組織の問題解決

 アイデアをカタチにする

「政府の政策」を読み、活用するという「アイデアをカタチに」しようと思っています。これは今後、固定ページで展開していきますが、その最初の投稿です。最新の内容は、固定ページで確認してください。

「政府の政策」を読み、活用する

政府は、必要と判断する多くの「政策」を実行するために、国民・企業から資金(税金)を吸い上げ、罰則を伴う「ルール」を設定して、モノ、カネ、ヒトを投入する行政活動を行っている。国民・企業は、生活・存続のための財の取得活動にその労力の大半を費やすが、政府は国民・企業の資金で政策実行のために自由な活動を行い、国民・企業への規制、影響はますます強まっているから、立法府、裁判所はその活動を合理的なものに事前・事後に規制し、国民・企業はその活動を把握、監視してこれをコントロールすると共に、自分たちのための政策だからこれを有効に活用すべきだろう。

ところで現在の政府の政策・活動は、社会の多様化、グローバル化、科学技術の進展、コンピュータやインターネットの常態化等によってきわめて複雑化・多様化しているが、政府はその政策・活動の多くをインターネットで公開するという方針が推進されているし、その内容も、各省庁ともWebサイトの作成に多くのカネ、ヒトを投入し、競って網羅化、精緻化し、かつ各省庁で横断化されている(これらによってますます細かい政策が生み出される)ように見受けられ、一昔前のお粗末なWebサイトとは全く異なっている。ただ国民・企業は、まだその利用に十分習熟しておらず、ウオッチし続ける活動にも慣れていない。特に通常、インターネットでの情報収集は、検索して必要な情報を得て終わりということが大部分だから、膨大な政府の政策情報の全体像を把握し、これを整理し、必要な情報を抜き出して自分に役立つように有効活用することは、直ちにできるわけではないだろう。特に政府の政策は「ルール」(法律、規則等の法令)に基づいて実施されているから、その解読も必要だ。

そこで「法令」を扱うことを業としIT・AIが大好きな弁護士である私として、「政府の政策を読み、活用する」という「アイデアをカタチにする」ために何ができるか、少し考えてみたい。まず、政府のWebサイトの全体像を把握してみよう。

そのうえで、今後、これから必要な情報を整理して抜き出し、国民・企業が有効活用できる方法を模索してみよう。

以後は、固定ページに。

法とルール

分野別法律問題の手引

「弁護士業務案内」の中に、皆さん、そして私自身のために、「分野別法律問題の手引」という項目を設けている。名前はいろいろと変えているのだが、なかなかぴったりしたものがない。

内容は単純で、その分野で参考になると思う、実務書、体系書を何点か選んで、その詳細目次を掲載したものである。その分野に関して解決したい法律問題がある場合に、これを見るなり、このサイトで検索するなりして、問題の所在を把握し、それから調査の範囲を拡大して法律問題解決への「手引」になればと思い、とりあえず作成したものである。全体を整理し、一覧して眺めるということは、それだけで意味があることだ。

一応掲載できた分野は、「IT・AI法務」、「企業法務」、「中小企業法務」、「会社法務・金融法務」、「医療機関の法務」、「行政法務」、「租税法務」、「著作権法務」、「航空法務」、「立法と法解釈を考える」、「法律判例の調査」(ただしこれは一部未修正)で、作成中は、「労働法務」、「国際法務」、「知財法務」である。

活用法をみつけたい

ただこれだけでは、あまりにも漠然として活用がむつかしいと思うので、今後、その分野のポイントとなるようなTipsを補っていきたいと思っている。それだけではいまいちだが、何かに取り組むと、いろいろなアイデアが浮かんでくるのは、間違いない。ITを活かす方法はないかなあ。

法とルール

著者:佐々木隆仁

デジタル社会の難問、病理に向き合う

先日あった「シンポジウム 人工知能が法務を変える?」では、レクシスネクシスのトルコ人弁護士が「リーガルテック」という観点から、今後の弁護士業務のあり方を切り取っており、刺激的だった。その直後に本書の発刊を知り、早速入手してみた。著者は、AOSリーガルテックという会社の代表取締役であるが、本書は、会社で展開している、」あるいは今後展開したいと思っている事業から、会社色を抜いたからか、焦点が定まらない「報告書」という印象だ。強いて軸を求めるなら、現在のデジタル社会の難問、病理に向き合うのは大変だということであろうか。

まず問題が展開される場は、①アメリカ、②日本、③アメリカで事業する日本企業がある。これについて、デジタル情報が爆発的に増加している中で、ⅰアメリカの法律家が①について訴訟やeDiscovery、カルテル捜査、あるいは法情報を含む情報収集にどう対応しているかという問題、ⅱこれについて日本の法律家が③との関わりでどう対応するかという問題が、固有の「リーガルテック」の問題である。これから派生して、ⅲ②日本において、日本の法律家に、これらの流れが今後、どのように及ぶかという問題がある。

これらとは別に、ⅳデジタル情報が爆発的に増加しているデジタル社会の進展につよて、日本の社会全般に様々な難問、病理が生じており、これに向き合い対応することが必要であるという問題領域がある。この本の記述の主流は実はこちらであって、「リーガルテック」という署名がそぐわない気がするわけだ。

痕跡は消せない

この本の著者はもともと「ファイナルデータ」というデータ復元ソフトの開発・販売をしていたそうで、そういう中で、検察庁や警察の捜査に役立つ手段(フォレンジック)を提供してきたという歴史もよくわかる。

本書には、「Line の情報をデジタルフォレンジックでさらに解析すると、人間関係、行動範囲、考え方、趣味・嗜好など、あらゆる個人情報がわかってしまいます。それが、Line が犯罪捜査に活用されている理由です。」等、デジタルの痕跡は消せないこと、画像のフォーカス補正によって「見えないものがみえてくる」、「重要機密はハッキングではなく社内から漏れる」等々の記述もあって、デジタル社会の難問、病理がよくわかる。セキュリティも考え直す必要性を感じる。

楽しいかなあ

本書を通読して思うのは、デジタル社会の難問、病理に向き合う必要があるということだが、一番の問題は、「こんな社会は楽しいんだろうか。いつまでもこれでいいんだろうか。」ということである。少なくてもAIという切り口には夢がある。

 

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