問題解決の方法

2023-03-25

問題解決の方法

最初に

この項目では、最初に「問題解決」について、3冊の基本書を紹介しよう。
更に「問題解決と創造」について「前提となる知識」、「基本となる知識」、「基本となる方法論」を展開しよう。最初は、項目だけになるが、ここを充実させることは重要と思う。

問題解決の基礎

問題解決論

問題解決の3冊の基本書

まず「問題解決の基本」となる次の3冊の基本書を紹介する。

  1. 「新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方」

  2. 「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ」

  3. 「問題解決大全」

「図解 問題解決入門」…基本書1

まず解決すべき「問題の基本的な構造」(問題構造図式と呼ばれることがある。)については、「新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方」(著者:佐藤 允一)(Amazonにリンク・本の森の紹介)の分析が、簡便でわかりやすい。

同書は「問題」を「目標と現状のギャップ」ととらえ(後記「問題解決大全」によると、これは、ハーバート・A. サイモンが、言い出したらしい。)、原因となる「入力」、「制約条件」や「外乱(不可抗力)」が影響する「プロセス」を経て、結果となる「出力(現状)」が生じるという「問題構造図式」を提示する。この図式をふまえ、「入力」や「制約条件」をコントロールすることで、「出力(現状)」を変え、問題解決を考えようというのである(「佐藤問題構造図式」という。)。これだけでは単なる枠組みに過ぎないが、それだけに問題解決の様々な対象や方法を整理して位置づけるのに便利である。

次に同書は、「問題」を、発生型(既に起きている問題)、探索型(今より良くしたい問題)、設定型(この先どうするか)に分類しており(この分類は「時間型分類」といえよう。)、これも有用である。

さらにこれは私見ではあるが、「問題」を、個人型、人工物型、システム型に大別することも有用である(この分類は「対象型分類」といえよう。)。「世界」の大部分の問題は、「システム思考」が対象とすべき複雑な「システム型」の問題であるが、個人の問題の多くは、個人型として個人の意思決定と行動改善の方法として捉えることが適切であるし、人工物(多くは商品であろう)の問題は、人より物の振る舞いが前面に出る設定型、探索型の問題であるから、別に検討したほうが良さそうだ。ただし、それぞれの方法を他に応用することは有益である。なお企業に関わる「問題」は、個人型、人工物型、システム型のいずれの要素も含んでおり、併せて経営分析、経営戦略等として検討されているから、別途、検討すべきである。

「創造はシステムである」…基本書2

「創造」は、佐藤の「問題構造図式」の時間型分類の、設定型(この先どうする)ないし探索型(今より良くしたい問題)として、問題解決の一場面と位置づけることができる。

「創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ」(著者:中尾政之)(Amazonにリンク本の森の紹介)は、「創造」(自分で目的を設定して、自分にとって新しい作品や作業を、新たに造ることと定義する。)の過程を、「思い」(願望)→「言葉」(目的)→「形」(手段)→「モノ」(アクションプラン)ととらえ、まず「目的」を言葉として設定することが重要だとする(これが「出力」となる「結果」である。)。そしてその「原因」となる「入力」「制約条件」等を<「形」(手段)+「モノ」(アクションプラン)>と捉え、その具体的な内容に「思考演算子」(これは、TRIZ(トゥリーズ)のことである。)を適用して、検討、選択し、「目的」を実現していく。システムである人工物の設計、創作を念頭に置いた問題構造図式の変化型であるが、システムについての問題解決は複雑、難解なものが多いので、まず人工物の創造でこれに習熟することには意味がある(ただし同書には、「システム思考」の話は出てこない。)。

「問題解決大全」…基本書3

なおこの上記の2つの方法に止まらず、「問題解決と創造」を実現する観点から考え出された様々な技法がある。それらの主要なものが「問題解決大全」(Amazonにリンク・本の森の紹介)で、丁寧に検討されている。「問題解決大全」では、問題解決の手法をリニア(直線的) な問題解決とサーキュラー(円環的) な問題解決の2つに大別して取り上げた上、問題解決の過程を、大きくは4段階、詳細には14段階に整理し、それぞれに該当する技法を紹介している。①問題の認知(目標設定、問題察知、問題定義、問題理解)、②解決策の探求(情報収集、解の探求、解決策の改良、解決策の選択)、③解決策の実行(結果予測、実行計画、進行管理)、④結果の吟味(結果の検証、反省分析、学習・知識化)である。基本書1、2を十二分に補完する内容となっている。

基本書1~3を基本となる「基本3書」としたい。基本3書の詳細目次である「「問題解決と創造の方法」基本3書の詳細目次」(このサイトの記事にリンク)を作成してみた。これを見ているだけでも頭の整理になる。

放送大学の教材・参考本

  • 問題解決の進め方:放送大学

  • 問題解決の数理:放送大学

  • 新版[図解]問題解決入門~問題の見つけ方と手の打ち方:佐藤 允一

  • 創造はシステムである~「失敗学」から「創造学」へ:中尾政之

  • 実例で学ぶ創造技法:日本創造学会

  • 問題解決手法の知識 (日経文庫):高橋 誠

  • 問題構造学入門 知恵の方法を考える:佐藤允一

  • 問題解決大全~ビジネスや人生のハードルを乗り越える37のツール:読書猿

  • なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力 :マイケル・A・ロベルト

 

前提となる知識

生物としてのヒト-放送大学で学ぶ

  • 初歩からの生物学(放送大学):二河成男/加藤和弘 

  • 運動と健康(放送大学):関根紀子 

  • 生物環境の科学(放送大学):加藤和弘

  • 生命分子と細胞の科学(放送大学):二河成男

  • 生物の進化と多様化の科学(放送大学): 二河成男

  • 植物の科学 3訂版 (放送大学):塚谷 裕一、荒木 崇

  • 動物の科学(放送大学):二河成男   

  • 比較認知科学 (放送大学):藤田 和生(編著)

  • 人体の構造と機能 人体の構造と機能及び疾病A 改訂版 (放送大学):坂井 建雄/ 岡田 隆夫

  • 疾病の成立と回復促進 人体の構造と機能及び疾病B 改訂版 (放送大学):岡田忍/ 佐伯由香

  • 神経・生理心理学 (放送大学):髙瀨 堅吉

  • 知覚・認知心理学(放送大学):石口彰

  • 総合人類学としてのヒト学(放送大学):高倉浩樹 

メタ認知と学習

メタ認知

  • 基礎から学ぶ認知心理学 人間の認識の不思議 (有斐閣ストゥディア):服部雅史、小島治幸、北神慎司

  • メタ認知で〈学ぶ力〉を高める:認知心理学が解き明かす効果的学習法:三宮真智子

  • メタ認知 あなたの頭はもっとよくなる (中公新書ラクレ) :三宮真智子

  • 比較認知科学 (放送大学教材):藤田 和生(編著)

  • 知覚・認知心理学 (放送大学教材):石口 彰(編著)

  • 認知心理学:有斐閣NLAS

好奇心・学習・知識・思考の基本

  • Curious 子どもは40000回質問する~あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力~:イアン・レズリー   

  • 21世紀の教育―子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点:ダニエル・ゴールマン、ピーター・センゲ

  • なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える (講談社現代新書):安藤寿康

  • 私たちはどう学んでいるのか ―創発から見る認知の変化 (ちくまプリマー新書):鈴木宏昭  

  • センスメイキング-本当に重要なものを見極める力:クリスチャン・マスビアウ  

  • 知ってるつもり 無知の科学:スティーブン スローマン, フィリップ ファーンバック

  • 教養の書 :戸田山和久

  • 独学大全―絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 :読書猿.

  • 独学大全 公式副読本―「鈍器本」の使い方がこの1冊で全部わかる :読書猿

  • 独創はひらめかない―「素人発想、玄人実行」の法則 (日本経済新聞出版):金出武雄     

学習の方法

  • 学習を支える思考

  • 学習

  • 読書

  • ノート

  • 記憶

  • 外国語

  • IT

基本となる知識

ニュースを知る   

  • おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書):池上 彰

  • おとなの教養 2  私たちはいま、どこにいるのか? (NHK出版新書):池上 彰

  • おとなの教養3  私たちは、どんな未来を生きるのか? (NHK出版新書):池上 彰

  • 今を生き抜くための池上式ファクト46 (文春e-book):池上 彰

  • 池上彰の世界の見方 ロシア~新帝国主義への野望~:池上彰

  • 誰も教えてくれないお金と経済のしくみ:森永康平   

歴史を知る

  • 世界史序説 ──アジア史から一望する (ちくま新書):岡本隆司

  • 世界史とつなげて学ぶ中国全史:岡本 隆司

  • 中国史とつなげて学ぶ日本全史:岡本 隆司   

  • 衝突と共存の地中海世界:本村凌二、高山博

  • イスラーム世界史 (角川ソフィア文庫) :後藤 明

  • 世界史の誕生 ――モンゴルの発展と伝統 (ちくま文庫):岡田英弘tokwei 歴史   

  • 16世紀「世界史」のはじまり (文春新書):玉木 俊明

自然を知る

  • 池上彰が聞いてわかった生命のしくみ 東工大で生命科学を学ぶ:岩﨑 博史、田口 英樹、池上 彰

  • 池上彰の講義の時間 高校生からわかる原子力 (ホーム社):池上彰

  • はじめてのサイエンス (NHK出版新書):池上 彰

  • 人類が知っていることすべての短い歴史 上・下(新潮文庫):ビル・ブライソン     

  • この世界を知るための 人類と科学の400万年史 (河出文庫) :レナード・ムロディナウ

  • この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた:ルイス・ダートネル

  • 世界の起源 人類を決定づけた地球の歴史:ルイス・ダートネル

データ・資料から見る社会・世界  

  • FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣:ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド

  • データが読めると世界はこんなにおもしろい データブック オブ・ザ・ワールド入門:データブック 入門編集委員会 R

  • データブック オブ・ザ・ワールド 2022—世界各国要覧と最新統計— R

  • The World Almanac and Book of Facts 2022:Sarah Janssen

  • 経済は統計から学べ!:宮路 秀作

  • 日本の構造 50の統計データで読む国のかたち (講談社現代新書) :橘木俊詔

  • 数字でみる日本の100年 日本国勢図絵長期統計版(2020年2月)

  • 統計データが語る日本人の大きな誤解:本川裕

  • 〔データブック〕近未来予測2025 :ティム ジョーンズ,キャロライン デューイング 

  • データでわかる2030年地球のすがた(日経プレミアシリーズ): 夫馬賢治

  • 2052 今後40年のグローバル予測:ヨルゲン ランダース

  • Come On! 目を覚まそう!―ローマクラブ『成長の限界』から半世紀 ~環境危機を迎えた「人新世」をどう生きるか? :エルンスト・フォン・ワイツゼッカー, アンダース・ワイクマン

基本となる方法論

自然科学→「自然と環境」「自然と科学」

論理と人の科学

  • ヒトの進化的適応    

  • 言語

  • 哲学

  • 論理

  • 数学

  • 統計学・データ分析

  • 問題解決・OR・数理モデル

  • 心理学

  • 医学・看護学     

社会科学   

  • 社会科学方法論

  • ミクロ経済学

  • ゲーム理論

  • 人類学

  • 行動経済学・行動科学

  • 複雑系とシステム論

  • ネットワーク 論

  • コロナ論

情報とデジタル

 

 

 

 

 

 

Posted by murachan54