「生命の星・地球博物館」に行く

2019-10-31

箱根は遠い

箱根の紅葉がきれいになったろうと思い、11月12日(日)に、ジージ&バーバで孫娘に、箱根の「蓬莱園」で落穂拾いをさせる計画を立てた。「蓬莱園」は、つつじで有名だが、確か紅葉もきれいだった記憶がある。言葉は悪いが荒れ果てた庭園で、孫娘が遊びまわるのに最適だ。帰りに温泉・スパの「小涌園ユネッサン」で遊べば最高だろう。早速、スマホの割引画面も用意した。

土日はいつもお寝坊な孫娘をやっと起こし、朝も食べずに出かけ、車中でシューマイ弁当を食べて東海道線の小田原駅で降りたのが、11時前。

いつもの私の箱根登山どおりバスで行くことにし、孫娘のバス車中のおもちゃも用意。ただ乗り込むとき、切符売りのおばさんが、「渋滞で箱根湯本まで1時間かかりますから、ご承知置きを。」といっていたが、まあオーバーな「警告」だろうと高を括る。ほら、出発しても車は少なく、スーイスイ。

ところが「上板橋」を過ぎるとピタリと動かなくなってしまった。まだ出発して2キロぐらいだろう。ジージ&バーバはゆっくりくつろげていいが、このまま孫娘を乗せ続けるのはつらい。そうだ、確か入生田に「生命の星・地球博物館」というのがあるから、そこを見て、それから電車で「蓬莱園」に向かえばいい。バーバによれば、途中の「鈴廣」で、かまぼこの手作り体験もできるという。

鈴廣「鈴なり市場」

「東風祭」でバスを降りて、少し歩くと鈴廣がやっている「かまぼこの里」の「鈴なり市場」だ。バーバによれば店の前の水がおいしいそうだ。私は鈴廣のかまぼこといえば、箱根登山の帰りに小田原で安価な袋入りの「甘くないさつま揚げ風のもの」を買って、車中のおつまみにするのが楽しみだ。孫娘は、かまぼこはあまり好きでないそうだから、何かあれば買おうぐらいののりだ。ところが中に入って驚いた。おいしいフルーツジェラード、おはぎ、干物、魚カツサンド、かまぼこバー(お酒も飲める)まである。どれもおいしそうで目移りしてしまう。人々が観光バスで乗りつけるのもむべなるかな。

とにかく3人でフルーツジェラードを食べ、お土産におはぎを買い、孫娘は中がピンクのハート形のリカちゃんかまぼこを買い、子供用の自動車風のおもちゃにも乗ったが、先を目指して早々に退散。かまぼこづくり体験は、満杯でパス。

「生命の星・地球博物館」

さて風祭から入生田までは一駅あるから少し遠い。途中で孫娘は、ジージだっこ。なぜかジージは、重くつらくてもうれしがる。

「生命の星・地球博物館」について、私はその名前を見て、しばらくの間はきちんと理解することなく、どこかの新興宗教がやっている多少いかがわしい博物館だろうと思っていた。でもれっきとした神奈川県立の「Museum of Natural History」だった。その誤解が解けた後も、入生田で途中下車することはなく、今回が初めての入館だ。

中は広く、展示も概して素晴らしい。とにかく、宇宙誕生から、地球誕生、生命の誕生、そして少し前までの自然を網羅していて、多少ピントがずれたり、作り物と実物が混在したり(これは当たり前だが)、開館して20年以上たっているので最新の知見かには疑問があったり等々するが、でもこれだけのものを維持管理することには敬服する。

思い出したのだが、最近はないが、私は登山の途中に地方都市の県庁所在地にいくと、たいてい、公園の中にある博物館(かなければ美術館)に行っていた。どこも予算が削られるからだろうか、かなり古くて貧相なところが多かったが、そこで石や動植物の展示をじっくりと見るのは楽しい。「山の自然学」の小泉武栄さんが、日本では、自然史がほとんど教えられていないと嘆くが、そう、私もあまり習った記憶がない。必然的に身近な自然も知らない。孫娘にはぜひ、自然を学んでもらいたいと思う。

孫娘は!

当の孫娘だが、宇宙、地球の誕生で圧倒され、巨大な恐竜の骨が何体もあり、天井にも巨大な「鳥」がいるのを見て、徐々に怖くなり、ジージにしがみついて、急いで駆け抜けようとする。途中の、昆虫や植物には、興味津々だが、向こう側に恐竜が見えると怖くなる。とにかく、足早という感じで外に出た。

退館しようとすると、色鉛筆でする昆虫の塗り絵を勧められる。ジージ&バーバは、見本の写真に忠実だが、孫娘は奔放な色使いだ。まず男性館員がそれを見てほめたたえる。続いて女性館員2名も絶賛して写真を撮らせてくれという。孫娘は、もう一度色を塗るポーズをとる。でもなぜか舌が出ていた。

帰りに横の河原で石遊びをする。孫娘は、集めた石でケーキ屋さんだ。「いらっしゃいませ、何にしますか。リンゴパイはありません。チョコレートケーキはいかがですか。」。

遊び終わり、ジージは石のケーキを持って帰るように勧められる。バーバがさっと、重いケーキは捨てたけど。ザックに石を詰めて歩くジージは、初心者登山部員だ。

帰りの東海道線で孫娘は爆睡だ。うちに帰って「ジージ、楽しかったね。また行こうね。」。もちろんですとも。でも今日は小田原巡りで終わり。箱根は遠かった。