IT・AI・DX,日々雑感

最初に

備忘録であること

この記事は、このWEBが乗っている「WordPress」とその動かし方についての備忘録です。昔から思っていることですが、IT関係の知識は、「熱しやすく冷めやすい」知識の典型例で、どこかにまとめておかないとすぐに散逸し、忘れてしまいます。その原因は、要求される「操作」を稀にしか行わないこと、加えて「操作方法」に原理・原則がなく恣意的であることにあるではないかと思っています。
そのような趣旨での「備忘録」ですので、私及び「WordPress」をたまにしか使わずしかも使う度にストレスを感じている人以外には余り役に立たないと思います。
なお「WordPress」には、ソフトウエアをレンタルサーバーにインストールして使うもの(Wordpress.org)と、サイト、ブログサービスとして提供されているもの(Wordpress.com)があり(どちらも基本的には、無料です。)、前者の方が「本格的」ですが、後者の方がはるかに簡単なので、多少思いどおりにならなくても、後者から始めるのが「正解」だと思います。

参考にするもの

また例によって私は、KINDLEで「WordPress徹底入門」と「WordPress Perfect Guide Book」を購入済みです。後者の方が分かりやすそうです。また紙本(変ないい方だなあ!)として「今すぐ使えるかんたんWordPress入門」(技術評論社)がありますが、頁数だけの引用はこれです。その外、紙本として「基本からしっかりわかるWordPress3.Xカスタマイズブック」、「逆引きWordPress」等が、手許にあります。
なお、Wordpress.comの紹介としては提供サイドで、「サポート」「フォーラム」でサポートしていますが、率直にいってきわめてわかりにくいし不十分なものです。ただ個別・具体的な問題を質問すると答えてくれますので、問題が絞れた人にはいいでしょう。

それと今検索して見つけたのですが、「WordPress.com のまとめサイト(私家版)」には、相当詳細な記事がありますが(アーカイブには、今日現在、01 WordPress.comの使い方(582)、03 記事の投稿方法(380)、04 ウェブサイトの構築、05 カスタマイズ(271)、06 WordPress.com 周辺(130)という膨大な記事が収められています。)、どの程度私のような永久初心者に有用かは今後検証してみます。

その他、HTMLとCSSの簡単な知識はあった方がいいと思い昔の本を引っ張り出しましたが、いまいちなので、KINDLEで「これからの「標準」を身につける HTML+CSSデザインレシピ」といういささか高価な本を買ってしまいました。

公開している(されている)WEBページのHTMLを確認するには、ブラウザーで右クリックで「ソース」を選択し、「ソース」を表示させると、HTMLがわかります。でも「Firebug」を使えれば、CSSもまとめて修正出来ます。

その他、記事を作成するために、「Dreamweber」を使ったり、写真を加工するために「Photoshop」を使う環境もあるのですが、鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いんですよね。できるだけ範囲を広げないようにしないと。

基本的な問題

①WordPressを、様々な情報や問題の整理、情報発信の基本ツールとして使うこととする。今は、Wordpress.comを使っているが、必要があればWordpress.orgの利用も考えよう。

②今のWEBのアドレスは、「http://matrixfirm.wordpress.com」であるが(これは制作時に「http://matrix-law.wordpress.com」を使えなかったからだと思う。)。これに「matrix-law.com」を付加したいが、その方法が分からないまま、毎年使用料が落ちている。この問題を何とかしなければ。それとメールアドレスが、「matrix-law.jp」がなのでこれも使えるのかな。

③大きな問題として、今は、「テーマ」(テンプレート)を、Twenty Elevenにしているが、これの特徴は、「ショーケース固定ページテンプレート」があることである(http://www.adminweb.jp/wordpress/page/index5.html)。これは他のテーマでは余り利用されていないと思うが、なぜか今は注目記事が1行しか表示出来ず有効活用出来ているとはいえない。これを使わないのであれば他のテーマに容易に切り替えられると思う。ただ当面は、Twenty Elevenを前提にしてブラッシュアップする。TOPページをどうするか、全体の構成(「投稿ページ」と「投稿ページ」)をどうするか、さらにそれぞれのページをどう読みやすく見栄えよくするか、いろいろな付加価値をつけるためにどうするか、というような問題がある。

各論

<Ⅰ 基本設定>

① (クラシック)ダッシュボード

(クラシック)ダッシュボードは、管理画面である。ここに、編集も公開が出るが、ダッシュボードをクリックして入っていった方がより項目分けがなされていて良さそうである。全体は、いろいろとダブっている。重要なのは、次ぐらいだろう。
投稿 ・投稿一覧
・新規追加
・カテゴリー
・タグ
・投稿を複製
メディア ・ライブラリー
・新規追加
固定ページ ・固定ページ一覧
・新規追加
・ページを複製
外観 ・テーマ
・カスタマイズ 色、フォント、メニュー、フロント、ウィジェット、サイト名、CSS、レイアウトが右に出る。
・ウィジェット ウィジェットの利用
・メニュー メニューを編集、位置の管理がある。
・テーマオプション Twenty Elevenテーマ設定として、配色、リンク色、デフォルトレイアウトがあるが、済み。。
・カスタマデザイン 有料で、ここにフォント、色、CSSがあり、それぞれのタグがある。ここの変更がよくわからない。
・モバイル 設定を有効化済み。
設定 一般
投稿設定
表示設定

② メニューの構成

投稿ページのメニューの構成は何とかいじった。投稿は日付順に表示される(投稿日を変えることもできる。)。カテゴリーを階層構造で設けることができる。投稿は、すべて「ブログ山ある日々」とし、それを「山ある日々」、「日々雑感」、「本の森」、「法とルールの世界」、「備忘録」にし、「本の森」は、「社会の構造」、「自然と科学」、「ヒトの世界」、「旅と登山」に、「法とルールの問題」は「法を読む」、「法律メモ」に分けた。もう余りいじらないことにしよう。
固定ページの構成が今ひとつだ。

③ TOPページとフロントページ

TOPページのタイトルに文字を入れると(今は、「TOP」)、固定ページのメニューに反映されてしまう。ショーケース以外だとタイトルが表示されるから、例えば「弁護士村本道夫のホームページにようこそ!」というような文字を入れたい。

 

<Ⅱ 文書の作成>

① まず「見出し」の文字の大きさが変だ

これは、WEBの「マトリックス法律事務所 弁護士村本道夫の仕事とoff-the-job time  TEL 03-5708-7712」、「TOP」、固定ページの「見出し」、投稿ページの「見出し」がどこでどう設定されているかという問題だ。多分、固定ページはh1で、投稿ページはh2か。サイトのタイトルもそうだろう。不揃いが気になるが(ただこの設定は、Twenty Elevenで書かれていて変えられないかも知れない?)、これがいじれないかということである。これを有料のカスマタイズでどこまで変えられるのか、CSSなら可能なのかが分からない。

② エディター

新規ページ作成のために、新旧ふたつのエディターが用意されているが、旧バージョンで行こう。ORGではこれを充実させるためのプラグインがあるが、COMではプラグインは予め用意してあるものしか使えない。それを克服するためにどうしたらいいかだが、個別のページは、のエディターでいじれるが、それをCSSでというのがかっこいい。

なおこれらの問題は、おおむね解決した(それはこちら)。

<Ⅲ 画像>

① 画像処理

(1)記事に写真の挿入するために、メディアの写真を新規追加。
それ以前の工程は、
1)adobe bridgeですべてを選択して写真を表示
2)photshopのイメージ、画像解像度でピクセルを変える
3)表示でピクセル等倍にする
4)web用の保存、jpegにする
(2)ヘッダーの写真の表示
ダッシボード、外観、ヘッダーから、画像を選択、アップロード、そのままで範囲を選択し、最後に変更を保存

② カメラのパソコンへの取り込み

 

日々雑感

北杜市の魅力を聞きに

2014年11月29日(土)、北杜市の須玉で開かれた「北杜の魅力再発見」という催しを聞きに行った。

内容は、「南アルプスのエコパーク登録と北杜の自然」(輿水達司山梨県立大学特任教授)、「美しい風景を考える~ヨーロッパと日本~」(箕浦一哉山梨県立大学准教授)の各講演、及びパネルディスカッション「考えよう!!パネルが買える北杜の景観」の3本立てと盛りだくさんである。

講演

輿水教授は地質学者という立場から、南アルプスがユネスコエコパークに登録されたこととその紹介をし(因みに、日本のユネスコエコパークは、1980年(昭和55年)に登録された、志賀高原(長野県、群馬県)、白山(石川県、岐阜県、富山県、福井県)、大台ケ原・大峯山(奈良県、三重県)、屋久島(鹿児島県) 及び2012(平成24)年に登録された綾(宮崎県)、2014年6月11日に正式登録承認された福島県只見地域、南アルプスユネスコエコパークを加えた7カ所だそうである(その紹介)、北杜市で、南アルプスを乗せた「ユーラシアプレート」の下に、東方から「北米プレート」が衝突して沈み込み、さらに南方より伊豆半島を乗せた「フィリピン海プレート」が衝突している、地表で「プレートの3重衝突現象」が観察できる世界的にも貴重な景観であること(この説明は、「ほくと市の歩き方」によった。)、糸魚川静岡構造線が見られること(ミニグランドキャニオン)、市全体が八ヶ岳、奥秩父、南アルプスに囲まれた世界に誇れる自然の宝庫(いわば市全体が自然公園であること)等を語った。

ところで私は上記のエコパークのうち綾以外はすべて(山なので)歩いているが、は初耳だった。照葉樹林の美しい森のようだ。

箕浦教授は、環境社会学を専攻している立場から、オランダのフローニンゲン大学で研究をしていたときに撮影されたオランダを始め、ヨーロッパ各地の美しい町並みや郊外、農村の写真を多数紹介して、景観を守るべき社会的な合意のあり方、規制のあり方等の大枠について語られた。

パネルディスカッション

これらを頭に入れた上でのパネルディスカッションであるが、これは北杜市が日照時間日本一ということもあって、太陽光発電施設の建設が殺到し、上述したような美しい北杜市の町並みや景観に大きな影響があるのに(現在既に400が建設されていて4000が認可されているといういささかショッキングな事実も紹介された。)、その建築について住民が関与する余地が全くないという現状に、市民が危機感を抱いているという現状から企画されたものだ。

太陽光発電施設の建築は、国が電気ユーザーの料金を上乗せして高額な買取料金を維持したり税制上優遇したりして積極的に推進している自然エネルギー政策であること、施設が建築される「遊休地」を保有している「地主」にとっては、棚ぼたの話であることから、これを推進しようとする人や企業も多い。しかし経済的な合理性を欠く不自然で人為的な「政策」なので、やがて破綻するのが必至のいつか来た道ではないかとか、誰かが考えた棚ぼたの話にのってうまくいくのだろうかと突っ込みを入れたくなるが、それは政策論、経営論として横に置こう。

ただ太陽光発電施設を建築するにしても、それはこれまで国や自治体が行ってきた「まちづくり」や「景観」から見た審査を受けるのは当然である。

この日のパネルディスカッションのパネラーは何となく大人しくて、太陽光発電施設建築の是非についてはいろいろと意見があるから地域で話し合って合意を形成しようという、それ自体はまともだが、その場はどこかという方向性に欠けていたと思う。しかし最後に会場から、こんなことをしていたら都会の観光客は来なくなるよとか、遊休地を抱えている農民は食べるのさえ困難でこんなことをいうのは都会から来て木を伐採して住んでいる金持ちの戯言だとか、土地を提供する人は何がどうなるかも、地域の人がどう考えるのかも分からず、場合によっては都会の業者の騙されてさえいる、地域の会話が必要だとかの意見が出て、ずっと深みのある「ディスカッション」になった。

問題は「北杜市の行政」である

私は今回北杜市にある何カ所かの太陽光発電施設をみたが(以前、守屋山の登山口に建築されている異様な施設を見たこともあった。)、北杜市内では、建物(別荘)とかの建築について厳しく制限して自然に溢れる「まちづくり」をし、「景観」についても配慮してきたはずなのに、市民の居住地域にさえ、画然と太陽光発電施設が現れるのは、率直にいって不快であった。ただ多くの禁忌施設がある中で、太陽陽光発電施設の危険性や不快性、醜悪性のレベルは高いとまではいえないだろう。実際に建築される地域の状況に応じて、その是非、及び内容が審査されるべきだろう。

ところで、北杜市には「まちづくり条例」もあれば、「景観条例」もある。その方向性を詳細に検討した、「まちづくり計画」も「景観計画」もある。その内容は実に立派なものである。その延長上で市民の意見を聞くという手続を経て必要な審査をすれば、自ずからまちづくりや景観、自然への影響の大きい太陽光発電施設は建築されず、そうでないものは建築されるということになったであろう。

ところが「北杜市の行政」は、法の改正手によって太陽光発電施設は「工作物」ではなくなったので、「まちづくり条例」も「景観条例」も規制が及ばないという実に愚かな議論を振り回して(この点については別に詳述する。)、太陽光発電施設の建築を野放しにして上述したような現実を招いてしまった。

北杜市は、いずれも私が代理人として関与した旧小淵沢町の談合事件や情報公開事件において愚かな主張をしていずれも敗訴したのに、今回はより質の悪い「政策的考慮」に基づいてかかることをしている。仏の顔も三度という言葉もある。このような現状を改め、反省させるために、今度は、市長や市幹部に直接法的手段を執れないか、北杜市民と共に考え、実行していきたい。繰り返すが私が実現したいことは、単に、太陽光発電施設も「工作物」として北杜市の「まちづくり条例」や「景観条例」の対象となるという当たり前のことである。

山ある日々

丹沢と箱根

明神ガ岳からの富士山

今年(2014年)の11月22日(土)から24日(月)までは連休だったが、24日に宴席があり「過食」が予想されたので、22日、23日と、近場の山に行くことにした。最近は「さあ明日は山に行こう」というかけ声止まりが多くて、どうしても山行の間が空くので、いつも「リハビリの山」の繰り返しになる。

1日目は、丹沢で、日向薬師から大山に登り、蓑毛越えを経て蓑毛に、2日目は、箱根で、最乗寺から明神が岳、明星が岳を経て、箱根湯本に下るコースだ(縦走ではありません。念のため)。

どちらも初心者ないし初中級のコースではあるが、5時間から6時間は歩くので、そこそこきつい山ともいえる。特に日向薬師から大山は、3時間弱の上りのうち、最初の40分弱は舗装路の上りだが、あとは見晴台を除きほとんどが階段状の登山道を上り詰めなので、山頂付近になるとかなり苦しい。実はこれまでも体調によって見晴台で嫌になって大山に登らずに、阿夫利神社下社を経て、蓑毛や鶴巻温泉まで行くことも多かった。でも今回はちゃんと登った。

両日とも快晴で、大山からも明神が岳からも、まだ少し薄めの雪を被っている富士山が大きくくっきりと見えたこと、一方、山頂から見下ろす下界の街が冬の霧(あるいは靄?)に覆われていて幻想的だったこと、更には、登山道の至る所で紅葉にこころ奪われることが重なり、どちらも本当に気持ちのよい山行であった。

どうして登りが

ただ・・・。どうも登りが思うように進まない。思えば、10年くらい前に始めた登山の、初心者の頃は、下りは本当にきつかったけど、上りは好きだった。毎週のように山に行っていたときは、上りで抜かれるのは、若いセミプロの男性ぐらいだった。でも、今回は、太めのおじさん、父親と小学生、女性を含む3人連れ等々、どんどん抜かれてしまうし、なにより足が上がらない。要するに加齢プラス怠慢による体力の劣化が甚だしいということだ。

こういうとき、昔の栄光のイメージできつい山に行くと、遭難するんだろうなと妙に納得してしまう。

さてどうするか

私の登山は、快楽登山だ。山に登る、そして下山して温泉に入る、そのあと、お酒をいただき、酒肴に酔う。こんな楽しいことはない。快楽の極みである。それで山に行ってもほとんど痩せない。というよりも、結果的に太ってしまうことも多かった。でもそれは私だけではないと思う。女性は知らないが、山好きのおじさん達には、ぽっちゃり系が多い。

でも考えてみると、それはそれができる年齢と体調だったからだろう。お酒を飲みすぎると辛くなり、山に行くと登りも辛いとなると、考え直すしかない。

要するに山に行きこと自体が快楽にプラスして「健康」に役立たないだろうか。

なぜ「山に登る前に読む本」を手に取ったのか

24日、宴席に出かける前に、ふと最近買って本棚に積んでおいた山に登る前に読む本 運動生理学からみた科学的登山術 (ブルーバックス)“>「山に登る前に読む本」(能勢浩著)というブルーバックスをポケットに入れ、行き帰り目を通した。少し山に行く前の「体力作り」を考える必要があるかなと思ったからだ。

そして次の記述に巡り合った。

「(承前)加齢による体力の低下を防止することが、より安全で、充実した登山になることがわかっていただけたと思う。
一方、この体カの低下が中高年の生活習慣病の根本原因であることをご存知であろうか。私たちの体カは10歳代後半をピークとし、30歳以降10歳加齢するごとに5~10%ずつ体力が低下するのだが、これと医療費が見事に相関するのだ。
私たちは松本市を中心に、5400名の中高年者を対象に、「ィンターバル速歩トレーニング」を実施し、5ヶ月間で体カが10%向上すれば、高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病の諸症状が20%の人で改善し、うつ症状、膝痛閲節症の症状がそれぞれ50%の人で改善することを明らかにした。これらの結果は、中高年者の加齢による体力低下こそが、生活習慣病の根本原因であるということを示している。
生活習慣病のメカニズムについては諸説あるが、加齢、運動不足によって体力が低下すると、体全体に慢性炎症が起こり、これが脂肪細胞に起これば糖尿病、免疫細胞に起これば高血圧、脳細胞に起これば認知症、うつ病、がん抑制遺伝子に波及すればがんになる、という説が有力である。慢性炎症とは、風邪を引いたときにのどが痛くなって発熱したり、傷口にばい菌が入ったりすると局所が痛くなって発熱する、といった具合に、外部から体内に微生物などが侵入すると、それを撃退しようとする生体反応である。むろん、体力低下による炎症はこれほど顕著なものではなく、非常に低レベルだが、全身性に起こることに特徴がある。
では、この慢性症はなぜ起こるのか。一言でいえば、筋肉細胞内で筋収縮のための「ガソリン」に相当するATPを産生する「工場」であるミトコンドリアの劣化である。ミトコンドリアが劣化すると、炎症を引き起こすサイトカインというホルモン様物質が筋肉やその他の臓器で産生され、それが血液中に放出され、生活習慣病の諸症状を引き起こすというのだ。非常に単純明快な学説である。
では、どうすればよいか。答えは簡単。運動トレーニングをして、加齢による体力の低下を防げばよい。実際、私たちと共同研究をおこなつているグループは、中高年者を対象に、5ヶ月間、「インターバル速歩トレーニング」を実施し、その前後に、炎症反応関連遺伝子の活性を測定した。その結果、炎症を促進する遺伝子はことごとく不活性化を引き起こし、逆に炎症を抑制する遺伝子はことごとく活性化していること発見した。すなわち、体力アップのための運動は生活習慣病の症状を改善するが、それが遺伝子レべルでも立証されたのだ。」

どうだろうか。これは私にとってとても新鮮であった。

私は山に早く登れるのは、何となくもともと体力がある人が、上ることに慣れるからだという風に思っていた。快楽登山の影響で、山に行った翌日は、アルコールの影響プラス疲れで、余り体調の良さを感じることもなかったから、登山=体力作りとは余り考えなかった。しかもときどき痛風まで起きていたから。

でも冷静に考えればこれはかなりゆがんだ考えで、頻繁に山に行くことによって「体力作り」ができるのは明らかだ。スポーツクラブに行けば体力作りで、それの何倍も時間を費やす登山が疲れるだけで体力作りにならないはずがない。

私は毎週のように山に行くことでそのときは十分な体力を身につけることができたが、100名山を全部登ったことであまり熱心に山に行かなくなり、行く間隔ももだんだん間遠くなることで、すっかり体力が落ちて上りがダメになったというのが事実であろう。普段から著者推奨の「インターバル速歩トレーニング」を取り入れるかどうかはさておいても、頻繁に山に行けば、体力がつき、生活習慣病を追い払うことができるだろう。登山を体力作りに利用しよう。そのためには、下山後の「快楽」を少しひかえればいいだろう。もうそういう年齢だな。

思い出したこと

そういえば、大雄山線の電車、最乗寺までのバスに、80歳で山に行くという「老人」がいた。誰彼なしに話しかけ、とりとめのない話をするので、立派だなとは思いつつ、少し敬遠していた。「明星が岳まで行って今日は早く下りる。」といっていたが大丈夫だったろうか。私が80歳になったときに山に行けるかどうかはわからないが、行けるのであれば余り人にもたれかからないで行きたいと思う。それでふと思い出したのだが、5、6年前になるだろうか、西丹沢の犬越路から大室山、加入道山をぐるっと回ったときのバスの中に同じように話好きの「老人」がいた。詳細は忘れたが、どこかで「やはり無理だから引き返す。」というようなことを聞いたような記憶がある。ひょっとしたら同じ人かも知れない。

とにかく高齢になっても山に行くことは素晴らしいことだが、体力の維持に努めること、ぼけないこと、そして余り人もたれかからないことが大切だろう。自分にしかと言い聞かせよう。