人の心と行動,環境と資本主義,山ある日々

個の課題

私たちが、組織、環境、社会、世界の世界の複雑な問題群に向き合い解決していくためには、まず私が健康であり、かつ私の抱える問題-目標達成と依存からの脱却-を解決できる自立した個であることが重要である。

健康の問題は別に扱うとし、ここでは、目標達成と依存からの脱却-個の自立-を考えてみよう。

目標達成は重要な課題かも知れないが、依存からの脱却は私は関係ないという人もいるかも知れないが、煙草、お酒、食べ過ぎ、ネット、ゲーム、セックス等々、誰もが依存問題を抱えている。やめられない!!ことである。

これについて「人間の脳は…経験により快感回路(報酬系)を長期的に変化させる能力のおかげで、人間はさまざまなものを自由に報酬と感じることができ、抽象的観念さえも快いものにできる。突き詰めて言えば、人間の行動や文化の多くはこの現象に依存している。しかし残念なことに、その同じプロセスが、快感を依存症へと変化させてしまうのである」(快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか:デイヴィッド・J・リンデン)。

私はここ(刺激-行動-報酬のプロセスの定着(習慣化))に個の自立問題の焦点があると思う。

目標達成を論じる本の論点は錯綜している

誰でも素晴らしい目標を設定しそれを達成したいし、依存からの脱却は喫緊の切実な課題である。しかしどうも取り組みが散漫ですぐに途絶してなかなかうまくいかない。この分野を論じた本は、トンデモ本、経験譚、心理学本等々を含んで厖大であるが、襷にも短すぎるものが多く、全体を俯瞰できる帯を得ることが難しい。

私も、絶えず自分を何とかしたいという思いがあるから折に触れて買ったKindle本は厖大であるが、「でもここはどうなんだろう」という感想を抱かせる本をいくら買っても実践に結びつかないのは当然である。特に、ヒトの行動、思考はすべて習慣であるから、それを改めればよいという「習慣論」は、そのとおりであるが、ではその習慣はどういう原理で構成されているのか、何を改めれば良いのかという観点で見たとき、多くの「習慣論」は習慣の原理、その改革方法が様々な分野、問題に渡っていて使いにくいものが多い。

そういう中で、ヒトの行動と思考が「刺激-行動-報酬」のループにあること、そして報酬系が重要であることに立脚して展開している次の2冊には、蒙を啓かれた。

  1. 快感回路なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか:デイヴィッド・J・リンデン
  2. あなたの脳は変えられる 「やめられない!」の神経ループから抜け出す方法:ジャドソン・ブルワー(Carving Mind)

これを基盤にして「目標達成と依存からの脱却」の方法を位置づけていくと、有効な見取図とマニュアルが出来そうだ。

そこでまず「目標達成と依存からの脱却」全体の俯瞰図を次の「論点表」に纏めてみた。

目標達成と依存からの脱却の論点表とその説明

論点表

目標達成と依存からの脱却の論点表

習慣論 ⑧

目標の達成

依存からの脱却

様々な技法(モチベーション) ⑥

脳のリセット ⑦

先延ばし ⑤

心身論とマインドフルネス ④

システム1とシステム2 ③

報酬系 ②

ヒトの行動と思考(刺激-行動-報酬) ①

 

論点表の説明

各説明

まず①②の核心は、上記の2冊でカバーできる。

③は、カーネマン等の二重過程論であり、頭に入れておくと良い。

④は、個の自立を支える、行動と思考の方法の基盤である。上記ⅱはこれに言及している。私の好みは、「なぜ今、仏教なのか―瞑想・マインドフルネス・悟りの科学 :ロバート ライト」 や、「心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明 :ダニエル・ゴールマン 、 リチャード・J・デビッドソン」 であるが、心身を伸びやかに機能させるものであれば、何でもいいわけである。

さらに①から④が整っても⑤「先延ばし」の魔の手が伸びてくる。次の本は、「私は、先延ばしをライフワークにしてきた人間だ。先延ばしの研究者としても、先延ばしの実践者としても、長年にわたり経験を積んできた」著者の書で、いろいろなことが書かれているが、その考案した「先延ばし方程式」から、先延ばしという悪癖を克服するための戦略も割り出せたということだから楽しみだ。①~④を踏まえて読み込めば、⑥⑦もカバーしている。

 ⅲ.ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか:ピアーズ・スティール

⑦は、上述したⅰⅱに頼ろう。

目標達成のための様々な技法と習慣論の説明

⑥の分野の本は、それこそ汗牛充棟である。

①~⑤に照らしてその意味あいを理解し、実践に結び付ければよいだろう。

例えば、私はかつて、コロンビア大学でモチベーション理論を教える社会心理学者のハイディ・グラント・ハルバーソンの「やり抜く人の9つの習慣」を紹介した。同書のまとめとして著者自身が次の9つの習慣を挙げている。

9つの習慣
  • 1.明確な目標を持っている。
    • 目標に具体性を与える Get Specific 
  • 2.if-thenプランの形で「いついつになったらやる」と計画している。
    • 目標達成への行動計画をつくる Seize the Moment to Act on Your Goals
  • 3.現状と目標までの距離に目を向けて「目標に近づくために何をすべきか」に焦点を当て、モチベーションを維持している。
    • 目標までの距離を意識する Know Exactly How Far You Have Left to Go
  • 4.成功できると信じている。同時に、成功は簡単には手に入らないと考えて、努力をおこたらない。
    • 現実的楽観主義者になる Be a Realistic Optimist
  • 5.最初から完璧を目指さない。失敗を恐れることなく、少しずつでも進歩することを考えている。
    • 「成長すること」に集中する Focus on Getting Better, Rather than Being Good
  • 6.どんな能力でも努力で身につけられると信じている。どんな困難でも「やり抜く力」を持って当たることができる。
    • 「やり抜く力」を持つ Have Grit
  • 7.意志力も鍛えれば強くなることを知っていて、習慣的に鍛えている。筋力と同じように、意志力も使いすぎれば消耗することを知っている。
    • 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える Build Your Willpower Muscle
  • 8.誘惑をできるだけ近づけないようにしている。意志力で誘惑に打ち勝とうとはしない。
    • 自分を追い込まない Don’t Tempt Fate
  • 9.「やらないこと」でなく「やること」に焦点を置く。
    • 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する Focus on What You Will Do, Not What You Won’t Do 
さてどうだろう

この中には①~⑤の問題と⑥の様々な技法が、そして⑥の中でも、様々な方法、見方が混在していて、決してわかりやすく整理されているとは言えない。でも「個の自立の論点表」に位置づけて理解しようとすると、いきなり「やり抜く人の9つの習慣」を投げ出されるよりわかりやすいことは間違いない。著者には同じような本がKindle本に2冊あるが(「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」、「やる気が上がる8つのスイッチ」)、それを読みあさるより、目の前の本と「個の自立の論点表」を対話させる方が、はるかに生産的であると思う。

なお目標達成の技法は、「9つの習慣」でもいいのだが、もう少し心に食い込む技法を探すことにしよう。

また⑦習慣論は、上述したように、様々な分野、問題に渡っていて使いにくいものが多いのであるが、追って「個の自立の論点表」と照らし合わせて使えるものを選択しよう。当面、次の3冊を、「総合問題」として検討しよう。

     ⅳ.習慣の力 The Power of Habit:チャールズ・デュヒッグ
    ⅴ.ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣:ジェームズ・クリアー Atomic Habits
    ⅵ.スマート・チェンジー悪い習慣を良い習慣に作り変える5つの戦略:アート・マークマン

実践

目標を達成することの実践として、<学習する・表現する>、<上達する・創造する>があり、④「心身論とマインドフルネス」の自薦として、<自然を経験する>の項目を用意している。いずれもワクワクする活動だ。

 

戯れ言日録,IT・AI

私は先週末から、このWebの修補につきっきりだ。今までのテーマは、写真を載せてカラフルなフロントページだったが、実際問題として、Webのどこに何が書いてあるか、よほど意識的に見ていかないと、分からない代物だった。当然私は、問題が降って来ないとなかなか動かないので、展望は暗かった。だからますます足が遠のく。

それが今回、「再度のお詫び」に書いたように、ふとした偶然から、「Cocoon」に切り替わってしまった。しかしこれは、昔書いたブログが次々と目に入ってきて、文字情報、論理を前面に出す「ブログ」記事を修補するツールとして最適であった。落ち着けば、写真も掲載できそうだ。Gutenbergはどうするかなあ。

切り替わったのが、10月14日だが、気を取り直したのが、先週末だ。それからは、仕事も孫娘もそっちのけでこれにかかりっきりだ。修補する機会は今しかない。

全体のコンテンツを「法律業務案内」のほか、「問題解決と創造」、「IT・AI・DX」、「世界の複雑な問題群」に固定し、後2者については、ほとんど手を入れることが出来た。全く手付かずは、「世界の複雑な問題群」の「デジタル情報の氾濫と法とルールの破綻」ぐらいだ(という気がする)。もちろん、今後、増補していかなければならないが、その基盤はできた(という気がする)。

「問題解決と創造」は、従前からその構成をずっと検討し、おおよそまとまっているので、今後、時間さえあれば何とかなるだろう。今まで頭にのしかかっていた重みが、軽くなりつつある。

その結果、「仕事も孫娘もそっちのけでこれにかかりっきり」になってしまった。さあ、いったん切り替えて仕事をしよう。

 

環境と資本主義

これは、固定頁「世界の複雑な問題群」の下位メニュー「地球温暖化とエネルギー問題」の初稿を投稿したものです。固定頁の方は漸次更新していきます。

検討すべき問題

ここでは、「エネルギー問題」、「地球温暖化と気候変動」、「再生可能エネルギーをめぐる問題」に分けて検討しよう。取り急ぎ作成時点(2020年10月)では、検討すべき本とその詳細目次を掲載するだけである。

エネルギー問題

地球・世界の持続可能性を考える場合、エネルギー問題を除外するわけにはいかない。原油の大量消費、原子力発電等をどう考えるのか等は、持続可能性にとって極めて重要な問題である。ここでは、まず次の本を読み込むことにしよう。検討した結果はおって掲載する。
1は、ある水準の考察が客観的に展開されており、放送大学を視聴すればより分かりやすいだろう。15項でまとめとして「エネルギーと持続可能な社会」が記述されている。
2は、「UCバークレー物理学教授、米国エネルギー省顧問」という肩書きの著者が、将来のアメリカの指導者たる学生を対象にして語るという段取りで、その内容は科学的ではあるものの相当にアメリカの「国益重視」で、記述に疑問も多い。ただこれと向き合わないとわが国の政策決定にも向き合えないだろう。

  1. エネルギーと社会:放送大学(詳細目次にリンク)
  2. エネルギー問題入門:リチャード・A・ムラー(詳細目次にリンク)

地球温暖化と気候変動

地球温暖化は現代のもっとも大きな課題であり、これを論じた本も多いが、そのうちから4冊を紹介しておこう。結局、気温の2度の上昇、4度の上昇が地球(人間の生活)何をもたらすかが納得できるかどうかが、素直に問題に向き合えるかどうかの分かれ目のような気がする。
それを理解するためにはまず2がいいだろう。1は、放送大学の教材、3の著者は、「第3次産業革命」、「限界費用ゼロ社会」等で斬新な観点から未来を考察するアドバイザー、4の著者はノーベル経済学賞受賞の経済学者である。

この他にも、持続可能性やこれからの社会を考察する重要な本の中でも数多く取り上げられているが、追って紹介しよう。

  1. 地球温暖化と社会イノベーション:放送大学
  2. -地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実:デイビッド・ウォレス・ウェルズ
  3. グローバル・グリーン・ニューディール-2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う:ジェレミー・リフキン
  4. 気候カジノ 経済学から見た地球温暖化問題の最適解:ウィリアム ノードハウス

再生可能エネルギーと原子力発電をめぐる問題

今は参考本だけを掲載しておく。

  • (再生可能エネルギー論)
    • 「再生可能エネルギー政策の国際比較: 日本の変革のために」(著者:植田和弘, 山家公雄)
    • 「世界の再生可能エネルギーと電力システム 経済・政策編」 (著者:安田 陽)
    • 「世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編 」(著者:安田 陽)
    • 「世界の再生可能エネルギーと電力システム 風力発電編 グラフとデータで徹底比較分析」(著者:安田 陽)
    • 「再生可能エネルギーのメンテナンスとリスクマネジメント」(著者:安田 陽)
    • 「送電線は行列のできるガラガラのそば屋さん?」(著者:安田 陽)
    • 「かんたん解説!! 1時間でわかる 太陽光発電ビジネス入門」(著者:江田 健二)
    • 「中規模・大規模太陽光発電システム -基礎・計画・設計・施工・運転管理・保守点検- 再生可能エネルギー協議会」(著者:NTTファシリティーズ)
  • (原子力発電論)
    • 「原発危機の経済学」(著者: 齊藤 誠 )
    • 「震災復興の政治経済学」 津波被災と原発危機の分離と交錯(著者: 齊藤 誠 )
    • 「原発のウソ」(著者:小出裕章)
    • 「原発のコスト――エネルギー転換への視点」(著者:大島 堅一)
    • 「原発に挑んだ裁判官」(著者:磯村健太郎、 山口栄二)
    • 「福島原発事故と法政策―震災・原発事故からの復興に向けて」(著者:高橋滋)

詳細目次

エネルギー問題

  • エネルギーと社会:放送大学

    • 目次
      • エネルギー資源とエネルギー利用史
      • エネルギーと社会・経済
      • エネルギーと環境
      • エネルギーと地球温暖化問題
      • エネルギーを理解するために―エクセルギーとアネルギー
      • エネルギー変換とエクセルギー破壊
      • エネルギーの熱利用
      • 高効率発電技術
      • 再生可能エネルギー
      • エネルギー貯蔵・輸送システム
      • 水素エネルギーと燃料電池
      • 原子力エネルギーと核融合
      • エネルギーの有効利用と省エネルギー
      • エネルギーと生活
      • エネルギーと持続可能な社会
  • エネルギー問題入門:リチャード・A・ムラー

    • 目次
      • まえがき はじめに
      • 第1部  エネルギー災害
        • 第1章  福島原発事故
          • メルトダウン 放射能放出 放射能がもたらす死  デンバー線量 最終結論:わたしたちはどうすればいいのか?
        • 第2章  メキシコ湾原油流出事故
          • ディープウォーター・ホライズンの事故 被害 医原病
        • 第3章  地球温暖化と気候変動
          • 地球温暖化ティッピングポイント 地域的変動 ハリケーン 竜巻 極地の温暖化 ホッケースティック 海面上昇 もし地球温暖化が脅威になるとしたら ──わたしたちはそれを止められるのか 地球工学 地球温暖化論争
      • 第2部  エネルギー景観
        • リサイクルされるエネルギー エネルギー安全保障
        • 第4章  天然ガス・思わぬ儲けもの
          • 水圧破砕と水平掘削 シェールガスの埋蔵量 海洋に眠るメタン
        • 第5章  液体エネルギー-安全保障
          • ハバート・ピーク
        • 第6章  シェールオイル
        • 第7章  エネルギー生産性
          • ノーリスク、非課税、年間純益一七・八パーセントの投資 ノーリスク、非課税、年間純益二〇九パーセントの投資 国ぐるみのエネルギー生産性政策 そのほかの重要な投資 クールルーフ 自動車の燃費の向上 エネルギー効率のよい冷蔵庫 マッキンゼーチャート 環境にやさしそうでやさしくない対策 バス 再生紙 停電 スマートグリッド ケーススタディー カリフォルニアのスマートメーター
      • 第3部  代替エネルギー
        • 第8章  太陽電池の急成長
          • 太陽光の物理 太陽熱発電 太陽電池 シリコン CdTe(テルル化カドミウム) CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン) 多接合太陽電池 太陽電池に関する
        • 第9章  風力
        • 第 10 章  エネルギー貯蔵
          • 電池 電池の物理と化学 将来の電池 風を瓶詰にする:圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES) フライホイール スーパーキャパシタ 水素と燃料電池 天然ガス
        • 第 11 章  原子力開発の急発展
          • 原子炉の爆発 コスト 小型モジュラー原子炉 ウラニウムが枯渇する? 核廃棄物貯蔵 原子力開発の急発展
        • 第 12 章  核融合
          • トカマク炉 米国国立点火施設(NIF) ビーム核融合 ミューオン核融合 常温核融合
        • 第 13 章  バイオ燃料
          • コーンエタノール 生分解性素材はよくない? バイオ燃料モドキ セルロースからつくるエタノール 藻類からくるエタノール
        • 第 14 章  合成燃料とハイテク化石燃料
          • 合成燃料 炭層メタン 炭層ガス化 原油の増進回収(EOR) オイル第
        • 第15 章  代替エネルギーのそのまた代替案 ── 水素、地熱、潮流、波力
          • 水素 地熱 潮力 波力
        • 第 16 章  電気自動車
          • 電気自動車ブーム テスラロードスター シボレーボルト 日産リーフ プラグイン・ハイブリド電気自動車 鉛酸バッテリー 再充電時間 燃費効率 普通のハイブリッド車 バッテリーの問題
        • 第 17 章  天然ガス自動車
        • 第 18 章  燃料電池
        • 第 19 章  クリーンな石炭
      • 第4部  エネルギーとは何か
        • エネルギーの特性 食品と燃料と物体のエネルギー エネルギーとは物なのか? エネルギーの意味 高校生や大学一年生が学ぶエネルギー 大学二年生が学ぶエネルギー 大学三年生が学ぶエネルギー 大学四年生と大学院生が教わるエネルギー エネルギーの美しさ
      • 第5部  未来の指導者へのアドバイス
        • エネルギー技術政策 エネルギー生産性 天然ガス シェールオイル 合成燃料 ハイブリッド車とプラグイン・ハイブリッド車 原子力 考慮すべき重要事項 地球温暖化と中国 エネルギー生産性に関する追加情報 電力網とベンチャービジネス投資 助成金 エネルギー災害 要注意事項 流行り物に要注意 リスク便益の計算に要注意 予防原則に要注意 楽観主義バイアスと懐疑主義バイアスに要注意 スローガンに要注意 指導者が未来に遺すもの

地球温暖化と気候変動

 

地球温暖化と社会イノベーション

  • 1 パリ協定と地球温暖化対策の課題
  • 1.地球温暖化が人類に問うていること
  • 2.パリ協定の歴史的意義
  • 3.地球温暖化と社会イノベーション
  • 4.本講座の構成とねらい
  • 2 地球環境問題と地球温暖化
  • 1.地球環境問題について
  • 2.地球環境問題としての地球温暖化
  • 3.地球温暖化問題に対する国際的な取り組みの開始
  • 3 地球温暖化の予測と影響
  • 1.地球の気温
  • 2.将来の気候変動予測
  • 3.将来の予測と20世紀の地球規模の気象変動
  • 4.予測の不確実性
  • 4 地球温暖化−大気組成変化とその観測−
  • 1.地球大気と温暖化の関係
  • 2.地球の温度を左右するもの
  • 3.将来濃度監視のための温室効果ガス観測ネットワーク
  • 4.各種観測の重要性と課題
  • 5 地球温暖化−地球温暖化の緩和と将来予測−
  • 1.地球温暖化対策としての緩和策
  • 2.温室効果ガス排出量
  • 6 地球温暖化の影響と適応
  • 1.地球温暖化の影響
  • 2.現時点で確信度の高い温暖化影響
  • 3.日本における温暖化影響について
  • 4.将来の温暖化影響に対する適応策
  • 5.今後の課題
  • 7 問題解決への取り組み(1)日本の取り組みと国際、国内合意形成
  • 1.温室効果ガスの排出を削減するための国際的枠組み
  • 2.パリ協定実施のための国際的な取り組み
  • 3.国際的枠組み下での国内の合意形成
  • 8 問題解決への取り組み(2)ステークホルダーとその役割
  • 1.問題解決に対する日本の多様なステークホルダーの取り組み
  • 2.温暖化問題解決から持続可能な社会の実現への展開
  • 3.企業・市民イノベーションのスケールアップのために
  • 9 産業界の取り組み(1)1次エネルギー
  • 1.はじめに
  • 2.エネルギー
  • 3.再生可能エネルギー
  • 4.エネルギー効率の高度化
  • 10 産業界の取り組み(2)水素社会と炭素隔離
  • 1.低炭素化と水素利用
  • 2.炭素隔離技術
  • 3.水素の燃料としての利用
  • 11 産業界の取り組み(3)環境にやさしいさまざまな要素技術
  • 1.地球環境問題と要素技術
  • 2.技術開発のロードマップ
  • 3.さまざまな要素技術
  • 12 緩和と適応の交際協力
  • 1.水田における緩和技術開発に関する国際協力
  • 2.気候変動に適応するための防災分野における国際協力
  • 13 ICTとスマート化による環境貢献
  • 1.ICTによる効果と省エネルギー対策
  • 2.ICTを活用した適応施策
  • 3.ICTによる社会のスマート化
  • 14 みんなで地球環境を守る(1)地球環境保全に向けて
  • 1.地球に生活するものの共通の課題としての地球温暖化
  • 2.主体性のある市民としての地球環境保全
  • 3.社会連携・事業展開
  • 4.未来に向けて
  • 15 みんなで地球環境を守る(2)地球市民としてのチャレンジ
  • 1.地球環境の在り方を議論し、理解する
  • 2.実効性のある温暖化対策にするために
  • 3.後世に誇れるグローバルな環境市民になるために
  • 4.本講座の締めくくりに当たって

地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実:デイビッド・ウォレス・ウェルズ

    目次

        第1部   気候崩壊の連鎖が起きている

            第1章  いま何が起きているのか

            第2章  隠されてきた「最悪のシナリオ」

            第3章  気候崩壊はすでに進んでいる

            第4章  グローバルな気候崩壊の連鎖

            第5章  未来は変えられる

        第2部   気候変動によるさまざまな影響

            第6章  頻発する殺人熱波

            第7章  飢餓が世界を襲う

            第8章  水没する世界

            第9章  史上最悪の山火事

            第 10 章  自然災害が日常に

            第 11 章  水不足の脅威

            第 12 章  死にゆく海

            第 13 章  大気汚染による生命の危機

            第 14 章  グローバル化する感染症

            第 15 章  経済崩壊が世界を揺るがす

            第 16 章  気候戦争の勃発

            第 17 章  大規模な気候難民

        第3部   気候変動の見えない脅威

            第 18 章  世界の終わりの始まり

            第 19 章  資本主義の危機

            第 20 章  テクノロジーは解決策となるのか?

            第 21 章  政治の弱体化

            第 22 章  進歩が終わったあとの歴史

            第 23 章  終末思想への抵抗

        第4部   これからの地球を変えるために

            第 24 章  劇的な変化の時代が始まる     

        謝辞     

        著者あとがき  残された時間で何をするべき

グローバル・グリーン・ニューディール-2028年までに化石燃料文明は崩壊、大胆な経済プランが地球上の生命を救う:ジェレミー・リフキン

     目次

        イントロダクション

        第Ⅰ部   大転換 ──急速に進む化石燃料からの脱却と座礁資産  

            第1章   要はインフラだ      

                第三次産業革命のパラダイム      

                点と点を結ぶ

                インフラは誰が所有するべきか?      

                グーグルの統治とそれへの対抗手段  

            第2章   パワー・トゥ・ザ・ピープル-太陽と風は無料だ      

                EUの政治活動家がグリーン・ニューディールをスタートさせるまで      

                ICTとコミュニケーションのインターネット      

                再生可能エネルギーのインターネット  

            第3章   ゼロ炭素社会の暮らし-自動化された電気車両による移動、接続点となるIoT建築物、スマートなエコロジカル農業      

                限界費用ほぼゼロの移動      

                IoTの接続点となる建物      

                グリーン時代に備えて労働力を養成する

                スマートなエコロジカル農業      

                レジリエンスの時代  

            第4章   臨界点-二〇二八年前後にやってくる化石燃料文明の崩壊

                二〇二〇年に達成すべき 20‐20‐20      

                大転換── 緑の一線を越える

                見逃された警告      

                見て見ぬふりの北米      

                ブラックゴールドの呪い      

                警鐘を鳴らす金融業界

        第Ⅱ部   廃墟から立ち上がるグリーン・ニューディール  

            第5章   巨人を目覚めさせる-声を上げる年金の力      

                カール・マルクスをひっくり返す      

                理論から実践へ─ 革命の始まり  

            第6章   経済改革-新しい社会資本主義

                主役は社会的責任投資(SRI)      

                費用はどれだけ必要か?      

                資金はどこから      

                インフラを取り戻す      

                ESCO── グリーン・ニューディールのビジネスモデル  

            第7章   市民の力を結集せよ-地球上の生命を救うために      

                ヨーロッパからの手紙      

                種として考える      

                三頭のゾウ      

                グリーン・ニューディールのカギを握る二三の方策      

                ピア・アセンブリーによるガバナンス

気候カジノ 経済学から見た地球温暖化問題の最適解:ウィリアム ノードハウス

    目次

        第Ⅰ部  気候変動の起源    

            第1章   気候カジノへの入り口    

            第2章   二つの湖のエピソード    

            第3章   気候変動の経済的起源    

            第4章   将来の気候変動    

            第5章   気候カジノの臨界点

        第Ⅱ部  気候変動による人間システムなどへの影響    

            第6章   気候変動から影響まで    

            第7章   農業の行く末    

            第8章   健康への影響    

            第9章   海洋の危機    

            第 10 章   ハリケーンの強大化    

            第 11 章   野生生物と種の消失    

            第 12 章   気候変動がもたらす損害の合計

        第Ⅲ部  気候変動の抑制 ── アプローチとコスト    

            第 13 章   気候変動への対応──適応策と気候工学    

            第 14 章   排出削減による気候変動の抑制──緩和策    

            第 15 章   気候変動抑制のコスト    

            第 16 章   割引と時間の価値

        第Ⅳ部  気候変動の抑制 ── 政策と制度    

            第 17 章   気候政策の変遷    

            第 18 章   気候政策と費用便益分析  

            第 19 章   炭素価格の重要な役割    

            第 20 章   国家レベルでの気候変動政策    

            第 21 章   国家政策から国際協調政策へ    

            第 22 章   最善策に次ぐアプローチ    

            第 23 章   低炭素経済に向けた先進技術

        第Ⅴ部  気候変動の政治学    

            第 24 章   気候科学とそれに対する批判    

            第 25 章   気候変動をめぐる世論    

            第 26 章   気候変動政策にとっての障害

        謝辞   訳者あとがき   原注