IT・AI・DX,日々雑感

英字新聞の配信が途絶えたこと

最近はネットで英文の情報があふれているので,英字新聞を読む人も減ったのではないかと思う。日本のAmazon(Kindle)では,英字新聞の配信サービスはなさそうだ。

私は,まだ日本でAmazonのサービスが始まる前にアメリカのAmazon.comに加入し,Kindle機も「輸入」し,Kindle本(英語の本しかないが)を購入していた。そのとき,英字新聞(Mainichi)も自動継続で購入し(月額10ドル程度だったと思う。),毎日,配信されていた。やがて日本のサービスであるAmazon.co.jpが始まり,「アカウント結合」をすると,アメリカのAmazon.comで購入した本も読め,英字新聞(Mainichi)の配信も継続していた。ただし「アカウント結合」には問題が多く,その後いろいろと悩まされたが。

それが,1年くらい前に何かの通知が来て英字新聞(Mainichi)が配信されなくなったので,継続の手続だったのかと思い,あれこれやってみたが,配信を再開できなかった。基本的に,Amazon.co.jpからは,Amazon.comのサービスは購入できないということのようだが,同時に購入を始めたNewsweekの配信は継続されているのでよくわからない。「アカウント結合」や「居住国」の設定(これは何が起こるか分からないので,私は触らない)も関係ありそうだ。結論は,「どうすればいいかわからない」である。Amazonに聞いてみればいいだろうと思われるだろう。しかし経験者はわかるだろうが,Amazon.co.jpは,Amazon.com,あるいはアメリカのAudibleに関わる問題は「うちではわからないので,そちら聞いてくれ」と,必ず対応する。おかしいと思うが,それぞれのサービスの関係,Kindle機,Fire機のハード,ソフトの進展,「アカウント結合」,それに電子書籍以外の膨大な業務等を考えると,正確に回答できる者を探す方がむつかしいのだろうと考えることにしている。

英字新聞の配信を受けたい

英字新聞(Mainichi)の配信を受けているときは,時折目を通すぐらいたったのだが,全くなくなると妙に気になる。何とか安価な英字新聞(Mainichi)の配信を再開させたいと,ときどき思うようになった。

ところで先週,プライムデーという,プライム会員用のバーゲンがあった。特に何かを買おうとは思っていなかったのだが,タイムセールで最新のFire 7の32Gが5000円台であるのを見かけ,これで新しいAmazon.comのアカウントを作成すれば,英字新聞(Mainichi)の配信を受けられるのではないかと思い付き,購入して実行してみた。

「出来た!」。2019年7月19日号から配信されている。今は無料期間だが,多分,月額10ドルくらい(5ドルという表示も見かけたような…)。

様々な問題とImmersion Reading

Fire 7でAmazon.comに加入するために,言語を英語にして,居住国をアメリカにし,カード情報を記入する。それでAmazon.comが利用できるようになり,英字新聞(Mainichi)が購入できた。

そうすると,Fire 7の上部のメニューに,「Books」等に加え,Amazon.co.jpにはない「Audible」,「Newsstand」が表示される。英字新聞(Mainichi)は,「Newsstand」で管理することになる。

興味深いのは「Audible」だ。私は,最初にAmazon.comに加入したときにアメリカの「Audible」(英書の朗読データの販売)の会員となり,それはAmazon.co.jpで購入したFireでは聞けたのだが,Amazon.co.jpが日本の「Audible」を始めたときから,その後,Amazon.co.jpで購入したFireでは聞けなくなってしまった。スマホでは聞けるのだが。もうその状態が何年も続いており,Amazon.co.jpは変える気はないようだ。

それともう一つの問題は,アメリカの「Audible」ではKindle英書とその朗読データを購入すると,Immersion Reading(読み上げている個所をKindle英書にハイライトする機能)が利用できるとあるのだが,日本ではそれが不可能だった(今回の方法をとればできたのかもしれない。)。

それで「Audible」という表示を見たときに,Amazon.comでKindle英書を,「Audible」でその本の朗読データを購入すると,Immersion Readingが利用できるのではと思い付き,Kindle英書とそれに対応する朗読データを購入してみた。

「出来た!」。それにこのように購入すると,「Audible」で朗読データが安くなることも多い。

今回購入したFire 7を「英語学習機」と考えれば,このような機能に加え,Kindleでは多くの辞書や無料本が利用できるし,使い出がある。

なお,不思議なことも多い。居住国をアメリカに設定し,アドレスに日本の住所を記入したが,これはカード情報だけの問題なのだろうか。今回購入したFire 7だけかどうかわからないが,英語表示を日本語表示に変えるとそのまま「オーディブル」とか「ニューススタンド」と表示される。アカウントをAmazon.co.jpのものに切り替えれば,この表示はされないのだろう。アメリカで購入するFire 7はどうなっているのだろうか。「Video」には,日本のプライムが表示されているが,なぜだろう。

1か月の間が空いた!!

この記事は前回の投稿から1ヶ月間が空いてしまった。大した理由もなくて,最初の2週間ぐらいは,「生産性」の本を読みつつ,このWebも焦点を絞ろう等と考えているうちに,長い書面書きが3本重なってしまい,こちらに手が付けられなくなった。一応終了したので,これから焦点を絞ってWeb記事を作成しよう。

 

 

 

 

人の心と行動

「Think clearly 最新の学術研究から導いた,よりよい人生を送るための思考法」(著者:ロルフ・ドベリ)(Amazonにリンク
「The Art of the Good Life: Clear Thinking for Business and a Better Life by Rolf Dobelli」(Amazonにリンク

自分の生活と仕事を見直すために

丸善も薦める本

東京駅近くの丸の内オアゾに丸善の本店がある。そこの1階から2階,2階から3階へのエレベーターの脇に,同じ本の大きなポスターが何枚も張ってある。気が付くと最近は,「センスメイキング」,「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」と,いずれも私が先にKindleで購入し評価していた本だったが,今は(2019年6月中旬),本書「Think clearly」のポスターが張ってある。私は本書もポスターの張り出しに先行してKindleで購入し,前2書以上に評価していた。取り急ぎ紹介したい。なお本書は「連休を振り返る」「仕事について考えよう」で書名だけだが挙げておいた。

本書は52の論考からなっており,著者はその内容を,よりよい人生を生きるための「思考の道具箱」(Thinking for Business and a Better Life)とまとめている。

著者はスイス人生まれでドイツ語でこの本を書いているが,もちろん英訳されている。ドイツ語からの邦訳,英訳時にどちらかに(どちらも?)若干の編集が行われているようで,論考の並べ方が異なっている。

よりよい人生を生きる?

「よりよい人生を生きる」といわれるとこそばゆいが,著者は次のようにいう。
「よりよい人生を手にするのは,けっしてたやすいことではない。賢いといわれている人たちでさえ,人生でつまずくことがは多いのは,人間は,自分たちがつくりあげた世界を,もはやわかっていないからだ。いまや人間の直観は,信頼できるコンパスではない。そして,私たちはこの不透明な世界を,別の世界のためにつくられた脳を駆使して生き抜こうとしている。別の世界とは石器時代である。私たちに搭載されているソフトウェアもハードウェア(つまり私たちの脳)も,マンモスが草を 食んでいた時代のままだ。文明の発展が速すぎたために,脳の進化はそのスピードに適応できていない。だからいつでも使える「思考の道具箱」を用意しておけば,世界をより客観的にとらえ、長期的によい結果をもたらす行動ができるようになる」。

この状況認識-(私の言葉でいえば)言語とテクノロジーの蓄積,交錯によって世界は劇的に複雑化しているが,(目的手段推論付き)オシツオサレツ動物である人間はこれに適応できていない-から,「思考の道具箱」を用意したというのである。

思考の道具箱

著者が用意する「思考の道具箱」の出典は,「ひとつ目は,過去四〇年にわたる心理学研究の成果だ。精神心理学,社会心理学,ポジティブ心理学,ヒューリスティックスおよびバイアス研究,行動経済学,臨床心理学,それに,認知行動療法の中でも特に効果の高いものも取り入れてある」と説明される(まとめて「行動経済学と呼ぼう)。ふたつ目は,ストア派の思想,三つ目は,「投資関連書籍だ。ウォーレン・バフェットのビジネスパートナーであるチャーリー・マンガーは,世界でもっとも成功しているバリュー投資家のひとりだが,現代に生きる偉大な思想家のひとりでもある」とされる。

このポジションの取り方がなかなか素晴らしい。人の誤りやすさに焦点を当てた科学である心理学(行動経済学)は,広くいきわたりつつあるが,どうしても人はこんなにも誤った思い込みをしているという「アンチテーゼ」に力点が置かれ,「そのあとどうするの」という点で説得力に欠けがちだ。しかし本書は心理学(行動経済学)に加え,権勢の中で質素に生きることの誇りを説くストア派,長期間にわたって成功し続けている投資家と,いずれも迫力あるただならぬ気配を漂わせる言説を加えることで,「今からどうするの」に応えている。

私はこれまでチャーリー・マンガー(+ウォーレン・バフェット)は全く視野に入っていなかったが,著者の本書での紹介に加えて「完全なる投資家の頭の中-マンガーとバフェットの議事録」(著者:トレン・グリフィン)(Amazonにリンク)を読むと,人の行動がどういうものであり ,成功する企業がどういうものであるかについての「メンタル・モデル」は確かに卓越している。

いずれにせよ,上記の状況認識の中で,誤りやすいことを充分に理解して前に進もうとすることで,よりよい人生を切り開こうとする著者の「思考の道具箱」には,リアリティがある。

3点支持

そこで,直ちにわかるのは,この「思考の道具箱」は思考するためにあるのであって,「信仰」の対象ではない。マンガーに関する本書か,上掲本のどこかに,マンガーが,「メンタル・モデル」の総数はせいぜい80か90だといったら,それを教えてくれという問い合わせが殺到したということが書いてあった記憶があるが,そういうことがだめなんだろうなと思う。

山登り(岩登り)の基本技法に3点支持がある。四肢(手足)のうち三肢で体を支える,一肢を自由にして次の手がかり・足場へ移動する技法だ。3点支持,3点支持と唱えるだけで岩場ではずいぶん落ち着く。

私には,この3点支持という言葉が,著者やマンガーの流儀にふさわしい気がする。3点というのは,上記の本書の3点の出典という意味も含んでもよいが,それに限らず「思考の道具箱」,「メンタル・モデル」を利用しつつ,出来るだけ自分の頭で確実な支点を確保して(せいぜい3点だろう),そこから次の地平を自由に目指すが,確保した3点も確実ではなく,たえず行動は試行錯誤に晒されるという意味も含むだろう。

本書の使用法

本書の使用法というのも変ないい方かもしれないが,本書の52の論考を,最初からずらずらと読んで理解し,ここはいいなあ,これはなんだというような反応をしていただけではあまり役には立たないだろう(上述したように,邦訳,英訳で順番が違う。後掲する)。

本書はの読み方として一番いいと思うのは,まず52の論考を,自分なりのカテゴリーを作って(例えば,「行動することと考えること」,「人生哲学」,「複雑な世界」,「日常のあり方」,「ビジネス」とぢてみたが,うまくいっていない),並び替え,相互の関係を検討してみるということである。本書が素晴らしいのは。その8割方はきわめてまっとうなことが書いてあることで,全体の構成についてあまり不安に陥らず,これは良さそうだが,これらは矛盾している,共通する点があるとすればそれは何だろう等々と,思考実験を含め,自分にとって確実な支点を確保することで,自分がこれから何をやるかに,役立てることができそうなことだ。ついでに邦訳と英訳をランダムに読んでみるといろいろと発見もある。ただ金科玉条にするものではなく,突っ込みどころ満載だ。

私が気に入った点

私が本書で気に入った点は,何点かあるが,まず「複雑な世界」のことは分からないから「複雑すぎる質問」の収納箱を作って入れて置こうということであろうか。私はどちらかといえば「複雑な世界(システム)」の全体像を解明しようと思ってきたが,できないことはできないので,自分が手に負えることだけすればよいという「道具箱」は救われる。私は,制度(システム)全体をにらみつつ,そのなかで,ルロール(法)の機能と制御を考えて行けばいいのかなと改めて思った。そんなに時間もないし。

でてくる人,本も,「幸せな選択,不幸な選択」(ポール・ドーラン ),「失敗の科学 失敗から学習する組織,学習できない組織」(マシュー・サイド),ダニエル・カーネマン,ファインマン,バートランド・ラッセルと等々と,常識的で好感が持てる。

フォーカスイリュージョンの指摘も重要だし,出来るだけ試した方がいいということで,秘書(の面接)問題の指摘もある。ひとりの秘書の採用に100人のの応募があったとき,面接と決定はどうすればよいか。「「最初の37人」は、面接はしても全員不採用にして、ひとまずその37人の中でもっとも優秀な女性のレベルを把握する。そしてその後も面接を続け、それまでの37人のうちもっとも優秀だった人のレベルを上回った最初の応募者を採用する」というのが「唯一の正解だそうだ。数学的な説明は例えば「高校数学の美しい物語」「秘書問題(お見合い問題)とその解法」(外部サイトにリンク)にある。

その他「生き方」というレベルでの対応や,「ビジネス」についての言説も鬼気迫るものがあるが追って紹介しよう。

一方,デジタル関係は苦手なようだ。著者は。静かな生活を送るには退けるというが,好きで飛込みたい人もいるだろう。読む本も1年20冊という。これで済めばいいが,私もあれこれ追いかけはやめよう。

次に,邦訳の順番に,英訳を付加して,52の論考を並べる。

 

法とルール

-高齢者の法律相談に回答する1-

何をしたいのか

「高齢者の法律相談に回答する-私たちの生活と終活-」という項目を作ってみようと思う。

私も一歩を踏み入れつつある「高齢者」の「生活と終活」についての(私自身も関係する)様々な問題について,「法律問題」を主軸にしながら,もう少し視野を広げて,回答,調査,説明することにしてみたいと思う。

最近は「高齢者」に関する本も多く出されており,参考になるが,一番の問題は,高齢者として,あるいはその家族として,何から手を付ければいいのか,何が問題なのかが,いくら本に囲まれても,それだけでは分からないということであろう。もちろん,地域,職場には相談に乗って下さる方もいるであろうが,この複雑な社会の当事者の状況も千差万別である中で,公私の制度をにらみつつ,様々な問題に適切に回答するのは簡単ではない。

それは私にとっても同じだが,弁護士という立場から検討できることと,私にとっても切実な問題なので,ある水準は確保できるであろう。

当面,次の2冊をとっかかりにしよう。いずれも「辛口」の本である。

超高齢社会の法律,何が問題なのか」 (著者:樋口範雄)

超高齢社会の基礎知識」(著者:鈴木隆雄)

構成

高齢者にとってもっとも切実な問題である「居場所と食動の確保」を柱としよう。その次は,いわゆる終活である。そしてこれらを円滑に進めるためには,現況を記録することが重要だ。これらについて弁護士へ相談したりとホームロイヤーを依頼することも考えよう。

加えて,毎日を充実させるために,「健康」,「生活の彩り」,「高齢者を論じた本を読もう」を取り上げよう。

今考えている構成は,次のとおりだ。

  • 居場所と食動の確保
    • 基本的選択
    • 介護と医療
    • 意思決定と遂行-管理者・補助者の依頼
    • 資金手当
      • 資産
      • 仕事と事業
  • 終活
    • 遺言
    • 終末医療
  • 現況を記録する
  • 相談とホームロイヤー
  • 健康
  • 生活の彩り
  • 高齢者を論じた本を読もう
    • 超高齢社会の基礎知識
    • 日本人の勝算
    • ライフシフト(LIFE SHIFT)
    • ケアを問いなおす
    • 超高齢社会の法律、何が問題なのか
    • 東大がつくった高齢社会の教科書: 長寿時代の人生設計と社会創造 東京大学高齢社会総合研究機構
    • 東大が考える100歳までの人生設計 ヘルシーエイジング 東京大学高齢社会総合研究機構
    • 未来の年表1,2

次の「項目」に関連する記事が載っている。

私が考えること

ここで私が取り上げていることは,主として高齢者個人から見た「問題解決」である。だが高齢者にとっても社会における「価値創造」,社会への「参加」が重要である。それがたとえほほえみであっても。それが生きるということだろう。