健康に生きるためのお薦め3書プラスα

健康本はいろいろあるけれど

健康本は,ダイエット本を中心に山ほどある。どれも似たりよったりで,とにかくその「教え」を実行しさえすれば,何かの役に立つだろうともいえるが,ただ下手に非科学的なカルト本にはまると,かえって健康を害することもあるだろう。またあれこれ読み漁り,どれも中途半端だが,全体では過剰というのも困りものだ(特に「食」はそうだ。)。

私も人のことはいえず,次々と健康本を買い漁った結果,だんだん収拾がつかなくなってきた。

ここらで中心になる本を見定めて,そこで足りない分は補充するというスタンスを取りたいと思う。

私は科学的な素養は不十分だが,読んだ限りで十分に科学的で,かつ健康に生きるための核心をついていると思う本を3書紹介したい。

ダイエット,運動,病気への対応という順番になった。ただいずれの書の内容もそれに限られているわけではない。

健康に生きるための3書

果糖中毒

1書目は,「果糖中毒-19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか? 」(著者:ロバート・H・ラスティグ)だ。この本は,簡単に紹介したが,肥満の原因を果糖と見定め,その「解毒剤」として,「食物繊維」と「一日15分の運動」を挙げる。こう書くと何の変哲もないようだが,その論述は肥満をめぐって対象を広く検討し,科学的で鋭い。今一押しである。

一流の頭脳

2書目は「一流の頭脳 」(著者;アンダース・ハンセン)だ。この本が面白いのは,「身体を動かすことほど、脳に影響をおよぼすものはない。 これが本書のテーマであり、とりわけ効果の高い身体の動かし方とそのメカニズムをお伝えする」,「運動をすると気分が爽快になるだけでなく、集中力や記憶力、創造性、ストレスに対する抵抗力も高まる。そして情報をすばやく処理できるように-つまり思考の速度が上がり、記憶のなかから必要な知識を効率的に引き出せるようになる。また特別な「脳内ギア」を入れることで、混乱した状況下で意識を集中させ、心が乱れていても平常心を取り戻すことができる。運動によってIQ(知能指数)が高くなるという説さえあるのだ」と,「運動」が脳をよくするということで貫かれている。つまり,「一日15分の運動」は対肥満,能力向上の決め手というわけだ。これで運動の十分なモチベーションになると思う。

老婆心ながら,私が運動でいいと思うのは,スロージョギングと,「ずぼらヨガ」(著者:崎田ミナ)または自重トレーニング(著者:比嘉一雄)によるストレッチや筋トレかなあ。運動を継続する(習慣化する)には,行動分析学の本に目を通してみることをお薦めするが,行動分析学は概して「言葉遣い」が創始者のスキナーに捕らわれていて,論争的で難解すぎることはいっておこう(一番整理されているのは「「結果が出る習慣術―行動科学で人生がみるみる変わる」(著者:石田淳)だろうか。)。まあこれらはプラスアルファだ。

最強の健康法

3書目は,「最強の健康法【ベスト・パフォーマンス編】/【病気にならない最先端科学編】」の2冊だ。これも簡単に紹介したことがあるが,要は,運動して痩せて脳が活性化しても,癌をはじめとする病気にはなるのだから,それにも注意しようねということだ(スロージョギングを引っ張っていた田中さんは,確か膵臓癌で亡くなられたようだ。)。癌検診は欠かせない。

というようなことを考え,少しずつ実行しているうちに,どんどん年老いていくだろうが,最後まで元気に生活していたいものだ。

目標達成の技術

これらとは毛色が違うが,もう少し元気な人には,「ペンタゴン式 目標達成の技術 一生へこたれない自分をつくる」(著者:カイゾン・コーテ)をお薦めしたい。