本の森

一口コメント

航空という分野は、今まで全くなじみがなかったので、今も手探り状態である。絶えず新しい技術やビジネススキルが競われ、グローバル世界の最先端の分野ではあるが、ビジネスとしては、いつも強風にさらされているようである。その原因と将来像を早く実感としてつかみたい。

1が一番新しく重要な本であろうが、2、3の航空法の理解も必須であろう。ビジネスジェットについては、4を読み込めばいいのだろう。その他、技術、空港、操縦等の問題が山積している。

紹介

1

2

新航空法講義

新航空法講義

池田 良彦 工藤 聡一 菅原 貴与志 関口 雅夫 中谷 和弘 新田 浩司 松嶋 隆弘

3

新国際航空法

新国際航空法

坂本 昭雄 三好 晋

4

Practical Applications in Business Aviation Management

5

6

7

8

9

週刊 東洋経済 2012年 4/7号 [雑誌]
航空大革命
エアライン&エアポート2012
[時価総額ランキング] これが世界のエアラインTOP30だ!

10

航空英語入門 (航空工学入門講座)
日本航空技術協会
Amazon.co.jpで詳細を見る

11

12

13

14

本の森,社会と世界

一口コメント

進化論(進化理論)ということを知らない、あるいは否定する人は、少なくてもわが国にはほとんどいないが、その具体的な内容はほとんど浸透していないと、進化科学者は異口同音にいう。もっともイメージと内容の食い違いは、どの知的分野でもいえることかもしれないが、進化論(進化理論)は、すべての諸学の基礎となるから、その誤解は深刻だといえる。

自戒を込めて、「進化論の基礎の本」をまとめてみた。

ここでは、進化論からみた人の行動は取り上げなかった。これは、別途まとめる。

1は、もっとも客観的に、かつ全体を過不足なく論じていて、しかも面白い。翻訳者が、原著の内容をフォローしているので、いっそう安心できる(それだけでなく、「中立進化論」の「売り込み」や、「日本では地質学の特殊な政治的事情のために、プレート・テクニクスそのものの受容が大きく遅れた」(P177)という「感想」もあって面白い。)。

2は、わかりやすい本だが、人間の行動を分析した部分が、唐突な感じがする。

3は、ドーキンスの最近出た本で、「世界にさきがけて編集・翻訳」というものの、講演自体は、相当古く、多く掲載された写真も見にくいが、その内容は、安心して読める。4は、いうまでもなく、大きな影響を与えた名著である。5はこれを踏まえた本だが、やはり2と同じく、人間の行動部分について?という感じがする。

6は、進化論をめぐる言説の「現在」を把握するのによい。

「種の起源」も読んでみたいが、遺伝について誤った情報しかなかったなかでの記述なので、「進化論の基礎の本」を十分に理解した上で、挑戦したいが、その前振りとして7がいいだろう。

8は、「DNAが明かす生物の歴史」というサブタイトルの新しい本である。

9~11は、進化論から見た、人の医学、健康に関する本である。今後この分野はますます重要になるだろう。

紹介

1

デイヴィッド・サダヴァ デイヴィッド・ヒリス クレイグ・ヘラー メアリー・プライス
講談社
売り上げランキング: 23,115

2

進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))
長谷川 眞理子
岩波書店
売り上げランキング: 33,900

3

進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義 (ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス)
リチャード ドーキンス
早川書房
売り上げランキング: 1,048

4

利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

posted with amazlet at 15.01.18
リチャード・ドーキンス
紀伊國屋書店
売り上げランキング: 2,801

5

利己的遺伝子から見た人間 愉快な進化論の授業 (PHPサイエンス・ワールド新書)
小林 朋道
PHP研究所
売り上げランキング: 213,780

6

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ

posted with amazlet at 15.01.18
吉川 浩満
朝日出版社
売り上げランキング: 410

7

ダーウィン『種の起源』を読む

ダーウィン『種の起源』を読む

posted with amazlet at 15.01.18
北村 雄一
化学同人
売り上げランキング: 365,364

8

分子からみた生物進化 DNAが明かす生物の歴史 (ブルーバックス)
宮田 隆
講談社
売り上げランキング: 29,176

9

進化から見た病気―「ダーウィン医学」のすすめ (ブルーバックス)
栃内 新
講談社
売り上げランキング: 81,833

10

進化医学からわかる肥満・糖尿病・寿命
井村 裕夫
岩波書店
売り上げランキング: 472,085

11

GO WILD 野生の体を取り戻せ! ―科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス
ジョンJ.レイティ リチャード・マニング
NHK出版
売り上げランキング: 811

日々雑感,本の森

YS11と格納庫

国土交通省が保有していた最後のYS11機についてなかなか入札がなく、スクラップとなる運命寸前であったが、3回目に大阪の企業が落札したと報じられた。

そのYS11が今日(2015年1月16日)、私のいるビルの大型格納庫に入庫した。しばらくいて、修理、整備されるらしい。再び飛行出来るのかどうか知らないが(飛ばす計画のようだ。)、ロマンを感じる人も多いだろう。考えてみると、私が昔乗った飛行機の多くは、YS111だったのではないかと思う。

上の写真が、格納庫内のYS11である。下の写真は格納庫から、国際線ターミナル方向を眺めた写真である。好きな人はいくらいても見飽きないだろう。

船と飛行機

人の移動手段は、歩く、走るの外には、船、馬が長く続き、それに19世紀以降、自動車、飛行機と続いてきたが、考えてみるとどの移動手段も、大きな軍事、経済、文化の変容をもたらす原因となっている。

たまたま昨日「古代史の謎は「海路」で解ける」という本を買い読んでいるが、書名は際物っぽいが、内容はなかなか素晴らしい。「港湾や運河の建造に長年従事し」、ヨットや小型船を操る豊富な経験を有する著者が、古代の海岸線、海の状況、船の構造等で、どこがどういうふうに移動可能であったのかということを踏まえ、記紀や中国の史書に描かれた時代、場所において、描かれたような移動が可能であったかどうか、当時人が遠距離の移動を行う動機となる価値生産=交易が何であったかという、堅実で抗いようのない事実を基礎とした上、他の歴史家の「証拠」に基づいた言説をも吟味しつつ、古代史を読み解く作業をしており、基本となる方法論の部分には本当に感心させられる。この本は話があちこちに飛んで全体像がつかみにくいし、「推論」の部分も多いという欠点もあるが、それを割り引いてもまさにあらゆる分野で科学的方法論、実学と現場主義に基づく研究がが少しずつ進みつつあることを感じさせる好著である。結論は読んだ人のお楽しみでいいだろう。

船にしろ、飛行機にしろ、島国の私たちにとって、外国の人と交渉、面接出来る貴重な手段である。あらためて、交通、交換の重要性に思いを致した次第である。