山ある日々

山ある日々という言葉に、私はうっとりする。この言葉を思いついた頃は、「山ある日々」は、実際に登山している日々を指していた。でも今は、もっぱら街中にあって、思い出す登山の日々、思い出す山々の風景、あるいはもっと抽象的に、私が山の緑、紅葉に包まれているイメージを呼び起こす。

一方、その頃の日常を指す言葉は、「毎日がエベレスト」。でもこれはいささか羊頭狗肉で、あまり流行らなかった。

しかし毎日がエベレストだろうと、山ある日々だろうと、街中はうるさく汚い。ずっと頻度は減るがこれからも山に出かけるだろう。そして山から清らかな風と、汗だらけの身体を運んでくるのだ。