IT・AI

Word Wiseとは?

2014年12月7日の夜、Kindle Paperwhiteで本を読んでいたら、いきなりアップデートが始まった。よくあることなので気にしないでいたら、今回はなぜかずいぶん時間がかかる。終了後に再起動されると、Word Wiseという新機能が使えるらしい。

たまたま読んでいた英文の本の右上のWord Wiseをオンにすると、行間が広がって、何個かの単語の上に小さな文字で英文で簡単な注釈が表示される(単語レベルがスライダーで調節して選べると書いてあるが、それがどこか今のところ分からない(その後、画面の右下のWord Wiseをクリックするとスライダーが出てくることが分かりました。)。もっとも表示されない単語についてはタップして従前の辞書機能が使えるが、こちらは表示までに少し時間がかかるのが難点だ。)。例えば「denigrate」の上に「to say critical things about」と表示され、更に「denigrate」をタップするとすぐに画面の3分のⅠ程度の大きさの別の画面が開き、その一番上に「denigrate(verb) その他の意味▶」、下の欄に、類義語として「besmirch,calumniate,defame」が、その下には「Merriam-Websterでの定義」が、4行ほどでてくる。「その他の意味」をクリックすると、別の画面が開き、「考えられる他の意味」として「to make seem less important」が出てきて、更にこれをクリックすると「Merriam-Websterでの定義」が出てくる。その画面の下には「この意味を使用」とあり、これをクリックすると、最初の小さな文字での注釈がそれに変更される。今はあるページでの一番難しそうな単語について説明したが、同じページには、「instituition」「deny」、「sppropriate」、「navigate」、「intuitive」等にも注釈がついている。

一見ややこしそうだが極めて使いやすい。念のため、AMAZONでの紹介は「Word Wiseは、対象のKindle洋書の読書中に出てきた難しい英単語に、簡単な同義語を表示するKindle電子書籍リーダーで利用できるサービスです。表示は自動で行われるため、その都度類語辞典や辞書を確認する必要はありません。その単語について詳しく知りたい場合は、そこをタップするだけでより詳細な定義や同義語が表示されます。自分の英語レベルに合わせて難易度を設定すれば、文中に表示されるヒントの数を調整することができます。」となっている。

評価

率直にいって素晴らしい機能だ。もっともこの機能が使える英文の本は限られているが(日本のAMAZONで今日現在5509という数字が出ており(2014年の12月末には9万2千を超えている。) 、その一覧も紹介されているので(こちら)、これからはそれを一つの選択の基準として洋書の購入を考えるようになるだろう。

上記のWord Wiseの一覧は、最初は人気順で表示されているが、最初のページについては私はほとんど購入済みの本だ(トップは、何と「Capital in the Twenty-First Century」だ。)。

これを価格の安い順番に並べてみると10/345まで無料の本が並んでおり(百数十冊になるだろう。)、その後も価格の安い本の順番で並んでいるので、英語学習者には、たまらない。

つらつらと見ていると、私は既にダウンロード済みの「On the origin of species」(種の起源)があることに気がついた。この本は読みにくいことで有名だが、これで読める(かも知れない。)。

「Capital in the Twenty-First Century」にしても「On the origin of species」にしても、このWord Wiseに加えて、辞書を「英辞郎」(Kindle本として購入出来る。)にすれば、少なくても単語レベルでの、英文を読む環境は最高だ。だんだん、言い訳が難しい時代になりつつあるなあ。

おまけ

英語の環境で思い出したので備忘のために書いておくが、私はパソコンで「WEBLIO辞書」サービスにも加入しているよ。これも使いでありそうだけど 。あとは翻訳ソフト(コリャ英和)も使えるようにしておこう。

本の森

哲学入門 (ちくま新書)

posted with amazlet at 15.01.06
戸田山 和久
筑摩書房
売り上げランキング: 62,069

最初のひとこと

今、私のいち押しである。諸学と実践の基礎となり得るか、要するに役に立つかどうかは、自分次第だ。熟読されたい。

入口で考える

まずは褒め称えよう

この本を何回かに分けてざっと目を通した段階だ。

AMAZONでの本の紹介には「神は死んだ(ニーチェもね)。いまや世界のありようを解明するのは科学である。万物は詰まるところ素粒子のダンスにすぎないのだ。こうした世界観のもとでは、哲学が得意げに語ってきたものたちが、そもそも本当に存在するのかさえ疑わしい。「ことばの意味とは何か」「私たちは自由意志をもつのか」「道徳は可能だろうか」、そして「人生に意味はあるのか」……すべての哲学問題は、根底から問い直される必要がある!科学が明らかにした世界像のただなかで人間とは何かを探究する、最もラディカルにして普遍的な入門書。他に類を見ない傑作です。」とある。

何の変哲もない書名である。今さらと思って、手に取る人も少ないであろう。でも偉そうである(本の中にもあの廣松渉先生も「哲学入門一歩前」しか書いていないという紹介があった。)。でも「普遍的な入門書」とか「他に類を見ない傑作」といえるかどうかは横に置くとしても、哲学畑でない人が、この本で書かれていることを気にしながら、あるいはこの基盤にうまく載るかどうかを確かめながら、自分のやっている対象について考察と実践を掘り下げていくのは、とても意味があると思う。

最初に結論をいうと、この本はこれから何度もここに戻って「諸学と実践」の基礎とすべき内容になりうる、これまでに余り見たことのない、「地平」を切り拓いているといえるだろう。だからまずは褒め称えよう。

簡単な概要

「序 これがホントの哲学だ」、「第1章 意味」、「第2章 機能」、「第3章 情報」、「第4章 表象」、「第5章 目的」、「第6章 自由」、「第7章 道徳」、「人生の意味――むすびにかえて」という構成で、序から2章が導入で(目的論的意味論)、3章から4章が「言語論」、5章から結びが、人間の捉え方(「人間は目的手段推論という拡張機能をもったオシツオサレツ動物である」)を中心とした、自由と責任、道徳についての考察ということになるか。3章から5章が好きな人と、6章以降が好きな人に分かれるかも知れないが。前者が基礎論で、後者が不十分ではあるが応用論で、どちらも重要といえるだろう。なお論理がないじゃんとつっこもうと思ったが、戸田山さんは、浩瀚な「論理学をつくる」の著者だから、そこは何も言えないか。

さてと

戸田山さんの基本的なスタンスは、世界に存在するのはただ物質だけで、そこから生まれた最初の生命に端を発し、人間に意識、言語のようなあたかも物質でないような「内容物」がありそうでなさそうでやっぱりありそうなことついて科学的、発生主義的な進化論によって位置づけるということであろう。固有の哲学問題はもちろん、交換、生産という経済活動も、政治や社会、規範、制度等々の位置づけも、本当は充ち溢れんばかりの最新の科学的な知見のなかで位置づけるという作業をしたいのであろうが、まだ科学の蓄積が客観的に(プラス主観的にも)不十分で、哲学プラスαの枠組みで論じているから、書かれていることは骨皮だけだという気もしないでもない。

それに「わかりやすい」講義調の口調で書かれているが、一方でこれは先鋭な論点が曖昧になることもあるし、「生徒」である読者は講義に正解を求めてしまい何か戸田山さんがいう「正解」を得てそれだけで満足してしまう傾向も生じるような気もする。最初の頃に展開されている、チューリング・テストやサールの「中国語の部屋」は哲学マニアの人にはともかく、この例示がどうでもいい人には煩わしいだけだ。

でもこの本はそれを差し引いても余りある魅力がある。

参考文献の著者はほとんど知らないなあ

「正解」を自分で批判的に検討していくためには、参考文献が重要だ。それにしても、戸田山さんが取り上げている著者は概ねマイナーだ。

この本の中心に据えているのはルース・G・ミリカン。この人の本は「Varieties of Meaning」が「意味と目的の世界」として翻訳されているが、あとはKINDLEにもほとんど収録されていない。この本の翻訳が悪いとかみついていた人がいたが、そうではなくて、もともと前提的な知識なしではわからない本のようだ。この本を読めば分かりそうだ。

あとは、ドレツキと、デネット。二人はそれなりに知られている人で、KINDLEだけでなく、AUDIBLEもある。

それと一般的な参考書籍として、「セックス。アンド・デス」、「脳がつくる倫理」、「コウモリであるとはどのようなことか」が重要そうだ。全部、KINDLEにあるが、仮にこのような本を英文で読もうとしたらどうなるのだろう。

なお7章後半の、ペレベーmに依拠した「刑事責任論」は残念ながら素人ッポ過ぎる。私はここと、より根本的には、利他行動や信頼を支えるルールをつくることに興味がある。

これからの作業

この本について学生さんがワープロで何十枚にもなるレジュメを公開していたが、それよりもキーワードを連ねた2、3枚のレジュメをつくってみるのが良さそうだ。それとは別に各章で展開されている議論で私にひっかっかるものについては、可能な限り英文の参考文献も参考にしながら考えていきたい。

そこまではそこそこ行けるだろうが、果たして「出口」までいけるかどうか。アフォーダンスとオシツオサレツに導かれる手段目的推論でやってみよう(なんのことやら!)。

 

書誌と評価

書名 哲学入門
著者(編者) 戸田山和久
出版社 ちくま新書
AMAZON  ここをクリック
本のタイプ ①参照・②簡単・③そこそこ・④かなり・⑤ものすごく
読込度 眺め読み・点読・通読・精読・熟読  →
暫定評価 ・〇・△・×・?
ISBN 978-4480067685

参考

「本のタイプ」は、佐藤優さんの「読書の技法」が紹介する、②簡単に読むことができる本、③そこそこ時間がかかる本、⑤ものすごく時間がかかる本に、①必要なときに参照する本、④かなり時間がかかる本を加え、5分類にしました。

「読込度」は、M.J.アドラーの「本を読む本」に準じ、第2レベル「点検読書」を、「点読」、「通読」に、第3レベル「分析読書」を「精読」に、第4レベル「シントピカル読書」を「熟読」にしました。さらに、それ以前の段階の「眺め読み」を加えました。紹介する時点では、ほとんど「眺め読み」、「点読」、「通読」ですが、将来、より詳細な読み方をする必要があると感じているときは→を付加します。

オシツオサレツ

耕作中

出口と展望

耕作中

 

山ある日々

冬は里山歩きだ

冬は、雪が積もっていたり、道が凍っていたりするので、できれば里山歩きか、初級の低山がいい。それでも下りは、軽アイゼンを付けたいときもあるが、さて今のトレランシュ-ズに付くかどうかも、試していない。去年だったか、いつものように最乗寺から明星が岳に登ったときに、下は何ともないのに、登るにつれてかなりの積雪(15㎝ぐらい。しかも凍っている。)となったので、帰ろうかとも思ったが、下手に引き返して下るのも危なそうだったので。そのまま頂上に行ったが、案の定(これは、多少強気だが)、宮城野への下りは南面なのでほとんど雪がなく、難なく下ることができた。このときは、軽アイゼンを持っていなかったことを大いに反省した(早く付くかどうかを確かめよう。)。そうすると冬は、鎌倉の里山が手軽で、無難だ。

鎌倉のハイキングコースを歩く

鎌倉の里山歩きは、要するにハイキングコースを歩くといってよい。鎌倉には、大仏コース、祇園山コース、天園コース、衣張山コース、六国見コース、極楽寺坂コース、朝比奈コースの7つあるといわれている(紹介は、このページ。)私は、おおむね、大仏コース、祇園山コース、天園コースを歩く。元気なときはすべて行くし、今日はちょっとと、大仏コースだけの時もある。もちろん私は「コースつぶしマニア」のところもあるから、全部行った。金沢八景に抜ける朝比奈コースもなかなか素晴らしい。

4時間強の少しきついコースだ

2014年12月7日(日)は、前日お酒を飲まなかったので、うちを6時半に出ることができたので、7時30分に北鎌倉駅に着いて、すぐに出発することができた(鎌倉に行くときは、うちから保土ケ谷駅まで30分弱を歩き、電車が30分弱だ。)。

今日は、天園から市民の森を抜けて港南台に行き、そこでスポーツクラブのお風呂に入ろうとも思ったが、この日は太陽が昇るまでは本当に寒くて汗もかきそうになかったので、北鎌倉から、大仏コース、祇園山コース、天園コースを行通って、北鎌倉に戻ることにした。

7時半に北鎌倉駅を出て源氏山を経て大仏までが1時間(大仏コース)、そこから祇園山コースの登り口の八幡神社まで30分、山道が30分、降り口から瑞泉寺までが30分、天園を経て建長寺ではなく(構内を通ると有料ということになっている。)明月院の方に下りて(天園コース)、北鎌倉までが1時間40分。合計で、4時間強である。ゆっくり歩きしっかり休憩を取りたければ、5時間は見た方がいいかも知れない。天園からの富士山がとても大きく見えた日だった。

草履

天園から建長寺方面への半ばだったろうか、何人かの引率者に引き連れられた10人程度の子供の集団がいた。幼稚園から小学校1年生ぐらいだろうか、山道をしっかり素速く歩いていてとても感心した。引率の若い青年に「速いですね。」というと、「本当はもっと速いんです。」とまるで大人の「健脚自慢」である。早々に追い抜こうと思うと、私は見た。草履を履いている子がいる。しかも二人も。私は凍え上がった。