戯れ言日録

何とか元気です

今直近の投稿記事を見てみると、1月20日に「今気になっていること2題」を投稿していて今日が3月2日だから、あっという間に40日がたってしまったことになる。

今回は今までのように投稿に飽きて嫌になったわけではなく、羽田空港で唯一のビジネスジェット機(BJ機)用の大型整備格納庫を所有し、私が今後法務・監査面から支援しようと準備していた会社の前代表者が、1月21日に事情があって辞任し、それからは私が事実上の代表者としてすべての関係者と面談して状況を把握し、事態の収拾と、そしてもっとも大変なのはこの会社はもっとも重要な収入源である格納庫利用料を徴収しておらず(したがって収入はほぼゼロである。)、その中で一から事業計画を立てて計画書に落とし込み、資金繰りをして、事業を開始するという作業に没頭しなければならないことで、とにかくめまぐるしい40日だった。普通弁護士が「会社経営」に関与するのは、既に存在する事業体の不採算部門を整理し負債をカットして「会社再建」をするということだが、今回私に降りかかってきたのは、初期投資(10数億円)はあるものの、実質的にはいまだ事業が開始していない中での羽田空港で唯一のBJ機用の大型整備格納庫事業の「起動」「起業」だ。そのテイクオフの過程はまだ始まったばかりだが、とにかく2月末は乗り切ることができた。

よく考えて方針を決め的確に処理すべきことが本当に多くて、毎日、朝2時、3時に目を覚まして(というより、嫌でも目が覚めて)頭の中で「物事」をぐるぐる回して整理し、5時過ぎには家を出て会社(事務所)に向かうという日々が続いている。その代わり、夜は早い時間に一杯やって寝るという生活だが、ムウウー、1歳8ヶ月の孫娘が、飽きることなく1、2階の昇り降りの繰り返しに同行を求め、更に暗くなった1階の部屋の冒険に私を誘う。もちろん、断れない。かてて加えて、海外交渉に備えて寝ながら英会話の音声も聞いている。だから、……何とか元気です。

今後のこと1

BJ機は、エアラインと新幹線を利用すれば大抵の所に短時間で到着することのできる狭い日本の中では「隙間装置」といってよいだろうし、乗ったことのある人も少ないだろう。

しかし、日本と世界の緊急時の往来に、BJ機は必要不可欠である。

といっても、狭い日本からイメージするBJ機は、どうしても富裕層がさほど必要もないのに世界を飛び回るための贅沢品として利用するのではないかということになってしまう。そういう場合もあるし、それはそれで一つの活用方法だと思うが、BJ機で日本と世界を往来しなければならないのは、富裕層だけではない。

まず、世界を駆け回って次々と商談を進め決断をしなければならない企業のトップにとって必要不可欠だ。でもこれも何となくセレブ色が漂い、本当かなという思いもあって、反感を持つ人もいるだろう。

でも、海外で緊急に解決しなければならない問題が生じたり(例えば海外進出企業の現地従業員と日本のトップが緊急に話し合う必要がある場合や、海外で重大な技術的なトラブルが発生して緊急に技術者を派遣しなければならない場合等々)、海外でトラブルに巻き込まれた人を緊急に救出しなければならない事態が生じることは(テロに巻き込まれたり政治情勢が激変したり、重大な病気でBJ機以外では移動できない場合等々)も稀ではない。

このような場合、例え費用がかさんでも直ちに移動ができるBJ機の利用が必要不可欠だ。またそこまで緊急ではなくてもバッファーとして、世界と即時につながことのできるBJ機の存在は重要だ。でも現時点では日本ではそのような態勢は整っていない。私が今まさに「起動」「起業」させようとしている会社は、内外のBJ機に羽田空港で唯一の充分な機能を有する整備格納庫を提供すると共に、そのような役割を持つ会社…世界の命の翼として飛び立たせよう。

今後のこと2

実は私は昨年12月くらいからとても暇で、毎日のようにWEBページをいじってきた。

その中で、例えば1月18日には、「私のチャレンジ」として、「羽田空港におけるビジネスジェットの整備、格納ビジネス、中型ビジネスジェット機を利用する国際医療搬送(エアアンビュランス)、ダイエットに様々な要素(小食、多動、睡眠、旅行、文化活動等)を盛り込んだ双方向性の健康アプリの開発、教育支援」と書いたが、そのときは法務・監査の支援+若干のお手伝いという趣旨で書いたのであって、まさか私が「「羽田空港におけるビジネスジェットの整備、格納ビジネス」を「起動」「起業」させる立場になるとは思いもしなかった。1月19日の「「航空の本」まとめ読み」も本の整理の一環だった。私がWOLの緊急事態に対応することになったのは、1月22日であって、その前にはそのようなことは予想もしなかった。でも今上記の投稿記事を読むと、それが分かっていて作成したように見えるので不思議だ。

これからも当分はなかなか投稿はできないかも知れないが、今後は是非とも、WOLが、世界とつながり価値創造に寄与するW命の翼として飛び立つことが伝わるような記事を作成したいと思っている。

本の森

「まとめ読み」を作る

個別の本を取り上げて<「・・・」を読む>という記事を作成するのにはかなりエネルギーが必要なので、特に重要な本や何かの理由で是非とも紹介したい本に限られることになるだろう。そのためこれから「読む」を作成するとか、記憶に止める必要のある本(以下「登録本」という。)について、「本の森」の「カテゴリー」に添って、その下位の「カテゴリー」別、あるいは話題や内容別の「まとめ読み」=「一覧」を作成することとする。例えば、「本を読む本」まとめ読み、「進化論の本」まとめ読み、「樹木の本」まとめ読み等々である。

そのための準備として登録本については、「私本管理」と、WEB上の「メディアマーカー」に登録する。

「私本管理」は私のパソコン上で行い、①新規購入(過去に購入したものも含める)と、②作成中(「まとめ読み一覧」作成作業中)、③一覧・リンク(「まとめ読み一覧の作成済みないし記事中でリンしたものの)、投稿(「読む」を作成済み。)に分け、シールを貼る。「メディアマーカー」には、作成中の本を登録する。「メディアマーカー」に登録すると公開され、EVERNOTEに読み込まれるので、EVERNOTEで読書メモを作成することができる。

「本を読む本」まとめ読み

最初に「本を読む本」で試作してみる。

まとめ読み一覧

カテゴリーや、その下位のk手子リーは次のようになる。

自然と科学

「化学」、「物理」、「生物学」、「宇宙と地球」、「数学」、「統計学」、「工学」、「医学」、「生化学」

社会の構造

「経済学」、「経済分析」、「開発経済学」、「開発法学」、「経営学」、「政治」、「世界史」、「日本史」、「社会学」、「人類学」

ヒトの内的世界

「哲学」、「論理学」、「心理学」、「芸術」、「仏教」、「本を読む本」、「勉強法の本」、「英語の勉強法の本」

その他

「山の本」、「山の本(ガイド本)」、「山の本(技術本)」、「旅の本」、「花の本」、「樹木の本」、「筋トレとストレッチ」、「健康になる本」、「HTMLとCSSの本」、「WEBの本」、「ITの本」、「私の嫌いな本」

法とルール

「公法」、「刑事法」

様々なビジネス

「健康管理システム」、「エアーアンビュランス」

世界に向けて

「Kindle本」を読む、「Audible」を聞く、「開発経済学」、「開発法学」、

本の森

未来予測を嗤え! (oneテーマ21)

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神永 正博 小飼 弾
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一口コメント

冒頭部は切れ味鋭く世界の現在を垣間見せてくれる。ただ、その後は、雑多な親父トークも多く、多少迷路のようだ。ともあれ、使えるアイディアに満ちているので一読をお勧めする。

私的書評

この本の構成

この本は、数学者である神永氏とプログラマー・投資家で書評家の小飼氏の対談に、「はじめに」を書いている構成担当の山路氏が加わった鼎談ともいえるが、帯に「いま最強の理系講義」とあるように、神永氏と小飼氏がよってたかって質問者に「講義」していると見るほうがわかりにくい。数学については神永氏の、経営については小飼氏の発言の方が安心できるが、両氏とも入り混じって発言しているし、多少なりとも異論を述べている部分はごくわずかなので、両氏を区別することにはあまり意味がない。最近この手の発言者が区別しにくい「対談」が多いが、どう考えたらいいのだろうか。

すばらしい冒頭部

さて、両氏は冒頭部で、「未来は確定しているけれど人間が予測できないケースが多い」、例えば「カオスが、ランダムではなく現象は完全に決定論的だが、振る舞いが複雑すぎて長期的な予測は不可能だ」、「私たちが考えているほとんどは外界の刺激に対応しているだけだが、全体としてみると複雑すぎてわからないだけかも知れない。自由意思も単なるカオスなのかもしれない」、「統計学の回帰分析も、本当の説明変数は複雑な関係になっているかもしれないが、それを単純な式(多くは一次式)で表してみたというだけで、これで本質的に何が分かるかはかなり難しい問題で実際にはおまじないが進化したようなものかも知れない」、「経済や株価のデータを精密に研究したところ、分散(ランダムネス(無作為の度合い)がおとなしいこと)が存在しないことが分かってきたので、統計は意味がない、唯一そこに挑戦しているのはフラクタル理論を築いたマンデルプロたちくらいだ」、「物理的な制約の中にあるものは観測の精度を上げることで大体予測出来るが、人間の社会は幻想を共有することで成り立っているため、物理的な制約に縛られない変な制約が出てくる」等々と畳みかける。

そして第1講の最後で神永氏は「予測出来ない現象について価値を最大化したいなら、方法は一つ。手堅い商売をしつつ、確率は低いけど大当たりするかも知れないポジティブな結果をもたらすブラックスワンにも掛金を積むということしかない」と述べる。

わずか数ページの中に述べられた指摘は、きわめて重要だと思う。

その他印象に残った議論

第2講以降は、この冒頭部を踏まえた議論もあるし、そうでないものもあって、雑然としている印象を受ける。神永氏が情熱をもって語る教育論や、小飼氏が展開する経済政策論としての「ベイシック・インカム」、「オーナーシップを分配するベーシック・アセット」論は、やはり異論もあるだろう。面白いのは神永氏が 日本の国家が基礎科学の研究支援をおろそかにしているとの指摘の中で「分野によって優れているところはないか」、「国文学研究などであれば勝てるでしょう」は嗤える。

その中で印象に残った議論を何点か指摘したい。

  • ビッグデータの時代では理論モデルが不要となることはないが、部分から全体を推定するという意味での推測統計学の価値が下がる。
  • 株の超高速取引(裁定取引)にとって重要なのは証券取引所のホストコンピューターとの距離であるが、証券取引所が行っているコロケーションサービスは「買付け者間の公平性確保」を謳う金融商品取引法に違反しているのではないか。
  • 優秀な人材と強力なコンピュータ技術の両方を握った企業が圧倒的な商勝者社になる。Google,Apple,Amazon,Facebookといった企業に、オセロの4隅を押さえられた状態になっている。
  • 少し前まで弁護士は無敵の資格であったが、それは国家が差を作って需給のバランスをとっていたからである。弁護士を増やしたことで需給バランスが崩れてしまい、魅力的な資格でなくなった。
  • 経済活動は「差」を見つけて儲けることである。今の資本主義社会ではcomparableな(比較可能な)差をめぐって争うが、どうでもよい差に悩まされていてはダメで、incomparableで(比較不可能な)nontrivialな(自明ではない、重要な)差に目を向けるべきだ。視点をばらけさせないとダメだ。
  • 自分がやっていることが人の役に立つためには、2つの条件がある。一つは、人の話を聞き、自分のやっていることを説明出来るコミュニケーション能力、もう一つは他人が「へえーっ」といいたくなるもの(incomparableな差)
    を持っていることだ。
  • 仕事の究極の形は、要するに人を動かすことだから、本質的に詐欺師がやっていることと同じだ。
  • みんな世の中のことを大して分かっていない。調べて初めて分かることがいっぱいある。科学技術が発達したことで人間は何でも分かっているような、できるような気になっているが、実際はまだ探求されていない「穴」はたくさんある。分かっていることの方がわずかだ。