法とルール

弁護士とビジネス

「法とビジネスの諸相」で述べたように、もともと弁護士は「ビジネス」と無縁であった。もちろん弁護士がしていることは「民(みん)の仕事」であるからビジネスであることは当然であったが、「事件」が来るのをまってその枠組みで仕事をするという受動的なスタンスに慣れ親しんでいて、なかなか弁護士としての発想やスキルをビジネスそのものに参加して生かそうとはしなかった。国内、国外の様々な公的機関への参加も低調であったし、ボランティアやプロボノへの参加も、災害時の救援活動を別にすれば「政治思想」が後押ししているケースが多かった。

今の時代の中で

今の時代は暗いイメージに彩られているが(でも私は「繁栄」派だ。)自分が何をすべきかは、おおむね自分で決定し実行できる、あるいはしなければ朽ち果ててしまう「時代」であって、これを制約するような要因はほとんど存在しない。私が弁護士としてこれからも「法律事務」を受任し実行していくことは当然であるとしても、そのような予定調和的で、受動的な枠組みからは飛び出さなければ。考えてみれば、若い頃の私はそれをもっとも尊んでいた。

私のチャレンジ

私が弁護士としての発想やスキルを生かしたいビジネスの対象は、国際的な価値創造、交換と、生命の充実・健康システムの開発である。現時点で当面具体的に取り組むべきことは、

  1. 羽田空港におけるビジネスジェットの整備、格納ビジネス
  2. 中型ビジネスジェット機を利用する国際医療搬送(エアアンビュランス)
  3. ダイエットに様々な要素(小食、多動、睡眠、旅行、文化活動等)を盛り込んだ双方向性の健康アプリの開発
  4. 教育支援

である。

今後、それへの道筋を開けるような、読書、研究、実務体験を積み重ねていきたい。

法とルール

一口コメント

Kindle本が多くなると、検索しない限り何があるのかわからなくなるので、Law & Legalに関する英文のKindle本を購入順にまとめておく(2015/1/16現在。購入時が古いものから番号を振った。最初は、アメリカでKindleを買ったから、2009年である。)。

25、24、19はAudibleがある。

内容は、法についての概説書(25、23、20、15、11、10、9、8、7、5、4、2)、弁護士論も含む実務書(24、22、17、16、14、13、12、6、3、1)、小説等(21、19、18)に分けることができる。

14は「米国人弁護士が教える英文契約書作成の作法」の原書であり、10は、国際開発、9は、法と経済学関連の本である。8は私のは、少し版が古い。

現時点では「死蔵」に近いが、何とか新しいビジネスに結び付けよう。

紹介

25 Law 101: Everything You Need to Know About American Law(Amazonにリンク

24 The Steps to the Supreme Court: A Guided Tour of the American Legal System(Amazonにリンク

23 International Law (English Edition)(Amazonにリンク

22 Law Firm Business Plan Template (English Edition)(Amazonにリンク

21 The Good Lawyer: A Novel (English Edition)(Amazonにリンク

20 Medical Law: A Very Short Introduction (Very Short Introductions)(Amazonにリンク

19 The Lincoln Lawyer (Mickey Haller Series)(Amazonにリンク

18 Joke A Day — Lawyer Jokes (English Edition)(Amazonにリンク

17 Thinking Like a Lawyer: An Introduction to Legal Reasoning(Amazonにリンク

16 Legal Analysis(Amazonにリンク

15 THE COMMON LAW (The John Harvard Library)(Amazonにリンク

14 Working With Contracts: What Law School Doesn’t Teach You (PLI’s Corporate and Securities Law Library)(Amazonにリンク

13 Make It Your Own Law Firm: The Ultimate Law Student’s Guide to Owning, Managing, and Marketing Your Own Successful Law Firm (English Edition)(Amazonにリンク

12 The End of Lawyers?: Rethinking the Nature of Legal Services(Amazonにリンク

11 Law: A Very Short Introduction (Very Short Introductions)(Amazonにリンク

10 Law and Economics in Developing Countries(Amazonにリンク

9 Principles and Methods of Law and Economics: Enhancing Normative Analysis(Amazonにリンク

8 Essentials of Business Law(Amazonにリンク

7 The Path of the Law (English Edition)(Amazonにリンク

6 The Lawyer’s Guide to Writing Well(Amazonにリンク

5 A History of American Law: Third Edition(Amazonにリンク

4 The Law (English Edition)

3 The Legal Analyst: A Toolkit for Thinking About the Law(Amazonにリンク

2 Law in the United States(Amazonにリンク

1 Plain Language Legal Writing (Plain Language Wizardry Book 1) (English Edition)(Amazonにリンク

法とルール

一口コメント

「法とルールの基礎理論」に関する本をまとめてみた。本棚にあって目についた本をまとめただけなので、決してこれが最良というわけではないし、網羅的でもないが、悪くない本が集まった。

1、2は、人類史の進化論的論点を踏まえた上で利他行為やルールの存在について解明しているので、視野を広げ、適切な出発点を設定するのに適している。2は、読むのに疲れるが。

3は、最近出たものだが、国家に関する幅広い論点を取り上げた上、わかりやすく説明しているので、とても参考になる。国家が適切に果たすべき役割がたくさんにあるということを冷静に理解させてくれる。国家と聞くと頭に血が上って感情的な議論をするだけではだめだと反省。

ただ、3の出発点はヨーロッパの近代国家なので、それ以前、それ以外の地域について、「法人類学」も研究しているという4が、多少古めかしい分析だが参考になる。

法のあり方を考察するためには、5ないし10が、それぞれ特色ある良書だと思う。特に6は、どうして、法哲学、法思想というマイナーな分野に、こんなにわかりやすく説明しようとした、受験のためのトピック集のような本があるのかびっくりだ。10は、ちょっと手に入らないかもしれない。

11は、ここで紹介するのが適切かどうかわからないが、5ないし10で法学者がご大層に語る日本の法律実務のレベルがどうなの(行政分野だが)という、日本文化論としても読めるお笑い「実務書」だ。12は、広い観点から日本の司法の現状を分析している。13、14は、元裁判官が日本の裁判所を痛烈に批判している。

15、16は、外国にも目を向けましょうということだが、どちらもとても面白い。

17から19は、日本で研究、教育をしている外国人の研究者、実務家の、裁判所、日本の法文化、弁護士論。いずれもとても面白い。

紹介

1

クリストファー ボーム 長谷川 眞理子
白揚社
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Basic Books (2012-05-01)

2

ルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)
ジョセフ・ヒース
エヌティティ出版
売り上げランキング: 267,039
Following the Rules: Practical Reasoning and Deontic Constraint
Oxford University Press (2008-10-16)

3

国家の社会学

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佐藤 成基
青弓社
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4

世界の法思想入門 講談社学術文庫

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5

法学入門

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星野 英一
有斐閣
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6

よくわかる法哲学・法思想 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)
深田 三徳 濱 真一郎
ミネルヴァ書房
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7

現代法哲学講義

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8

法理学講義

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田中 成明
有斐閣
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9

法社会学 (NJ叢書)

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10

法政策学―法制度設計の理論と技法

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平井 宜雄
有斐閣
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11

行政法解釈学〈1〉実質的法治国家を創造する変革の法理論
阿部 泰隆
有斐閣
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行政法解釈学〈2〉実効的な行政救済の法システム創造の法理論
阿部 泰隆
有斐閣
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12

テキストブック 現代司法

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木佐 茂男 佐藤 鉄男 川嶋 四郎 水谷 規男 宮澤 節生
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13

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

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14

ニッポンの裁判 (講談社現代新書)

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15

はじめてのアメリカ法 補訂版

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樋口 範雄
有斐閣
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16

開発法学の基礎理論―良い統治のための法律学
松尾 弘
勁草書房
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17

名もない顔もない司法―日本の裁判は変わるのか (NTT出版ライブラリーレゾナント)
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18

裁判と社会―司法の「常識」再考 (日本の“現代”)
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19

手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)
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