「中学生からの作文技術」を読む

本多 勝一
朝日新聞社
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一口コメント

「中学生からの」としたことで,本多さんの論争癖が押さえられ,読みやすくなった。語順と,読点が,「目玉」だが,この本の指摘する原則を頭の隅に置いて書くだけで文章の読みやすさはずいぶん変わるだろう。ただこの原則も十分に面倒くさいが。

コメント

本多さんには,もともと「日本語の作文技術 」,実戦・日本語の作文技術 という朝日文庫の本があり,これから「最低限これだけ習得すればいい部分を抽出」したものだそうだから,本多さん特有の,読んでいていやになる攻撃的な部分,独断的な部分も「最低限」で,要点だけ書かれていてお得だ。「日本語の作文技術」の主語廃止論,かかる言葉と受ける言葉(述語にかかる格助詞の成分は「補語」で,あとは修飾語と理解すればいいのだろう。「入門 日本語の文法」(村田水恵:アルク))もそのまま受け取ればいいだろう。今の外国人教授用の日本語文法(日本人のための日本語文法入門)と同じセンスと思われるので,このようなとらえ方に先見の明があったことは間違いない。

詳細目次

  1. はじめに 「作文」とはなにか
  2. 第一章 かかる言葉と受ける言葉
  3. 第二章 かかる言葉の順序
  4. (1)句より節を先に
    1. (2)長い順に
    2. (3)大きいことほど前へ
    3. (4)なじみ具合
    4. (5)「かかる言葉の順序」を実例に見る
  5. 第三章 テンやマルのうちかた
    1. (1)マル(句点)そのほかの記号
    2. (2)テン(読点)のうちかた
  6. 第四章 漢字の使いかた
  7. 第五章 助詞の使いかた
    1. (1)象は鼻が長い-題目の「ハ」
    2. (2)蛙は腹には臍がない-対照の「ハ
    3. (3)彼はいつも速くは食べない-否定での「ハ」
    4. (4)来週までに掃除せよ-マデとマデ二
    5. (5)少し脱線するが……-接続助詞の「が」
    6. (6)サルとイヌとネコとがけんかした-並列の助詞
  8. 第六章 改行を考える
  9. 第七章 無神経な文章
    1. (1)紋切型
    2. (2)くり返し
    3. (3)自分が笑ってはいけない
    4. (4)体言止めの不快さ
    5. (5)ルポルタージュの過去形
  10. 第八章 リズムと文体
    1. (1)文章のリズム
    2. (2)文豪たちの場合
    3. (3)文章改良の一例として
  11. おわりに
  12. 〈注〉

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