない
- 4.デジタルとアナログの区別があいまいになってきた
- 紙にメモする方法の問題点/関連付けて成長させるため「デジタル情報をクラウドに上げる」
- 1.アイディアが生まれやすい環境を作る
- 第5章 アイディア製造工場:アイディアを組み立てる
- 1.基本ブロックと全体の分量はどの程度か?
- 単行本の字数は 11 万~ 15 万字程度/ブロックの字数は1500字程度/ブロックを100個積み上げると本ができあがる/1冊の本を2層構造で書くか、3層構造で書くか?/グーグルドキュメントで全体を2層または3層構造に/最初は目次ページだけの場合も
- 2.「構造を作る」のが難しいのは「内容が多次元」だから
- 文章は1次元/歴史の叙述は比較的簡単/多次元の内容を処理するには/頭の中でやるしかない/ブロックを正しく関連付ける/多数のデバイスを同時並行的に使う/捨てることの重要性と難しさ/「はじめに」と「まとめ」があると読みやすくなる
- 3.体系ができてからアイディアを思いつくことも多い
- 全体の体系を一覧できればアイディアが生まれる/寝かして熟成させる/コメント方式でアイディアを付け加える/自分自身と対話する/途中過程を公開することの意味
- 1.基本ブロックと全体の分量はどの程度か?
- 第6章 分かりやすく正確に力強く伝える
- 1.分かりやすく書く(その1)論述の構造
- 見かけではなく、内容こそ重要/見かけばかり気にしてもしようがない/書き手がよく理解していることが必要/論理を正しく。「逆は真ならず」をつねに意識/論述の構造/論述の順序/文章を推敲する
- 2.分かりやすく書く(その2)複文問題と戦う
- 分かりにくくなる原因は「複文」にあり/日本語は節の明示が困難/複文の分かりにくさを克服する/複文を重文や単文に分解する/接続詞を多用しよう/ねじれ文を根絶しよう/読みやすくするための注意
- 3.悪文の代表選手に学ぶ
- 悪文の代表選手(その1)日本国憲法を読んでいると陶酔状態に導かれる/分かりやすいように書き直してみると/急いで翻訳したから変な文章になった?/悪文の代表選手(その2)一読難解、二読誤解、三読不可解
- 4.説得力増強のためのテクニック「例示と比喩」
- 例示する/複雑な概念を比喩で分かりやすく説明する/引用とエピグラフ/図を用いる
- 5.タイトルをどう付けるか
- タイトルはますます重要になっている/辟易するウエブ記事のタイトル/名前を付ける
- 6.「避けたい表現」と「なんとか退治したい間違い表現」
- そんなに省略してどうする?/間違いがのさばっている/外国語についてどう考えるか?/根絶できなかった「さらなる」/「さらなる」はなぜ誤りか?/言語感覚の問題/言葉が変化することを認めないのではない/うんざりする表現、気持ちの悪い表現/自分の文章が気持ち悪い文章に直されてしまう/スティーヴン・キングに救われた
- 1.分かりやすく書く(その1)論述の構造
- 第7章 ブレインストーミングをもっと活用しよう
- 1.アイディア生産のためにブレインストーミングが有用
- 創造的な仕事でブレインストーミングをもっと活用すべきだ/メンバーの選択が重要/どう進めるか「準備と記録」/ブレインストーミングに何を期待するか
- 2.オンライン・ブレインストーミング
- オンライン・ブレインストーミング/グーグルドキュメントの「共有」と「コメント」の機能を用いる/本書はオンライン・ブレインストーミングで作った/共同文書の作成や会議議事録の作成にも使える/note による共同作業
- 3.オンラインで書籍を作れないか?
- オンライン書籍作成プロジェクト/いくつかの形態/どのような書籍が可能か
- 4.オンライン・ブレインストーミングは在宅勤務にも応用できる
- 在宅勤務を導入している企業は少ない/どのような仕組みで行なっているか/克服すべき点(1):成果主義への転換/克服すべき点(2):「会議文化」から脱却する
- 1.アイディア生産のためにブレインストーミングが有用
- 第8章 「外部脳」を活用して脳を解放する
- 1.「頭を整理する」のでなく「外部脳を活用する」
- 覚えるのは外部脳に任せて「自分の脳を解放」する/外部脳に記憶させるべき情報/どのような仕組みで外部脳を作るかが問題/外部脳に創造的活動はできない
- 2.同時並行的な仕事の処理のための3層システム
- 仕事を複数層のグーグルドキュメントファイルで管理/すべてのファイルを収納する/いまの方法に問題はないか?
- 3.「使うと便利」になるが「使わないと錆びる」
- いつも使っていれば「好循環」で使えるようになる/「超」メモ帳に押し出しファイリングの手法/「好循環」のためには、「箱」は変えないで「中身」を変える/アイディア農場も、ある意味での箱固定/クリエイティング・バイ・ドゥーイング
- 1.「頭を整理する」のでなく「外部脳を活用する」
- 目次