IT・AI・DX,日々雑感

何が起こったのか

すこし前になるが,このWebをいじっていて,あるページに移動しようとしてクリックすると,下記の表示が出て移動できないことがあった。

「このページは動作していません。××でリダイレクトが繰り返し行われました。クッキーを消去してみてください。ERR_TOO_MANY_REDIRECTS」。

何てことだ。そこでクッキーを消去してみたが事態は変わらない。そのときはそのページはあまり利用しないので放っておき,その後削除したかもしれない。

ところがこの土日に「法と弁護士業務」に関する記事を「弁護士の仕事を知る」にまとめようと思い,あれこれメニューをいじり,記事を移動しているうちに,ふと気が付くと(移動した(これも後で気がついたが))「分野別法律問題の手引」「新しい法律問題」「法を問題解決と創造に活かす」に上記の問題が発生してしまった。これらはハブになるページだから放っておくわけにもいかない。すこし,ググってみたが,それらの記事をみても何をどうすればいいかわからない(もちろんクッキーは消去してみた。ほとんどは,WordPress.orgの問題のようだ。)。

パーマネントリンク

ところでググったある記事に,設定の「パーマリンク設定」の「変更を保存」をクリックしてみればいいとあったので,クリックしてみたが,もちろん何も起こらない。私の「パーマリンク設定」は日本語にしたままなので,URLになると長い記号となり,見たくもない領域なので,くわばらくわばら。

だがしばらくして,ふと,私がしたことは記事の移動である,そうするとそれによってリンクがおかしくなり,リダイレクト(無限ループ)がおこった可能性があるなあという思いがしてきた。そこでこわごわと,問題となる記事のパーマリンクの編集で,その記事の題名を書き換えてみた。

これなんだ。うまくいった。下位メニューもちゃんと書き換えられている。さすがコンピューターだ。これで問題解決。つかれるなあー。

ところで,Wordpress.comは,決して安くない有料サービスなのに,英語でしか問い合わせできないとはどういうことだ。このままでは仕方がないので,うまくいかなかった場合は,英語で問い合わせるしかないと,更に暗くなっていた私であった。

人の心と行動

最近の知財法改正を一覧する

問題の所在

知財法は,古くからの歴史の風雨にもまれてきたわけではなく,新しい,したがって多くは人為的な法令であるから,政府が理解するその時々の社会・経済状況に応じて,次々と手が加えられやすい。我が国の知財法もその例にもれず,改正を追っかけるのが大変だ。

それでも当該法令が真正面から改正の対象となっているときは,まだ目に入りやすいが,他の法令の改正に伴って改正される場合は,本当にわかりにくい。

そこで,未施行分も含めて,最新の法令を調べるにはどうしたらいいのかを検討し,最近の知財法改正を一覧することにした。

法令検索

それにしても,政府がe-Gov(電子政府の総合窓口)で「法令検索」(外部サイトの記事にリンク)を提供していることは高く評価できる(一方,「行政文書」を隠そうとすることは,時代の流れに逆行し,そのうち破たんするだろう。)。

まず,「法令検索」の「法令名」で当該法令を検索すれば,「施行日」現在の最新の法令と「未施行」部分があることが分かる(「目次」の右隣にある)。

ただし,「データベースに未反映の改正がある場合があります。最終更新日以降の改正有無については、上記「日本法令索引」のリンクから改正履歴をご確認ください」とあるように,「施行日」が過ぎていても,条文に反映されていないことがあるが,せいぜい長くて2か月程度のタイムラグのようだ。その場合は,国立国会図書館が作成している,「日本法令索引」の改正履歴を見れば,どの法律による改正が反映されていないのかある程度の見当は付くが,複数の改正法があったり,法律の成立と施行日がずれていたりすることから,どの法律のどの部分がいつから施行されるのかは,「附則」等を確かめなければわからないので,一目瞭然とはいかないようだ。別の情報を探した方がいいかもしれない。このあたりはもう少し調べてみよう。

それと今気が付いたが,「未施行」欄には,未施行部分が施行されたときの将来の法令が出ている。上記のタイムラグがある場合も,ここに反映されていればいいのだが,どうだろうか。確認出来れば,ここの記述に反映しよう。

概説書を理解するために

ところで最新の法令を知りたいということとは別に,概説書等を読むためには,その概説書が書かれた後の法令改正も頭に入れておく必要がある。特に,頻繁に改正されることが多い知財法分野では,その必要性が大きい。

そこで試みまでに,知財5法プラス不正競争防止法について,平成26年以降の改正,及び未施行部分を網羅してみることにした。

作業は,当該法令の検索,未施行部分のピックアップ,及び当該法令について「日本法令索引」に記載された平成26年以降の部分をピックアップするということである。もっとわかりやすくまとまられている情報もあるだろうが,これも大事な作業である。ただこれに熱中すると,どうしても中味がおろそかになる。役所はどうだろうか。

法とルール

はじめに

個人,企業の知的財産権(「知財」と略称することも多い)をめぐる諸問題について,最初に「知財事始め」から始め,「人の表現・商品・サービスの「個性」を守るための法律」,「特許権とその周辺」,「知財をめぐる企業戦略」と展開していきたい。

ところで知財は,各国の法律によって人為的に「創作」された権利であるから,法律の規定を離れて「議論」してもほとんど意味はないが,ネットでの情報流通が大きな役割を果たす時代の中で,権利侵害でないのにそのように臆断されて「炎上」することが多発する一方,実際の権利侵害に対して,国内においても,ましてや他国の法律が関与する場合に,実効性のある権利確保(侵害の排除」をはかるのは,難しい。

知財の分類

知財に属する権利は,特許権,実用新案権,意匠権,商標権,著作権,回線配置利用権,育成者権,その他に分類され,それを産業財産権とそれ以外に大別されることが多いが,私は,言葉はまだ熟していないが,通常の市民が関係を持つことが多い「人の表現・商品・サービスの「個性」についての権利」(著作権,商標権,不正競争防止法による権利,肖像権,パブリシティ権,商品化権等)と,「物品の構成の高度化に関する情報についての権利」(特許権,実用新案権,意匠権,回線配置利用権,育成者権等)に大別するのがイメージしやすい。

 知財の基本的な定義

知財について細かな検討をする前に,それぞれの権利の定義に戻る習慣をつけることが大切だ。定義の表現には,いろいろあるだろうが,ここでは,後記の政府の情報提供に係る定義を基本としよう(なお,各権利のより細かな要件については,「人の表現・商品・サービスの「個性」を守るための法律」,「特許権とその周辺」において検討する。)。

著作権…自らの創作した著作物(思想または感情を創作的に表現した(アイデアは除く。),文芸,学術,美術または音楽の範囲に入るもの)についての権利

商標権…文字,図形,記号もしくは立体的形状,もしくはこれらの結合またはこれらと色彩の結合であって,特定の商品やサービスについて使用されるものを登録することにより独占的に使用することができる権利

特許権…自然法則を利用した技術的思想の創作のうちの高度なものである発明を登録することにより独占的に実施することができる権利

実用新案権…物品の形状,構造または組合せについての考案を登録することにより独占的に実施することができる権利

意匠権…物品の形状,模様,色彩またはこれらの結合であって視覚を通じて美観を起こさせるものである意匠を登録することにより独占的に実施することができる権利

知財の諸相

知財の各権利がどのようなものであるかを具体的にイメージし,理解を地に足の着いたものにするには,多くの実例を挙げて権利の成立の有無を検討している稲穂健市さんの次の2冊の新書がお薦めだ。

また,2冊を読む前に,あるいは並行して,政府が情報提供している「知的財産制度」のWebを見るのがよいだろう(別のWeb上の記事にリンク)。

産業財産権と,著作権について,初心者向けのテキストも公開している。

政府の情報提供

以下,政府が提供する「知的財産制度」のWebのHPを掲載しておく。

知的財産制度とは

我が国の知的財産権の種類と制度

「知的財産」とは、(1)発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物のように人の創造的活動により生み出されるもの、(2)商標のように事業活動において、自己の商品または役務を表示するために用いられるもの、(3)営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報などのことを言います。

これらに関する権利である「知的財産権」とは、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)、著作権、回線配置利用権、育成者権、その他の知的財産に関して法律上保護される利益に係る権利を総称して言うもので、これら知的財産権のあらましは次のとおりです。

産業財産権とは

産業財産権とは、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の総称です。

  • 特許権

    自然法則を利用した技術的思想の創作のうちの高度なものである発明を独占的に実施することができる権利です。なお、特許権の存続期間は出願の日から原則として20年をもって終了します。

  • 実用新案権

    物品の形状、構造または組合せについての考案を独占的に実施することができる権利です。なお、実用新案権の存続期間は出願の日から原則として10年をもって終了します。

  • 意匠権

    物品の形状、模様、色彩またはこれらの結合であって視覚を通じて美観を起こさせるものである意匠を独占的に実施することができる権利です。なお、意匠権の存続期間は登録の日から原則として20年をもって終了します。

  • 商標権

    文字、図形、記号もしくは立体的形状、もしくはこれらの結合またはこれらと色彩の結合であって、特定の商品やサービスについて使用されるものを独占的に使用することができる権利です。なお、商標権の存続期間は登録の日から原則として10年をもって終了します。ただし、商標権の存続期間については、商標権者の更新登録の申請により更新することができます。

著作権とは

著作権とは、著作者が、自らの創作した著作物(思想または感情を創作的に表現した、文芸、学術、美術または音楽の範囲に入るものを言います。)について、無断でコピーされたり、改変されたりしない権利です。

回線配置利用権とは

回線配置利用権とは、半導体の回路配置を、一定の範囲で独占的に利用することができる権利です。

育成者権とは

育成者権とは、植物の新品種を育成した場合に、これを独占的に利用することができる権利です。

不正競争防止法とは

以上の権利に加えて、不正競争防止法が知的財産を保護する働きをしています。不正競争防止法は事業者間の公正な競争を確保するための法律で、知的財産権の利用に関する不正競争を防止する働きも持っています。