法とルール

一口コメント

Kindle本が多くなると、検索しない限り何があるのかわからなくなるので、Law & Legalに関する英文のKindle本を購入順にまとめておく(2015/1/16現在。購入時が古いものから番号を振った。最初は、アメリカでKindleを買ったから、2009年である。)。

25、24、19はAudibleがある。

内容は、法についての概説書(25、23、20、15、11、10、9、8、7、5、4、2)、弁護士論も含む実務書(24、22、17、16、14、13、12、6、3、1)、小説等(21、19、18)に分けることができる。

14は「米国人弁護士が教える英文契約書作成の作法」の原書であり、10は、国際開発、9は、法と経済学関連の本である。8は私のは、少し版が古い。

現時点では「死蔵」に近いが、何とか新しいビジネスに結び付けよう。

紹介

25 Law 101: Everything You Need to Know About American Law(Amazonにリンク

24 The Steps to the Supreme Court: A Guided Tour of the American Legal System(Amazonにリンク

23 International Law (English Edition)(Amazonにリンク

22 Law Firm Business Plan Template (English Edition)(Amazonにリンク

21 The Good Lawyer: A Novel (English Edition)(Amazonにリンク

20 Medical Law: A Very Short Introduction (Very Short Introductions)(Amazonにリンク

19 The Lincoln Lawyer (Mickey Haller Series)(Amazonにリンク

18 Joke A Day — Lawyer Jokes (English Edition)(Amazonにリンク

17 Thinking Like a Lawyer: An Introduction to Legal Reasoning(Amazonにリンク

16 Legal Analysis(Amazonにリンク

15 THE COMMON LAW (The John Harvard Library)(Amazonにリンク

14 Working With Contracts: What Law School Doesn’t Teach You (PLI’s Corporate and Securities Law Library)(Amazonにリンク

13 Make It Your Own Law Firm: The Ultimate Law Student’s Guide to Owning, Managing, and Marketing Your Own Successful Law Firm (English Edition)(Amazonにリンク

12 The End of Lawyers?: Rethinking the Nature of Legal Services(Amazonにリンク

11 Law: A Very Short Introduction (Very Short Introductions)(Amazonにリンク

10 Law and Economics in Developing Countries(Amazonにリンク

9 Principles and Methods of Law and Economics: Enhancing Normative Analysis(Amazonにリンク

8 Essentials of Business Law(Amazonにリンク

7 The Path of the Law (English Edition)(Amazonにリンク

6 The Lawyer’s Guide to Writing Well(Amazonにリンク

5 A History of American Law: Third Edition(Amazonにリンク

4 The Law (English Edition)

3 The Legal Analyst: A Toolkit for Thinking About the Law(Amazonにリンク

2 Law in the United States(Amazonにリンク

1 Plain Language Legal Writing (Plain Language Wizardry Book 1) (English Edition)(Amazonにリンク

法とルール

一口コメント

「法とルールの基礎理論」に関する本をまとめてみた。本棚にあって目についた本をまとめただけなので、決してこれが最良というわけではないし、網羅的でもないが、悪くない本が集まった。

1、2は、人類史の進化論的論点を踏まえた上で利他行為やルールの存在について解明しているので、視野を広げ、適切な出発点を設定するのに適している。2は、読むのに疲れるが。

3は、最近出たものだが、国家に関する幅広い論点を取り上げた上、わかりやすく説明しているので、とても参考になる。国家が適切に果たすべき役割がたくさんにあるということを冷静に理解させてくれる。国家と聞くと頭に血が上って感情的な議論をするだけではだめだと反省。

ただ、3の出発点はヨーロッパの近代国家なので、それ以前、それ以外の地域について、「法人類学」も研究しているという4が、多少古めかしい分析だが参考になる。

法のあり方を考察するためには、5ないし10が、それぞれ特色ある良書だと思う。特に6は、どうして、法哲学、法思想というマイナーな分野に、こんなにわかりやすく説明しようとした、受験のためのトピック集のような本があるのかびっくりだ。10は、ちょっと手に入らないかもしれない。

11は、ここで紹介するのが適切かどうかわからないが、5ないし10で法学者がご大層に語る日本の法律実務のレベルがどうなの(行政分野だが)という、日本文化論としても読めるお笑い「実務書」だ。12は、広い観点から日本の司法の現状を分析している。13、14は、元裁判官が日本の裁判所を痛烈に批判している。

15、16は、外国にも目を向けましょうということだが、どちらもとても面白い。

17から19は、日本で研究、教育をしている外国人の研究者、実務家の、裁判所、日本の法文化、弁護士論。いずれもとても面白い。

紹介

1

クリストファー ボーム 長谷川 眞理子
白揚社
売り上げランキング: 5,495
 
Basic Books (2012-05-01)

2

ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)
ジョセフ・ヒース
エヌティティ出版
売り上げランキング: 267,039
Following the Rules: Practical Reasoning and Deontic Constraint
Oxford University Press (2008-10-16)

3

国家の社会学

国家の社会学

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佐藤 成基
青弓社
売り上げランキング: 24,331

4

世界の法思想入門 講談社学術文庫

世界の法思想入門 講談社学術文庫

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講談社 (2014-11-28)
売り上げランキング: 33,050

5

法学入門

法学入門

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星野 英一
有斐閣
売り上げランキング: 536,218

6

よくわかる法哲学・法思想 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)
深田 三徳 濱 真一郎
ミネルヴァ書房
売り上げランキング: 121,543

7

現代法哲学講義

現代法哲学講義

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高橋 文彦 桜井 徹 横濱 竜也 郭 舜 山田 八千子 浅野 有紀 鳥澤 円 藤岡 大助 石山 文彦
信山社
売り上げランキング: 618,899

8

法理学講義

法理学講義

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田中 成明
有斐閣
売り上げランキング: 508,222

9

法社会学 (NJ叢書)

法社会学 (NJ叢書)

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法律文化社
売り上げランキング: 882,976

10

法政策学―法制度設計の理論と技法

法政策学―法制度設計の理論と技法

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平井 宜雄
有斐閣
売り上げランキング: 272,601

11

行政法解釈学〈1〉実質的法治国家を創造する変革の法理論
阿部 泰隆
有斐閣
売り上げランキング: 683,595
行政法解釈学〈2〉実効的な行政救済の法システム創造の法理論
阿部 泰隆
有斐閣
売り上げランキング: 561,577

12

テキストブック 現代司法

テキストブック 現代司法

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木佐 茂男 佐藤 鉄男 川嶋 四郎 水谷 規男 宮澤 節生
日本評論社
売り上げランキング: 305,941

13

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

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瀬木 比呂志
講談社
売り上げランキング: 402

14

ニッポンの裁判 (講談社現代新書)

ニッポンの裁判 (講談社現代新書)

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瀬木 比呂志
講談社
売り上げランキング: 152

15

はじめてのアメリカ法 補訂版

はじめてのアメリカ法 補訂版

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樋口 範雄
有斐閣
売り上げランキング: 69,212

16

開発法学の基礎理論―良い統治のための法律学
松尾 弘
勁草書房
売り上げランキング: 105,631

17

名もない顔もない司法―日本の裁判は変わるのか (NTT出版ライブラリーレゾナント)
ダニエル・H. フット
NTT出版
売り上げランキング: 310,296

18

裁判と社会―司法の「常識」再考 (日本の“現代”)
ダニエル・H. フット
NTT出版
売り上げランキング: 116,535

19

手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)
コリン・P.A. ジョーンズ
新潮社
売り上げランキング: 259,969

山ある日々

私の登山歴

私が山に登り始めたのは、45、6歳の頃からで、典型的な中高年登山者である。もう20年以上前になってしまった。休みの日にいつも自宅にごろごろしていて太るばっかりではつまらないねというノリだったろうか。だれから教わったのでもないが、街中のウオーキングから始め、やがて箱根、丹沢に登り、そのうちもっと高い山にも挑み始めた。最初は、箱根で雨具を着たときにも緊張したし、軽アイゼンもおっかなびっくりだった。それに、はじめの頃は癖になっていた右足の捻挫が痛くて、歩くのも辛いほどだった。それでも、だんだん登山にのめり込み、(文字どおり)毎週のように出かけるようになった。出かけないのは、よんどころない用事があるか、痛風か風邪か二日酔いで動けなかったときぐらいだったろう。

それで最近まで私は「日本で一番山に行っている弁護士」を自称していた。多分それはある時期真実だったろう。ただ所詮、最近目覚めた中高年登山者なので、レベルは初中級ないし中級の下どまりだった。だから「弁護士になって滅多に山に行かなくなった。」といっている登山部出身の弁護士とは残念ながらレベルが段違いであることは、十分に自覚していた。それでも大学のワンゲル部にいた娘と、都岳連の冬山講習会に参加し、風雪降り荒ぶ冬の硫黄岳に登ったり、富士山で滑落停止訓練をしたことはいい思い出だ。百名山の完登は息子と一緒に行った黒岳(水晶岳)だ。登山関係の本やDVDも山のように買い込んだ。その程度の心がけはあったのだ。都岳連の岩山講習会にも誘われたが、生来鈍くさい上に、何せ体重が・・。それまでにも何度かクライミングもしてみたが何せ体重が・・。都岳連の岩山講習会に行くと、当然、西穂高-ジャンダルム-奥穂高レベルの山にも行くようになるから、その頃でも二の足を踏むしかなかった。実際、岩山講習会出身者の遭難の話も漏れ聞いていた。

百名山完登の栄光と挫折

話を元に戻すと、そのうち、最初は私など到底無理だと思っていた百名山にも登るようになった。最初に登った百名山はあまりはっきりしないが、弁護士会の委員会の関係で鹿児島に行った帰りに寄った霧島(韓国岳)かも知れない。あるいは小淵沢の仕事で出かけていた蓼科山かも知れない。最初は百名山全部に登るなどとは夢にも思わなかったので、記録もとっておらず、カメラはもともと苦手なので、持っていかないことも多い。眼と体に刻めばそれで良し・・もっともたいていの場合下山して大酒を飲むので、多くの体験、風景は記憶されることなくそのまま流れ去ってしまうことも多い。

しかし山の魅力とは別に、何かを虱潰しに消していくことには、ゲームのようなおもしろさがある。私はそれにのめり込み、いつしか百名山完登を目指すようになった。ただ、百名山に登るには、体力以上に、時間も金もかかる。私はたまたまその時やっていた仕事が比較的時間をとりやすく、他の人の協力もあって事務所も何とか回っていたので、目指すことが出来た。土日で登れるのなら誰でも目指せるが、関東地区を離れると基本的には土日では無理で、金曜日に出発することが出来ると、登れる山の範囲はずっと広がる。私は当時恵比寿ガーデンプレイスに事務所があったが、金曜日の朝、ビルに登山靴、ザックで入り、昼前には出かけるということを繰り返していたが、人の眼にはさぞ異様に映ったろう。

私はよほど山に魅せられたのだろう、百名山に限らず、並行して多くの山に登っている。関東周辺の箱根、丹沢、奥多摩、奥武蔵、秩父、奥秩父、富士五湖周辺、八ヶ岳の山はほとんど登っている。深田久弥の選定ではないが、二百名山、三百名山というのもあるが。二百名山は三分の二、三百名山も半分は登っているだろう。残っている山のほとんどは、アクセスが不便な場所にあり、私は車を運転しないから、公共交通機関+登山口への往復タクシーを利用するだけではいけない山である。もちろんタクシーを何日もチャーターすれば可能だが、それではお金がいくらあっても足りない。私は可能な限り、二百名山、三百名山にも登ろうとは思っていたが、これを完登する気は最初からなかった。

ところで登山口へのアクセスは、鉄道駅からバスがほとんんどだが、その頃はまだバスも多く走っており(多くが廃止されるようになったのは最近だ。コミュニティバスというのもほとんどなかった。大菩薩くらいかな。)、山溪(山と渓谷社)から毎年登山用のバス時刻表が出ていて、それは私の何よりの愛読書だった。バス時刻表とネット検索を駆使して最良と思われる登山計画を立てるのは、本当に楽しかった。実際、宿泊場所や切符の手配ができれば、登山のほとんどは出来上がっていて、あとは歩くだけだ。

百名山の百番目は、2009年8月に息子と一緒に黒岳(水晶岳)だった。このときはもう一つ残っていた笠ヶ岳に登り、三俣蓮華、鷲羽山、黒岳、烏帽子岳から高瀬ダムに下りるコースだった。これはなかなか充実した素晴らしい縦走だった。息子と、100名山の最後を登り、娘と冬山に登る。酒好きのグータラな父親としては、登山をしなけば、考えてももいなかった「幸せ」だ。孫娘のえみちゃん、じいじと、山に行きましょう。

単独登山は避けるという常識がある。確かに難しい登山や人が余り行かない山はそうだろう。でも職場で行くのでない限りなかなか他人と予定を調整して計画を立てるのは困難だ。だから私はほとんど単独行だ。それに何より、歩くペースは人によって違うし、同じ人でも状況によって違う。私は、基本的には最初はゆっくり歩き、中盤はそこそこピッチをあげ、終盤疲れてきたら自然に任せるというところだろうか。自分でペースを主導出来るとか、調整出来るときはいいが、ツアー登山のように、とにかく合わせなければならないときは、自分の力量が相当上でないと辛い。だから登山は、単独行の方が楽しい。

私はどちらかというと上りは速く、下りは遅い。いや、一時は登りは、プロ、セミプロを除けば、「トップクラス」を自称していた。私が今、唯一人に自慢するのは、鹿島槍で、朝、赤岩尾根から登り、鹿島槍に登って、結局、冷池山荘にも、種池山荘にも泊まらず扇沢におり、その日のうちに、バス、新幹線で、横浜に帰ったことだ。まあ素人登山家の栄光の日々だ。

また話を戻して、私が百名山で単独行でなかったのは、息子といった最後の登山は除くと、ツアー登山に参加した、一人では計画がたてにくい北海道の①利尻岳、②幌尻岳、③四国の2山を一度に登った剣山、石鎚山、④一人だと怖そうな剱岳、⑤アクセスが難しい皇海山だ。それと宮之浦岳には家族で屋久島に行き、娘と一緒に登った。そうだ、トムラウシには友人のH君と登った。それぐらいだろうか。

このようにして、最初から7、8年の2009年に百名山を完登したが、その後は、長期の挫折の日々ということになる。2010年には、やはり息子を連れて苗場山に行っているし、いつだったか、小淵沢の観音平から、編笠山、権現山を通って、観音平に戻る周回コースを短時間で歩いた記憶もある。しかし、その外にどうもあまり高い山に登った記憶がない。それどころか最近は、体重は減らないまま、大山でも、明神ガ岳でもヒイヒイいっていると、どんどん抜き去られる。時々奥さんと話すのだが、「百名山完登者」と染め抜いたTシャツでも作ろうか?逆効果だろうな。

百名山はどこがよかったですか

長い前置きが終わった。

さて、山はどこでも、天気がよくて眺望がよければ快適だ。そういう意味では、たまたまその時(何回も行った山もあるが)眺望がよかった山が思い浮かぶ。十勝岳、トムラウシ、聖岳、瑞牆山等々。

高層湿原の山も最高だ。平ヶ岳、巻機山、苗場山等々。

朝日、飯豊はとにかく縦走が楽しい。

北アルプスの山は、そのすべてが素晴らしい。

というわけで、百名山はすべて素晴らしい、というのが結論だ。

つまらない山はなかったですか

ないけれど、一点だけ。私は奥白根山については、間違えて山頂を踏んでいないのではないかと思う。あとで山頂の写真を見て気がついた。奥白根山は素晴らしい山だからもう一度登って見たいが、山頂を踏むだけのために行く気にはならない。だれか一緒に行きますか。

最後に- 老婆心

登山靴は踝を覆うトレランシューズにしてから随分楽になった。でもこれで、塩見岳から間ノ岳、農鳥岳を通って奈良田に下りているから、土砂降りでない限り不便はない。ザック(荷物)も軽いほどいい。

あと、雨具、ヘッドランプ、ツェルトは必須だが、最近は、低山なのでどれも持っていないことが多い。でも少なくても、雨具、ヘッドランプは持っていかないと、低山でも困ったことが起きる可能性がある。自戒・・

私は山頂に長く止まることをしない。食事をするとしてもせいぜい10分か15分だ。途中もできるだけ速く通過する。結局の所、安全のためにはこれが一番だと思っている。ましてや山頂でビールなど絶対に飲まない。その分、下界のビールが美味しい。もっとも山頂の山小屋に泊まるときは浴びるほど飲む。高山ではアルコールが速く回るというが訓練次第だ。でも山頂のビールは「高い」から飲み過ぎには注意しよう。

ずっと前に書いていたブログ「山ある日々」が残っていましたので、備忘のため記載しておきます。