謹んで新春のおよろこびを申し上げます

2020-10-15

皆様方にとってこの一年が希望に満ちた年でありますように心よりお祈り申し上げます。

一昨年は波瀾万丈の年でしたが、昨年はそれに輪をかけた大激震の年になってしまい、この正月は少々くたびれています。でも3歳半になり、きらきらドレスを着て、ティアラ、ネックレス、スティックを身につけ、ガラスの靴を履いて、シンデレラ、エルサ、ソフィア、白雪姫と、日々プリンセスを演じ分ける孫娘を見ると、そんなことも吹っ飛んでしまいます。

さて昨年に続き今年も横好きな「読書案内」をします。「人類は絶滅を逃れられるか」(Do Humankind’s Best Days Lie Ahead?)と「真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話」の2冊はどうでしょう。

前者は、カナダで開催されたディベートを記録した本で、「人間の未来は明るい」と肯定するのが、私も知っているスティーブン・ピンカーとマット・リドレー。懐疑的なのが、私は知らなかったマルコム・グラッドウェルとアラン・ド・ボトン。前者は、人間は進化の中で、言語を得て道具を使用し、試行錯誤、創意工夫を繰り返して、現在を築いており、今後もより豊かで安全な方向に進めていく蓋然性が極めて高いと主張し、後者は、豊かで安全って、本当かいという、哲学、文学からの突っ込みです。

我が国には、視点は大分違いますが「真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話」という本があります。超弦物理学の大栗さんと仏教学の佐々木さんの対談で、題名を見ると?ですが、科学対科学を侵犯しない仏教との対話とでもいうべきもので、内容は意外にまっとうで面白い。

私は、いずれも科学派に与しますが、科学の進展によって私の外部には誰かがわかっていても私には中味のわからない「ブラックボックス」がますます増大し、私の内部であるはずの身体、意識も同じです。

その結果荒れ狂う心が前面に出できしまいますが、その舵取りが難しいのは釈迦の時代と同じです。だからこれからも佐々木さんの説く仏教はありかなと思います。

平成29年 元旦